本会議で質問に立ち金沢文庫のままのわのような
社会起業支援を初めて取り上げ当時の
松沢知事や県教育長から答弁を引き出しました。横浜市はその翌年、本格的な
社会起業支援に乗り出しいまもその取り組みは継続しています。わずか4年でも世の中は確実に動いていると実感!
2010年9月定例会での本会議一般質問
<質問と答弁のまとめ>
社会起業支援について
●
松崎 社会起業支援について
➊
ソーシャルビジネスについて
ソーシャルビジネスは、社会的課題の解決に有償のボランティアや社会性・公共性の高いビジネスとして取り組もうとするもので、「雇用の創出」や「地域の再生」に大きく貢献する切り札として期待されているものであり、社会・公共の分野へと進出し、中心的な担い手となると見込まれている。
国では複数の省庁で関連の取組が始まり、県も
ソーシャルビジネスに着目してフォーラムを開催した。また、県内企業が経済産業省の
ソーシャルビジネス55 選に選定されるなど、関心の輪が拡大し始めている。
そこで、本県は、公共分野に参画する市民の層が厚く、
ソーシャルビジネスの定着、そして成長に適した地域であると考えるが、
ソーシャルビジネスをどのように捉え、その振興にどのように取り組んでいく考えなのか、所見を伺いたい。
○
松沢知事答弁
ソーシャルビジネスは、多様化する社会的課題の解消を目指すとともに、新たな雇用の場を提供するなど、今後、期待されるビジネスモデルであると考えております。
本県では、平成16年度から、こうしたビジネスを地域で展開するコミュニティビジネスに着目し、関係機関と連携して、創業促進や人材育成、さらには経営支援に取り組むとともに、市町村や商工会、商工会議所などを対象とした勉強会を開催してまいりました。
この結果、11市町で支援が実施されるなど、地域のサポート体制も整いつつあることから、本年度は、モデル事業として地域を越えた社会的課題に対応するソーシャルビジネスを支援しております。
具体的には、環境問題や少子高齢化などの社会的課題に、ビジネスとして取り組むプロジェクトを公募し、その中から、海の環境保護を目指す事業を採択いたしました。
県としては、こうした取組の成果と課題を見極めながら、今後とも、関係機関との連携を深め、より多くの人々に、ソーシャルビジネスの創業にチャレンジしていただけるよう取り組んでまいります。
●
松崎 ❷
社会起業家育成への教育委員会の関わり方について
県立高校では、若い
社会起業家が立ち上げたNPO法人「
カタリバ」による出前授業を、平成19 年度には横浜桜陽高等学校など11校で実施していたが、現在は、経費等の関係から数校でしか実施していないと聞いている。
生徒が自らの感性を生かしながら、外部の力を借りて社会に貢献するために新たな事業を起こす、いわゆる起業により自ら進路を開拓できるような取組を通じて、初めから雇われることを前提とした教育システムから、リーダーとなる人材を育成するシステムへ生まれ変わるきっかけになると受け止めているが、大半の
県立高校では取組に至っていないのが現状である。
そこで、生徒が社会との関わりの中で、自ら起業する情熱を自分の中に見出せるような教育機会の提供が必要であると考えるが、所見を伺いたい。
○教育長答弁
教育関係について、お答えいたします。高校生の起業家意識を育てる教育についてのお尋ねがございました。
高校生の段階から起業家意識を高めていくことは、すべての
県立高校で推進しているキャリア教育を充実させていくうえでも重要なことだと考えております。
起業家意識を高めるための、本県における取組でございますが、商業高校でのチャレンジショップでは、経営に関する知識などの習得にくわえ、地域の特産品を活用した商品開発や生徒自らがイベントを企画するなど、実践的なビジネス活動を行なっております。
さらに、神奈川総合産業高校の「アントレプレナー入門」という起業家入門講座においては、高校生のうちから起業家意識を高めるために、新たな産業の創出に主体的にかかわる体験的活動に取り組んでおります。
このような起業家意識を高める取組は、高校生にとって自ら進路を切り拓く情熱を育てるという効果がみられますことから、今後は、専門高校に限らず、普通科高校等でも、幅広く展開していくことが重要であると認識しております。
そこで、今年度からは、普通科の上鶴間高校も大学と連携し、自ら将来を切り拓く情熱や、課題発見と解決力、コミュニケーション能力など、幅広い能力の育成をめざした「ソーシャルアントレプレナーシップ教育」の研究を始めたところでございます。
今後、教育委員会といたしましては、こうした起業家意識を高める取組について、研究発表や研修などの機会を通じて広く
県立高校に周知し、「社会のニーズをとらえて起業しようとする情熱」や「自ら進路を切り拓く力」を育成する取組を支援してまいります。
以上でございます。
- 2015/02/06(金) 00:01:27|
- 横浜市金沢区
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平成25年10月28日決算特別委員会での質疑のまとめ
(2)学校における
消費者教育について
松崎: 主要施策説明書34ページ「6 安全で安心できる消費生活などの確保」の中で、学校における
消費者教育の推進に取り組んだ、との記載があります。これについて何点か伺います。
まず、
消費者被害に遭うということを防ぐためには、学校での
消費者教育が重要と考えますけれども、24年度に
消費者行政の中ではどのような取り組みを行ったのか伺います。
渡邉消費生活課長: 学校での
消費者教育については、県では
教育委員会や私学の担当課などの行政機関のほか、公立・私立の
教育機関関係者などで構成する、「学校における消費者教育推進協議会」を設置し、推進方策について協議しております。具体的には、協議会における検討を経て、中学生向け及び高校生向けの授業での活用を目的とした教材や、
教員向けの指導用解説書を作成・配布しております。
また、これとは別に、その時々の消費者被害の状況に応じた教材等も作成しております。例えば、平成23年度になりますけれども、近年急速に若年層にも普及したパソコンやスマートフォンによる、インターネットの利用を通じた被害について具体例を疑似体験できるDVD、これは「インターネットの危ない世界」というDVDでございますけれども、こういったものも作成しました。
さらに、消費者教育における
教員の指導力向上のため、小・中・高等学校の
教員を対象とした
研修を実施しているところでございます。
松崎: 答弁ありがとうございます。そうしますと、これは教育局に伺わなければいけないのですけど、若い人への消費者教育として
県立高校では、さまざまな教育を行っているということは聞いているのですが、具体的な取り組みについて詳しくお伺いしたいと思います。
久保田高校教育指導課長:
県立高校としましては、全ての生徒に対して
家庭科でありますとか公民などの授業の中で、消費者被害の未然防止などを目的とした消費者教育を行っております。具体的な例といたしましては、
家庭科の授業で、消費者問題の現状と課題について、生徒自身がグループで話し合うなどのワークショップの実施、さらには金融機関の職員を講師とした、マネートラブルトラブルに関する講演会などを行っている学校もございます。そのほか先ほども答弁でありましたけど、高校生が被害に遭いやすい占いサイトであるとか、オンラインゲームなどによるインターネットのトラブルを擬似的に体験できる教材が、県民局のほうから全
県立高校の方に配布されております。使用状況について確認させていただいたところ、144校中45校がすでに
家庭科や情報科の授業で活用しておりまして、9校が今後活用する予定で、18校が現在検討中であると把握しているところであります。
松崎: DVDが配られていて、144校中45校が活用しているということですが、まったく活用していない学校は何校あるのですか。
久保田高校教育指導課長: 144校のうち、45校が活用しているということですので、99校が活用していないということになります。
9校が今年度中に活用予定で、18校が今現在検討をしているということでございます。
松崎: すると残りの72校はどうなっているのですか。
久保田高校教育指導課長: 現在72校については活用していないという状況が現在、把握できたとこでございます。このような教材の活用は非常に重要なことであると考えておりますので、なぜ活用されていないのかということにつきまして、原因を把握していくとともに、これからも周知するとともに多くの学校で活用できるよう働きかけていこうと考えております。
松崎: 高校生といっても発達段階、それぞれ16歳、17歳、18歳とか全日制の普通科の学生だとそういった年齢だと思うのですけど、そういった年代の子どもたちであるということに違いは無いです。同じような危機感を持って、県民局から、県民の税金で作成をされたものが配布をされている。使用されていないという状況について、今把握をして、これから対策をってことなんですけど、そもそも危機感があるのか無いのか、どうなんでしょう。危機感があって、子どもたちを守らなければならないというのであれば、なぜ教育局として積極的に活用すべしということを一律に徹底しないのですか。
久保田高校教育指導課長: 委員ご指摘のとおりですが、全ての
県立高校で授業の中で、消費者被害の未然防止ということは扱っております。さらにそれ以外の取り組みにつきましても、講演会でありますとか、それぞれの関係機関の方からの話や、ワークショップなどを実施している現状がございます。従いまして、非常に有効なものであるとの認識はございますけれども、このDVDの活用につきましては、今後にということで、先ほど答弁させていただいた状況でございます。
松崎: それにつきましては、活用してくださいとここで要望するまでも無く、当然活用するべきものであると思いますので、当局としてもそういった考えで間違いないですね。
久保田高校教育指導課長: 有用な体験ができるDVDでございますので、今後活用させるように働きかけていくことを考えております。
松崎: では、これも先ほど答弁中にございましたけれど、授業の中で消費者教育をやっているということですが、それでは年間何時間くらいを、
県立高校では消費者教育のために当てているのでしょうか。
久保田高校教育指導課長:
家庭科の中でも家庭基礎、家庭総合という科目がございますけど、この消費者教育については4時間程度と把握しております。
松崎: 4時間で十分なんでしょうか。
久保田高校教育指導課長: それ以外にも実施していく必要が、昨今の状況から考えた場合には、あるのではないかと考えておりまして、それぞれの学校ではマネートラブル以外にもインターネット上のトラブルについては、様々な取り組みをさせていただいているというところでございます。
松崎: 多様な被害があると思いますので、様々な取り組みが必要だと私も思います。
それでは県民局消費生活課長へもう一度伺います。
教員向けの
研修を行ったとおっしゃっていますが、実績はどういうものでしょうか。24年度の実績を教えて欲しい。
渡邉消費生活課長: 消費者教育
教員研修ですけど、
教員が参加しやすいようにということで、夏休みの期間中に実施しております。平成24年度は全8日間の日程で、計354名が受講しております。参加者の反応の中には、「学校での授業や生徒指導、保護者への説明にそのまま使える素材だった。」あるいは、「新しい情報を子どもたちに話すことができる。」こんなような感想がございました。
松崎: 夏休み8日間、354名の参加ということですけど、どういった科目の先生なのでしょうか。
渡邉消費生活課長: 技術・
家庭科関係でございますが、こちらが31.7%でございました。あと、
社会科系が18.2%。その他として50.1%でございます。
松崎: それでは、本来対象とすべき、いわばこの354名の分母は何名なのでしょうか。本来参加すべき方々というのはトータルで何名ぐらいなのでしょうか。
久保田高校教育指導課長: 先ほど
県立高校で授業を実施しているということで、正確な把握ではございませんが、ざっとで、公民科のほうで約300弱、
家庭科のほうでも200強、情報のほうでも200弱ではないかという風な感じでは捉えております。
松崎: そうすると、大体800名というふうにざっくり考えていいですか。
久保田高校教育指導課長: 厳密な調査ではないが、そのくらいの数ではないかと把握しております。
松崎: そうするとずいぶん乖離がある。参加してもらわなくてはいけない方は800名おられるけれど、実際の参加は354名にとどまっている。この差、どういう風に受け止めたらいいのでしょうか。これは、その、例えば子どもを取り巻く状況に対する危機感が希薄なのか、それとも、そうではなくて大変忙しい最中であるから、時間をとるのが大変難しいという、行きたいけれども行けないという人が過半数を占めている、どちらなのでしょうか。
渡邉消費生活課長: 参加者につきましてですが、この
研修は単年度ということではなくて、毎年毎年開催しております。24年度に参加できなかった方については、25年度に参加していただくということで、なるべく参加していただきたい。こんな風に思っております。
松崎: 期待を込めてという意味合いの答弁でしたけれども、実際にそうやって必ず違う人が参加するというようなローテーションみたいなものが年度を越えて組まれているのでしょうか。
渡邉消費生活課長: 必ずしもローテーションで決まっているわけではございません。
松崎: 随分伺ってきたけれども、それはひとえに、若者というふうに県民局は呼んでいて、教育局のほうでは高校生という風に呼んでいる、おそらくは同じ子どもたちがかなりいるという、その若い層で消費者被害に遭わないための対策という点に絞ってお聞きしています。
そうすると、これはかなり課題も見えてきているのですけども、いかがでしょうか。その、指導力向上を教員の方に図るといっても、インターネットサイトを使った詐欺というだけでも手口はどんどん巧妙化していると、本会議等においても県警察からも伺っているところでして、アップデートされた内容で勉強して、勉強というのか知識を得ていかないと、教える側というのは子どもたちからすると、さらされている危険について有効な警告をしてくれる存在でなくてはいけないわけだから、そこが大変難しいのかなという風に思います。
どのような工夫をして、それでは、そういう
研修をしているのでしょうか。
渡邉消費生活課長: まず、教員
研修の企画については、協議会のもとに設置した、小・中・高等学校の
社会科や家庭科など関係教科の教員などで構成するワーキンググループによりまして、前年度研修の参加者アンケートなどを参考にして、教育現場の声を反映したものとなるように検討しております。
具体には、「模擬授業形式」や授業での実施方法を想定した「グループ討議」などを取り入れて、実際に授業ですぐに活用できるような講座を行っているところであります。
また、参加者の意見を反映して、教材としてそのまま授業で活用しやすいレジメの作成を講師に依頼するとともに、座学だけでなく実習や体験を盛り込むなどの工夫も行っているところでございます。
松崎: 教育局長にお伺いしますが、学校現場から実際に県民局が開催しているそういった研修の場へ参加される方の数とか、あるいはまたこれからどうしていくのかといった課題があると思われる答弁を今いただいていますが、教育局長としてはあるいは県民局としては、こうした24年度中に浮き彫りになっている課題について、今年度あるいはこれからどういうふうに取り組んでいくお考えなのか、基本的な部分をお聞かせいただきたいと思います。
安西教育局長: 一番いいのは全教員が参加をして、そしてその研修を受けた内容を子どもたちにフィードバックできるというのが、一番望ましいと思います。
または、そう言いながら、なかなか時間の取れない教員もいます。そういった部分については、一つはローテーションで行くというのが一つの手、それからもう一つは、受けた研修を自分のものだけにしないで、学校に戻ったら必ずそれを全教員にフィードバックする、そういった形で最終的には全教員がきちんと受け止めて、最終的には生徒が被害を受けないような形にしていきたいと思っております。
松崎: 要望を述べます。消費者教育は家庭科や
社会科との結びつきが強いということに着目をされて、研修を強化していくことは結構ですが、特定の教員だけの問題と捉えられがちなのではないかという懸念があります。言うまでもありませんが、消費者教育は子どもたちの生きる力を育てるというものであり、
犯罪に遭わないために活用されるべきものであります。学校全体で取り組むという、今の教育局長の答弁を重く受け止めさせていただきます。今後、教育委員会と県民局が連携をさらに密にしていただいて、各学校で実際に消費者教育が効果的に進むよう取り組んでいただくように要望をいたします。
- 2014/01/23(木) 13:36:18|
- こども
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平成25年10月28日決算特別委員会での質疑のまとめ
(1)
県立高校について
松崎:
県立高校について伺います。
主要施策説明書によりますと、総合学科高校及び単位制普通科高校の教育改善について述べられています。
県立高校につきましては、その時々に応じた改善がほどこされていったと思いますが、この夏には、神奈川の教育を考える調査会からも最終まとめが出されているところであります。これらを踏まえて何点か伺います。
まず、総合学科あるいは単位制普通科の高校とは、どのような学校なのか、これらの高校を設置した経緯も含めて確認したいと思います。
福田
高校教育企画課長: 単位制普通科と総合学科はともに「単位制」でございまして、学年の区分がなく、3年以上在学し、必要な単位を修得することで卒業が認められる学校でございます。
単位制の高校は、全日制では平成5年度から制度化された新しい仕組みでございます。いわゆる学年制に比べて多くの選択科目の中から、生徒の興味・関心や進路希望に応じて主体的に選択し、学習できるようになっております。
単位制普通科につきましては、国語や数学などの普通教科に関する科目を中心に選択科目を設置しております。
一方、総合学科は、普通科目だけでなく、農業や商業などの専門科目を含む特色ある幅広い科目を選択できるようにすることや、体験学習などを通じて、生徒が自らの個性・適性を発見し、将来の進路や生き方について考えることができる学科となっております。
設置の経緯でございますけれども、この制度化された当時、
不本意入学や
中途退学などの課題が顕在化しておりました。個々の科目ごとに単位を修得でき、その単位を加算することによって、必要な単位数を累積し、卒業できる仕組み、このことによって、こうした課題への対応をはかるために設置された高校でございます。
松崎: それでは現在、
県立高校全体の校数と、総合学科や単位制普通科、それぞれの配置されている状況は、それぞれどのようになっているのでしょうか。
福田
高校教育企画課長: 現在、
県立高校は143校ございます。うち、県立の全日制高校は141校設置されております。
この141校のうち、単位制普通科高校は平成7年度に開校しました神奈川総合高校をはじめとして11校、総合学科高校は平成8年度に学科改編しました大師高校を皮切りに同じく11校開校しております。
それぞれ、11校の配置状況でございますが、単位制普通科は横浜市に4校、川崎市に1校、その他
県立高校の旧学区に各1校程度、また、総合学科高校は横浜市に4校、川崎市に2校、その他の地域は旧学区ごとに1校程度設置し、県内、どの地域からも生徒が通学できるように配置してございます。
松崎: 平成23年3月の「これからの県立高校のあり方」に基づきまして、総合学科高校や単位制普通科高校の教育課程改善に向けた指針を策定したということでございますが、指針の内容を簡潔に伺いたいと思います。
福田
高校教育企画課長: 「これからの県立高校のあり方」では、それぞれの学科において生じている改善すべき課題を整理し、その改善に向けた具体的な取組みの方向性を示しております。
これを受けまして、総合学科や単位制普通科の高校の教育課程改善に向けた指針は、単位制という共通点を持つそれぞれの学科の違いがわかりにくいという指摘に対応するため、それぞれの学科の設置目的等を確認し、設置趣旨に基づいた教育を提供できるよう教育課程や教育展開における工夫を求めている、こういった内容でございます。
松崎: それでは伺いますが、今年8月の、神奈川の教育を考える調査会の最終まとめでは、単位制普通科高校や総合学科高校などに関して、「多くの選択肢が用意されたことで、それぞれの学科の違いがわかりにくくなり、進路選択がしづらいとの指摘もなされてきている。」と記載されています。
教育委員会は、このことについてどのように受け止めているのでしょうか。
福田
高校教育企画課長: 先ほどご説明申し上げましたように、両学科とも単位制であることから、生徒が科目選択する中で、豊富に用意されております普通科目と専門科目の選択肢から、専門科目を置いている一部の総合学科高校においては、普通科目を選択する傾向が強くなっている、このようなことがございます。そのため、結果的に「違いがわかりにくい」という指摘につながっていると受け止めております。
生徒が主体的に選択できるように、違いがわかりやすくしていくことは大切であると考えておりまして、今後もそれぞれの学科の設置趣旨を踏まえた教育活動を展開できるよう、支援してまいりたいと考えております。
なお、
教育委員会といたしましては、そうした指摘を受け、本年の5月に実施いたしました県内のすべての公立中学校進路担当者を対象とした説明会において、総合学科と単位制普通科の違いを説明させていただくとともに、公立中学校の3年生全員に配付したリーフレットにおいても、その違いについて記載したところでございます。
松崎: 目的を持って設置したこれらの高校であるにも関わらず、また進路説明会等で、あえて特色を説明しているところは、私だけではないと思うのですが、なにか違和感を感じるわけですが、今、総合学科や単位制普通科に関する調査会からの意見について伺ったわけですけど、このほかに調査会から
高校教育に関して、どのような意見があったのでしょうか。
福田
高校教育企画課長: その他に調査会からは、県立高校全体の規模と配置について、
・今後の生徒数の減少傾向はもとより、各学校の取組成果と課題の検証を踏まえ、再編・統合を進めていく必要があること。
・各学校の規模について、学校の活力を高める観点から、学校や生徒の状況に応じて、学級数の拡大に向けて検討していく必要があること。
・全日制や定時制といった課程、学科の特性や生徒の実態等に応じて、教育課程の再編に取り組む必要があること。
・公立の役割を踏まえて、学習の遅れなどの課題のある生徒を受け止められるよう、既設校における支援体制の充実を図っていく必要があること。
などの意見をいただいているところでございます。
松崎: 今の確認させていただいた話にも出ていましたけども、高校教育に関しては、今後の生徒数の減少も見込まれていて、将来的な全体像を描いていかなければならない時期に来ていると認識しております。調査会からは、県立高校の教育改革については、改革を推進するために必要な組織を設置するよう求められているわけですけど、この点についてなにか考えはあるでしょうか。
大畑指導部長: 委員からご説明があったとおり、子どもの数の現象に応じた新たな教育環境づくり、こうしたものがこれから求められてきております。調査会の最終まとめの中では、県立高校の再編統合について、将来的な生徒数の減少や教育ニーズの動向などを踏まえた計画を策定すべきだという意見も寄せられているところでございます。こうしたことを受けまして、23年3月の「これからの県立高校のあり方」、つまり高校改革の検証でございますけど、そうしたことも踏まえまして、今後、局内に意見聴取組織をできるだけ速やかに組織します。とともに、併せて学識経験者などによる協議会を年度内に立ち上げまして、今後の再編統合の基本方針、続く27年度中の学校名を含めた実施計画案、このようなものの検討を進めていきたいと考えております。
松崎: 県立高校の改革を行う組織をできるだけ速やかに設置するとのことですが、具体的に伺いたいと思います。これだけ大きな課題を抱えていて、しかも生徒数の減少等を含めた状況の変化というものを暦年常任委員会等の各会で伺ってきた中で、課題だと言われ続けてきたわけです。前回設置をした調査会で同じ指摘をまた受けているわけです。そこのところで、どう取り組むのかお聞きしたいと思います。
安西教育局長: 生徒数は、平成18年3月の段階で約64,000人で、それから若干増えてまいりまして、平成26年3月に70,000人と再ピークを迎える状況です。平成40年には、62,000人になり、約8,000人減っていくという状況でございます。そういった生徒数の減少、それ以外に今回調査会では県立高校全体の成果と課題の検証や、生徒数の減少の傾向を踏まえ、計画的な再編・統合を進めて、その際、各学校の活用を高める観点から、各校の必要に応じて学級数を拡大するようご意見を調査会からご報告いただいている次第でございます。こういった中、私どもとしましては、一刻の猶予も許されないので、来月には
教育委員会内部に検討委員会を作っていきたいと考えております。
松崎: 来月には検討会を立ち上げていきたいとの事でございますが、前回の高校改革がどうだったか調べたところ、県立高校将来構想検討協議会というものを設置していて、外部の有識者の意見を聞きながら改革計画を策定していくという重要な任務を背負っていたわけですが、今回も、内部に来月検討会を設置したとして、外部の組織の方々の意見も聞いていく組織も立ち上げていく必要があるであろうと考えております。実際にそういう考えもあるということで、年度内の設置ということは聞いておりますが、具体的に、いつ頃立ち上げていくのかお聞かせください。
安西教育局長: 本会議の答弁で教育長から年度内という話をしております。年度内と言っても、なるべく早くと考えておりまして、教育局内の組織を11月に作りますので、それからあまり時間を経ないよう、年度内ぎりぎりにならないように、作っていきたいと思います。年明けを目途に考えていきたいと思います。
松崎: それぞれ具体的な日程というものを含めてお答えいただきましたけれども、要望させていただきたいと思います。
高校教育を取り巻いている状況が日々変化をしていて、子供たちの高校に求めるものも多様化する中で、高校そのものも変化していく部分、そしてまた、守るべき基本とがあると感じております。平成25年度からは新しい学習指導要領が実施されておりまして、また、調査会からの最終まとめも出された中で、
教育委員会としてこれからの高校教育の有り方をしっかりと捉えて、たゆまぬ改善をしていくことが大切だと考えてます。調査会のまとめを踏まえながら、子どもたちの将来に向けた歩みをしっかりと支援できるように、より良い県立高校作りに向けた真摯な取り組みを要望させていただきます。
- 2014/01/16(木) 17:15:26|
- 神奈川県
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2003年9月 青少年総合対策特別委員会での質疑のまとめ
少年事件をめぐる取り組み強化に向けて
松崎:6月定例会から今日までのわずかな間に長崎の12歳の少年による事件、沖縄の中学生集団暴行事件があった。新聞に少年に関する事件が載らない日はない。県としてこの間どのような対応をしてきたのか?
県側:長崎、沖縄の重大事件を受けて、
教育委員会は県
教育長通知を出し、「人間尊重を基盤とした生徒指導の徹底」を呼びかけ、さらに
問題行動の未然防止に向けて「児童生徒の
問題行動の対応のあり方に関する点検」を行うよう、すべての市町村
教育委員会と
県立高校に通知した。
松崎:その「点検」の結果は?
県側:報告を求めていない。
松崎:報告を聞いてもらいたい。その上で各校から要望や問題点を聞き出してほしい。そしてそれに対して県としてどうしていくべきかを考え、対応していってほしい。「点検」を意味あるものにするため、以上のような2段構えの対応をしてもらいたい。事はそれでも足りないくらいの切迫した状況にあるはずだ。
県側:県青少年総合対策本部長の松沢知事名で緊急アピールを出し、横浜、川崎駅頭でキャンペーンを行った。今後シンポジウムも開催し世論喚起に務める。
- 2013/06/07(金) 00:56:06|
- こども
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高等学校奨学金について 2007年10月文教常任委員会
松崎:経済格差が、学力格差あるいは教育格差になってきているという指摘は昨今、政府等でもなされているわけだが、教育負担が重くなってきており、また厳しい経済雇用情勢によって、家計が支え切れなくなり、やむを得ず中途退学をする状況につながってきていると思う。
平成19年度、高等学校奨学金は5年前と比べて予算額は5倍、募集人員は4倍に4,000人となっているが、まず本年度の年収基準を確認したい。
中岡高校教育課長:応募要件の収入要件は、第一種奨学金は世帯全体の収入が約800万円、第二種奨学金は主たる生計維持者の収入が約800万円となっている。
松崎:800万円というお答えがあったが、本年度採用した奨学生の年収の上限はいくらになっているか。
中岡高校教育課長:平成19年度の奨学生の選考については、第一種奨学金は世帯収入が約650万円まで採用し、第二種奨学金は主たる生計維持者の収入が約670万円まで採用している。
松崎:応募要件に800万円と言いながら、650万円、670万円まで採用できないギャップについてはどのように考えているか。
中岡高校教育課長:委員御指摘のように、800万円の要件がありますが、4,000人を超える応募があり、この中で選考を行なわざるを得なかった状況があり、今後改善を図っていかないといけないと思っている。
松崎:本会議での答弁では、予算額は5倍、募集人員は4000人とあり、ここだけを聞けば非常に頑張っていると思えるが、内容をみるとギャップがある。お金のことなので、県民の皆様に対しても内実を説明しないといけないと思う。そこで具体的にどのような改善をいつまでに進めていく予定なのか。
中岡高校教育課長:奨学金は14億円という予算で4,000人という募集人員で応募をしているが、本年度も200人程不採用者を出している現状である。県の予算も厳しいという状況があるので、例えば、現在、国公立20,000円、私立40,000円という月額で貸し付けているが、今後これ以上予算の増加ができないということであれば、より多くの生徒を採用すると言う観点から、本県の貸付月額は他県に比べて高くなっているので、平成21年度位までに貸付月額を予算の状況を踏まえて見直していきたいと考えている。
松崎:平成21年度からは、貸付月額を下げるということか。
中岡高校教育課長:貸付月額を下げることに限定しているわけではない。保護者の方の収入要件についても、年収が670万位までしか採用できない現実があるので、収入要件も含めて見直していきたいと考えている。
奨学金の制度の変更については、保護者、生徒に対して周知期間も必要であり、条例改正も必要となるので、平成21年度に向けていろいろな視点から検討を進めていきたいと思う。
松崎:冒頭にも述べたが、生活が厳しくなっている方が増えている中で、奨学金を必要性が強くなっていることを否定する方はいないと思う。そういう中で奨学金どうするかは、非常に議論があるところだが、月、2万円、4万円の単価が多すぎるから下げるべきだということは聞いたことがない。今言われているは、逆に大学の奨学金などでは、生活のところまで面倒をみるところまで考えて、その方が卒業して責任をもって返して行くにあたり、どういう工夫をするのか。というところが言われている。高校についても、この800万円という基準が満たされたことが無いということは、この文教常任委員会の議論において前年度以前も繰り返し議論されてきたことだと承知している。歴代の教育長の答弁でも800万円という基準が満たされないのは問題である。このところについてはきちんと手当をしくように考えていきたい。と言われてきたと思う。この線に沿って今年度どのように考えているのかというのが1点目の趣旨だ。今の答弁では、月2万円、4万円が高すぎるというニュアンスがあり、収入要件を見直していきたいということがあり、予算が増えればそれにこした事がないという答えもある。教育委員会としては何をどうしていきたいのか高等学校奨学金の基本原則、原理をどこに置いているのか聞きたい。
中岡高校教育課長:1つは奨学金なので非常に所得の低い方には確実に貸付をして行きたい。例えば生活保護を受けている方については成績要件を求めていない。もう一方で奨学金なので、真に学習意欲があり、真に経済的支援を必要としている生徒さんについても貸付をして、教育を受ける機会を確保していくことを大前提に考えている。
松崎:いずれにしても21年度までに結論を出していくという答弁でした。条例改正をしなければならないと言うことがあったので、この点については、今までの歴代の委員会の答弁と比べては、かなり具体的な答弁であったと私は受け止めている。この先の議論については、12月、2月で議論させていただくこととして、奨学金について、もう1点お聞きしたいことがある。返済状況はどうか。
中岡高校教育課長:奨学金返還率は、年々低下傾向でして、平成17年度は50%を割り込むという状況があったが、督促に取組んだ結果、平成18年度は54.7%であった。
松崎:まじめに返して方がいる一方で返済をしていない方がいることについて、率直に教育委員会としてはどう受けとめているか伺いたい。
中岡高校教育課長:委員がおっしゃるとおり、まじめに返して方がいる反面で返済をしていない方がいるということは、公平性を欠くことと考えている。平成17年度までは、支払が滞ると督促状を送り、強化月間を決めて電話督促を行なうなどしていたが、平成18年度からは、さらに取組まなくてはいけないということで、電話督促については、全課体制で常時実施をし、また、滞納者の連帯保証人に対しても返還通知を送付させていただくという取り組みを行い、これにより、若干ですが返還率が上昇してきた。
さらに、本年度は督促を重ねても支払わない者に対して、裁判所から債務者に督促状を送付してもらう制度である支払督促の申し立てを9月に実施した。これに応じない場合には、さらに仮執行宣言付支払督促を行い、給与や預金の差押などの強制執行を行なっていく考えである。今後も、返還率向上に向けて、さまざまな制度を活用していく。
松崎:金銭債権ですから、支払が確定したら即時執行になるかと思う。消滅時効は何年か。
中岡高校教育課長:10年と承知している。
松崎:時効について、公法上の金銭債権の中では、病院の消滅時効などは3年と短期消滅時効に移行しているものがある。これは、公法上の債権ということでなく、サービスの対価という形で捉えられているから、奨学金の債権も将来的には消滅時効も短くなっていくと思う。それはさておき、督促だが、県立病院においては、消滅時効が3年になったこともあると思うが、軽乗用車を2台購入し、職員が直接訪問をして支払をお願いしていく取組みをし、収納率を向上させていると聞いているが、そういった取り組みをしないのか。
中岡高校教育課長:委員御指摘の軽自動車を使った取り組みについては、考えが及んでいないが、コンピュータシステムを使って債権回収を行っているので、その改修を今年度、来年度について行っていきたいと考えている。具体的には、現在は納入通知書を金融機関の窓口に持って行きそこで払い込んでいただいているが、平日に支払をする必要があるので、金融機関にいくことが難しかったり、失念したりする方がいらっしゃるので、コンピュータシステムの改修を行い銀行の自動口座振替の導入をするとともに、現在、年払いか半年払いとなっている返還方法を見直して、毎月返還が行えるようなことも検討している。
- 2013/05/31(金) 05:52:44|
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