平成26年3月3日神奈川県議会 県民企業常任委員会での質疑まとめ
子ども・
子育て支援新制度と
放課後児童クラブについて
松崎:
子ども・
子育て支援新制度について何点か伺う。
子ども・
子育て支援新制度は、幼稚園や
保育所に対する制度については戦後初めてと言ってもいいくらいの大きな変更だ。本県は政令市が3つあり、全国でも特別な県であると言ってもいいと思うが、大都市制度の関係でどのような影響を持つのか何点かお聞きする。
まず、現行制度において、
子ども・
子育て支援の分野での県と政令市の役割分担や関係はどのようになっているのか。
子ども・
子育て支援制度準備担当課長:
子ども・
子育て支援の分野での現行制度の関係だが、現行制度では児童福祉法に基づく
保育や地域子育て支援事業については、大都市特例が定められていて、政令市が認可や届出受理、指導・監督、財源負担まで一括して行っている。そのため、県とは独立した形で児童福祉行政を行っているので、県は政令市に対する財政負担はない。県は政令市・中核市以外の市町村における
保育や地域子育て支援事業についての認可、指導・監督、負担金・補助金などの財政負担を行っている。また、幼稚園に関しては大都市特例はないため、私立幼稚園の認可、指導・監督、補助は政令市分も含めて県内全域についてすべて県が行っている。政令市は他の一般市町村と同様に、国の幼稚園就園奨励費について財政負担を行っている。
松崎:それでは、子ども・子育て支援
新制度、新しい制度においては、県と政令市の役割分担や関係はどのように変わることになるのか伺いたい。
子ども・子育て支援制度準備担当課長:
子ども・子育て支援
新制度においては、子ども・子育て支援関係の財政負担は子ども・子育て支援法に基づいて行われることになる。子ども・子育て支援法には児童福祉法のような大都市特例はないので、県は政令市における
保育や地域子育て支援事業についても財政負担を行うことになる。この点が役割分担として大きく変わる点である。
松崎:
新制度において、県と政令市の役割分担や関係が変わることになるのはどうしてか。理由や背景を伺いたい。
子ども・子育て支援制度準備担当課長:
子ども・子育て支援新制度は、消費税率を引き上げることによる増税財源を活用して、就学前の児童に対する質の高い教育・
保育を保障し、子育て支援を充実させるための制度である。そのため、財源が消費税となることから大都市特例はなくなり、政令市の財政負担は一般の市町村と同等の扱いとなる。
松崎:そもそも新制度は税と社会保障の一体改革の一環として、消費税増税財源を活用して子ども・子育て支援の充実を図るものであるが、国ではこの基本部分の周知が十分にされていない状況だと思う。国は子育て家庭向けの広報・周知について、いつごろからどのような形で進める予定なのか。
子ども・子育て支援制度準備担当課長:
これまでも県は国に対して、新制度の周知について国が責任を持って行うべきだと繰り返し提案・要望してきた。国では26年度に入って、ようやく一般の国民向けの広報をスタートすることになっている。具体的には国でパンフレットやポスターの作成、情報発信や全国でのフォーラムの開催を予定している。
松崎:新しい制度において、県・市町村とともに計画策定が義務付けられていると承知しているが、政令市についてはこの計画策定準備はどこまで進んでいるのか。
子ども・子育て支援制度準備担当課長:
新制度について、市町村では市町村の子ども・子育て支援事業計画を策定することになっている。
その計画では、年度ごとの教育・
保育の量の見込みとそれに対応する確保方策を設定することになっている。政令市では、教育・保育の量の見込みを出すために、昨年管内の子育て家庭へのニーズ調査を行っていて、現在ニーズ調査の結果を集計・分析している。また、国から量の見込みを算出するための手引きが1月末に出されたため、それを基にして、ニーズ調査の結果から量の見込みを算出する準備を進めていると承知している。
松崎:ニーズ調査のデータを分析しており、それから、量の見込みを算定するための基準がようやく輪郭が見えてきたので、量の見込みを考えていくための準備をしているところということだが、制度への移行が決まっていて、3月のこの時期にデータ分析等をやっているというのは、制度の移行に向けて第3コーナーを回った状況にあると言ってよいのか。
子ども・子育て支援制度準備担当課長:
当初の国のスケジュールでも、ニーズ調査を行った後の量の見込みの算出については、4月頃に報告を求めることになっているので、計画どおりに進んでいると思う。
松崎:市町村計画の実現のために、財源の裏づけが必要不可欠になってくる。県も政令市の計画に位置づけた事業の財政的負担を行うこととなる。新制度に向けて策定される政令市の計画の実現に伴う県の財政負担がどれくらいになりそうか分かるのはいつ頃なのか。
子ども・子育て支援制度準備担当課長:
政令市では、教育・保育の量の見込みと確保方策を、途中段階にあたる本年の9月頃に県に報告をするスケジュールとなっている。これによって、例えば3歳未満で保育を必要とする予算を何人くらい見込んで、認可保育所や小規模保育事業などにより、どのような方策で保育を行うのかといった粗々の数字が9月頃には出るので、そのころには県の財政負担を試算できると思う。
したがって、秋頃には政令市分の県の負担がどの程度になるか計算できるだろうと考えている。
松崎:県として一定の財政的負担を負う以上は、政令市が計画に位置づける事業の量や目標値について、政令市任せというわけにはいかないと思う。そのために計画の法定協議が義務付けられているが、策定準備が進み、政令市側の子ども・子育て会議での検討も重ねられた段階で、計画案を県と協議するといっても、その段階では調整は難しいのではないかと思うのだが、県としてはどのように対応するのか。
子ども・子育て支援制度準備担当課長:
現在、政令市では教育・保育の量の見込みを算定する作業に着手している。 量の見込みは、今年4月ごろに市から報告を県が受け、それをまとめて国に報告する段取りになっている。この報告の機会を捉えて、県として政令市の量の見込みが適切であるかどうかを、国のモデルを基本にして確認していきたいと考えている。その後、国で全国の見込み量の算定状況の集約が図られると思うので、全国の状況に照らして政令市の量の見込みの水準はどうなのか、そういった観点からも検討を促したいと思う 。
松崎:最後に確認の意味で、もう一つだけ聞くが、これまで子ども・子育て支援の分野では政令市が県から独立した形で行政を展開してきた。しかし、新しい制度では県の財政負担があって初めて政令市の計画の実現が図られるということでよろしいのか。
子ども・子育て支援制度準備担当課長:
委員お話しのとおりである。
松崎:県当局におかれては、今後一般向けにも新制度の周知を図っていくことになると思うが、納税者である子育て家庭に対して、こういった制度の根幹部分について十分周知していただくように要望する。特に、政令市が県から独立して行ってきた子ども・子育て分野について、新たな県の財政負担があって初めて政令市において新制度の計画実現が図られることになるという事実を周知していただき、政令市と県が一致協力して、より良い子育て支援が実現できるようにがんばっていただきたい。
引き続いて、
放課後児童クラブについて伺いたいと思う。
子ども・子育て支援新制度については、
放課後児童クラブについても充実が図られるとうかがっているが、この点について、国の動向と県の対応について伺いたい。
まず、新制度に向けて
放課後児童クラブの基準を市町村が条例で定めることになるが、その基準の考え方について、昨年末に国で取りまとめが行われたということである。国が取りまとめた基準の考え方について、概要を伺う。
次世代育成課長:
放課後児童クラブの設置・運営基準は、国の審議会の特別に専門委員会が設けられて、基準の考え方が取りまとめられところである。
この考え方に基づき今年度末に省令基準が示されることになっており、市町村が条例を制定することとなっている。
主な基準としては、まず、従う基準、全国一律に定めるのが望ましいとされる基準だが、
指導員の資格は、児童福祉法に基づく遊びを指導する者であって、
研修を受講した者という考え方である。
指導員の配置人数については、2名以上という考え方が取りまとめられている。
次に、「参酌する基準」だが、クラブの規模ということで、1クラブの規模はおおむね40人までが望ましいとなっている。それから、面積だが、児童1人当たり概ね1.65㎡以上の面積の確保が望ましいというところが、基本的な考え方として、取りまとめられたところだ。
松崎:国の取りまとめの中では、
放課後児童クラブの
指導員資格について、全国共通の基準が設けられるという点が大変重要であると思う。具体的にどのような資格水準が想定されるのか。
次世代育成課長:
指導員は「児童の遊びを指導する者」が基本になるが、「児童の遊びを指導する者」とは、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第38条で定めており、具体的には、保育士、幼稚園教諭、社会福祉士等の資格をお持ちの方が基本となり、高校を卒業して、2年以上児童福祉事業に従事した人など、バリエーションがあるものとなっている。
併せて、この資格を満たす上に、放課後児童クラブでの生活の支援ということで、そのための知識と技能を学ぶための
研修を受講していただくということが資格の内容ということで示されたところである。
松崎:次に、県内の放課後児童クラブで従事している方達の中で、国がとりまとめた資格を満たす方は何人位いらっしゃるのか。また、資格を満たせない方は何人位いらっしゃるのか。
次世代育成課長:
現在、県内の
指導員の方は4,263人で、先ほど申し上げた「児童の遊びを指導する者」に該当する方は、県内では、2,628人の方が従事されている。その資格を満たせない方は、1,635人で全体の38%になる。
松崎:それでは、資格を満たせない38%の方、1,000人以上の大勢の方がいらして、これらの方々は、これまで放課後児童クラブで献身的に働いてこられた。決して高くない賃金ではないし、満足のいく勤務条件ではなかったと聞いている。
そういう中で、制度が切り替わり、資格のない方といって扱われてしまうことに矛盾を感じる。そういう方々への支援は、どういった支援があるのか。
次世代育成課長:
まずは、先ほど説明させていただいた社会保障審議会の専門委員会の報告において、資格については一定の経過措置を設けることについて検討することとなっている。
県としても、昨年の夏以来、資格も設けられた時に、措置あるいは支援について、国で充分に手立て講じられるよう重ねて要望を行っているところである。
現在、検討が国で行われているので、できるだけ働きながら資格を取得できるような、そういう制度になるよう、国の動向を注視していく。
松崎:国の動向を注視していくということだが、国の動向を注視するだけでは、希望が満たされたかどうかはわからないので、そういう心もとない姿勢ではなくて、より具体的な制度の実現を図っていただきたいと思う。
それでは、資格を満たせない方が、資格を得られるよう
研修等について、どこが実施主体となって、どのような形で実施するのか。今の段階で想定できることについてお答えいただきたい。
次世代育成課長:
子ども・子育て支援法に基づいて、県は子ども・子育て支援事業支援計画を定めて、その中で、放課後児童クラブの
指導員や子育て支援事業に従事する方の資格など、質の向上の措置を定めることとなっている。
そこで、有資格者となるための
研修について、国から体系的な
研修制度の中身の検討結果が示され次第、具体化を検討して計画に位置づけるということを想定している。
松崎:大変重要なことと思うので、我が会派としても本会議で取り上げさせていただいている。黒岩知事から、放課後児童クラブの指導員の基準等については
研修の機会を捉えて周知を図るとの答弁があったわけだが、具体的にはどのような形で実施していくのか。
次世代育成課長:
例年、放課後児童クラブの指導員の研修については、県内各地で15~20回程度、実施をさせていただいている。平成26年度についても同様に用意する予定である。
その研修の中で、国の方から、今申し上げた研修の体系や細かい基準については、国の予定としては、3月末には示される予定となっている。年度の早い時期に行う研修が5月、6月からスタートするので、できるだけ早い時期に研修の機会を捉えて、そういった内容について、ご説明させていただき、また、ご質問を受ける機会を同時に設けたいと考えている。
松崎:この点については、制度が切り替わることもあり、不安の眼差しで多くの指導員の方々や保護者の皆さんが県を見つめていると思うので、よろしくお願いしたい。
放課後児童クラブは、従来、いわゆる鍵っ子対策として、共働きの保護者などが共同で始めた事業が原点となっている。長い間、法整備が追いつかない状況が、今回の問題の背景になっている。
今回の新しく切り替わっていく新制度においては、指導員の資格基準が設けられることは大きな前進と受け止めている。一方、それを実際に運用していくためには、その中で研修等は質・量とも相当のものになっていくと思われる。また、今までの放課後児童クラブにかかわってきた方々に、混乱や戸惑いが生じないようにしなければいけないことも事実である。
県当局には、研修体制の整備や財源確保などについて、いよいよ本腰を入れて検討し、具体化をしていただいて、子どもたちの未来と笑顔のために、取り組んでいただくようお願いしたい。
- 2014/05/14(水) 10:55:07|
- こども
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平成25年10月28日決算特別委員会での質疑のまとめ
(2)学校における
消費者教育について
松崎: 主要施策説明書34ページ「6 安全で安心できる消費生活などの確保」の中で、学校における
消費者教育の推進に取り組んだ、との記載があります。これについて何点か伺います。
まず、
消費者被害に遭うということを防ぐためには、学校での
消費者教育が重要と考えますけれども、24年度に
消費者行政の中ではどのような取り組みを行ったのか伺います。
渡邉消費生活課長: 学校での
消費者教育については、県では
教育委員会や私学の担当課などの行政機関のほか、公立・私立の
教育機関関係者などで構成する、「学校における消費者教育推進協議会」を設置し、推進方策について協議しております。具体的には、協議会における検討を経て、中学生向け及び高校生向けの授業での活用を目的とした教材や、
教員向けの指導用解説書を作成・配布しております。
また、これとは別に、その時々の消費者被害の状況に応じた教材等も作成しております。例えば、平成23年度になりますけれども、近年急速に若年層にも普及したパソコンやスマートフォンによる、インターネットの利用を通じた被害について具体例を疑似体験できるDVD、これは「インターネットの危ない世界」というDVDでございますけれども、こういったものも作成しました。
さらに、消費者教育における
教員の指導力向上のため、小・中・高等学校の
教員を対象とした
研修を実施しているところでございます。
松崎: 答弁ありがとうございます。そうしますと、これは教育局に伺わなければいけないのですけど、若い人への消費者教育として
県立高校では、さまざまな教育を行っているということは聞いているのですが、具体的な取り組みについて詳しくお伺いしたいと思います。
久保田高校教育指導課長:
県立高校としましては、全ての生徒に対して
家庭科でありますとか公民などの授業の中で、消費者被害の未然防止などを目的とした消費者教育を行っております。具体的な例といたしましては、
家庭科の授業で、消費者問題の現状と課題について、生徒自身がグループで話し合うなどのワークショップの実施、さらには金融機関の職員を講師とした、マネートラブルトラブルに関する講演会などを行っている学校もございます。そのほか先ほども答弁でありましたけど、高校生が被害に遭いやすい占いサイトであるとか、オンラインゲームなどによるインターネットのトラブルを擬似的に体験できる教材が、県民局のほうから全
県立高校の方に配布されております。使用状況について確認させていただいたところ、144校中45校がすでに
家庭科や情報科の授業で活用しておりまして、9校が今後活用する予定で、18校が現在検討中であると把握しているところであります。
松崎: DVDが配られていて、144校中45校が活用しているということですが、まったく活用していない学校は何校あるのですか。
久保田高校教育指導課長: 144校のうち、45校が活用しているということですので、99校が活用していないということになります。
9校が今年度中に活用予定で、18校が今現在検討をしているということでございます。
松崎: すると残りの72校はどうなっているのですか。
久保田高校教育指導課長: 現在72校については活用していないという状況が現在、把握できたとこでございます。このような教材の活用は非常に重要なことであると考えておりますので、なぜ活用されていないのかということにつきまして、原因を把握していくとともに、これからも周知するとともに多くの学校で活用できるよう働きかけていこうと考えております。
松崎: 高校生といっても発達段階、それぞれ16歳、17歳、18歳とか全日制の普通科の学生だとそういった年齢だと思うのですけど、そういった年代の子どもたちであるということに違いは無いです。同じような危機感を持って、県民局から、県民の税金で作成をされたものが配布をされている。使用されていないという状況について、今把握をして、これから対策をってことなんですけど、そもそも危機感があるのか無いのか、どうなんでしょう。危機感があって、子どもたちを守らなければならないというのであれば、なぜ教育局として積極的に活用すべしということを一律に徹底しないのですか。
久保田高校教育指導課長: 委員ご指摘のとおりですが、全ての
県立高校で授業の中で、消費者被害の未然防止ということは扱っております。さらにそれ以外の取り組みにつきましても、講演会でありますとか、それぞれの関係機関の方からの話や、ワークショップなどを実施している現状がございます。従いまして、非常に有効なものであるとの認識はございますけれども、このDVDの活用につきましては、今後にということで、先ほど答弁させていただいた状況でございます。
松崎: それにつきましては、活用してくださいとここで要望するまでも無く、当然活用するべきものであると思いますので、当局としてもそういった考えで間違いないですね。
久保田高校教育指導課長: 有用な体験ができるDVDでございますので、今後活用させるように働きかけていくことを考えております。
松崎: では、これも先ほど答弁中にございましたけれど、授業の中で消費者教育をやっているということですが、それでは年間何時間くらいを、
県立高校では消費者教育のために当てているのでしょうか。
久保田高校教育指導課長:
家庭科の中でも家庭基礎、家庭総合という科目がございますけど、この消費者教育については4時間程度と把握しております。
松崎: 4時間で十分なんでしょうか。
久保田高校教育指導課長: それ以外にも実施していく必要が、昨今の状況から考えた場合には、あるのではないかと考えておりまして、それぞれの学校ではマネートラブル以外にもインターネット上のトラブルについては、様々な取り組みをさせていただいているというところでございます。
松崎: 多様な被害があると思いますので、様々な取り組みが必要だと私も思います。
それでは県民局消費生活課長へもう一度伺います。
教員向けの
研修を行ったとおっしゃっていますが、実績はどういうものでしょうか。24年度の実績を教えて欲しい。
渡邉消費生活課長: 消費者教育
教員研修ですけど、
教員が参加しやすいようにということで、夏休みの期間中に実施しております。平成24年度は全8日間の日程で、計354名が受講しております。参加者の反応の中には、「学校での授業や生徒指導、保護者への説明にそのまま使える素材だった。」あるいは、「新しい情報を子どもたちに話すことができる。」こんなような感想がございました。
松崎: 夏休み8日間、354名の参加ということですけど、どういった科目の先生なのでしょうか。
渡邉消費生活課長: 技術・
家庭科関係でございますが、こちらが31.7%でございました。あと、
社会科系が18.2%。その他として50.1%でございます。
松崎: それでは、本来対象とすべき、いわばこの354名の分母は何名なのでしょうか。本来参加すべき方々というのはトータルで何名ぐらいなのでしょうか。
久保田高校教育指導課長: 先ほど
県立高校で授業を実施しているということで、正確な把握ではございませんが、ざっとで、公民科のほうで約300弱、
家庭科のほうでも200強、情報のほうでも200弱ではないかという風な感じでは捉えております。
松崎: そうすると、大体800名というふうにざっくり考えていいですか。
久保田高校教育指導課長: 厳密な調査ではないが、そのくらいの数ではないかと把握しております。
松崎: そうするとずいぶん乖離がある。参加してもらわなくてはいけない方は800名おられるけれど、実際の参加は354名にとどまっている。この差、どういう風に受け止めたらいいのでしょうか。これは、その、例えば子どもを取り巻く状況に対する危機感が希薄なのか、それとも、そうではなくて大変忙しい最中であるから、時間をとるのが大変難しいという、行きたいけれども行けないという人が過半数を占めている、どちらなのでしょうか。
渡邉消費生活課長: 参加者につきましてですが、この
研修は単年度ということではなくて、毎年毎年開催しております。24年度に参加できなかった方については、25年度に参加していただくということで、なるべく参加していただきたい。こんな風に思っております。
松崎: 期待を込めてという意味合いの答弁でしたけれども、実際にそうやって必ず違う人が参加するというようなローテーションみたいなものが年度を越えて組まれているのでしょうか。
渡邉消費生活課長: 必ずしもローテーションで決まっているわけではございません。
松崎: 随分伺ってきたけれども、それはひとえに、若者というふうに県民局は呼んでいて、教育局のほうでは高校生という風に呼んでいる、おそらくは同じ子どもたちがかなりいるという、その若い層で消費者被害に遭わないための対策という点に絞ってお聞きしています。
そうすると、これはかなり課題も見えてきているのですけども、いかがでしょうか。その、指導力向上を教員の方に図るといっても、インターネットサイトを使った詐欺というだけでも手口はどんどん巧妙化していると、本会議等においても県警察からも伺っているところでして、アップデートされた内容で勉強して、勉強というのか知識を得ていかないと、教える側というのは子どもたちからすると、さらされている危険について有効な警告をしてくれる存在でなくてはいけないわけだから、そこが大変難しいのかなという風に思います。
どのような工夫をして、それでは、そういう
研修をしているのでしょうか。
渡邉消費生活課長: まず、教員
研修の企画については、協議会のもとに設置した、小・中・高等学校の
社会科や家庭科など関係教科の教員などで構成するワーキンググループによりまして、前年度研修の参加者アンケートなどを参考にして、教育現場の声を反映したものとなるように検討しております。
具体には、「模擬授業形式」や授業での実施方法を想定した「グループ討議」などを取り入れて、実際に授業ですぐに活用できるような講座を行っているところであります。
また、参加者の意見を反映して、教材としてそのまま授業で活用しやすいレジメの作成を講師に依頼するとともに、座学だけでなく実習や体験を盛り込むなどの工夫も行っているところでございます。
松崎: 教育局長にお伺いしますが、学校現場から実際に県民局が開催しているそういった研修の場へ参加される方の数とか、あるいはまたこれからどうしていくのかといった課題があると思われる答弁を今いただいていますが、教育局長としてはあるいは県民局としては、こうした24年度中に浮き彫りになっている課題について、今年度あるいはこれからどういうふうに取り組んでいくお考えなのか、基本的な部分をお聞かせいただきたいと思います。
安西教育局長: 一番いいのは全教員が参加をして、そしてその研修を受けた内容を子どもたちにフィードバックできるというのが、一番望ましいと思います。
または、そう言いながら、なかなか時間の取れない教員もいます。そういった部分については、一つはローテーションで行くというのが一つの手、それからもう一つは、受けた研修を自分のものだけにしないで、学校に戻ったら必ずそれを全教員にフィードバックする、そういった形で最終的には全教員がきちんと受け止めて、最終的には生徒が被害を受けないような形にしていきたいと思っております。
松崎: 要望を述べます。消費者教育は家庭科や
社会科との結びつきが強いということに着目をされて、研修を強化していくことは結構ですが、特定の教員だけの問題と捉えられがちなのではないかという懸念があります。言うまでもありませんが、消費者教育は子どもたちの生きる力を育てるというものであり、
犯罪に遭わないために活用されるべきものであります。学校全体で取り組むという、今の教育局長の答弁を重く受け止めさせていただきます。今後、教育委員会と県民局が連携をさらに密にしていただいて、各学校で実際に消費者教育が効果的に進むよう取り組んでいただくように要望をいたします。
- 2014/01/23(木) 13:36:18|
- こども
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