神奈川県議会議員 松崎淳 公式ブログ 夢あきらめないで!

不法投棄について質問に取り上げました。

この質問より★
松崎淳
ゴミ不法投棄対策に使った税金、その120万円があれば、本県はあれだけの緊急財政対策で削りに削ったわけですから、削らなくて済んだ事業がいくつもあったじゃありませんか!

平成27年3月3日 環境農政常任委員会での質疑のまとめ
廃棄物不法投棄対策について
松崎
 何年か前に環境農政常任委員会に所属した時にも、当時の部長に色々とお伺いしたことがあります。県民の方の中には、廃棄物に関しまして必ずしもルールを守ってくださらない方もいらっしゃいます、県は代執行を行ったり、あるいはごみ屋敷の問題に直面したり、さまざまな形で最後は県民の負担となって跳ね返ってくる問題ですので、敢えてまた取り上げさせていただきます。
廃棄物不法投棄や不適正処理は大きな社会問題であり、県民の生活環境に大きな影響を及ぼすものです。県民の生活環境を良好なものとして保全するためには、不法投棄や不適正処理に対して的確な対策を執ることが重要だと考えます。この度、行政手続法の改正を踏まえ、条例を改正するということなので、あらためて本県の不法投棄対策について、何点か伺ってまいります。
まず、神奈川県における廃棄物不法投棄や不適正処理の状況は、どのようになっているのでしょうか。
廃棄物指導課長
 本県の不法投棄についてですが、平成25年度の不法投棄の件数及び投棄量は、横浜市、川崎市など政令市を含めた県全体で1,460件、417トンとなっており、数字の増減はあるものの、ここ数年は件数、量ともに横ばいの傾向にあります。
内容につきましては、一般廃棄物系が多く、内訳として、多い順に廃プラスチック類、家具類、厨芥・雑芥、家庭電化製品、自転車などになっております。
なお、建設廃材のような産業廃棄物の大規模な不法投棄や不適正処理は減少していますが、いわゆる引越しごみのような一般廃棄物系の小規模な不法投棄が後を絶たない状況にあります。
松崎
 私の地元の金沢区に関してですと、例えばですが、金沢八景に出てくる平潟湾で、きれいな色の魚と自転車が見つかった。魚はブラジルなどで見られるもので、自転車はまだ乗れるだろうと思われるものがそのままの形で沈んでいました。以前ダイバーの方がその映像を撮っていて見せてもらいました。魚も実は投棄されたものでしょう。人は何故に自らの環境を自らの手で汚してしまうのか。行政としてもそれを放っておけない問題だと思います。
また平潟湾に注ぐ侍従川では、地域の大人と子どもから小学校の先生がみんなで侍従川をきれいにしようというクリーンナップ作戦をやって、ごみの投棄防止にも役立てています。そこでお伺いしますけれども、不法投棄や不適正処理に対してどういう対策をとっているのでしょうか。
廃棄物指導課長  
 対策としましては、未然防止が何よりも大切なことから、監視活動としまして、職員によるパトロールの他、市町村との合同パトロール、民間の事業者による委託パトロールを行っている他、監視カメラも設置して、不法投棄の抑止を図っています。
また、普及啓発も大事だということで、不法投棄撲滅キャンペーンや、各市町村が実施する環境美化キャンペーンなどに参加し、不法投棄をしない・させない・許さない地域づくりの普及に取り組んでおります。
松崎  
 不法投棄や不適正処理に対する取組方は難しいとか、知恵が要ると、住民の方は感じていらっしゃると思っております。なぜかというと、20軒建って1つ区画の中のどなたかがそれをなさったかもしれないし、比較的遠いけれど歩いていける距離の方の誰かが繰り返し捨てているかもしれない。その人とは近隣でお付き合いしていたり、町内会で顔を合わせている可能性がなくはない。あるいは、地域との連携がなく一人暮らしをなさっている方なのかもしれない。いずれにしても遠いところにいる人が捨てにくることももちろんあると思いますが、一方では自分たちの町の中の人にひょっとしたら捨てている人がいるかもしれない。そうすると、監視活動とか、取締り的なことというのは、それを住民の自治的な組織に求めても、なかなかそれを徹底するのは難しいものがあると思います。よく捨てられる場所に監視カメラを置いていこうというのはあると思いますけれども、一般的に住民同士がお互い監視しましょうみたいな事を行政として推奨できるでしょうか。あるいは、そうではなくて別の取組を考えているのであれば、お答えいただきたい。
廃棄物指導課長  
 先ほど説明しました監視カメラは、いわゆる道路とか農用地など人がいないところ、捨てやすいところ、トラックなどで運んできて捨ててしまうような不法投棄に対しての対策で、その他に監視活動、パトロールに取り組んでおります。
 今、委員がお話されたような、いわゆる住宅地など人が住んでいるところについては監視活動を行っておりません。当然、一般廃棄物が中心となってきますので、市町村の方でポイ捨て等に対する啓発活動を一生懸命行っていただいておりますが、自治体としてはなかなかなくならないと承知しております。これについては、啓発とか意識ということを変えていかなければならないと考えております。
松崎  
 買い物をしようと車でコンビニに行き、ごみ箱に直面するような場所に車を止めていると、スタスタと歩いてこられて、恐らくご自身のごみを捨てて、何気なく帰って行く人がおられたりします。そうしたことも含めて、モラルとか、人の道とか、世の中で当然行っていいところと悪いところをわきまえるということは、広い意味では環境問題なのかもしれませんが、やはり教育ですとか、家庭ですとか、あるいは、世の中のお互い様の中で自然とものを言わなくてもルールで強制しなくてもお互いがわかっているよねというような、倫理、常識の問題だと思います。そうしたことについて取っ掛かりだけでも、県や市町村などの行政が、最初だけは火起こしをして、後は住民の方々自身が家庭教育を含めてきちんとやっていくというように、啓発活動をやっていかければいけないのかなと思います。
課長の所管を超えているかもしれませんが、何かお考えがあったらお聞かせ願えないでしょうか。
廃棄物指導課長  
 こういう問題はいつも悩ましく、ポイ捨て等を含めてなくならないことだと思います。先ほどお話があったように、コンビニの前とかは、まさにごみ箱を置けば、皆さんが捨てに来てしまう。ごみ箱を置かないコンビニの前は非常に綺麗で、そのような取組もなされています。ごみ箱を置く方がよいのか、置かない方がよいのか、という議論もあるのですが、やはり、ある程度回収もしなければならないので、県も市町村も、廃棄物を扱う事業者さんも非常に懸念されています。やはり、意識の改革が一番だと考えます。美化キャンペーンとか、小さいお子さんや小学生に色々な標語を書いていただいたり、ポスターを書いていただいて、こういう問題に意識を持っていただいているのですけれども、やはり大きくなると捨ててしまう方も出てきてしまう。我々としてはそういう問題に対して地道に啓発に取り組んで、あきらめないで続けていくしかないと思っております。
松崎  
 あきらめないで、ということは、私も大切だと思っています。やはりそれでも最後は、県自身が関わることもありますし、市町村が関わることもあります。原状回復措置を取る場合、費用については、税金から一旦負担をしたとしても、原因者に負担を求めるということになろうかと思います。最後は法的な強制力の発動ということになると思いますが、年間どれくらい法的強制力を発動しているのか、また、どれくらい原因者からお金を回収出来ているのか、データがあればお答えください。
廃棄物指導課長  
 原状回復ということですが、行政代執行による原状回復は、平成17年度に代執行をした件以来、神奈川県ではございません。原因者が特定できて、なおかつ生活環境保全上の支障があり、放っておくと周辺に影響があるものについて代執行を行ったわけですけれども、それ以外で、例えば不適正保管などで周辺環境に影響がある、崩れて周りに影響があるような事案は、今現在のところはありませんので、代執行となるような案件はございません。ただ、県としては原状回復のため若干予算を取っておりまして、行為者が特定できない場合、放っておかれると更に捨てられてしまうとか、なかなか撤去できないような困難なところを選んで、大規模化を招く恐れのあるところについては、県独自の事業として不法投棄撤去事業を実施しております。平成26年度は、5箇所の撤去を実施したところです。
松崎  
 どのくらいのコストが掛かったかわかりますか。
廃棄物指導課長  
 5箇所で120万円程かかっております。
松崎  
 それは原因者に請求して返してもらったのですか。
廃棄物指導課長  
 残念ながら、原因者が特定できない場所なので回収出来ておりません。
松崎
 やはり由々しき問題だと思います。その120万円があれば、本県はあれだけの緊急財政対策で削りに削ったわけですから、削らなくて済んだ事業がいくつもあったと思います。小額のものから削ったはずです。年間非常にわずかな金額だけれども事業としてはずっと続いていたものもいくつもあったはずです。120万円あれば、恐らく幾つかはそのまま続けられたと思います。我々県会議員はそういう時に必ず何故なんだと矢面に立って説明をしてきたわけです。これは残念だと思います。
 それでは、これからどのように取り組んでいくつもりなのか、重ねてお聞きします。
廃棄物指導課長  
 不法投棄等は生活環境に大きな影響を及ぼします。行為者が特定できない場合は、土地の所有者に自ら撤去していただかなければならないなど、大きな経済的損失にも繋がるので、何より未然防止対策が重要と考えます。
これまで監視パトロールの実施や、監視カメラの設置など、市町村と連携して監視活動にあたってきました。
また、条例制定後は、不法投棄を許さない地域環境づくりを推進するため、県民の皆様から情報提供を求めるとともに、様々な機会を通して、普及啓発活動に努めてきました。
今後とも、パトロールやキャンペーンなどの取組みを継続していくことはもちろん、市町村、警察、県民の皆様と協力を十分に図り、連携を強化してまいりたいと考えております。
松崎  
 答弁にありましたとおり、平成17年度の代執行の時、まさに私は環境農政常任委員会の委員でありまして、色々な議論をしたことを昨日の事のように思い出します。
 不法投棄は、県民の生活環境を脅かす行為でありますし、また同時に、県民に新たな負担を生じさせるものでもあるわけです。税金を使って原状回復を行った結果、原因者に請求できないままになっているということからすると、まさに、県、県民にとって損失となっています。不法投棄対策は、県民、事業者、市町村あるいは警察とも連携を一層強めていただいて、対策に万全を期すように強く求めたいと思います。
  1. 2015/03/29(日) 21:59:42|
  2. 神奈川県

環境農政常任委員会で意見発表を行いました。

環境農政常任委員会に付託されております諸議案及び所管事項につきまして、民主党・かながわクラブを代表して意見を述べます。

まず、県立花と緑のふれあいセンター条例の一部改正についてです。
条例改正までして存続させていこうとするからには、条例改正により、県民の皆様にとって、具体的にどんなメリットが出てくるかということを、きっちりとお示ししなければなりません。県民の皆様から見て、安易な値上げというふうに誤解されては困ると思います。
今回の改正は、あくまで、変動利用料金制というところにいくのであって、閑散期には値下げをする、引き上げなくていい時期については据え置き、最盛期についても、他の施設よりもまだ低いところで、適切な料金設定に改めることだと受け止めました。変動利用料金制導入で得られる経営資源とか、体質の強化分は、利息をつけてきっちりと県民の方々に、形を変えて恩返しをするという感覚で取り組んでいただくよう要望します。

次に、ガソリンベーパー対策につきましては、
11月の九都県市首脳会議におきまして、ORVR車の早期義務付けを国に対して九都県市共同で要請すること、また、ORVR車の早期義務付けの必要性を、各種広報媒体による啓発・情報発信はもちろん、九都県市首脳会議から全国に発信することを、わが県の黒岩知事が提案し、九都県市全体で合意されました。
さらには、知事が九都県市首脳会議を代表して、望月環境大臣に面会のうえ要請書を手渡し、環境大臣より、直接、国としてもガソリンベーパー抑制について検討していかなければならない、取り組んでいかなければならないとの発言があったという報告もいただきました。さらには、知事ご自身が筆を取って週刊誌に寄稿されて情報発信されるなど、かねて要望したとおり、極めて積極的な取組がされていることを高く評価します。
このガソリンベーパー問題については、欧米では対策が進む中、東京、首都圏でのオリンピック開催を前に、我が国においても解決すべき課題であると考えます。
提案者である我が県がリーダー役として、きちんと責任を持ってORVR車の早期制度化を推進していく必要があります。引き続きの取組を進めていただくよう、よろしくお願いいたします。



次に、第7次栽培漁業基本計画の対象魚種と東京湾における貧酸素水塊への対応についてであります。
まず、貧酸素水塊については、東京都や千葉県などとも連携して情報交換を行い、共通認識を持ってさらに強力な取組を深化させ、進めるようお願いいたします。
また、東京湾には、江戸前ということでアナゴやタコなどの魚介類を提供してきた多くの漁業者の方々がおられます。東京湾から恵みを分けていただいて、またそれをお返しするという循環が続いていくためには、栽培漁業の取組は大変重要であります。
より放流効果の高い栽培漁業対象種に取り組んでいただくなど、江戸前の魚介類を供給する、本県の東京湾における漁業者のための取組を、引き続きよろしくお願いいたします。

次に、PCB廃棄物の処理につきましては、カネミ油症事件の報告もありましたけれども、2,000人以上の方々が実際に被害に遭われたことからも、行政は、安全なうちに結末をつけなければならない責務を負っていると理解しています。
制度的な担保が何も無いということであれば、担保を作り、遅滞なくPCB廃棄物の処理に取り組んでいただきたいと思います。
適正なPCB廃棄物の着実な処理を推進していただきたく、よろしくお願いいたします。

最後に、災害廃棄物の広域処理についてです。
マグニチュード7クラスの首都直下地震では、東日本大震災をはるかに超える、膨大な災害廃棄物の発生が懸念されています。
膨大な災害廃棄物の発生に対してどう備えるか、それは地震だけに限りません。例えば、火山の噴火ということを考えましても、膨大な火山灰を廃棄物とみた場合に、その火山灰をどう処理するか、すぐに答えが出ることではありません。
しかしながら、そうした課題についても被害を予測し、そして具体的にどのように処理するかを検討しておく必要があります。
そのためには、大量に発生する災害廃棄物を迅速に的確に処理をするということで、国、都道府県、市町村、民間団体による連携・協力体制を、あらかじめ築いておかなければなりません。
 県は、広域自治体としての役割を一層強化させていく方向にあります。そうした観点に立ちましても、やはり国に対して、地域の実情を踏まえて、きちんとものを言う、そして市町村に対しては広域的な処理をどのように進めるか指導的な、あるいは助言者としての役割をもっとしっかりと果たす必要があると考えておりますのでよろしくお願いいたします。

以上、意見・要望を申し述べ、本委員会に付託された諸議案に対し、賛成することを表明して、意見発表を終わります。
  1. 2015/01/29(木) 07:57:36|
  2. 神奈川県

環境農政常任委員会で質問に立ちました。PCBや災害時の廃棄物処理について取り上げました。

○PCB廃棄物及び災害廃棄物処理について


質問(松崎委員)
PCB廃棄物のように有害廃棄物として処理が進まず、長期間保管されたままになっているもの、あるいはまた、東日本大震災を例にするまでもなく、一度に大量発生し、処理が困難になる災害廃棄物について何点か伺います。

質問(松崎委員)
まず、PCB廃棄物についてです。先ほど当局から報告がありましたPCB廃棄物処理計画の変更素案でありますが、報告資料あるように平成18年3月に神奈川県PCB廃棄物処理計画が策定されたとあります。当時、私も環境農政常任委員会に委員として所属しておりまして、会派で政調会長も務めましたけれども、この計画について報告を受け、委員会において議論をし、長期間保管されていたPCB廃棄物が、処理が進んでいくことに期待しておりました。
今回の計画変更では、処理期間が延長されることや、県が把握していないPCB廃棄物への対応などが報告されています。それらについて何点がお聞きします。

質問(松崎委員)
まず、計画策定から8年たっておりますけれども、PCBによる健康被害が社会問題となり、その有毒性が社会に認識されてからは、すでに40年以上経過をしております。処理されていないPCB廃棄物はどのように管理されているのでしょうか。

答弁(廃棄物指導課長)
PCB廃棄物を保管する事業者は、廃棄物処理法に基づき、特別管理産業廃棄物として、他の廃棄物と区分し、漏洩のないよう保管することや、表示をすることなどを義務付けております。
また、適正な処理を推進するため、平成13年にPCB廃棄物特別措置法が施行されまして、PCB廃棄物の保管及び処分の状況に関して、毎年都道府県知事等に届け出ることが義務付けられました。
県では、毎年、所管区域の全ての保管事業者に対して、適正保管についてのお知らせを送付しているほか、廃棄物処理法及びPCB廃棄物特別措置法に基づき、事業者等に対して、定期的に立入検査を行い、保管の状況を確認し、適正保管等について指導を行ってまいりました。

質問(松崎委員)
前計画では平成28年3月までに処理することになっています。計画が変更されない場合は、計画期間は残すところあと1年ちょっとという時期に来ているわけですが、処理が遅れた理由をお聞きいたします。

答弁(廃棄物指導課長)
日本環境安全事業株式会社の東京PCB廃棄物処理施設では、平成17年の稼動開始から、設備の不具合があったことや、安全性を確保しながら作業を行っているということから、トランスやコンデンサの処理が進まない状況でした。
その後、設備の改修などを行って処理台数は増加してきておりますが、1都3県内のPCB廃棄物を処理することとなっている施設ですので、立地自治体である東京都内のPCB廃棄物を優先的に処理することになっているため、神奈川県内のトランス、コンデンサの処理が進んでいない状態です。
また、蛍光灯の安定器につきましては、アスファルト充填材の分離が困難で、作業時間をとられることが稼動開始後に判明し、そのためトランス、コンデンサの処理が進まなくなることから、平成20年7月から受入を停止しており、1都3県分の安定器については、まだほとんど処理できていない状況です。

質問(松崎委員)
今後、処分期間内に処理するように、保管事業者に対して必要な調整及び指導を行うというふうに、今回の報告でございますけれども、事業者の中には、あまりにも長期にわたって保管しているため、処理を行うこと自体について認識がないとか、薄くなっている事業者も大勢おられるように思われるのですが、そういう心配な事業者を含めて、具体的にどのように調整及び指導を行っていくつもりでしょうか。

答弁(廃棄物指導課長)
県としましては、処分期間内の処理を推進するために、今回変更する処理完了期限を理解していただくために、届出のあるすべての保管事業者に文書により周知を行う予定です。
また、今後、処理の進捗状況に応じて、未処理の保管事業者の一覧表を作成し、処理の状況を随時確認してまいりたいと考えております。
その上で、未処理の保管事業者に対しては、個別の文書による通知や立入検査などを通じて指導を行って、処理を促していきたいと考えております。
また、日本環境安全事業株式会社は、少量保管事業者に説明会を開催するとともに、多量保管事業者には、個別に処理手続を説明していく予定ですので、今後これらの説明会の開催に協力し、県としても協力しまして説明会への参加を事業者に依頼してまいりたいと考えております。

質問(松崎委員)
PCB特措法に基づく保管の届出制度が整備されてから、10数年も実は経過しています。事業者が保管しているPCB廃棄物の中には、いまだに県が把握していないPCB廃棄物があるとしまして、素案の中に実態把握というのがいまだに位置づけられております。これまで、どのように届出制度について周知してきたのでしょうか。

答弁(廃棄物指導課長)
県では、毎年度1回県のたよりに掲載するとともに、ホームページに掲載して周知を図っているほか、毎年電気事業法に基づくPCB使用電気機器の使用・廃止の情報を入手し、届出の状況とのつき合わせを行いまして、届出が必要な事業者に対して文書で直接周知することなどで、新規の保管事業者の届出漏れがないようにしてまいりました。そのため、把握していないPCB廃棄物はそれほど多いとは考えておりません。
しかし、平成25年度に、国が一部の自治体と連携して実施したアンケート調査によりますと、回答した事業場のうち、1.2%程の事業場に未届のPCB使用電気機器があるという結果が報告されております。このことから、県内にも未届の事業者がいることを想定し、このたびの計画素案に調査を位置づけて把握していくこととしました。

質問(松崎委員)
1.2%というのは事業場数だと思いますけど、その事業場数とそれから実際のPCBの入った様々な器物あるいは廃棄されたであろう入れ物、その全体量は必ずしも少ないかどうかは分かりませんよね、その辺はどうなのでしょうか。

答弁(廃棄物指導課長)
1.2%というのは事業場数ですから、1つの事業場で何器もある場合もありますし、1個しかない場合もあります。

質問(松崎委員)
そこで、お聞きしますけど、現時点で届出をしていない事業者が存在をするわけでありまして、具体的に調査はどういうふうに行うのでしょうか。

答弁(廃棄物指導課長)
これまで国が実施した調査結果から、本年9月に、国から「未処理のPCB使用製品及び廃棄物の掘り起こし調査マニュアル」というのが示されました。これに基づき調査を行います。
具体的には、電気事業法に基づく「自家用電気工作物設置者」リストに把握されております、トランス・コンデンサを使用している県内の事業者に対して、PCB含有電気機器の保有に関する調査票を送付し、回答していただくことを悉皆的に調査する予定です。

質問(松崎委員)
掘り起こし調査マニュアル、国が定めた、それに基づいて、悉皆的つまり押しなべて全部にきちっとやる、そこは是非お願いします。もう1点ですね、さらに、いまだに使用されている電気機器があるということですが、間違いないですか。

答弁(廃棄物指導課長)
間違いありません。

質問(松崎委員)
そうしますと、今使用中の電気機器について、使用してる事業者に対して使用の中止を促すという計画だということですけれど、事業者が使用を中止しなければならない規定というのはあるのでしょうか。

答弁(廃棄物指導課長)
わが国は平成14年8月にストックホルム条約に加入しておりまして、同条約では、PCBそのものについて、平成37年までに使用の全廃、平成40年までに適正な処分ということで求めてられております。国内の法において、使用されているPCB機器を廃止することを義務付けている規定は、現在のところこざいません。

質問(松崎委員)
そうするとですね、中止しないという事業者がいる、中止しなかった場合はどうなるのでしょうか。

答弁(廃棄物指導課長)
今回、PCB特措法に基づく、日本環境安全事業株式会社による処理は条約の期限を目指して行われているものであり、期限後には処理事業自体が終了してしまいます。そのため、仮にPCB廃棄物含有機器の使用を止めずに期限を過ぎ、いずれそれが使用できなくなり廃棄物になった時に、処分先がないというような状態となってしまいます。
民間設置の無害化処理施設も、処理対象物がなくなって激減するわけですので、処理を終了してしまうことが想定されます。こういうことが起こりますので、使用中の事業者に対しては、丁寧に説明し、御理解をいただいて、使用の中止を誘導して、お願いしてまいりたいと思います。

質問(松崎委員)
中止をしなければいけない規定が無くて、実際のところ、今、お聞きをすると丁寧に説明とか、お願いして回るということなのですが、それで強制力を伴わない、つまり法とか条例で担保されない形で、そういうことを実際に相手方に対して強制もできない中で、断られたらそれまでという状況の中では、県民からすると心もとない気がするのですけれども、大丈夫ですか。やれますか。

答弁(廃棄物指導課長)
この問題は全国的な問題ですので、県としましても、処理がしっかり終わるように、それから廃棄物が残らないように、国にいろいろ、今後処理の体制の更なる整備なり、こういう取扱いについて、国への要望などをしております。
国としても認識は持っておられるようなので、今後、更なる対策を検討しているということは聞いておりますが、今のところ、具体的な対策については、まだ把握しておりません。

質問(松崎委員)
条例とか、神奈川県単独で、ある程度の制度的な担保とか、あるいは、刑罰で懲役何年というのはちょっとあれかもしれないけれど、少なくとも何らかの形のペナルティーを、例えば事業者の公表ですとか、取りうる手段は色々とありますよね。激しく強制的なものから、かなりやわらかいものまで。でも、まったくもってお願いベースよりははるかによいと思います。そういうことはできないのでしょうか。そういう考えは無いのですか。

答弁(廃棄物指導課長)
今回、計画を変更しまして、いよいよ来年度から本格的に処理が開始されるという今の状態であります。先ほど答弁しましたが、一覧表を作って未処理事業者の状況などを確認していくという今後の状況ですので、そういう中で、処理が行われていない事業者の数とか状況などもまた詳しく分かってくるかと思います。そういう中で具体的な対応をできることは考えていきたいと思っております。

要望(松崎委員)
具体的な対応という言葉の中に含みを残したというふうに受け止めさせていただきます。本当はもっと早い時点でこれ終わっている話なんですよね。だけど、こんなに長引いて、しかもそれが、どれだけの被害をもたらすかということは、すでにカネミ油症事件の報告もございましたけれど2,000人以上の方々が実際に被害に遭われ、問題になってきていることからすると、安全なうちに、安全に結末をつけていただかなければならない責務を負っていると理解しています。ぜひともそこは、制度的な担保が何も無いということであれば、担保を作って、取り組む必要が出てきた場合には、遅滞なくそれに取り組んでいただきたいと思っております。適正なPCB廃棄物の処理を着実に推進していただきたいということを申し上げます。

質問(松崎委員)
 もう一点、災害廃棄物の広域処理についてもう少しお聞きしますが、申すまでもありませんが、県域を越えた広域処理を確実に実施するというために、国は全国規模での検討を行っていると承知しておりますが、ここのところどういう内容でしょうか。

答弁(資源循環課長)
 国による全国規模での検討状況でございますが、平成25年10月に有識者等による検討委員会、名称は「巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会」と申しますが、こちらを設置いたしまして、巨大災害に伴い大量に発生する災害廃棄物を円滑に処理するため、今後具体的に検討すべき項目等を中間的にとりまとめ、今年3月に公表してございます。
 そこで示された具体的な検討項目は、5項目ございまして、
まず1つ目、全国単位の災害廃棄物処理体制の構築に向けた検討
2点目、地域ブロック単位での災害廃棄物処理体制の構築に向けた検討
3点目、制度的・財政的な対応に関する検討
4点目、人材育成・体制強化に関する検討
5点目、災害廃棄物処理システムや技術に関する検討
の5点でございまして、それぞれ検討委員会や地域ブロック単位で検討を行ってございます。
 検討委員会では、全国単位での検討といたしまして、災害廃棄物の処理量の推計方法、必要な資機材、仮設処理施設等の確保方策等について検討しまして、地域ブロックの状況も踏まえまして、国レベルの「巨大災害発生時における災害廃棄物対策行動指針」を平成26年度末に策定する予定でございます。
さらに、国では、実際に災害が発生した場合に迅速な対応を行うため、現地での活動等を行います、国、地方公共団体、有識者及び民間事業者団体で構成します「巨大災害廃棄物対策チーム」を、今年度中に立ち上げる予定としてございます。

質問(松崎委員)
今おっしゃったように、国は全国をブロックに分けて、地域ブロックごとに検討を行っているとのことですが、関東ブロックにおける会議というのは、それではいつ開催をされて、会議の構成メンバーとか協議内容はどのようなものなのかお聞きします。
答弁(資源循環課長)
まず、開催日でございますが、関東ブロックでは、去る11月10日に、第1回ブロック協議会が開催されました。
会議の構成メンバーですけれども、環境省関東地方環境事務所、そして同所所管区域である本県を含む関東の7都県と近隣県、新潟県、山梨県、静岡県でございますが、こちらを合わせました計10都県、本県内の横浜市、川崎市、相模原市を含む8政令市、9市区町のほか、国土交通省出先機関、産廃関連団体、大学教授等の有識者等で、メンバー数は合計37となってございます。
協議内容につきましては、第1回目ということで、協議会の設置要綱を決定しております。要綱では、災害時の廃棄物対策に係る情報共有、都県域を超えた連携が必要となる事項の検討といった、協議会の設置目的を規定してございます。なお、当日は、北茨城市が出席いたしまして、東日本大震災の被災地報告などがございました。
今年度は、平成27年2月までに、東日本大震災等の経験をメンバーが共有するためのセミナーや、災害廃棄物処理の技術面に係るセミナー、広域処理や、民間事業者との連携を進めるための方策などにつきまして具体的な検討を行う分科会を開催いたします。その結果を踏まえまして、平成27年3月までに、検討結果の中間とりまとめを行うとしています。

質問(松崎委員)
先般私ども民主党の代表質問に対して、知事、当局のほうから、災害発生後にすぐに対応できるようにあらかじめ国、都道府県等の役割分担や連携協力体制を明確にした、実効性のある仕組みを作ることを、協議会の中で強く訴えていく、との力強い答弁がありました。本県が出席した協議会において、具体的にどのような対応をしたのか、また、来年度以降、国がどのように検討し、本県はどのように対応しようとしているか、併せてお聞きします。

答弁(資源循環課長)
協議会当日でございますけれども、私が出席させていただきました。その中で今後、協議会での検討が、実効性の有る災害廃棄物の広域処理の仕組みにつながりますよう、一般廃棄物の扱いとされております「災害廃棄物の法律上の位置付けを明確にすること」、また、「国、都道府県、市町村の役割分担につきまして、法律上の整理をすること」について、国に要請いたしました。
これに対しまして、環境省の担当官からは、「東日本大震災の事例も含め、県又は国がどのような役割を持っているのか、責任をどう取っていくのかも含めて、今、検討している段階であり、これが整ったら、共有したい」との回答がございました。
 引き続き開催されます協議会におきまして、災害廃棄物処理について、実効性のある仕組みを作っていくことを強く訴えてまいりたいと思います。それとともに、この仕組みが発災時に確実に機能するよう、関係者の責務や実施手順等を定めた法令の整備を国に要請してまいりたいと思っております。
 次に、国が来年度以降どのような対応をしていくかという点でございますけれども、国は、平成26年度に引き続きまして、巨大災害発生時における災害廃棄物処理体制の構築に向けまして、平成27年度の概算要求において、全国規模での民間事業者団体との連携強化や、地域ブロック単位での協議を深め、広域処理体制の検討や制度面での対応を具体化させるための予算を要求しておるところでございます。
内容としましては、4項目ございます。
まず1点目として、全国単位、地域ブロック単位での災害廃棄物処理体制の構築や、自治体職員向けの教育プログラム等を検討する事業
2点目としまして、各ブロックごとに策定する行動計画の協議・とりまとめをする事業
3点目としまして、法令を含めた制度面の検討を行う事業
4点目としまして、災害廃棄物対策に関する取組の情報発信事業
を実施するとしているところでございます。
 最後に、今後の県の対応でございます。これにつきましては、巨大災害発生時の災害廃棄物を処理するためには、都道府県域を超えた広域処理が不可欠でございます。国レベルでの検討を進めていくことが、効果的、効率的なものという認識でございます。そうした観点から、現在、国が実施している取組につきましては、きわめて重要性が高いものと認識しております。
また、県としては、県域を超えた広域処理体制の検討を進めるために、災害廃棄物の実際の処理主体であります市町村と連携・協力いたしまして、市町村の意向を十分踏まえて進めることが大切であると考えております。
そこで、県としましては、全国レベルや、関東ブロック協議会での検討状況等を、市町村や関係団体に対しまして、速やかに情報提供いたしまして、意見等を伺っていきながら、県内での円滑な処理体制の整備を進めてまいりたいと考えてございます。

要望(松崎委員)
膨大な災害廃棄物の発生に対してどう備えるかということでお聞きをしてまいりました。
地震には限りません。例えば、火山の噴火ということを考えましても、膨大な火山灰が降ってくるということを考えると、とてもではないですけれども、それに対して、例えば、空冷式の様々な設備、発電設備等々を含めてですね、止まってしまうということが考えられ、それを廃棄物とみた場合においては、降灰した廃棄物、その火山灰をどう処理するかということは、なかなかこれはすぐ答えが出ることではなかろうと思われます。
しかしながら、どのように備えるかということは、事前に我々に許されている、最大の時間の使い方でありまして、そこのところでしっかりと検討しておくということは、それでもなお必要だと思います。
国、都道府県、市町村、民間団体による連携協力体制ということも予め築いておくこと、これが大変重要かと思われます。
広域自治体としての役割を果たすに留まらず、国に対して地域の実情を踏まえて、きちんとものを言っていただくということも大切かと思われますので、しっかりと取り組むよう強く要望して、私の質問を終わります。
  1. 2015/01/19(月) 11:02:04|
  2. 神奈川県

再度質問しました。

環境農政常任委員会で質問に立ちました。排水溝をふさいだ廃棄物道路冠水を引き起こした例も示して、台風による廃棄物は膨大な量となるので市町村任せにせずとしても可能な限り支援を行い住民生活の支障が早急に取り除かれるよう求めました。
 また産業廃棄物は年間127万トンが県外に持ち出され処理されているとの答弁、さらに93万トンが海洋投棄。処理施設など条件整備を急ぎゼロ・エミッションの目標達成をに強く求めました。質問は通算8問、2時間20分
  1. 2014/10/09(木) 04:34:23|
  2. 神奈川県