神奈川県議会議員 松崎淳 公式ブログ 夢あきらめないで!

論争 財政改革❾  本会議編

神奈川県議会 平成19年9月定例会本会議での一般質問と答弁から

神奈川県国民健康保険団体連合会の平成17年度の決算状況を見ると、収入済額から支出済額を差し引いた差引残高は19億 8,800万円であり翌年度への繰越金となっている。毎年の差引残高が十数億円という状況が続いており、年度を跨いで繰り越されている。
   神奈川県国民健康保険団体連合会の決算については、市町村等の保険者の承
認を得ているというが、剰余金が長年にわたり繰り越されていることについて、
神奈川県国民健康保険団体連合会の設立を認可している県の助言指導も適切ではなかったのではないかと思っている。
   そこで、以上のことについて、私は、昨年度の厚生常任委員会において指摘し、剰余金の縮減及びその活用に向けての県の神奈川県国民健康保険団体連合
会に対するさらなる助言指導についてお願いしてきたところであるが、改めて、
県として今後どのように対応していくのか、伺いたい。
○ 知事答弁
○ 次に、神奈川県国民健康保険団体連合会の剰余金についてのお尋ねをいただきました。
○ 神奈川県国民健康保険団体連合会、いわゆる国保連は、その設立目的を達成するために保険者との契約等に基づき事業を行っていることから、事業内容、事業方針、財政運営等については、当事者である保険者と国保連で決定されるものでございます。 
○ 県としては、議員からお話のありました剰余金についても、保険者である市町村等と国保連で構成する総会等において十分な協議を行っていただくことが適切であると考えております。
○ これまでも、県では、国保連に対して、
・ 剰余金の扱いについて、様々な機会を捉えて保険者と率直な意見交換を行い、的確な意向把握に努めること
・ 剰余金の具体的な縮減や活用については、運営協議会、理事会、総会の場で十分な協議を行い、保険者との合意形成を図ること
 等を強く助言指導してきたところでございます。
○ こうしたことから、現在、国保連では、後期高齢者医療の審査支払事務の受託決定や特定健診等の実施に伴うシステム構築の見込み等を踏まえ、剰余金を含めた今後の財政計画についての協議を重ねており、保険者の全員が出席する来年2月の総会に諮り、承認を得ていく予定であると伺っております。
○ したがいまして、県としては、引き続き、この剰余金について保険者の合意が得られる形で対応がなされるよう注視し、国保連に対して必要な助言指導を行ってまいります。
● (再質問) 国保連の会計は、1兆 3,000億円と巨額であるのに透明性が担保されていないという問題がある。毎年の剰余金については、昨年度の厚生常任委員会で要求した決算資料においても記載されていない。毎年繰り返されてきたこうした事実、あるいは金額に至っては県民から見れば全く不明である。また、剰余金や繰越金の使途についても疑問なしとしません。
私が調べでみますと、剰余金や繰越金はレセプトの磁気化ということに投入されています。システムの開発からスタートしており、よく調べてみますと、レセプト審査の迅速化、高度化ということは、他都道府県共通の課題でありまして、聞くところによりますと、東京は東京でシステム開発から始め、埼玉は埼玉でシステム開発から始めているということであります。
しかし、審査の対象は診療報酬の支払請求という原点は同じでありますから、各都県共通で開発できるものもあるはずです。しかし、1回で済むものを各都県でやるのはいかにも無駄であると思う。
 そして、さらには、説明責任を果たさなくても是正改善を命ずることすらできないという問題であります。
県内で国民健康保険に加入している方は、 324万人であります。また、国保連では、介護保険や支援費についても会費を預かっています。そういう人たちの支払った保険料が毎年剰余金となっても、それは余りっぱなしになっていて、また、事実を公表しなくても、あるいは無駄に無駄を重ねるように使われても、誰も「おかしい」とか「きちんとしてください」と言うことが、果たして、言えないのでしょうか。
  実は、国民健康保険法第 108条で、県は国保連に是正改善命令が出せるんです。それで、昨年度の委員会質疑でも、県は厚生労働省に問い合わせており、同法では剰余金の多額について規制する規定はないから是正命令は出せないという見解を、わざわざ厚生労働省からいただいているということです。結果として、1兆 3,000億という巨額なお金を預かっている国保連の説明責任というのは、今もってうやむやのままであると言わざるを得ません。
 そうすると、果たしてまじめに保険料を払っている方々、あるいはこれから負担増、これまでも負担増を求められてきた県民に納得してもらえるかどうかという点なんです。
これに対して、言うべきことは言うというスタンスでこられた松沢知事ですから、この点について直ちにこのことを次々と問題点として出してもらいたいというよりも、きっちりと受けとめてどのようにしたらよりよい形で県民に見える形にできるかということをご検討いただけないものか、伺いたい。

知事答弁
○ 剰余金の使途に関して様々な問題があるということは、松崎議員ご指摘のとおりであると思います。
○ 国民健康保険制度は、給付と負担の公平を図り、安定的で持続可能な制度とすることが不可欠でありますから、これは全国レベルの課題として取り組んでいく必要があると考えております。
○ 私どもとしても、この改善の指導を適宜行っているわけでありますが、ただ、この法的な担保の中で、それを是正命令とか勧告というところまでは、私たちは越権行為だという判断を持っております。
○ そこでですね、今、全国知事会の方で、これは市町村ではなく国を保険者とする国民健康保険制度の一元化を図っていく、それでないとずーっとこうした問題がついてまわりますから、それを全国知事会として要望しておりまして、県としても、その方向で改善を求めてまいりたいと考えております。
  1. 2013/05/09(木) 05:15:30|
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論争 財政改革❽  厚生常任委員会編

平成19年2月28日 厚生常任委員会質疑のまとめ

<神奈川県国民健康保険団体連合会に対するその後の対応について(医療課)>

松崎 ● 12月定例会で、神奈川県国民健康保険団体連合会の剰余金に関していろいろと質問し、答弁をいただき、また、要望も行ったところであるが、それに関連して何点か伺いたい。
● まず、12月定例会でいろいろ議論させていただいたが、その12月定例会の後、県としてどのような対応をしたのか伺いたい。
医療課長 ○ 12月の常任委員会において、委員から国民健康保険団体連合会の剰余金の扱いについてのご質問、ご要望をいただいたところである。常任委員会の最終日の翌日に私自身が国保連に出向き、常任委員会で出された質疑の状況を伝えるとともに、多額となっている剰余金の扱いについて検討するよう指導を行ったところである。
○ また、2月7日及び8日に国保連に対して行った定期指導の場でも、改めて、剰余金の縮減やその活用について理事会等で保険者の方々と十分な協議を行い、合意形成を図ること、また、場合によっては理事会等以外の場でも率直な意見交換を行うよう指導したところである。
松崎 ● 医療課長が自ら出向いて指導を行ったということである。直接出向いて指導を行ったその根底にある考え方はどういうことなのか伺いたい。
医療課長 ○ 12月の常任委員会でもご質問いただいたところであるが、国保連に多額の剰余金が集まるということで、その内容について、国保連とそれを構成する市町村に十分お考えいただいて、この額が適当なものなのかについて協議いただくようお願いをするという考え方である。
松崎 ● そういう県の指導を受けて、今、国保連ではどのような対応をとっているのか伺いたい。
医療課長 ○ 今月国保連の方でもいくつか会議が開かれている。例えば、2月2日に保険者の代表で構成する国保連運営協議会、2月14日に理事会、また2月23日に総会が開かれ、その場において、来年度の予算等についての審議が行われている。その場で剰余金の取扱いについて国保連の方から説明し、その中で意見交換が行われたと聞いている。
○ そこでは、剰余金の活用については将来の財政と併せて考えていきたい事を基本として、ただ、国保連の場合は、状況が大きく変わっており、医療制度改革やIT化の推進への対応が求められているということで、今後5年位の業務運営及び財政の見通しを考えなくてはいけなくなっている。ただその場合、平成20年度からスタートする高齢者医療制度の審査・支払業務を国保連で受託できるかということも大きく影響を受けるので、今、具体的な財政見通しは決められないが、その中で剰余金の縮減やその活用について一緒に考えていきましょう、という事で国保連の方から説明をして、保険者の方々からご了解を得られたと聞いているところである。
松崎 ● 県としてそれではどのような対応が可能で、またどう対応していくつもりなのか伺いたい。
医療課長 ○ 県としての今後の対応ということであるが、県は、国保連に対して、財産の管理執行等について、経費の不当支出とか財産の不当処分等の法令等に違反する場合には、国民健康保険法第108条の規定に基づき、是正改善命令等ができることになっている。
○ 今回ご指摘のあった剰余金について県としては是正改善命令するものではないと考えているところであるが、改めて厚生労働省に確認したところ、「国民健康保険法では剰余金について規制する規定はないことから、剰余金の多額が法第108条の違法・不当には当たることはなく、県が、この規定に基づき是正命令等を行うことはできない。」との見解が示され、その理由として、「国保連の業務は、保険者との契約に基づき行われるものであり県はそれを尊重して対応せざるを得ないこと、また、決算の認定に当たっては保険者も総会に出席する等して関わっているので、当事者間で十分話し合っていただく(問題である)。」という話であった。
○ したがって、県としては、保険者と国保連で構成する理事会等において、剰余金について十分話し合いをしていただき、決定されたこと尊重し、国保連が保険者と十分お話をしていただいて対応するよう、引き続き助言・指導という形で対応したいと思っている。
松崎 ● これからも引き続き助言・指導を行っていくということでよいか。
医療課長 ○ ただ今申し上げたとおり、引き続き十分国保連の方にはお話し合いをしていただくようお願いしていきたいと思っている。
松崎 ● 端的に言って、国民健康保険加入者が324万人、それで介護保険の改定も国保連でやるとなると、そちらと合わせると、支援費の関係も合わせるとだが、1兆5千億円、これは神奈川県の一般会計の1兆6千億円とほぼ同額と言っていい額である。
● その中で、毎年10億円を超える剰余金が出ていて、しかもそのことが、あの会計決算要求資料の中にも計上されていないのだから浮かび上がらず、関係者しか知り得ないという状況の中で、余剰金が各年度それぞれ生まれ、そして多額の繰越が行われてきたということである。
● そのことを当委員会で指摘し、助言・指導を実際に県は行ったというが、理事会等でも議論があったというが、申すまでもないが、その剰余金の使途が、これから先会計が厳しくなるかもしれない、けれどもまた新たな会計が入ってくるかもしれない、この「かもしれない」が多過ぎる。過去に剰余金が積まれた繰越金の透明化をどのように図るかということである。扱っている会計そのものがまさに国民健康保険とかあるいは介護保険というような「公共の会計」であるので、その点について、発揮できる権限の範囲内とはいえ、きっちりと引き続き助言・指導を行っていただきたいと思う。県民の皆様、加入者の皆様から見えるようにしていただきたいという事がまず要望の1点である。
● それからもうひとつは、前回の定例会の質問の最後に申し上げたことだが、昨年の10月から現役並みの所得の高齢者は負担金が3割に引き上げられている。そして、現役並みでない方も1割負担がまもなく2割負担に変わろうとしている。保険だからその性格は違うとはいえ、まさに支払っている側が対価としてのサービスを受けるわけだから、お金を払っている側から会計の内容が一義的に明快でない、よく分からないままであってはいけないと思う。せっかくこれから指導・助言をするということなので、是非ともこの剰余金の今後の扱いを含めて透明化を図るよう助言・指導を行っていただくことを強く要望する。
  1. 2013/05/08(水) 07:26:44|
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