神奈川県議会議員 松崎淳 公式ブログ 夢あきらめないで!

論争 人材の国づくりは神奈川から⑮ 文教常任委員会編

高等学校奨学金について 2007年10月文教常任委員会

松崎:経済格差が、学力格差あるいは教育格差になってきているという指摘は昨今、政府等でもなされているわけだが、教育負担が重くなってきており、また厳しい経済雇用情勢によって、家計が支え切れなくなり、やむを得ず中途退学をする状況につながってきていると思う。
  平成19年度、高等学校奨学金は5年前と比べて予算額は5倍、募集人員は4倍に4,000人となっているが、まず本年度の年収基準を確認したい。
中岡高校教育課長:応募要件の収入要件は、第一種奨学金は世帯全体の収入が約800万円、第二種奨学金は主たる生計維持者の収入が約800万円となっている。
松崎:800万円というお答えがあったが、本年度採用した奨学生の年収の上限はいくらになっているか。
中岡高校教育課長:平成19年度の奨学生の選考については、第一種奨学金は世帯収入が約650万円まで採用し、第二種奨学金は主たる生計維持者の収入が約670万円まで採用している。
松崎:応募要件に800万円と言いながら、650万円、670万円まで採用できないギャップについてはどのように考えているか。
中岡高校教育課長:委員御指摘のように、800万円の要件がありますが、4,000人を超える応募があり、この中で選考を行なわざるを得なかった状況があり、今後改善を図っていかないといけないと思っている。
松崎:本会議での答弁では、予算額は5倍、募集人員は4000人とあり、ここだけを聞けば非常に頑張っていると思えるが、内容をみるとギャップがある。お金のことなので、県民の皆様に対しても内実を説明しないといけないと思う。そこで具体的にどのような改善をいつまでに進めていく予定なのか。
中岡高校教育課長:奨学金は14億円という予算で4,000人という募集人員で応募をしているが、本年度も200人程不採用者を出している現状である。県の予算も厳しいという状況があるので、例えば、現在、国公立20,000円、私立40,000円という月額で貸し付けているが、今後これ以上予算の増加ができないということであれば、より多くの生徒を採用すると言う観点から、本県の貸付月額は他県に比べて高くなっているので、平成21年度位までに貸付月額を予算の状況を踏まえて見直していきたいと考えている。
松崎:平成21年度からは、貸付月額を下げるということか。
中岡高校教育課長:貸付月額を下げることに限定しているわけではない。保護者の方の収入要件についても、年収が670万位までしか採用できない現実があるので、収入要件も含めて見直していきたいと考えている。
  奨学金の制度の変更については、保護者、生徒に対して周知期間も必要であり、条例改正も必要となるので、平成21年度に向けていろいろな視点から検討を進めていきたいと思う。
松崎:冒頭にも述べたが、生活が厳しくなっている方が増えている中で、奨学金を必要性が強くなっていることを否定する方はいないと思う。そういう中で奨学金どうするかは、非常に議論があるところだが、月、2万円、4万円の単価が多すぎるから下げるべきだということは聞いたことがない。今言われているは、逆に大学の奨学金などでは、生活のところまで面倒をみるところまで考えて、その方が卒業して責任をもって返して行くにあたり、どういう工夫をするのか。というところが言われている。高校についても、この800万円という基準が満たされたことが無いということは、この文教常任委員会の議論において前年度以前も繰り返し議論されてきたことだと承知している。歴代の教育長の答弁でも800万円という基準が満たされないのは問題である。このところについてはきちんと手当をしくように考えていきたい。と言われてきたと思う。この線に沿って今年度どのように考えているのかというのが1点目の趣旨だ。今の答弁では、月2万円、4万円が高すぎるというニュアンスがあり、収入要件を見直していきたいということがあり、予算が増えればそれにこした事がないという答えもある。教育委員会としては何をどうしていきたいのか高等学校奨学金の基本原則、原理をどこに置いているのか聞きたい。
中岡高校教育課長:1つは奨学金なので非常に所得の低い方には確実に貸付をして行きたい。例えば生活保護を受けている方については成績要件を求めていない。もう一方で奨学金なので、真に学習意欲があり、真に経済的支援を必要としている生徒さんについても貸付をして、教育を受ける機会を確保していくことを大前提に考えている。
松崎:いずれにしても21年度までに結論を出していくという答弁でした。条例改正をしなければならないと言うことがあったので、この点については、今までの歴代の委員会の答弁と比べては、かなり具体的な答弁であったと私は受け止めている。この先の議論については、12月、2月で議論させていただくこととして、奨学金について、もう1点お聞きしたいことがある。返済状況はどうか。
中岡高校教育課長:奨学金返還率は、年々低下傾向でして、平成17年度は50%を割り込むという状況があったが、督促に取組んだ結果、平成18年度は54.7%であった。
松崎:まじめに返して方がいる一方で返済をしていない方がいることについて、率直に教育委員会としてはどう受けとめているか伺いたい。
中岡高校教育課長:委員がおっしゃるとおり、まじめに返して方がいる反面で返済をしていない方がいるということは、公平性を欠くことと考えている。平成17年度までは、支払が滞ると督促状を送り、強化月間を決めて電話督促を行なうなどしていたが、平成18年度からは、さらに取組まなくてはいけないということで、電話督促については、全課体制で常時実施をし、また、滞納者の連帯保証人に対しても返還通知を送付させていただくという取り組みを行い、これにより、若干ですが返還率が上昇してきた。
  さらに、本年度は督促を重ねても支払わない者に対して、裁判所から債務者に督促状を送付してもらう制度である支払督促の申し立てを9月に実施した。これに応じない場合には、さらに仮執行宣言付支払督促を行い、給与や預金の差押などの強制執行を行なっていく考えである。今後も、返還率向上に向けて、さまざまな制度を活用していく。
松崎:金銭債権ですから、支払が確定したら即時執行になるかと思う。消滅時効は何年か。
中岡高校教育課長:10年と承知している。
松崎:時効について、公法上の金銭債権の中では、病院の消滅時効などは3年と短期消滅時効に移行しているものがある。これは、公法上の債権ということでなく、サービスの対価という形で捉えられているから、奨学金の債権も将来的には消滅時効も短くなっていくと思う。それはさておき、督促だが、県立病院においては、消滅時効が3年になったこともあると思うが、軽乗用車を2台購入し、職員が直接訪問をして支払をお願いしていく取組みをし、収納率を向上させていると聞いているが、そういった取り組みをしないのか。
中岡高校教育課長:委員御指摘の軽自動車を使った取り組みについては、考えが及んでいないが、コンピュータシステムを使って債権回収を行っているので、その改修を今年度、来年度について行っていきたいと考えている。具体的には、現在は納入通知書を金融機関の窓口に持って行きそこで払い込んでいただいているが、平日に支払をする必要があるので、金融機関にいくことが難しかったり、失念したりする方がいらっしゃるので、コンピュータシステムの改修を行い銀行の自動口座振替の導入をするとともに、現在、年払いか半年払いとなっている返還方法を見直して、毎月返還が行えるようなことも検討している。
  1. 2013/05/31(金) 05:52:44|
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論争 人材の国づくりは神奈川から❾ 本会議編



2010年9月定例会での本会議一般質問
<質疑と答弁のまとめ>
若年者の雇用対策と社会起業支援について

●松崎
3 若年者の雇用対策と社会起業支援について
(1) 若年者の雇用対策について
フリーターや派遣労働者などの非正規雇用者が雇用者全体に占める割合は高くなっており、本県でも31.1%と雇用者の約3分の1を占めております。非正規雇用者の中には、就職氷河期に正社員として就職する機会に恵まれず、30歳を過ぎてもフリーターにとどまっている年長フリーターも多く、平成21年では全国で91万人、本県でも6万5千人と推定されております。
フリーターをはじめとした、非正規雇用の若者は、正規雇用者に比べて低い賃金で働かざるを得ず、また、厳しい雇用情勢が続く中で、いつ職を失うかもわからない不安定な状況におかれ、経済的な自立ができないため、結婚や出産をあきらめるという現実に直面しています。知事は、多くの若者の声なき声を、どのように受け止めているのでしょうか。
そこで、知事に伺います。
将来を担うべき若年者の多くが非正規労働者として雇用されている状況について、本県としては、どのように認識し、また、若年者の雇用対策にどのように取り組んでいくのか知事のご所見をお伺いします。

○知事答弁
次に、若年者の雇用対策について、お尋ねがありました。
若年者が正規雇用されない状況が続くことは、本人の経済的自立ができないばかりでなく、社会的格差の増大などにより、我が国の将来に大きな影響を及ぼす重要な課題であると認識しております。
そこで県では、若年者を正規雇用に結び付けていくため、「かながわ若者就職支援センター」及び「人材育成支援センター」において、就職を希望される方が、自らに適した職業選択や職業訓練を行えるよう、カウンセリングを中心に就業支援に取り組んでまいりました。
また、職業技術校では、24歳以下の若年者優先枠を設けたほか、年長フリーターを視野に入れ、概ね40歳以下の方を対象に、技術校での訓練と企業実習を組み合わせた職業訓練により、実践的な能力を身に付けた人材を育成しております。
今後、職業相談においては、企業が求めるコミュニケーション能力を向上させるため、少人数制でのグループワークを導入するとともに、職業訓練の情報提供を、よりきめ細かく行ってまいります。
また、職業技術校においては、本人の希望や適性にあわせた職業選択ができるよう、各校に配置した求人開拓推進員が、新たな就職先を開拓するとともに、必要に応じて職業訓練指導員が訓練生の企業訪問に同行するなど、就業支援の取組を強化してまいります。
さらに、若年者合同就職面接会を拡充するなど、国や市町村等との一層の連携を図りながら、将来を担う若者が正規で雇用されるよう、就職支援に積極的に取り組んでまいります。
  1. 2013/05/25(土) 08:07:37|
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