神奈川県議会議員 松崎淳 公式ブログ 夢あきらめないで!

僕らの東京湾を取り戻せ!

取り戻せ東京湾、江戸前ブランド復活へ!
環境農政常任委員会で質問に立ちました。
松崎
 東京湾で漁獲される魚介類は昔から、江戸前と言われ多くの人に親しみ食されてきた。その中で特に横浜のブランドとして扱われている水産物にはどのようなものがあり、その最近の水揚げ状況はどのようなものか、あくまで確認ですが。
環境農政局
 シャコは、平成元年に1,080トンの漁獲がありましたが、平成17年には57トンまで減少し、現在は、禁漁と試験操業を繰り返しながら、資源回復を待っています。
 アナゴは、平成4年に約1,000トンを漁獲するまで増えましたが、その後、減少し、近年は200トン前後を推移しています。
松崎  ここ何年も東京湾での水揚げが思わしくないが、その原因が何かわかっていますか。
環境農政局
  水揚げの減少については、県の水産技術センターが調査を行っております。現在、考えられている要因は、海底に生息している餌生物が減少しているのではないかということ、海底の酸素が少なくなる貧酸素水塊が漁場の環境を大きく変えているのではないか、これら要因がからんでいるのではないかと考えられています。
  また、海水温の上昇などに見られる地球温暖化も影響しているのではないかという意見もございます。
松崎  温暖化によって海水温が上昇しているとも言われているし、先般当委員会でも県内調査を行った際には無酸素水または貧酸素水塊が底びき網を行う場所にあるという問題について米山水産技術センター所長も言っていた。そういった温暖化や貧酸素水塊についてどういう影響や問題があると考えているのか。
環境農政局
 海水温の上昇が、漁場に与える影響が考えられています。ノリ養殖業ですと、水温はある程度低くないとノリが生長しません。そういう意味では漁期が変わってきているところがあります。
  また、水温上昇とともに海底で富栄養化されたものが、プランクトンなどの死骸が蓄積いたしますと酸化還元現象が起こりますので、酸素が足りなくなります。そういう状況によりまして、海底で無酸素水塊ができます。それによって海底に生息する生物が逃げ惑う或いは死滅するという影響が出てきます。このようなことが今影響として考えられています。
松崎  ほんとうに無酸素なのか?目の前の海ですさまじいことになっている。貧酸素水塊は硫化物という毒性も含まれ生きものが死滅していると聞く。貧酸素の塊が小さいものではなくて超巨大なものであり、生き物が何とか生きている状況で、海底自体がもたないということなのか。対策をとると言ってもこれも結局は環境問題につながっていくが、簡単にひとつの自治体で対策がとれるというものでもない。対策はどれくらいのスケールで行わないといけないのか。
環境農政局
 主な原因と考えられているのは、海底の砂を取った後の砂堀の跡地が千葉県、東京都の地先に点在しています。ここが基本的な大きな原因となっていまして、そこでは水の対流がほとんど起こらないことから無酸素水がそこから発生して、夏場に広がっていきます。
 主な対策として今、考えられているのは掘った後の窪地を埋めるというのが一番適切な方法なのですが、掘った量について例えますと宮ケ瀬湖の約半分を埋めるくらいの土砂が必要であるというふうに言われております。ですから事業費その他作業を考えますと一朝一夕ではいかないということになります。
  現在、国、国立環境研究所等、千葉県、東京都、本県も含めて研究機関などで協議しながらどういう方法ができるのか含めて協議をし続けているところでございます。
松崎  協議していただくことは結構だが、協議している間に生態系は大きく崩れてしまい東京湾そのものが失われてゆく、漁業者は続けられなくなって後継者もいなくなって漁業が消滅してしまう感じになってしまう。必要な予算はどれくらいで現実にさける予算の配分はどれくらいで、何年くらいかけてどういう形でやるのか具体的な対策というか計画をたてた対策をどうするのか実践的な協議を精力的に進めていただきたいのだが。
環境農政局
 東京湾の資源が貧酸素水塊によって非常に厳しい状況であることは十分に承知してございます。これは東京都、千葉県も同じように変わりありません。
 いろいろなチャンネルを使いまして、国に対して主導権をにぎってやっていただくように働きかけてございますので、その点を十分に認識しながら一都二県、国に対して、いろいろなチャンネルを使って今後とも働きかけてまいります。
松崎  切迫感を共有して具体的な手をドンドン打っていかないと間に合わない。早急な取り組みを求める。
松崎  我々県民も身近にある江戸前の魚あるいは食文化、生態系としての海を今後とも持続的に大切にしていきたいと思いますし、海と一緒に生きてきたことを考えていかないといけないと思う。東京湾漁業についてどう考えているのか。
環境農政局
 東京湾の主要な魚種であるシャコアナゴなどを江戸前の魚として、ブランド力を維持するためには資源を維持し、管理していくことが必要です。
 現在、横浜市漁協では休漁日や漁具の制限を定めた資源管理計画を作り、実施しております。例えば、シャコについては、小型底びき網の魚を獲る網の目を拡大し、小型のシャコを漁獲しない努力をしているほか、アナゴについては漁獲する筒の水抜き穴を13ミリメートル以上に拡大し、小さな魚を逃がす工夫をしております。
 県としては、漁業者自らが資源管理を推進しやすいように、シャコの資源量の推定調査やアナゴ稚魚の資源状況を調査するとともに、漁業者のニーズに対応した資源状況の情報を提供し、東京湾の資源管理型漁業の推進に努めてまいります。
松崎  横浜市内の漁業者は、江戸前の魚を首都圏へ供給していく役割を果たしてきた。魚介類の資源の減少や海の環境の変化などが原因で、魚を十分に水揚げできない中で資源管理、直販など工夫してきている。いま東京湾を取り戻さないと大変な事になる。早急に行動をおこさないと手遅れになる。この危機意識を具体的な対策にして取り組むよう強く求める。
  1. 2014/11/03(月) 22:48:46|
  2. 横浜市金沢区