昨日の
本会議で、県の各種決算を審査し認定するかどうかを議決する
決算特別委員会委員に選任されました。
一般会計だけでも例年2兆円近く、
特別会計と合せて3兆円を超す膨大な内容で、事業の種類や所管別に見てもダムや発電の企業庁、
がんセンターや循環器呼吸器病センター、こども医療センターなどの病院事業、県
警察本部、横浜市の
教職員給与を負担している県
教育委員会、
知事部局など多岐にわたります。
神奈川県に暮らし働く900万人を超す県民の納めた税金の使い道、使われ方を11月までよく調べ、じっくり議論して、納得のいく県政を推進して参ります。
- 2014/09/25(木) 08:07:31|
- 神奈川県
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平成25年12月11日
いじめ防止推進法について
松崎:
今回報告があった中で、「神奈川県
いじめ防止基本方針(仮称)素案」について何点か伺いたい。この法律については、大津の
いじめの対応を受け、
知事が
再調査できるというしくみができたとのことだが、今回詳しい素案が示されているので、これを検討させていただいた上、
いじめがあったという場合に、公立学校に対しては、学校緊急支援チームを派遣する、これは従前からの対応かと思うが、公立学校では、学校緊急支援チーム自体が
再調査を行うのではなく、別のチームが
再調査を行うことになっている。この別なチームとはどんなものを考えているのか、ここには弁護士など5名程度ということしかないので、わかれば教えてほしい。
私学振興課長:
学校緊急支援チームは、今現在、公立学校
教育委員会にあり、そうした事案があったときに、もっぱら保護者や生徒の「心のケア」や、家庭に対する支援を行うもので、10年以上前から設置され、県では現実の活動として既に存在している。今回の
再調査の機関は新たに法律が制定され、その中附属機関として
再調査を行うということで、今回、新たなしくみとして設けられた。こちらは
再調査が目的であり、成り立ち、目的が異なり、再調査については今回の新しい枠組みの附属機関で行うと認識している。
松崎:
実際に重大事態が起こった場合、公立学校の場合、緊急支援チームを派遣する、また、再調査のための別なチームを派遣する。緊急支援チームは
教育庁の所管であって、もうひとつは
知事の所管。この二つのチームは学校の中で、校長を呼んで話を聞いてみたり、保護者、当事者からも聞いてみたり、二つのチームがそれぞれ別な観点から様々な活動を行うと、かなり錯綜した事態が起きるのではないか。
次世代育成部長:
学校緊急支援チームは、まさに初期対応、事案が起こったときに保護者や生徒をケアするもの。今お話があった新しい制度の再調査は、
教育委員会の中での調査を受け、調査の内容が不十分だと判断したときに、はじめて
知事が
知事のほうで設置したチームが動き出すということで、役割が自ずと違ってくる。
松崎:
時間軸が違うとのことだが、学校現場では様々な活動がクロスして行われる懸念についてはどうするのか。
次世代育成部長:
資料素案の17ページをご覧いただきたい。ここにイメージ図があるが、
教育委員会の真中辺りに、神奈川県
いじめ防止対策調査会がある。こちらでまずは調査を実施する。
教育委員会の中で設置したものが調査を実施する。その調査報告を
知事に上げる、その調査内容が不十分であると判断された場合、
知事の調査組織が再調査を行う。最終的に
教育委員会の調査が足りないということになれば、改めて調査等が実施されることになるが、錯綜して調査が行われるということはない。
県民局副局長:
今の答弁に補足するが、初めに調査が必要な事態が起こった場合、第一義的には学校が組織を設けて調査を行う。そういう対応が難しい場合、今部長の答弁にあった
教育委員会独自の調査会が調査を行うことになる。そのいずれかの調査結果が知事に報告された場合に、知事が再調査するかどうか判断し、再調査を必要なときに実施するという構造になっている。
松崎:
この制度が待ち望まれて制度化された経緯を考えると、あまり間があいても制度の趣旨が貫徹しない。はっきり言うと、当事者が直接かかわっている部分で事実が出てこない、また、隠蔽だと批判されるようなこともあった、こうしたことが教育不信につながったため、制度化したので、機敏に対応するために教育長ではなく知事に置いた。必ずしもチームが完全に他のチームとかぶることはないと言い切るほうがおかしいのではないか。
県民局副局長:
あくまでも
いじめ防止対策推進法の枠組みの中で、知事が再調査を行うのは、学校又は教育委員会からの調査結果を見て必要と判断した場合に行うことになっている。
松崎:
これ以上話しても平行線のようであるが、学校現場に混乱はありえないと言い切ってしまうのは、私は事態に対する物の見方が冷静ではないのではないかと感じる。現場に即した想定をしっかり立てて制度化を進めていただきたい。
次に、この法律では、
私学に対しても再調査ができることになっているが、
私学に対する再調査のための附属機関を設置するとしているが、
私学はそれぞれの独自性の中で運営されている中で、再調査のためといきなり公権力が入ってくるのか、
私学ではいじめ対策はしっかりできないということを予定したような制度であるが、その辺はどうか。
私学振興課長:
法の枠組み、再調査の機関の対象は、公立と私立の両方を対象としている。私学は私立学校法があり、建学の精神、自主性を尊重する法律となっており、学校教育法の設置者の命令権限は私学法ではその規定を除外するということが大きな特徴となっている。つまり、県に命令権限はない。その中で、再調査の機関がどのように入るかということについて、重大事態があった場合に報告を求め、必要があれば私学のほうに更に詳細な報告を求めることになっており、例えば直接聴取する権限や強制的な権限を与えたものではない。従って、私学法との関係で言えば、私学法を踏みこえてこの法律ができているわけではない。
松崎:
今の説明では、いじめ
防止対策の基本方針を定め、知事の再調査を書き込むとはいえ、いわば実効性のない模造の刀を持っているようなものではないか。
私学振興課長:
法律の権限で言えば、先ほどお答えしたとおり。ただ、今回このいじめ
防止対策推進法の大きな趣旨というのは、公立であれ私立であれ、学校でいじめが起きてはいけない、未然防止をしなければいけないということなので、再調査を行うことができるということは大変大きな変化であるので、普段からそうした事態が発生しないよう連携を密にしていくということと、もしそうした事態が発生した場合には、その枠組みの中で改めてきちんと処理していく、法律の枠の中で対応していく。
松崎:
今は枠組みはないが、今後新たに枠組みを作るということなのか、今ある枠組みの中でしっかりやるということだが、知事の再調査を敢えて私学にも及ぼすかのように運用していくのか。
私学振興課長:
附属機関による再調査はもちろんこの法律の中で新しくできた。それと、私立学校に対する入り方、権限については、私立学校法に基づいて対処する、機関が調査結果を受けてその先の私学の対処の結果については私立学校法に基づいて対処するという条文になっており、その意味で、二つの法律は連携が取れている。
松崎:
法律の解釈は大切だが、今聞いているのは、県として私学にどのように対処していくのかということだ。
私学振興課長:
いじめを未然に防止することが一番大切であり、そのためには日ごろから学校と連携を密にしておくことが重要。今後、もしそういう事態が起こってしまったら、先ほどの枠組みで活動することになるが、学校と連携しつつ、再発防止に努めていくことが大切であると考えている。
松崎:
その前に、事実関係の解明と、何があったのかという整理をするということでよいか。
私学振興課長:
そのとおり。
松崎:
私学法の範疇でといいながら再調査も準備するということで、はっきりいってわかりにくい。私学の再調査、再び起きないように私学自体が取り組んでいる中で、再調査を行っていくことについて、しっかり答えていただけないか。
次世代育成部長:
まずは私立学校でいじめが起きないよう未然防止、それから起きたときには早期発見早期対応が大切なので、それに私立学校と連携して取り組んでいくことはこれまでと変わらない。不幸にして重大事案が起こった場合、再調査が制度として担保されることで、ある意味「けん制的役割」を果たすと考える。ここで最も重要なことは、学校が早期に適切な対応をとることなので、再調査ができた枠組みの中で学校側によりしっかりとした調査をとっていただくよう、自主的な取り組みを促してまいりたいというのが県の考えである。
松崎:
言葉のやり取りだけでは、現実に即した対応については、経験値を積めばうまくいくということではない。どれだけきちんとした対応ができるかというリアルな運用を想定した中で、よりよい適切な運用がされるようお願いし、今後も検証させていただく。
- 2014/03/01(土) 20:56:41|
- こども
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平成25年10月28日決算特別委員会での質疑のまとめ
(1)
県立高校について
松崎:
県立高校について伺います。
主要施策説明書によりますと、総合学科高校及び単位制普通科高校の教育改善について述べられています。
県立高校につきましては、その時々に応じた改善がほどこされていったと思いますが、この夏には、神奈川の教育を考える調査会からも最終まとめが出されているところであります。これらを踏まえて何点か伺います。
まず、総合学科あるいは単位制普通科の高校とは、どのような学校なのか、これらの高校を設置した経緯も含めて確認したいと思います。
福田
高校教育企画課長: 単位制普通科と総合学科はともに「単位制」でございまして、学年の区分がなく、3年以上在学し、必要な単位を修得することで卒業が認められる学校でございます。
単位制の高校は、全日制では平成5年度から制度化された新しい仕組みでございます。いわゆる学年制に比べて多くの選択科目の中から、生徒の興味・関心や進路希望に応じて主体的に選択し、学習できるようになっております。
単位制普通科につきましては、国語や数学などの普通教科に関する科目を中心に選択科目を設置しております。
一方、総合学科は、普通科目だけでなく、農業や商業などの専門科目を含む特色ある幅広い科目を選択できるようにすることや、体験学習などを通じて、生徒が自らの個性・適性を発見し、将来の進路や生き方について考えることができる学科となっております。
設置の経緯でございますけれども、この制度化された当時、
不本意入学や
中途退学などの課題が顕在化しておりました。個々の科目ごとに単位を修得でき、その単位を加算することによって、必要な単位数を累積し、卒業できる仕組み、このことによって、こうした課題への対応をはかるために設置された高校でございます。
松崎: それでは現在、
県立高校全体の校数と、総合学科や単位制普通科、それぞれの配置されている状況は、それぞれどのようになっているのでしょうか。
福田
高校教育企画課長: 現在、
県立高校は143校ございます。うち、県立の全日制高校は141校設置されております。
この141校のうち、単位制普通科高校は平成7年度に開校しました神奈川総合高校をはじめとして11校、総合学科高校は平成8年度に学科改編しました大師高校を皮切りに同じく11校開校しております。
それぞれ、11校の配置状況でございますが、単位制普通科は横浜市に4校、川崎市に1校、その他
県立高校の旧学区に各1校程度、また、総合学科高校は横浜市に4校、川崎市に2校、その他の地域は旧学区ごとに1校程度設置し、県内、どの地域からも生徒が通学できるように配置してございます。
松崎: 平成23年3月の「これからの県立高校のあり方」に基づきまして、総合学科高校や単位制普通科高校の教育課程改善に向けた指針を策定したということでございますが、指針の内容を簡潔に伺いたいと思います。
福田
高校教育企画課長: 「これからの県立高校のあり方」では、それぞれの学科において生じている改善すべき課題を整理し、その改善に向けた具体的な取組みの方向性を示しております。
これを受けまして、総合学科や単位制普通科の高校の教育課程改善に向けた指針は、単位制という共通点を持つそれぞれの学科の違いがわかりにくいという指摘に対応するため、それぞれの学科の設置目的等を確認し、設置趣旨に基づいた教育を提供できるよう教育課程や教育展開における工夫を求めている、こういった内容でございます。
松崎: それでは伺いますが、今年8月の、神奈川の教育を考える調査会の最終まとめでは、単位制普通科高校や総合学科高校などに関して、「多くの選択肢が用意されたことで、それぞれの学科の違いがわかりにくくなり、進路選択がしづらいとの指摘もなされてきている。」と記載されています。
教育委員会は、このことについてどのように受け止めているのでしょうか。
福田
高校教育企画課長: 先ほどご説明申し上げましたように、両学科とも単位制であることから、生徒が科目選択する中で、豊富に用意されております普通科目と専門科目の選択肢から、専門科目を置いている一部の総合学科高校においては、普通科目を選択する傾向が強くなっている、このようなことがございます。そのため、結果的に「違いがわかりにくい」という指摘につながっていると受け止めております。
生徒が主体的に選択できるように、違いがわかりやすくしていくことは大切であると考えておりまして、今後もそれぞれの学科の設置趣旨を踏まえた教育活動を展開できるよう、支援してまいりたいと考えております。
なお、
教育委員会といたしましては、そうした指摘を受け、本年の5月に実施いたしました県内のすべての公立中学校進路担当者を対象とした説明会において、総合学科と単位制普通科の違いを説明させていただくとともに、公立中学校の3年生全員に配付したリーフレットにおいても、その違いについて記載したところでございます。
松崎: 目的を持って設置したこれらの高校であるにも関わらず、また進路説明会等で、あえて特色を説明しているところは、私だけではないと思うのですが、なにか違和感を感じるわけですが、今、総合学科や単位制普通科に関する調査会からの意見について伺ったわけですけど、このほかに調査会から
高校教育に関して、どのような意見があったのでしょうか。
福田
高校教育企画課長: その他に調査会からは、県立高校全体の規模と配置について、
・今後の生徒数の減少傾向はもとより、各学校の取組成果と課題の検証を踏まえ、再編・統合を進めていく必要があること。
・各学校の規模について、学校の活力を高める観点から、学校や生徒の状況に応じて、学級数の拡大に向けて検討していく必要があること。
・全日制や定時制といった課程、学科の特性や生徒の実態等に応じて、教育課程の再編に取り組む必要があること。
・公立の役割を踏まえて、学習の遅れなどの課題のある生徒を受け止められるよう、既設校における支援体制の充実を図っていく必要があること。
などの意見をいただいているところでございます。
松崎: 今の確認させていただいた話にも出ていましたけども、高校教育に関しては、今後の生徒数の減少も見込まれていて、将来的な全体像を描いていかなければならない時期に来ていると認識しております。調査会からは、県立高校の教育改革については、改革を推進するために必要な組織を設置するよう求められているわけですけど、この点についてなにか考えはあるでしょうか。
大畑指導部長: 委員からご説明があったとおり、子どもの数の現象に応じた新たな教育環境づくり、こうしたものがこれから求められてきております。調査会の最終まとめの中では、県立高校の再編統合について、将来的な生徒数の減少や教育ニーズの動向などを踏まえた計画を策定すべきだという意見も寄せられているところでございます。こうしたことを受けまして、23年3月の「これからの県立高校のあり方」、つまり高校改革の検証でございますけど、そうしたことも踏まえまして、今後、局内に意見聴取組織をできるだけ速やかに組織します。とともに、併せて学識経験者などによる協議会を年度内に立ち上げまして、今後の再編統合の基本方針、続く27年度中の学校名を含めた実施計画案、このようなものの検討を進めていきたいと考えております。
松崎: 県立高校の改革を行う組織をできるだけ速やかに設置するとのことですが、具体的に伺いたいと思います。これだけ大きな課題を抱えていて、しかも生徒数の減少等を含めた状況の変化というものを暦年常任委員会等の各会で伺ってきた中で、課題だと言われ続けてきたわけです。前回設置をした調査会で同じ指摘をまた受けているわけです。そこのところで、どう取り組むのかお聞きしたいと思います。
安西教育局長: 生徒数は、平成18年3月の段階で約64,000人で、それから若干増えてまいりまして、平成26年3月に70,000人と再ピークを迎える状況です。平成40年には、62,000人になり、約8,000人減っていくという状況でございます。そういった生徒数の減少、それ以外に今回調査会では県立高校全体の成果と課題の検証や、生徒数の減少の傾向を踏まえ、計画的な再編・統合を進めて、その際、各学校の活用を高める観点から、各校の必要に応じて学級数を拡大するようご意見を調査会からご報告いただいている次第でございます。こういった中、私どもとしましては、一刻の猶予も許されないので、来月には
教育委員会内部に検討委員会を作っていきたいと考えております。
松崎: 来月には検討会を立ち上げていきたいとの事でございますが、前回の高校改革がどうだったか調べたところ、県立高校将来構想検討協議会というものを設置していて、外部の有識者の意見を聞きながら改革計画を策定していくという重要な任務を背負っていたわけですが、今回も、内部に来月検討会を設置したとして、外部の組織の方々の意見も聞いていく組織も立ち上げていく必要があるであろうと考えております。実際にそういう考えもあるということで、年度内の設置ということは聞いておりますが、具体的に、いつ頃立ち上げていくのかお聞かせください。
安西教育局長: 本会議の答弁で教育長から年度内という話をしております。年度内と言っても、なるべく早くと考えておりまして、教育局内の組織を11月に作りますので、それからあまり時間を経ないよう、年度内ぎりぎりにならないように、作っていきたいと思います。年明けを目途に考えていきたいと思います。
松崎: それぞれ具体的な日程というものを含めてお答えいただきましたけれども、要望させていただきたいと思います。
高校教育を取り巻いている状況が日々変化をしていて、子供たちの高校に求めるものも多様化する中で、高校そのものも変化していく部分、そしてまた、守るべき基本とがあると感じております。平成25年度からは新しい学習指導要領が実施されておりまして、また、調査会からの最終まとめも出された中で、
教育委員会としてこれからの高校教育の有り方をしっかりと捉えて、たゆまぬ改善をしていくことが大切だと考えてます。調査会のまとめを踏まえながら、子どもたちの将来に向けた歩みをしっかりと支援できるように、より良い県立高校作りに向けた真摯な取り組みを要望させていただきます。
- 2014/01/16(木) 17:15:26|
- 神奈川県
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2004年6月定例会 次世代育成特別委員会での質疑のまとめ
子どもの「
うつ傾向」に総合的取り組みを確約させる
松崎:
首都圏の小学校高学年の児童約3000人を対象にした
筑波大学の
調査で、心に負担を負っている「抑
うつ傾向」にある子が男子で10%、女子で13.5%に上っているという、衝撃的な
調査結果が第一回日本
うつ学会で発表された。「活動から来る喜びの感情が低下している」「よく眠れない」「やろうと思ったことがうまくいかない」というような子どもたちがとても多いということが判った。青少年の心の問題を象徴的に表す
調査結果だ。こうした子どもたちの「
うつ傾向」の
調査をこれまで県は行ったことがあるのか。
県側:青少年行政として、この種の
調査を行ったことはない。衛生部や
教育委員会も行っていない。
松崎:多くの児童が抑
うつ傾向にある、とされているが、特徴的な症状とその要因について、どのようなことが考えられるのか。
県側:
うつ状態の特徴としては、意欲が衰え、行動することが億劫になり、興味や関心がなくなる。思考面では考えが進まなくなり、判断力が低下する。さらに、食欲低下や睡眠障害の症状を示すようになる。要因としては、大人の場合、まじめで融通の利かない性格の人、身近な人の死や失業などの精神的ストレス、病気といった肉体的ストレスが加わると発症しやすい。子どもの場合、年齢が低いほど「うつ状態」を言葉で表現することは難しく、症状や行動として睡眠障害や食欲不振、下痢、便秘、腹痛などが現れ、
ひきこもりや
不登校、動作緩慢、多動になったり攻撃的になったりする。要因としては、自信喪失や喪失体験、災害などの恐ろしい体験、また多動性障害や行為障害などが背景にある場合もある。
松崎:この
調査結果からは、体系だった取り組みが必要と考えられるが
教育委員会としてはどのように受け止めているか。
県側:数値の大きさに驚いているし、各学校で日ごろ児童の状況を的確に把握することが大切だと考えている。
松崎:学校では、今後どういう支援が必要だと考えているのか。
県側:小学校では今年度から新たに県内11市町村の26校に「子どもと親の相談員」を配置した。中学校には臨床心理士を中心にスクールカウンセラーを昨年度に比べて倍増し、180校に配置している。このスクールカウンセラーは必要に応じて地域内の小学校にも対応する。児童にうつ傾向が心配される場合は、教員とスクールカウンセラー、場合によっては子どもと親の相談員などが緊密に連携し、必要に応じて医療機関の受診を勧めるなど、適切に対応していく。現在スクールカウンセラーの配置は220校中180校であり、これをさらに進めていく。
松崎:うつ傾向の子どもの存在を認め対応していくということか。
県側:そうだ。
松崎:こうした問題は本来、
精神医療の面からしっかり取り組んでいくべきだが、どのように考えているのか。
県側:うつ病はきちんと治療すれば回復できる病気であるが、うつ病になっている方が自分の性格のせいにしてしまい悩み続けるという状況があって、周囲の方がそのサインを受け止めることが重要である。特に児童生徒に対しては、子ども自身では不調を訴えられないという特徴があることから、指導を担当する教員、養護教諭、相談関係機関の職員を対象に、治療、支援の工夫等の具体的な事例を基にしたセミナーを開催していく。また、市町村とも協力し、相談、広報体制等の充実に努めていく。
松崎:子どもたちの心の問題については、周囲の理解に基づき、地域社会で支えていくことが大事だと思う。そのことは、子どもたちの心の問題に共通する課題である。県として今後どのように取り組んでいくのか。
県側:まったく同感だ。うつ傾向の子どもたちを特定の個人や家族だけで支えることはかなりつらいものと思う。県としては、こうした問題は地域のなかでその児童や家族を支えていくことが求められていると受け止めている。また、うつ症状はきちんと治療することで治る病気ということなので、周囲が協力して支えていくことが、回復に向けた一歩になるはずだ。子どもたちが自分に自信をなくしているさまざまな状況のなかで、うつに限らず、青少年の心の問題への対応には、地域のなかで安心できる居場所や人間関係をどう作っていけるか、心のよりどころとなるような地域づくりが基本となる。
不登校や
ひきこもりへの取り組みの中で、地域のなかで、子どもたちの仲間作りや自信を取り戻すことを目標として、子どもたちを支えている多くの人材や民間活動も立ち上がってきた。県も市町村も、そういう人たちと手を取り合って、地域の中で安心できる居場所を作っていくことが大切であり、県としてそうした地域の居場所作りをどう支援していくかを課題として受け止め、考え、行動に移していく。
- 2013/06/29(土) 06:38:24|
- こども
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2003年9月 青少年総合対策特別委員会での質疑のまとめ
少年事件をめぐる取り組み強化に向けて
松崎:6月定例会から今日までのわずかな間に長崎の12歳の少年による事件、沖縄の中学生集団暴行事件があった。新聞に少年に関する事件が載らない日はない。県としてこの間どのような対応をしてきたのか?
県側:長崎、沖縄の重大事件を受けて、
教育委員会は県
教育長通知を出し、「人間尊重を基盤とした生徒指導の徹底」を呼びかけ、さらに
問題行動の未然防止に向けて「児童生徒の
問題行動の対応のあり方に関する点検」を行うよう、すべての市町村
教育委員会と
県立高校に通知した。
松崎:その「点検」の結果は?
県側:報告を求めていない。
松崎:報告を聞いてもらいたい。その上で各校から要望や問題点を聞き出してほしい。そしてそれに対して県としてどうしていくべきかを考え、対応していってほしい。「点検」を意味あるものにするため、以上のような2段構えの対応をしてもらいたい。事はそれでも足りないくらいの切迫した状況にあるはずだ。
県側:県青少年総合対策本部長の松沢知事名で緊急アピールを出し、横浜、川崎駅頭でキャンペーンを行った。今後シンポジウムも開催し世論喚起に務める。
- 2013/06/07(金) 00:56:06|
- こども
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