神奈川県議会議員 松崎淳 公式ブログ 夢あきらめないで!

行財政改革・地方分権特別委員会委員長に選任されました。

今日開かれた本会議で、神奈川県議会財政改革地方分権特別委員会委員長に選任されました。
常任委員会は環境農政常任委員会に所属いたします。
神奈川県議会に対するみなさまの変わらぬおご厚情、お引き立てを賜りますよう切にお願い申し上げます。
  1. 2014/05/26(月) 14:40:44|
  2. 神奈川県

論争 人材の国づくりは神奈川から❶  文教常任委員会編

2013年3月5日・6日
文教常任委員会質疑応答要旨

○県立図書館と川崎図書館の現地調査での質疑(3月5日)
松崎:文教常任委員会には、これで3度目の所属となったが、2度目の時にも両図書館を訪ね、千代田区立図書館にも伺っている。川崎図書館はそのときも課題だったと思うのだが、身体障害者や高齢者に対してのバリアフリーについて改善しているのか 。
平野館長:川崎については、賃貸借の期限が切れるので、階段のみの現状は変わっていない。逆に、県立図書館はスロープやエレベーターがある。また朗読などの障害者サービスを別に行っている。
松崎:千代田区立図書館は勤労者の仕事が終わってからの利用を考えて開館時間を午後10時までと大幅に遅くし、カフェテリア風の場所なども開設して、民間の知恵を取り入れ改革を行っていた。開館時間を遅くすることや、心地よく滞在できるための工夫など利用拡大の視点からの改革はどのように行ってきたのか。
平野館長:開館時間については調査を行ったことがある。月曜日が祭日になった場合は開館するなど行ってきたが、時間の延長については実施していない。ただ、千代田のように指定管理者を導入するのは、専門的な分野もあるので、なかなか難しい。市町村立図書館とは利用の形態も違うと思う。
松崎:利用される方が減ってきている中で、工夫の仕方次第で、潜在的な利用希望者がおられることに意識を向け利用拡大につなげる工夫をしていただくことを、強く要望する。
平野館長:入館者については、確かに減少傾向だが、貸出冊数については増傾向である。宅配サービスなども行っている。館に来なくても利用している方はいる。

3月6日 文教常任委員会での質疑

○県立図書館のあり方について
松崎:昨日も川崎図書館、県立図書館に伺わせていただいた。11月7日に決算特別委員会の総括質疑において教育当局の方から答弁があり、そこから新聞紙上でもだいぶ記事になり、インターネット上でもいろいろな形で、私も個人名を挙げてかなり中傷ではないが、叩かれているようなところもあり、内心忸怩たるものもないわけではないが、委員会の場なので、そうしたことは切り分けて落ち着いて議論ができればと思っている。
 まず確認だが、あの日答弁された二見教育局長、あるいはまた課長も今答弁されているが、私どもとしては、当初から、あの時点でも、県民、利用者の方々にとって大きなサービスの低下や利便性の後退につながるのではないかという懸念を表明させていただいたところであるし、本日先ほどもそうしたことのないようにという観点からの質疑があったと思う。この点では、議会の中であまり異論はないと思う。この辺をまずどうするかということを同時に考えないと、いきなり集約化ということだけがポンと出たのでは、甚だしく考え方、スタンスが明確でない。
 そこでお聞きするが、今言われている川崎図書館の立ち退きが現実化することと、情報センターについても集約化ということがあるということだが、報告資料の中では、集約化という言葉が、検討の方向性、調整の方向性、それから今後の調整内容というところでそれぞれ出てくる。
それで、川崎図書館は昨日現地調査をしたときも、立ち退きということが区画整理の関係で出てきているということで、4階まで上がるのにバリアフリー化ということを、私もかねてから指摘をしていたが進捗状況を聞いたら芳しくない、ということだ。それから、館長によると、エレベーターについてもこれも限られた予算ということもあって、バリアフリーの決め手となるはずのところが、これもなかなか手がつかないということだった。
 そうすると集約化ということは19年度から検討してきた中において、先ほど財政オンリーの話ではないということだったが、具体的にいうと集約化というのは、川崎についていえば、何を集約するのか、それからバリアフリー化ということも含めてお答えいただきたいのだが、川崎をこれからどうして行こうとするのか、つまり、機能は集約するものと存続するものがあり、利用される訪れる方々にとっては当然もっとユニバーサルなデザインのものにしなければならないという要請もあり、その辺をトータルで、財政以外の観点を含めてどういう風にしようとされているのか、わかりやすくお答えいただけないか。ここには集約化しか出ていないので、どういう風にしていくのかというビジョンをお答えいただきたい。
生涯学習課長:集約化の具体的なあり方について、今いろいろと検討しているが、一つは川崎市のあそこの地域にあるという地域性と特性、企業支援に非常に役立っていること、そうした企業の支援に役立つような機能については、さらに高度化・特化して、同じ川崎市内に残すことを今考えている。
 したがって、まるまる今の川崎図書館がそのまま残るということではなく、特定の機能に着目して、そこのところは地域性、特性から残すことになる。それ以外の部分はどうするのかということで、基本的には横浜の紅葉坂にある県立図書館に集約していこうと考えている。
 いろいろな県民からのご意見をお聞きすると、集まっている方が便利でいい、例えば、ビジネス関係でいうと社会科学・人文系の経済誌みたいなものは横浜にあって、技術系のものは川崎にあるが、例えばそれを集約して一遍に見られる、ワンストップサービスみたいなものができればというようなご意見もある。そういうのも参考にしながら、川崎の方にはどういうものを県立図書館として役割を残していくのか、いろいろ検討させていただき、集約化を進めていきたい。
松崎:川崎に、というのは確かに分かる。それは、川崎という街の成り立ち、日本という国の中における果たしている役割は、私もそのとおりだと思う。しかし、県政全般で見ると、これから相模縦貫道、圏央道が開通していく中において、例えば県としては、黒岩知事の旗の下にやはりロボット特区というものを新たな産業、大きな産業の目玉として位置づけてきている。また、産業というくくりだけではないが、城ヶ島、大山等でやはり観光の新しい核づくりをしていくということがある。そうすると、ものづくりという観点だけから見ても、例えばロボット特区を考えると、川崎ではなく県央に新しい拠点を設けるためには、知の拠点をどうするのかという整理も一旦はしなければならない。
 それからもう一つは、それは活字文化でよいのかという側面も、新しい産業という意味では出てくる。特にロボット関係というのはそういう性格を帯びていると思う。極めてICT技術と近いものがある。
 さらに、もう一つは、存続なのか廃止なのか、あるいは現状維持なのか縮小なのかといった観点だけで考えていいのかという問題もある。つまり、現状では訪れて利用される方は数が減ってきている。でも、貸出冊数は増えている。しかし、貸出冊数だけでカウントできるものだけで本当に知の拠点と呼べるかという問題もある。だからこそ閲覧というところに特化していこうとされているのだと思う。ここは一つ大きな鍵だと思う。
 そうすると、利用者、閲覧回数もそうだが、やはり増えていってもらいたいし、相乗効果でどんどんどんどん、新しい知見と新しい知見を組み合わせれば、またさらに新しい知見が生まれるということもあるので、そこをどのようにしてサポートしていけるか、より高次の高度化したものに特化していきたいと言われる川崎の関係についても、改革するとか創造するということにもう少し取り組まないと、今のままの、訪れた方が活字を閲覧して、そのことによって得ていくものでという時間の流れ方よりは、世界がもう少し速いスピードになっているのではないかと思われることもある。その辺を含めての方向性だと思う。
 同時に、そこには財政的視点は、先ほど意味深い答えをされたと思うが、財政的視点を除けて考えているという答弁はされていない。財政的視点は必ずそこに入っているわけである。したがって、そこをどういう風に両立させるかということもあると思うが、二見教育局長いかがか。
教育局長:たしかに視点ということでは、図書館の持っている力をどう高度化して発揮していくということと、財政的な見地と両方の面から検討していくということである。やはり、地域性ということからどこに立つか、これも非常に重要なポイントであって、今回は川崎図書館として、今まで川崎という地にあって、川崎で中心になっていろいろな資料を収集してきた歴史と、川崎にあって力を発揮しているというこの機能は捨てられないということから、川崎の中に残して生きたいという方向性を出した。
 具体的な場所の検討としてはこれからになるが、進む方向としては、やはりなぜ川崎にということの一つの大きな意味として、産業、企業への支援というところがポイントである。
 したがって、今後残して高度化させていく内容については、課長の答弁にもあったように企業支援につながるところについて、高度化・特化をしていくという形である。現在も力を発揮しているものであるが、未来にわたってもう少し力を発揮していくにはどうしたらいいかということを検討していきたい。その中には、単に今までのように手に本を取って見るだけではなく、電子化の話もあるだろうし、企業の交流をしてきたという意味も含め、そういったところを未来形として、よりよい力を発揮するような方向を検討していきたい。当然、その中身は財政的な見地を入れてやっていく、両面から対応していくということである。
松崎:いま、教育局長から、将来を見通しての話があったが、どちらかというと川崎図書館についての話だったと思う。紅葉坂の県立図書館も、青少年センターなどシアター、劇場型の他の施設と関連性を持たせながら、機能を果たしてきたという歴史もあると思う。
 一方で、訪れて手にとってという方々の点から見ると減ってきている。同時に、子どもたちの活字離れは深刻な状況である。それは、文教常任委員会が開かれるたびに私や誰かが必ず指摘してきたことだ。私どもも深刻に受け止めている。それをどういうふうにして、今の時代に合って、かつ、子どもたちを含め成人の方々もより利用しやすいものに変えていくのか、改革するポイントがいくつもあると思う。
 そこが、県民の方々から見て時代にマッチしない、あるいは利用する、訪れるに値しないと思われるようになったら、これこそがピンチだと思うので、そこをどうするかということをしっかりやっていきたいが、よろしいか。
教育局長:先ほど川崎について答弁したが、県立図書館全体の話として私どもが提案したのは、市町村の図書館と組んで未来型の図書館という意味合いを込めて提案をした。
 それは高齢者の方などが自分の町の図書館、近くで本を借りられる、それも頻度多く借りられるようになれば、サービスとしては向上するだろうということから提案をさせていただいた。それだけではやはり機能は済まない、閲覧という手にとって見ることが必要というご意見を非常に多くいただいた。その辺もサービスを維持、向上させていく意味では、閲覧も残した方がいいという判断である。
 これから進めていく中で、財政的な見地もあると先ほどから申し上げているが、今までのものをそのまま残すのではなく、よりサービスをよくして高度化していく中で、市町村の図書館を経由するものも含めての貸出と、現地での閲覧機能を残すということをマッチングさせて、両方合わせて機能を向上する中で、どうやって個々の部分を押さえて財政的な見地を出していくか、3つを整合させる解を見出していきたい。
松崎:3つの課題を整合させていくということだが、翻ってそれらを込めた集約化と受け止めた。ちなみに、ヤフーで行われた神奈川県の県立図書館及び川崎図書館の11月の答弁の後のアンケートを見ると、ほぼ10000対10000で拮抗していたという。ただ、回答数は膨大な数だったそうなので、おそらくそうしたところにもヒントがあるのかもしれない。そういった意味では、課長の言うように、いろいろな意見があり、なかなかこれはすぐスパッとこうするという答えは出しにくいが、そのこと自体が図書館というものの存在の重さ、深まりを物語っていると思う。ぜひともそこはご検討よろしくお願いしたい。
  1. 2013/05/16(木) 16:18:40|
  2. こども

論争 財政改革⑮ かながわ再生特別委員会編

平成23年3月3日かながわ再生特別委員会での質疑
県庁正規職員削減の中で、非正規職員は?

松崎
今、職員の削減について取り上げられているのは、専ら正規職員だというふうに理解しています。もう一方で、県庁の中で働いている人の中には、非正規の職員の方もいらっしゃると思います。職員数の削減というものを取り上げる場合には、正規職員の方以外にも、非正規職員の方々の実情というものも取り上げないといけないのかなと思いましたので、関連でお伺いします。
 まず、非正規で働いておられる方は県庁で何人くらいおられるのかお伺いします。非正規の方々のとらえ方は4類型あると思いますが、累計毎の人数を分かれば教えてください。それともう一つは、正規職員の削減が進んでいる中で、非正規の方々は逆にその分増えてきたのかどうか、業務量に見合った処遇がどのように行われているのかを伺います。
人材課長  
正規職員以外の職員、いわゆる非常勤職員の部分のお話だと思いますけれども、非常勤職員という概念の職員ですが、平成22年4月現在の数字で申し上げますと、1,694人おります。これらの職員は、行政の補助員として事務的な仕事をしている職員の他に、大学ですとか医療機関において講師としておいでいただいている、パートタイム的な仕事をしていただいている職員の方が大多数を占めております。これ以外に臨時的任用として、正規職員で埋めきれていないところを埋めていただく臨時的に任用する職員がございます。これが270人。その他、再任用職員として、フルタイムで県の職員を一度退職して再任用の御希望があった人で、週40時間働いていらっしゃる方は118人。それから、短時間の再任用職員ということで、週29時間従事していただいている方が334人、これ以外に想定されるものとしては、日々雇用職員という形で繰り返しの業務に当たる職員がおりますが、時点によってとらえ方が様々になり、繁忙期には大量に雇い入れることになりますし、そうでない時期もありますので、時点としては昨年の6月末の数字ですと630人というふうになっています。
 傾向といたしまして、一番大きい数字の非常勤職員ですが、平成18年度は1,618人、先ほど申し上げた22年度が1,694人ですので、全体として職員削減をしている中で、業務量として、非常勤職員数はそれほど多くは増えていないという状況になってございます。
松崎  
非正規雇用の人たち自身も、正規職員の削減モードの中で、労働法制の見直しということが課題として上がってきている中においては、本来、民間企業で働いていれば、3年経てば正規職員への道が開かれるわけですが、県庁で非正規で働いている場合、3年間働いた方々はどうなるのか端的にお答えください。
人材課長  
それぞれによって雇用の形態が違っております。非常勤職員については、1年ごとの契約になっておりまして、問題がなければ、行政の事務補助員として3年間継続して同じ職場で働いていただこうという制度でございます。その後は行政補助員としての募集があればそちらに応じていただくということしか、今のところは用意させていただいておりません。
 その他の臨時的任用職員については、6箇月を一回区切りとし一回だけ更新できるという形ですので、1年間が一つの区切りとなります。それ以上は、任用の必要があれば任用させていただくという手続となります。
 再任用職員につきましては、退職した年度によって制度が違いますけれども、おおむね65歳に達する日まで任用させていただいております。
松崎  
公務員の採用ということには元々法律がございますので、いたし方がない面もあるということは重々承知しておりますが、しかし一方では、民間では少し前の報道にもありましたように過去、非正規で働いていた人たちを次々に解雇していった企業においても、もう一度そこは見直して3年ルールというものをしっかりやろうという機運が全体としてあるという中で、県庁においては民間と隔絶されていて、3年働こうがその人がどういう人であろうかは関係なく、一旦解き放ってしまうとういう厳然としたルールをただ運用するだけではなくて、その人の次のジャンプアップというものも同時に考えなくてはいけないと私は思います。
 先ほど、廃止される第三セクターの職員の再就職みたいなことに色々と苦心した結果、大多数の人はうまくいったというような報告があったけれども、その人たちの面倒をしっかり見ようということがあるなら、自分たちの業務をすぐ隣の席で日々手伝ってくれる人たちの持っているものを考える視点、これだけ雇用問題を県としては一番の施策として取り上げている中ではバランスを欠かないような対応が必要だと思うんです。その辺について、組織人材部長のお考えがあれば伺います。
組織人材部長  
基本的には公務員の場合、公平・公正でなければいけないということで、3年間雇用しても、それが優先的に正規雇用につながるものではないという地方公務員法上の制約があるということについては、御理解をいただきたいというふうにおもっております。 
 ちょうどこの3月に3年経って切れる方の後任について行政補助員という形で募集をかけましたところ、今のこの雇用情勢を反映しておりまして、1人につき10倍から40倍という応募が現実にあるという実態がございます。逆に言いますと、3年経った方が5年、10年といくかということになると、新たに雇用を希望されている方の道を閉ざすということにもなるわけでございます。とは言いつつも委員の御指摘のように、3年働いた方はどうするんだということについてですが、別のセクションであれば応募していただいて結構ですよということが一つございます。
 それから、元々この制度というのは、多くの県民の方々に雇用の場を県自身が提供していこうということから発した制度でございますので、そういう意味ではステップアップをしていただこうということで、研修もこれまでは若干弱めだったのですが、3年いる間に、正規職員や退職した職員と全く同じ規模とはいきませんけれども、研修や日ごろのOJTを通じて、正規職員の道へと御自分でチャレンジをしていこうと、勉強して挑戦してみようという方もいらっしゃいます。そういった道をつくることで、非常勤の方々の雇用の場を県自らが提供していかなければならないという両面から、今後も非常勤問題について取り組んでまいりたいと思っております。
松崎  
現下の厳しい雇用情勢に対して、県として優先順位を付けるとすれば一番だということを今度の新年度予算の中でも明確に盛り込んでいるわけでございますので、是非とも県庁自身における雇用ということに関して意を配っていただきたいということを強く要望します。
  1. 2013/05/14(火) 20:47:58|
  2. 神奈川県

論争 財政改革⑭ 地方分権・行財政改革特別委員会編

平成24年第3回 地方分権・行財政改革特別委員会
12月20日松崎淳質疑のまとめ

松崎:本日は、大まかに言って5点質問させていただきます。
 1点目は大枠を少し確認したい事があります。
 2点目は県税事務所の再編についてであります。
 3点目は緊急財政対策について、
 4点目は本庁機関の再編について、
 そして最後が、これからの神奈川県のあり方についてであります。
 それでは順次、質問させていただきます。まず、大枠について2点ほど確認をさせていただきたいと思います。
 1点目ですが、道州制、それから神奈川州構想についての立ち位置とか、見解の現状についてなのでありますが、この総選挙におきまして政権交代が現実化したわけですけれども、それにともなって、例えば神奈川県としての道州制に対しての見解ですとか、神奈川州についての見解に何か変更がありますか。
川瀬広域連携課長:お答えいたします。今回、修正案ということで、現時点の本県の考え方を整理させていただいて、改めてご報告をいたしました。この考え方、道州制をめざしていくという方向において、特区等で直近の部分では、国からの権限移譲を求めていくという考え方について、現時点でその方向を堅持していくということで考えております。
 今、お話がございました国の状況につきましては、現時点で、具体的な部分について明らかになっていることはございませんので、今後の国の取組の状況を注視をして、必要な対応については、その時点で改めて検討していくということで考えているところでございます。以上でございます

松崎:そうするとつまり、神奈川県としての考え方は、地域主権型ということでもあるわけですけれども、基本的には変わりはないと。国の方でいろいろな動向があった場合には、それについてまた着実に対応を考えると、こういうことですね。
川瀬広域連携課長:現時点ではそのように考えております。以上でございます。
松崎:では2点目ですが、行財政改革について伺います。
 緊急財政対策についてですが、大枠の確認事項としてお聞きするのは、目標としている金額、緊急財政対策で一体どれだけの金額を目標としているのか、お答えください。
落合予算調整課副課長:お答え申し上げます。
 緊急財政対策につきましては、全ての事務事業について聖域を設けず、ゼロベースから徹底的な見直しを行うこととしておりまして、具体的な削減目標額という点では、今定めておりません。
 ただ、平成25年度には700億円、26年度に至っては900億円、2箇年合わせて1,600億円の財源不足が見込まれておりますが、現状においては、この解消の目途が立っていません。
 そうしたことから、歳入歳出両面からの取組みを行って、直面している財源不足1,600億円を解消すること、これが目標額になろうかと思います。
松崎:明確に1,600億円ということが出されたと理解したいのですが、それでよろしいですか。
落合予算調整課副課長:この1,600億円を解消しないことには、本県の予算を編成できませんので、そのように考えていただいて結構です。
中村財政部長:今の1,600億円というのは、歳出の削減だけではなくて、歳入の確保を含めた1,600億円でございます。
松崎:財政の件、当然だと思います。そうすると、更に聞きたくなるのですが、来年度予算編成を行い、次回定例会の2月上旬位には当初予算案が固めて出されることになると思うのですが、そうすると平成25年度当初予算については、その目標達成のための重要な予算ということになってくると思うのです。
 中村財政部長がおっしゃるように、達成目標は歳出削減と歳入確保の両方を足し合わせての1,600億円です。そうすると、平成25年度当初予算というのは、今この特別委員会に所属している私としては、その当初予算についてどういうイメージを持っていればよいのでしょうか。
中村財政部長:平成25年度については、700億円の財源不足を見込んでおります。
本日ご説明をいたしましたように、まず人件費の削減を大幅にやらせていただきますけれども、その分で160億円埋めるという状況、その他に、緊急財政対策で、あらゆる施策事業について見直しを進めています。
 あわせて、地方交付税の増額確保ということも、毎年この年末に向けて取り組ませていただいております。
 ただ、来年につきましては選挙の結果もございますので、地方財政対策自体が1ヶ月以上遅れるという情報がありますから、そういった時期なども見極めながら、歳入・歳出両面から、あらゆる手段を講じてまいります。
基本的に歳入と歳出がイコールにならなければ予算が組めませんので、仮に、そういうことが出来ないとなると、翌年度の税収を繰り上げて充用するという、まさしく、本当の財政危機になるという、そのようなことにならないよう、今一生懸命査定作業を詰めて進めているところであります。
松崎:そうすると、私の理解といたしましては、当面財源不足額として見込んでいる700億円について、このリスクを含めた件の払拭をしたいということだと思うのです。
 大枠の確認だけなので、次に移りますが、緊急財政対策を見ていますと、昨日行われた各8つの常任委員会において、それぞれ所管している部局から責任ある方々の言葉で、我が所管している部局においては斯く斯く云々こういう形で進めますというご説明をわりとはっきりと出されたのですが、これ各局がそれぞれ出しているというのは、議席を得て議会に来ている者としては、そういうふうに映るのですけれども、各局がそれぞれ自分の所管している部局の事業などについて、ああしようこうしよう、2年かけます、1年かけますとわりと出してくるのですけれども、それというのは、行司が力士を兼ねているような感じを受けてしまうのです。
 もう少し客観性というか、県民にとって本当にこれを切ってしまって大丈夫なのか、あるいは逆にここのところはもっと切り込みが必要なのではないかという形で、もし各局が自分の所管している事業や施設などについて言うのであれば、客観性をどうやって担保するのかと思うのですが、その辺はどうなっていますか。大丈夫ですか。
落合予算調整課副課長:緊急財政対策につきましては、まず、知事をトップといたします緊急財政対策本部、ここにおきまして、大きな方針を決定して、全庁的に意思統一をした上で取組みを行っているという状況でございます。
 こうした方針のもとに、各所管施設や各所管事業につきまして、それらに精通している各局を主体として検討を進めておりますけれども、最終的には、先ほど申し上げました対策本部において、県としての意思決定をさせていただいております。
松崎:後ほど、もう一度詳しく掘り下げてお聞きしますので、今のお答えをお聞きしておきます。
もう一点、行財政改革で欠かせないのが、行政改革という部分でありますので、そこについて1点だけお聞きしますが、事務事業評価、あるいは県庁版の仕分け、こちらの方もわりと本来切られる側である筈の当局の意向とか色合いが、何でこの事業を選ぶのだろうと率直に感じることがあるのですが、この辺についてももう少し客観性というものを、棚に乗せてどうするか検討する時に色々な外部の人の意見を入れている事を以って客観性を担保しているというのですが、それは少々違っていて、実は、何を棚に乗せるかを選ぶ、抽出する時に、県民目線、利用者側のお客様の側の視点をもっと入れて、しかも大胆に取り組まなければいけないと思うのですが、それはどうなのですか。所管課の方の意見があったらお聞かせいただけますか。
平田行政改革課長:事務事業評価が当局主導になっているのではないかということでございますが、事務事業評価について、外部評価として、外部の方に見ていただく今の形をとらせていただくことになって、ちょうど3年目になります。
 年次の区切りでいきますと、30年以上経っている事業、また15年~30年の間の事業、そして、今年度は15年未満の事業という形で3年間でちょうど1ローテーション終わったような形になっております。
 外部の点検チームの方に何を見ていただくかというところの選定にあたりましては、なるべく県民の方々にわかりやすいと思われるような事業を選択させていただいている。また、事業の金額、そうしたものを勘案させていただいて選定させていただいているところであります。
 ただ、今、緊急財政対策という枠組の中で、全ての施策・事業について根底に立ち返って徹底して見直しを行う動きになってございます。そうしたことから、この事務事業評価につきましても、より効果的な実施方法を検討してまいりたいと考えているところでございます。
松崎:折角、平田行政課長から検討しますという、前向きなお答えをいただきましたので、お聞きしますけれども、それはいつまでに検討するのでしょうか。そして、いつから改めた新しいものに変えるのでしょうか。
平田行政改革課長:来年度の事務事業評価を、外部評価を含めましてどういう形でやるかという事について、今検討を進めてさせていただいているところでございます。
松崎:では、何をどういう形で進めるかは、全部そちらの裁量なのかも知れませんが、裁量だと言い切れないようなぐらいに厳しい財政状況を背景として緊急財政対策が行われているわけですから、そういう事を旨として取り組んでいただくようにお願いいたします。
どういうものが次に立ち上げるかで、会派としても一議員としても、また然るべき機会に取り上げるかも知れません。

県税事務所の再編について
松崎:県税事務所の再編について、他の委員も取り上げていたが、私も角度を変えてお聞きしたい。県税事務所の機能を強化すると税制企画課長が言っているように、適正公平な賦課徴収を通じて、更なる納付率の向上による税収確保を図るという考え方は理解できる。
 私も前から指摘してきたが、専門性の高い事務になるべく力を注ぎたい、集中させたいという考え方と、もう一つは、中にある無駄とか、あるいは他の人でも代われる属人的ではない事務は、なるべく代わっていただいて、代われない事務へ力を注ごうという考え方、つまりは、専門性の高いところに特化していくということと、効率化を同時に達成しようというのが、大きな考え方だと思う。それは、先ほど行政改革課長が言っていた県庁全体の行政改革ということに通じるし、本県がずっとやってきた行政システム改革も、そういう流れである。
 そこでお聞きしたいが、昨日の総務政策常任委員会や今朝の報道などにも、この点については出ているが、私が観点を変えて考える必要があると思うのは、県税事務所の事務における民間委託について、どのように考えているのかについてである。そこで、民間委託化の実施状況はどうなのか、そして、どういう効果が上がっているのかを、お答えいただきたい。
長谷川税制企画課長:県税事務の民間委託化ということでございますけれども、本県では、平成20年度から自動車取得税と自動車税、自動車二税と言っておりますけれども、これらの事務について、民間委託を導入しております。
 大きく分けますと3つございまして、1つが、いわゆる自動車税関係の各種電算入力事務、これを20年4月から委託をいたしまして、その結果、それまで各事務所でそれぞれ行っていた入力事務が一元化・集約化されて、効率的かつ迅速に行えるようになり、併せて、県税事務所の事務負担も軽減されたという効果がございました。
 それから2つ目が、自動車税コールセンターというものを20年8月に開設をいたしまして、ここでは自動車税に関するお問い合わせを電話で一元的に受け付けるとともに、自動車税を納めていただいていない方に納付を呼び掛けるという、二つの業務を併せて実施しております。
 なお、開設した当時は、こうした2つの業務を併せて民間委託するというのは全国でも極めて珍しく、都道府県では初だと認識しておりますし、席数は30、これも当時では全国最大規模という形でスタートさせていただきました。
 この実績といたしましては、まず、お問い合わせへの応答でございますけども、23年度年間で8万1千件でございます。それから、納付の呼び掛けでございますけれども、年間で約4万5千件の呼び掛けをいたしまして、この呼び掛け業務の期間中に収入化されたものが、約1万件ということでございますので、県税事務の省力化、それから納付率の向上にもつながっているところでございます。
 3つ目でございますが、自動車を登録する運輸支局に自動車税管理事務所の駐在事務所が併設されておりますけども、ここで行っている自動車取得税・自動車税の申告等の受付業務の民間委託を、21年4月から順次実施をしております。
主な効果でございますけれども、どうしても自動車の登録というのは、月末にかなり集中する傾向がございますので、かなり窓口が混雑し、場合によっては建物の外まで並んでいただくような状況がございましたけれども、民間委託によりまして、多いときにはより多く人員配置をするというような柔軟な対応が可能となりましたので、混雑の緩和・改善につながったというのが一番大きな効果と認識してございます。
松崎:今、税制企画課長から報告があった3点、電算入力、コールセンター、運輸支局併置の本県機関。お聞きしていると、実績は確実に上がっているんだということがよく分かった。そこでお聞きするが、自動車二税における民間委託の実績を踏まえて、なぜ他の税目に拡大しないのか。
長谷川税制企画課長:今お答えさせていただきました自動車二税でございますけども、県税の中でも最も件数が多い自動車税は、年間に250万を超える台数の課税がございまして、極めて量が多いということがございます。それに加えて、反復・継続的に生じる事務が非常に多いということがございますので、県税の中でも最も民間委託に馴染みやすいということで、まず実施をさせていただいたということでございます。
 こういった実績がございますけども、自動車二税のやり方を、若干性格が異なります他の税目、例えば法人事業税などにそのまま当てはめられるかというと、これはなかなか一概には難しい面があると思っております。
 自動車二税以外に民間委託化をするに当たりましては、かなり様々な観点の検討が必要でございます。特に税務の事務は、かなり公権力性が強い事務であります。したがって、公権力の行使に当たらないのかどうか、あるいは税理士法の規定に抵触しないかどうかということをまず考えなければいけないですし、その次に、いわゆる定型的でマニュアル化できるような事務であるかどうかや、民間委託化の効果を生み出せるだけの事務量があるかどうかということが、大事なポイントだと思っております。それからもう1点は、かなりたくさんの個人情報を扱いますので、その個人情報の保護をどうやって図っていくのかということも、大事な視点であると思います。
 これらのことを考えた上で、民間委託が本当に納税者のサービスにつながるのか、そして税収確保に寄与するものなのかというところも含めて、様々な観点から十分な検討をしていかなければいけないと認識をしております。
松崎:私は覚えているが、平成20年の導入の頃、当局は、まず自動車二税からと言っていたはずで、その他のものについては、かくかくしかじかというような答弁があったが、そのようには言ってなかったというのが私の記憶である。
 それはともかくとして、今の4つの条件、公権力性と定型性と事務量と、もう一つが個人情報。そこでお聞きしたいが、例えば、自動車税関係で既に民間委託化を実現し、実績が上がっている入力事務や申告書の受付といったところに、公権力性あるいは処分性はあるのか。あるいは、逆に定型性はないのか。それから、事務量は膨大ではないのか。 そして、個人情報保護、これは的確なルールを定めて、制裁とかペナルティー、罰則などもきちっと備えておけばクリアできるのではないか。こういったことを考慮すると、入力事務とか申告書の受付といったところは、すぐにでも民間委託化できるのではないか。
長谷川税制企画課長:御指摘のとおりでありまして、入力事務ですとか申告書の受付だけに着目すれば、民間委託が可能な事務はございます。ただ、先ほど申し上げましたとおり、自動車税につきましては、申告の件数で申し上げますと100万件を超えるようなボリュームがあります。これを4箇所の駐在事務所で受け付けているということで、一定程度集約化されているという面があります。
 一方、次に申告等や入力事務が多いものになりますと、やはり法人二税でございますけれども、これは年間で約20万件ということで、相対的に自動車税に比較するとボリュームが少ないということもございますし、例えば入力、あるいは申告を受け付けたときに、申告書の記載内容の形式的な確認ですとか、添付書類ですとか、法人の規模などによってそれぞれ違ってきますので、自動車税に比べると、若干複雑な面があるという側面もございます。
 したがって、先ほど申し上げましたように、一つひとつの事務を見ますと、民間委託が可能な事務もありますけども、やはり、民間委託の効果が生み出せるまでの事務量というのは、なかなか難しいのではないかという考えがございます。
 ただ、私どもも、民間委託化は内部事務の省力化・効率化に寄与するという認識がございまして、自動車二税の民間委託を始めた後も検討はしております。今回、平成26年度に県税事務所を再編するという方向に向けて、様々な事務の見直しを進めているところでありますが、その中で、例えば一つひとつの業務では難しいですけども、いくつかの業務を組み合わせて、ボリュームをもたせて民間委託をするような方法ができるかどうか、そのようなことも含めまして、内部事務の見直しの中で十分検討を進めていきたいと考えてございます。
松崎:今の答弁、最初は消極的なのかと思ってずっと聞いていたが、最後は積極的な感じを受けた。県税事務所の再編は26年度からであり、それと機を合わせてという答弁なので、そこのところはしっかりと御検討いただいて、結果をきちんと出していただきたいと思う。事務量の点についても、いくつか事務を複合的に民間委託化することによってクリアできるような見通しをお持ちのようなので、しっかりと取り組んでいただきたいと思う。
 とにかく、県税事務所の機能強化と効率化を同時に進めるということで、再編の年限を切っている以上は、そこでやっぱり一つの出口というか、どういう形でアウトプットするのかということを、内容面にもわたって、しっかりと県民の前に御説明いただけるよう検討と熟考をお願いしたい。

緊急財政対策について
松崎:続きまして、緊急財政対策について伺っていきます。お聞きするのは、県民利用施設の関係と補助金の関係の2点です。
 まず、お配りいただいている資料で説明をいただいているのですけれども、分からない事があります。それは、県有施設について、一番最初、議員である私自身を含めて受けたのは、県有施設の全廃という事からこの話は始まっているのですが、県民利用施設について、これまで市町村とか利用者と具体的にどのように調整してきたのか、簡潔にお答え願います。
平田行政改革課長:利用者を含めた県民の方々に対しましては、県内各地で、対話の広場だとか県民説明会の場などを利用しまして、知事あるいは副知事から直接、説明や意見交換の場を設けさせていただきました。
 また、県民利用施設の見直しにあたりましては、移譲を検討する施設に限らず、その見直しの内容によっては、まず地元市町村に与える影響が非常に大きいのではないかという事から、これまでの間、市町村を中心に説明に努めてきたところでございます。
 説明にあたりましては、個別の施設につきまして、所管局から直接説明を行うのが良いのか、または窓口を集約化してまとめて説明するのが良いのか、市町村のご意向を聞きながら丁寧に対応しているところでございます。また、利用者や利用団体の方々につきましても、県民センターをはじめいくつかの施設で説明を行い、意見を聞いているところでございます。
松崎:市町村を主にというのは分かるのですけれども、今お話をされるのか、会合を持たれるという場合もありますけれども、有償で譲渡するのか、無償で譲渡するのかとか、そういうことが決まってなくて、調整とか相談をされても、される側の市町村はたまったものではないと思うのですが、その辺どうお考えですか。
平田行政改革課長:緊急財政対策として、検討の方向性、それぞれ移譲を含めた検討という形でお示ししたのは、県の内部で検討した結果をお示ししたものでございます。
 そうしたことから、まず、そうした県の方向性を整理するに至った考え方、これをまず市町村の方々に丁寧にご説明して、その中で、市町村の方の考えをよく聞きながら、移譲に当たってどのような事が課題になっているか、それを整理しながら調整を進めているというところでございます。
松崎:確かに、議会の場で答弁するとなると、今のようなお答えになるのだろうなというのは想定の範囲内なのですけれども、現実問題として、基本的な事項がはっきりと定まらない中で、移譲を検討すると書いているものがあるわけですけれども、そのような移譲にあたって、どういう考えですよという条件というものは、県として示してもらわないと、市町村は、これ移譲してくれと別に頼んでいたものではないというのが実際のところだったりするわけですから、その辺何か移譲にあたっての条件等はお示しになったのでしょうか。
平田行政改革課長:現時点での調整状況といたしましては、まず市町村の方に私どもの考え方をご説明して、市町村の方がどう受け止められたか、そのご意見を頂戴しているところでございます。具体的には、今委員がお話されましたように、
・今の状況で何も不満がないので引き続き県で管理運営してもらいたい。
・市町村も財政状況が非常に厳しいので、維持管理費がネックになる。
・移譲を受けるメリットは何なのか。
・利用者にとってのメリットは何なのか。
・施設によっては、老朽化しているではないか。
 など、そのような様々な意見を、それぞれご説明に上がった時点で頂戴しております。
そうした移譲にあたっての課題を、これからどのように解消していくか、その着地点を見出していくかということを、今検討しているところでございます。
松崎:確かにそうです。最後の答弁が一番リアルな感じがして、おそらくは担当者の人も県の側の人も、どうしていったら良いものかと考えていらっしゃると思うのです。
ただ、一方で緊急財政対策を打ち出して、先ほどご説明いただきましたように、原理原則からすると、色々な出っ張り引っ込みを含めてですけれども、1,600億円、来年度に限って言うと、700億円の財源不足をしっかり念頭におく取り組む事になってきます。そうしますと、色々な事でぎしぎしと軋みが音を立てながら起きてくると私は思います。
もう一つ考えなければいけない、当然の事ですけれども、県民の皆様、利用者の皆様に対して、ではどういうふうに向き合うのかという事です。
 具体的な見直し内容が今の段階で明らかでないというのが、どうしてもネックとしてあるので、今の段階で利用者の皆様に具体的な意見を言ってくださいと言っても、意見が出ないのではないかと思います。個々の施設の見直し内容が具体的に明らかにされた段階で改めて県民意見を募るという必要性が私はあると思うのですが、今後パブリックコメントなどを実施する、あるいは県民の皆様からどういう形で意見を、具体化した段階で募るのか、具体化したからといって、それに対して県民の皆様から猛烈な反発があった場合に、これは改めて修正なり考え方を見直すという事は考えているのかお聞かせいただけますでしょうか。
平田行政改革課長:まずは、私どもが示した検討の方向性の考え方につきましては、例えばそれぞれの県民利用施設におきまして、県としてはこういうふうに考えているのだという今の時点でご説明してご意見を伺う事も必要だと思います。ただ、委員がお話されましたように、もう少し方向性がはっきりした段階で意見を伺う必要も確かにあろうかと思います。
 今後のスケジュールといたしましては、県民利用施設の見直しにつきましては、来年度前半には一定の方向性についての結論を出していきたいと考えています。
そういうスケジュール感を見ていきますと、来年の第1回定例会で、施設の見直しに関する県としてのロードマップを何らかの形で示していきたいと考えておりまして、これに合わせて、パブリックコメントのように広く県民の方々から意見を伺うという機会も設けていきたいと考えているところでございます。
松崎:少し観点を変えまして、「別添資料2」のところに県単独補助金の調整状況と書いてありますけれども、こちらの方もお聞きします。
この補助金について、市町村、関係団体とどのように調整してきたのかをお伺いします。
落合予算調整課副課長:市町村に対して、知事から市町村長、あるいは副知事から副市町村長、または課長から課長へと、機会を捉えて丁寧にご説明を行ってまいりました。
また、各局におきましても、市町村の担当部局に対して、緊急財政対策の対象となっている補助金について、それぞれ情報提供を行ったうえで、現在調整に臨んでいるという状況です。また、団体の皆様に対しましても、各局において、まず本県の財政状況と今回の緊急財政対策の取組みについてご説明をした上で、補助金の見直し等について、ご協力をいただくよう調整を進めているという状況です。
現在、できる限り、平成25年度当初予算に反映すべく取組みを行っているところでありますけれども、市町村・団体ともに予算、事業計画の策定を進めておりまして、時間的制約もあると考えられますので、年内を目途に見直しの方向性が整ったものについては、平成25年度予算に反映し、それが難しいものについては、平成26年度以降の見直しにつきまして、引き続き調整をさせていただいているという状況でございます。
松崎:今の答弁ぶりから察するしかできないというのは、つまり資料のどんなところを調べても、その内容がブラックボックスになっているのです。
 でも、実際に財政当局の中では相当な削り込みをして、手元の中で実は集計して、総額も大体把握しておられる。ただ、それは色々な諸条件を精査しなければならないから、日々上下動するくらいの、かなりギリギリしたやりとりをしているやに仄聞しております。敢えて調整中であったり、センシティブなものが山のようにあるから、ここでそれを一々質問しませんけれども、少なくともお聞きしたいのは、何時ごろ見直し内容について公表する考えなのですか。
落合予算調整課副課長:現在調整を進めておりまして、先ほど申し上げましたように、年内を目途に平成25年度当初予算への反映の可否を見極めていきたいと考えており、その上で、第1回定例会におきまして、平成26年度以降の見直しの方向性も含めまして、ロードマップを公表させていただきたいと考えております。
 その際には、市町村や団体、県民の方々にも、なるべく分かりやすい形で「見える化」していくことが必要と考えております。
松崎:ある意味、予算にはいくつか原則があるのですが、その中で言うと、原則に沿った落合副課長のお答えだと思うのですが、そうは言っても、せーのドンみたいな感じで、何百という項目についてあれは30%、これは50%、これはゼロ、あればどうだと出してしまうと、原理原則はそうなのですけれども、それで本当に事足れりとされるのかどうか、という事を私は大変危惧します。それによって、関係団体だけでなく、県民の皆様とかマスコミの方を含めて、県は一体何だという話で、説明責任をこれで果たしたと言えるのかという話に私はなると思うのです。その辺、もう少し丁寧さが必要なのですが、その辺どのように考えていますか。
落合予算調整課副課長:個々の補助金の状況につきましては、それぞれ様々な背景等ございますので、一律に明らかにすることはできないと思いますけれども、平成25年度当初予算編成に向けては、今後時間的な制約もございますけれども、丁寧に調整を進めているところでございます。また、調整が整わない場合は、私どもの方から一方的に削減という事は考えてございませんので、丁寧に調整を進めさせていただきたいと思っております。
松崎:私は責任会派、責任政党と思っていますし、実際そうでありますので、総論賛成、各論反対、自分の関係する団体については絶対認めないぞというようなオンパレードを始めると、全て止まってしまいますから、そのような主義はとらないのですけれども、ただそうは言っても、生活の基盤をバーンと引き抜くような、そういうカットのようなものがオンパレードで続いてしまうような、もし財政改革、補助金の見直しがはじまるのだったら、それはちょっとストップをかけなければいけないと思っています。
 ですから、そういった事を含めて聞いているのですが、丁寧さというかそういうところをよく説明をして、整わないところについては時間をかけたいという考えを財政当局が持っているという事ですから、そこを取り敢えず、今の段階では、資料はないのですが、信用しますから、実際そうでなかった場合には、きちんとやらせていただきます。
 ですけれども、そこは覚悟を持ってお進めになると思うので、また、先ほど中村財政部長からご説明がありましたとおり、財政危機は深刻ですから、そういうところの観点はしっかり持っていますので、進め方、県民の生活とか産業の基盤、基本的なところで、ガクッと落ち込むような事が明らかなようなやり方というのは、私は取るべきではないと思っていますが、基本的には財政、その中で、しっかりと相手方の理解と協力が得られる形で進めていただきたいと思います。
  1. 2013/05/14(火) 00:01:02|
  2. 神奈川県

論争 財政改革⑬ 本会議編

2011年9月14日(水) 本会議代表質問
(質問要旨)
3. 行財政改革の推進について
(1)県財政の課題認識について
本県を取り巻く経済情勢は、大震災や最近の急激な円高により依然不透明だが、政府の月例経済報告など一部で明るい兆しも公表されている。また、生産に大きな影響を及ぼしていた電力使用制限令も予定より早期に解除され、景気回復の条件が整い、景気が好転し、本県財政にその効果が波及することを期待している。
さて、今定例会では補正予算案として150億円を超える事業が提案されているが、施策を実施するためには、様々な財源を活用しなければならず、健全な財政運営がその鍵となる。
そこで、本定例会に提案されている9月補正予算案は、様々な財源を活用し、編成されたものであると考えるが、この9月補正予算案を提案するにあたり、現在の本県財政状況をどのように認識したのか。また、神奈川の舵取りを行う上で、将来に向けた本県財政の課題については、どのような認識を持っているのか、率直な所見を伺いたい。


(知事答弁)
  次に、行財政改革の推進について、何点かお尋ねがありました。
  はじめに、現在の本県の財政状況と将来に向けた県財政の課題認識についてでございます。
まず、現在の財政状況ですが、歳入の多くの割合を占める県税収入については、法人二税の減収などから、当初予算額の確保は厳しいものと見通しており、歳出面では、介護・措置・医療関係費の増加が見込まれるなど、今後も厳しい財政状況にあると認識しております。
こうした中で、今回の9月補正予算については、取組みが求められている喫緊の課題にスピード感を持って的確に対応する必要があるため、国庫支出金や基金などの特定財源を最大限活用する工夫をしながら、一般財源を極力抑えて編成したところであります。
次に、将来に向けた本県財政の課題ですが、歳入面では、法人二税の割合が比較的高いことから、県税収入が景気変動の影響を受けやすい不安定な構造であることに加え、人口一人当たりの地方税や、地方交付税等の一般財源が全都道府県で最小であるなど、十分に財源が確保されていないことであります。
  一方、歳出面では、まず平成27年には県民のおよそ4人に1人が高齢者となる超高齢社会の到来などに伴う介護・措置・医療関係費の急増が見込まれております。
さらに、ここ数年の臨時財政対策債の大量発行により、県債残高が3兆3千億円を超え、今後も償還に関する公債費が増大していくことが見込まれており、こうした義務的経費が年々増加し、硬直化が進んでいることが最大の課題であります。
  したがって、将来的にも、非常に厳しい財政運営を余儀なくされることが見込まれますので、「いのち輝くマグネット神奈川」の実現を目指し、エネルギー関連の新たな産業や雇用の創出により、県内経済を活性化させ、税収増を図ってまいります。              
併せて、安定的な税財源の移譲を今後も国へ強く働きかけるとともに、より一層「選択と集中」を徹底させ、必要な施策に財源を重点配分できるよう、努めてまいります。

(再質問)
  それから、行財政改革の推進については、2点お伺いをいたしました。
県財政の課題認識というところで、お伺いをしたわけですけれども、この点については再質問させていただきたいと思います。
当初予算におきまして、補正予算対応の財源としては、県税の計上50億円を留保したというところでございます。我が会派ではこのことについて、言及をさせていただいてきたということもございますが、5月、6月補正予算において計上したのは18億円ということで、残り32億円をこの9月補正で計上するところを今回税収見込みが厳しい中、見送ったということでございます。
知事の御答弁でも現在の本県の財政状況に関して、東日本大震災の影響から、法人二税の減収が見込まれるなど税収確保が厳しいこと、それから、子ども手当への負担金など歳出面での負担増が見込まれることなどから、今後も税収動向などを注視しながら、慎重な財政運営が必要であると、また、さらには、本県の税収構造などから、将来的にも厳しい財政状況が続くと、こういう認識が、今、示されたわけでございます。
この財政状況におきましては、より慎重な議論と検討の上に、そしてまた、仰っているように、「選択と集中」という観点のもとで、喫緊の県政課題に対応できるように舵取りをしていくことが必要だと、私もそう思います。今、知事がお述べになっている、この「慎重な財政運営」ということと、それから今も知事が常々発言をされておられますけれど、「圧倒的スピード感を持った県政運営」、これを、ではどのように整合性を図っていかれるのか、ここのところを改めて知事に御所見をお伺いしたいと思います。

(知事)
  「慎重な財政運営」と「圧倒的なスピード感を持って取り組む県政運営」と、どのように整合性を図るのか、伺いたい、ということでありました。
この財政状況厳しいという状況の中で、慎重な財政運営を行うということは、これはもう何度も申し上げているところであります。
  しかし、喫緊の課題には迅速に対応する必要があります。そこで私は、知事就任以来、県政史上初となりました5月補正予算、これに続く6月補正予算を編成しまして、東日本大震災の発生に伴う電力対策や地震防災対策等に圧倒的なスピード感を持って取り組んできたところであります。
今後とも、財政収支をできる限り見通した上で、「選択と集中」による施策事業の重点化、特定財源の最大限の活用など、厳しい財政状況を踏まえた慎重な財政運営を行うとともに、取組みが求められている課題にはスピード感を持ってしっかりと対応することにより、財政運営と政策推進を整合させてまいりたいと考えているところであります。

(松崎)
  再度の発言をお許しいただきたいと思います。知事、御答弁ありがとうございました。
まさに、「いのち輝く」という部分で、しっかりと県政を推進していくということの思いを受け止めさせていただいたところでございます。
私どもでは、これからまた、代表質問、一般質問、そしてまた各常任委員会におきまして、本日お答えをいただきました諸点につきましても、深く掘り下げて審議を行わせていただきます。
 どうかよろしくお願いします。ありがとうございました。
  1. 2013/05/13(月) 05:24:21|
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