神奈川県議会議員 松崎淳 公式ブログ 夢あきらめないで!

保育の充実というとき、政治や行政はベビーシッターのことについて何処まで現状や課題について向き合ってきたか?

ベビーシッター中の幼児の死亡について>
県民企業常任委員会(平成26年3月18日)での質問
※事件が報道されて時間の経たないうちの質問であり、至らない点も含めお気づきの点をご指摘を戴きたいと思います。

松崎委員
 私からは、埼玉県で発生したベビーシッター中の幼児が死亡されたことについて、何点か伺っていきたいと思う。
 質問に先立ち、亡くなられた方のご冥福を祈りますと共にご遺族のお悲しみ、お気持ちに思いを致し、二度とこのようなことが起きないように全力を尽くします。
 まず、報道によると今日の事件については、神奈川県警察本部の方で捜査が続行されているという状況にあるから、この委員会の場で質疑等を通じて明らかにできる点も限りがあるということは十分認識をしている。
 さりながら、この事がいわば照らし出している課題というものは大変に大きくて深いということも同時に受け止めさせていただいているところなので、そうした思いで質疑をさせていただきたいと思っている。
 まず伺うが、ベビーシッターについては、どのような事業を指すのか、定義があるのか。
 また、今回の事件の保育事業は、ベビーシッターに該当するのか。

次世代育成課長
ベビーシッターという事業について、法令上の定義が定められていないが、一般的には、保育者を派遣して、派遣先で保育を行う業態を指していると解している。
 今回の事件については、報道によると、特定の場所でお子さんの保育を行っており、場所を特定して保育を行うということになると、認可外保育施設に該当する可能性があると受け止めている。

松崎委員
 相手方を信じてわが子を預けて、このような深刻かつ重大な結果がおきているということを踏まえると、そして、本県を舞台にということを考えると、やるせない想い、切ない想いがするのだが、報道によれば、ベビーシッターに関する資格だとか規制は特にないということだが、これは全くの野放しということを意味しているのか。

次世代育成課長
 ベビーシッターという保育の業態は、従前はどちらかというと富裕なご家庭のお子さんの保育で使われてきたという経過がある。そういった事業を手がけていらした事業者の方が、厚生労働省所管の公益社団法人全国保育サービス協会という事業者団体を作られている。厚生労働省ではこの業界団体を通じて自主規制であるとか、自主的な研修、こういった取り組みを通じた質の向上を図っていると承知している。ただ、入会されているのは一部の業者ということで、されていない零細事業も多いということで承知しているところである。

松崎委員
 この質問に至るまでの間、今日一日の間に私のところにはこの事件について、メールで多数の声が届いている。その中では、ご自身の体験として、介護と子育てを両方1人で行わなければいけなくなったときに、ベビーシッターを利用しようと思ったことがある方もあった。
 また、この事件について、深刻に受け止めて、県あるいは市町村が、対策を講じるということを早めに立ち上がってもらいたいという意見もいただいている。
 そこでお聞きするが、今回の事件の背後には、子どもの預け先が、困ったときに頼めるところが、簡単には見つからないという保育事情があると私は思う。今の制度にあって、子どもを一時的に預かってくれる公的なサービスにはどのようなものがあって、県内では果たして十分に提供されている状況なのか。

次世代育成課長
 まず、昼間の時間帯に、一時的にお子さんを預かる公的な事業としては、一時預かり事業というものがある。こちらについては、先日の常任委員会でもご質問いただいたが、保育所で実施されている例が多い。そして、県内の保育所待機児童が多い中で、本来の一時預かりの目的のために、利用できる枠が非常に限られている。というのは、実質的には、短時間の就労で認可保育所に入れないとか、あるいは認可保育所の順番待ちをしている間のつなぎの保育という形で、多く利用されており、緊急でお子様を預けたいといっても、利用枠がなかなか空いていないというような状況がある。
 また、宿泊を伴う場合のサービスとしては、児童養護施設を活用し、ショートステイ、トワイライトステイといった事業もあるが、実施されている場所は極めて限られている。また、場所が児童養護施設ということで、利用する側にとっても、また受け入れる児童養護施設の方も、他のお子さんはご家庭に帰れないという中で、ご家庭のお迎えのあるお子さんを預かるということについては、なかなか取り組みが進んでいない状況である。

松崎委員
 今の答弁を聞いていると、実際に困った場合に、むしろこうした一時預かりのような事業に巡りあえることの方が難しいということか。そうすると、インターネット上などで、簡単にアクセスができて、相手は分からないんだけれど、親切そうなことがいろいろ書いてあるということになると、そこにやっぱり困った方というのは、飛びついていくというみたいなことにどうしてもなりはしないか。

次世代育成課長
 今回の報道に接し、今ご説明させていただいたような、県内における子育て支援の厳しい環境ということを改めて認識しているところである。大変残念な事件と受け止めているところである。

松崎委員
 確かに新しい制度について、私ども委員会ではこれまで議論を重ね、様々な課題を同時にいろいろな形で掘り下げてきた。しかし、この事件が起きて感じるのは、我々が議論をして視野の中に全て入っていると思っていたことが、実はそうではなくて、現実に困っていらっしゃる方々のところには、十分に手が届いていないというか、光が当たっていないということが、逆に、私にははっきりしてきたのかなと思うが、今の課長の答弁からも、そのことについての残念さ、悔しさが受け止められるが、これをどういうふうにしていったら、解決ができて、2度とこのようなことがおきないようにするためには、どういう手を打たないといけないかということを真剣に今考えないといけないと思うが、その点なにか、今起きている中でお聞きするのもなんだが、いかがか。何かお考えはあるか。

次世代育成課長
 本日この事件をうけて、田村厚生労働大臣が、記者会見で、「今までも近所の知り合いの人に預けるとか、こういったお子さんを預かるということは頻繁に行われてきているわけで、そこまで規制するのかという声もある。そういった中で、まずは実態調査をして結果を見て、どのような問題があるのか分析して、どうすべきか考えたい。」という見解を示されている。
 そういった中で、国で実態調査に乗り出すということであるので、県としても必要な協力をしていきたいと思っている。
 それから、私どもで子育て支援情報サービスかながわという、外部のサイトであるが、県が委託している子育て支援の情報を発信しているサイトがあり、年間100万件以上のアクセスをいただいているところである。今回の事件で、保護者の方は預かってくださる方の本名や住所、そういったものも確認せずに、預けてしまっているといった報道がなされているので、これらサイトを使って注意喚起を早急に図ってまいりたいと思う。

松崎委員
 ぜひ注意喚起を行っていただきたい、また有効な手立てというものをしっかりと打ち出して、事業者というべきかどうか、それらの方々についても一定のルールを明確にして登録していただくなり、あるいは第三者機関みたいなところで、しっかりとそこはチェックをかけるということをご検討いただきたいと思う。
 なにしろ我が子を預けたところがこのような思わぬ事態になるということはあってはならないことであり、しかもそれがインターネットで容易にアクセスできていたということからすると、一体どういう実態があるのか、そして課題は何なのかということを早急に掘り下げる、そしてこれから結論を出すのを待つのではなくて、神奈川県としても、あるいは市町村と連携をしながら、実際に暮らしている方々が実際に何に困っていて、どういう手立てが必要なのかということを、もう一度よくお調べいただき、そして必要な手立てを講じていただくことをお願いしたいと思う。
 今回のケースは、確かに本名や、住所を確認しないで見ず知らずの他人の男に子どもを預けてしまったということがある。しかし、現実にはインターネットを介してベビーシッターの利用が行われているということであり、その実態、数、それから規模ということは、なかなか想定もつかないところである。
 県としては、保護者への注意喚起を急ぐことはもちろんであるが、一時的に子どもを預かる公的な保育サービスの充実、それが子ども・子育て支援新制度においても図られるように市町村への働きかけ、そして国への働きかけを強めていただくことを強く要望する。
  1. 2014/04/20(日) 18:17:28|
  2. こども

論争 人材の国づくりは神奈川から㊱ 常任委員会編

平成25年6月21日 神奈川県議会 県民企業常任委員会での質疑
①保育に携わる人材の確保と専門人材の育成について

松崎:子育て支援のための新しい制度について、私からは保育所整備に伴って必要となる保育士のことについてまず伺っていきたいと思う。保育士不足が生じているということは、すでに多くの人が知っているところであるが、急ピッチで進む保育所整備というところがその背景にあると思う。ただ、当局の説明を聞いていても、やはり人材の育成ということは大変重要な部分で、県の施策という意味でも、広域性、あるいは専門性というところからは、やはり必須の記載事項に計画の中でもなっているということであるから、まずその点を聞いていくが、どのくらいの保育士が保育の仕事に現在県内で従事しているのかということと、年間何人ぐらい新たに保育士が増えているのかを聞く。
次世代育成課長:昨年4月1日時点での県内の認可保育所における保育士の従事者数は、18,347人である。新たな保育士の増の部分だが、県内の保育士養成校をこの3月に卒業し、資格を取得した方が2,451人、それから保育士資格については、保育士試験に合格することによっても資格を取得することができ、その保育士試験、神奈川県の保育士試験の合格者が920名、合計で3,371人が昨年の新たに資格を取得したところである。
松崎:実際には最初に申し上げたとおり保育士不足の規模が明らかになっているが、保育士の数を確保するために県が独自に今行っている取組みは何なのかお答え願いたい。
次世代育成課長:県独自の取組みということでは、新たに就業する保育士の確保と、離職防止に取り組んでいる面がある。
 まず、共通の取組みとして県内の児童福祉施設に多年勤務して、特に顕著な業績がある保育士に対して知事がほう賞する、神奈川県保育賞を実施している。この保育賞は、現場の保育士の皆さんが保育の仕事を継続する上での、大きな励みになっているという保育関係者のお声を頂いているところである。同時に、保育賞授賞式には、県内の保育士養成校の学生が参加し、受賞者のメッセージを直接聞いて、保育の仕事のすばらしさ、やりがいを実感し、保育士を目指す志を一層強くする機会となっていると、養成校の関係者から評価を頂いているところである。
 さらに近年、課題を抱えた子どもや保護者への対応で燃え尽きてしまって、離職する保育士が増加傾向にあるので、平成24年度から虐待を受けたお子さんや、虐待傾向にある保護者、あるいは、発達障害があって育てにくいなど課題のある子どもへの支援についての専門研修を実施している。この研修は、施設長や主任保育士を対象とした集合研修と共に、保育所の現場に専門家を派遣して職場ぐるみで実施する研修を行い、保育士が個人で問題を抱えこんでしまって離職につながることがないよう、組織としての対応力強化に重点を置いたものとしているところである。
松崎:確かに、賞によって汗をかいている方の現場での営みというものに対してきちっと光を当てるということは大切だと思うし、また専門研修、あるいは1人にしない、チームで対処するというようなところも、これからもっと大事になるんだろうと思うが、ただ一方で、保育人材の不足というのはそれを遥かに上回るような勢いで、今深刻になりつつあると思う。そこで、県の同じような取組みで考えられるのは、看護師に対して資格を持っておられる、経験のある方に、潜在看護師の方々に対して、もう一度職場について頂けないかというような取組みをしていると思うが、同じような形で、資格を持っておられる経験のある方々に、もう一度カムバックしていただくようなそういった取組みはやっていないか。なにか考えていないか。
次世代育成課長:いわゆる潜在保育士の再就職の問題であるが、この部分については県からの委託により、神奈川県社会福祉協議会のかながわ福祉人材センターにおいて、求職希望の福祉人材の方に登録をしていただき、就職の紹介、斡旋をする福祉人材バンク、それからそういったご希望の方に、就職支援のガイダンスなどの実施をしており、保育士も社会福祉人材の一環として、対象として取組みをさせていただいている。
 ただ、委員ご指摘のように非常に保育士の不足が顕在化しているので、こういったものについて今後検討をさらにする必要があると受け止めているところである。
松崎:そういう取組みをぜひ拡充をしていかないと、課題の解決というのはなかなか難しいのかなと。そういうセンター機能というようなものも、それ自体ももっと評価しないと、そこだけでは、やはりなかなか細い枝の幹だけでは、受け止め切れないものがたくさんあるのかなと思う。それと、もう一つだが、横浜市は確かに待機児童ゼロということで、林市長は、全国的に阿部総理も含めてスポットを当てていると思う。我々若手としてもそこを評価しているわけであるが、その一方でさっきおっしゃっていたみたいに、これから幼稚園のことを考えるときに幼稚園の経営に当たられている方ご自身が選択をどうするかということもかなり悩まれている方なので、それとおなじようにやっぱりということは、粋をなす利用者の方々も、保育の面も含めてどういうふうに選択をしていこうかということがこれからかなり悩まれる場面が出てくると思う。待機児童ゼロになったという横浜市の場合、保育コンシェルジュという言葉が非常に脚光を浴びているが、これを具体的に県はどういうふうに見ていて、利用者サイドの視点に立ってどういうガイダンスも含めて働きが必要なのか、あるいはそういう人材は横浜にはいるけど、神奈川県全体としてみた場合は、どれくらいおられるのか、足りないとしたらどうするのか、たくさん聞いてしまうが、考え方があったら、考え方だけでも示していただけないか。
次世代育成課長:委員ご指摘のように、新制度においては、利用者にとっては教育・保育の必要量の認定制度、それから現在の認可保育所以外にも小規模保育などいろいろな保育事業が導入されており、選択の支援というものは非常に重要になってくるものと考えている。そういった中で市町村が利用者支援を行うということが、子ども・子育て支援法と児童福祉法双方に位置づけられたところであり、市町村の取組みをしっかりとやっていただくことが重要であるというふうに受け止めている。
 こういった相談や支援を行っていただく人材としては、保育に関する幅広い知識と共に、当事者によりそって、当事者の立場に立った相談技術を持っている方が必要となってくると受け止めている。
 このため、具体的な人材としては、保育士など保育の専門家の方、県内に子育ての当事者の立場で保育関係の情報の収集・提供を行っているような子育て支援のNPO等もある。そういった方たちの活用が想定されるところかと思う。
利用者支援事業については、国の子ども・子育て会議などでもいろいろ検討が進められるようであるので、そういった検討に注視しながら、本県として取組みを進めて行きたいと考えている。
松崎:今までいろいろ伺って来たところで、若干整理させて頂くと、一つは保育士が足りないから確保しなければいけないということ、そのためには、新たに保育士を志す人たちと、すでに経験のある人たちを掘り起こさなければならない。それから受け止めるための人材センターみたいなところも、もっと機能強化しないといけないし、幹から伸びる枝みたいな役割をなさる方々も、必要である。それから、今おっしゃったNPO等の連携というものもあるし、まして専門人材の養成、確保が必要だ。そして、幅広い知識とさっきおっしゃったが、私は、経験ということも当然含んでいるのだと思う。そうすると、幅広い知識、経験プラス寄り添うハートのある人に、こういうコンシェルジュみたいなものを横浜以外のところでもしっかりやってもらいたい。そうするとやらなきゃいけないことがすごくたくさんあるではないか。これについて、ではどういうふうに、具体的に複数年度でどれくらいの達成をいつ頃までにやろうか、予算的な手当てをどうしようかというのは、子ども・子育て会議を設置するというけど、その中で解決できるのか。そうではなく、地域のニーズやら何やら全部把握しようとしたら、そんな会議とか20人いないとかで、私にはなかなか900万人の県で、20人がマックスでそれで解決いかないだろうと思うが、どうか。
次世代育成課長:実は新制度においては、さらに幼保連携型の認定子ども園では、幼稚園教諭と保育士資格を併用する保育教諭という資格が新設されたり、あるいは放課後児童クラブの指導員にも資格制度が導入されたりといったことが予定されている。そういった資格制度の導入に伴い、その資格取得の支援といった部分も県の役割となってくる。
 今、20人の子ども・子育て会議でという話があったが、子ども・子育て会議には部会を設けることもできるので、大変大きな問題なので、専門の委員なども加わっていただいて、集中的、専門的な検討を行うということと、市町村とも連携してやっていったり、NPOと連携してやっていったりというようなこともあるので、子ども・子育て会議の場だけでなく、平行してそういった検討も進めて、集約する場として子ども・子育て会議を活用させていただくというような、そのようなことになろうかと考えている。
松崎:今答弁の中でも大変スケールの大きい問題だというお話があり、私もそう思う。そしてもうひとつは政令市との関係。横浜は横浜でやっているが、県としてはやっぱりそれにきちっとした県としての役割、特に専門人材や人材確保、育成の問題は、県が非常に主導的にこれから関わっていくということか。そこで県民局長にお聞きしたい。政令市との関係も含めて、これからどういう人材確保、育成策というのをトータルで考えていくのか、ご所見があればぜひ伺いたいと思う。
県民局長:子ども・子育ての新制度、27年4月本格スタートということが予定されている。これは、やはりこれまでの間の中で一番大きな変更を、当事者、利用者にとっても、また、それから事業者にとっても、市町村にとっても大きな影響を及ぼすものである。
 その中で、神奈川県、つまり都道府県の役割というものが、子ども・子育ての実施の主体は市町村ということであるが、広域自治体としての都道府県は、ご指摘のとおり保育士を含めた専門人材、この確保、育成、そしてまた障害を持った子ども、あるいは社会的養護を必要とする子どもへの支援を、専門的、広域的な視点から、しっかり取り組まなければならないと考えている。
 このため、今回子ども・子育て会議の設置の提案をさせていただいているが、それだけではなく、日ごろから市町村としっかりと連携をとること、それから幼稚園、保育園等々当事者の方々と情報交換を密にしてしっかりとやる。そういうことを通じて、保育所あるいは幼保連携型のこども園、あるいは幼稚園というハードの部分もしっかりと整備していき、それを支える多様な人材、これも新たな育成の部分もあるだろうし、潜在保育士さんと呼ばれる方々をもう一度職場に戻ってもらうためにどうしたらいいか、ということもしっかり並行して、考えながら、27年4月が円滑にスタートできるように我々としては大きな問題と受け止めて、取り組んでいく所存である。
松崎:この子ども・子育て支援の新制度が、充実したものとなるかどうか、ということについては、子どもや親子に直接接して支援を行う、今まさにテーマとさせていただいた、専門人材の確保、それからその専門という部分の専門性の向上、これが鍵を握っていることは言うまでもないと思う。県が、ぜひ専門的広域的な機能を発揮して、政令市も含めて、この子ども・子育て支援の人材育成について、しっかりと取り組んでいくよう要望して、もう一問、次の質問に入りたいと思う。
  1. 2013/08/05(月) 06:40:04|
  2. こども