神奈川県議会議員 松崎淳 公式ブログ 夢あきらめないで!

決算特別委員会総括質疑の報告

県議会報告 決算総括質疑パート2は県財政改革です。
国と合せて借金幾らと言わせない。透明で健全、持続可能な財政に変身させる。➊県債管理目標の設定、❷プライマリーバランス黒字化、どちらもこの7度目の決算特別委員会まで7回質問、一貫して取り組み目標年次まで明確化した。さあ三本の矢のあと一本、それが❸中期財政見通しの策定だ。総括質疑のゴングが鳴った!
平成26年11月5日決算特別委員会での質疑のまとめ
財政運営について
松崎:   今回、平成25年度決算の報告を頂いたわけですけれども、そもそもこの予算につきましては、当初予算で退職手当を計上できなかったり、企業庁からの借り入れがあったりと、いびつな形でスタートした予算だと思いまして、昨年のこの場でも質問したところでございます。
このような形でスタートした予算、これが決算では実質収支・単年度収支ともに黒字となったわけであります。県当局もいろいろと苦労し工夫した結果であるとは思います。
そこでまず、今回の決算が黒字になったその理由について伺います。
平田財政課長:   平成25年度の当初予算編成作業は、700億円の財源不足が見込まれる厳しい財政状況の中で始まりまして、当初予算の発表時におきましても、職員の退職手当の計上を留保するなど、十分な財源が確保できないままスタートした予算でございました。
 しかしながら、緊急財政対策に基づき、ゼロベースからの徹底的な見直しにより、財源確保に取り組んだことに加えまして、株価の上昇、また好調な企業収益を反映して県税が前年度より増収となった結果、退職手当も補正予算で計上することができましたし、また、企業庁からの借り入れの必要もなくなって、一般会計の実質収支・単年度収支ともに黒字とすることができたものでございます。
松崎:   緊急財政対策の取組みの成果も踏まえて、今年度当初予算は税収増を見込んで、また経済の成長エンジンをまわす施策にも積極的に取り組むなど、厳しい見直しの成果をもとに攻めに転じた予算となっているということであります。さらに決算を見ても、3年ぶりに実質収支・単年度収支とも黒字。
 しかしながら、本県の財政構造を見ると決して楽観はできない状況であると私は思っております。来年度当初予算編成に向けた依命通知でも550億円の財源不足が予測をされているわけであります。市町村や県民を巻き込んで緊急財政対策に取り組んで、25年度決算は黒字となったのに、昨年の同じ時期の見込みである500億円を超える財源不足が来年度は見込まれているのであります。どうしてこのようなことになるのか伺います。
平田財政課長:  本県財政は、全庁をあげて緊急財政対策に取り組んだ結果、2年間で1,600億円と見込まれた財源不足を解消することができました。
しかしながら、歳入面では多額の臨時財政対策債に依存せざるを得ない。また歳出面では義務的経費の割合が8割を超えるなど、不十分な歳入、硬直化した歳出といった財政構造は、根本的には改善されておりません。
 こうした財政構造の課題を抱えた状況で平成27年度の財政収支を見通したところ、地方消費税の増収が見込まれるものの、その増収に伴う市町村への税交付金が大幅に増加すること、また、地方交付税と臨時財政対策債は減額となる見通しであることなどから、実質的な増収は110億円に留まるという見込みでございます。
 また一方で、歳出面、これは国の社会保障制度改革などに伴う介護・措置・医療関係費の増加などによりまして、義務的経費は660億円と大幅に増額となり、27年度当初予算編成に向けては、現段階では概ね550億円の財源不足を見込んでいるところでございます。
 この財源不足額、先ほど申し上げました緊急財政対策の成果、これを織り込んでもなお生じるものでございまして、本県財政、引き続き厳しい状況であることから、今後の予算編成を通じて、さらなる収入確保と歳出削減を強力に推進していきたいと考えております。
松崎:   そういう答弁を聞いていますと、今まで取り組んでいた様々な歳出カット、あるいはまた県有施設の見直し等の、ああした、まさに血の滲むような改革というものをもし着手しておらなかったら、大変なことになっていたということのようにも私には受け止められます。
 ただそうは言いましても県民の皆様にとってみれば、日常の生活に波及する大きな、いわばショックがあったわけでありまして、そのショックに対して、やはりこれは私ども神奈川県として、またこれはこれできちんと答えていかなければいけない。でないとサービスは低下したまま、財政は一向に良くならないということを繰り返していく、その先に神奈川県の将来が展望を描けないと思うんですよ。なので、もう少しこの点に絞ってお聞きしていきます。
 介護・医療・措置関係費の増大、それから公共施設の維持管理コスト、また地方税収で賄いきれない財政需要、こうしたところに補填されるところの地方交付税も、本県の場合は、その多くが後年度に負担を残す臨時財政対策債で配分されております。今後も公債費の増大が見込まれるわけですから、本県の財政運営は、今申し上げたように予断を許さないと思います。
こうした今後増大する公債費負担を考えますと、県債管理が財政健全化に向けた大きなテーマの一つと考えます。私もこれまで、プライマリーバランス黒字化する、その目標年次を明確にするよう訴えてきたところであります。昨年、県債管理目標が設定をされ、プライマリーバランス黒字化県債残高の減少を掲げたのは一定の評価をするところであります。それに関連して何点か伺います。
 そもそも25年度決算で前年度より県債が増加した理由についてまず伺います。
落合資金・公営事業組合担当課長:  25年度の県債新規発行額は3,002億円でありまして、前年度に比べますと5億円増加しております。
 これは、臨時財政対策債以外の県債については96億円減少いたしましたけれども、その一方で臨時財政対策債が101億円増加したことによるものです。
松崎:  25年2月に県債管理目標を設定しておりますけれど、その内容と、これまでの取り組み状況について伺います。
落合資金・公営事業組合担当課長:  県債管理目標につきましては、臨財債を含む県債全体を対象にいたしまして、「30年度までにプライマリーバランス黒字化する」と。それから「35年度までに県債全体の残高を減少する」という2つの目標を具体的に掲げております。
これまでの取組状況といたしましては、25年度につきましては、臨財債について本県として初めて46億円の発行抑制に踏み切りました。「通常の県債」につきましても、当初予算から161億円を抑制いたしました。
 また、26年度につきましては、借替債を100億円抑制するなど、2ヵ年でだいたい308億円の県債を抑制しております。
松崎:  その答弁は分かります。もう一つお聞きしたいことがあるんですけれども、そもそもということでもあるわけなんですが、県債管理目標の設定というものがありますよね。大変大切な作業だと思うんですけれども、その中にですね、臨時財政対策債も含まれるというふうに設定されていると思うんですが、間違いないですか。
落合資金・公営事業組合担当課長:  目標に中には臨財債を含んでおります。
松崎:   ここなんですけれども、これを含むか含まないかについて、県庁の中で、特に財政当局、あるいはまた知事、あるいは担当副知事を含めた中で議論はなかったんでしょうか。もう含めることを所与の前提として始めから考えているんですか。どっちですか。
落合資金・公営事業組合担当課長:  県債管理目標を設定する前は臨財債を除いた「通常の県債」について発行抑制していこうということで考えてございました。ただ先程来話に出ておりますけれど、緊急財政対策をやった中でですね、調査会の先生の方々から「臨時財政対策債も地方の借金にかわりはない」と。「それも含めて適正に管理すべきだ」というご提言を頂きました。そうしたご提言を踏まえまして、庁内で議論をして、臨財債も対象に含めるといったような判断をしてございます。
松崎:  そこをお聞きしたいです。その提言があったというのは分かりますよ。有識者の方々が大所高所からいろいろなご議論をなさったということも知ってます。ただそれを受けて、どういう議論をして、これも含めようというふうに判断をされたのか、そこの部分なんですよ。
落合資金・公営事業組合担当課長:  臨財債の性格から申し上げますと、国の厳しい財政状況を背景といたしまして、本来であれば国が地方に交付すべき地方交付税の代わりに発行可能額を決めまして、地方の借金として一方的に押し付けているものでございます。
 本県では、先ほど申し上げましたけれど、従来から県独自の借金であります「通常の県債」の抑制に取り組んできましたけれども、近年ですね、どうしても巨額の発行を余儀なくされております臨財債が県債全体の残高を押し上げて、将来の公債費負担を増加させる要因となっております。
 そうしたことがありまして、本県の県債発行の約8割を占める臨財債につきましても県債管理目標の対象に含めて、これを抑制していかなければならないということで目標の中に入れてございます。
松崎:  でもね、私は思いますけれど、それを唯でさえ重いと感じているかばんの中に、更にですよ、本来なら国が後でちゃんと手当してあげるよと約束をしているものを、更にわざわざ自らの手で重い荷物の中に更に入れる訳ですよね。そのことと私は等しいと思うんですよ。それを県民に対して「こういう理由でこうだから、この重い荷物を更に入れているんですよ」とどうやって説明するつもりですか。
落合資金・公営事業組合担当課長:  臨財債も含めて県債だいたい今3,000億円規模でございますけれども、これは将来発行し続けることになりますと、緊急財政対策の中でもお示しさせて頂きましてけれども、平成30年代半ばにはですね、義務的経費が増えまして、県の全ての歳入をもってしても義務的経費すら賄いきれないというような状況になってございます。そうしたことになってはですね、県財政そのものが立ち行かないということもございますので、今から臨財債を含めて将来の公債費負担を減少させるために抑制をしていきたいということで、この目標を設定してございます。
松崎:   そこはですから、ある意味、背に腹はかえられない事態に至ることを避けるためのやむを得ざる判断だと思うんですけれども、私は「やむを得ざる判断」と言う前には、必ず「緊急」だとか「喫緊」だとか、そういうものが付くべきだと思ってます。これを乗り越えて行くために、恒常的に借金を返す中にこれを無限定に組み込ませるということを、地方自治体の中でも大きな自治体である神奈川県が設定をしていくということになると、それはあらかじめ、いつの間にか所与の前提とされてしまって、国からは「それは神奈川県さん、しっかり頑張って返していって下さいよ」というふうに、いつの間にすりかえられるのではないかという危惧を持つんですよ。その辺の危惧っていうのはないんですか。
落合資金・公営事業組合担当課長:  地方交付税の算定上はですね、後年度きちんと臨財政の償還分も含めて算定をされるということでございますけれども、実際に地方交付税の推移等を見ますとなかなか全体としては増えていかないと、そういった状況もある中で、将来確実に担保されるかという点については、算定上入っておりますけれども、実額としてくるかどうかというのは分からない状況でございます。
 そうした中で、本県としてもやはり将来負担があるということですので、臨財政についても出来る限り抑制をしていきたいというふうに考えてございます。ただご心配のように、当然この目標を作るに当たっては、県民サービスといったような点も配慮いたしまして、当然、現世代の受けるサービス、それから将来世代が受けるサービスというものに非常なアンバランスがあってはいけないというようなこともございまして、毎年度50~100億円程度発行抑制をしていけば、何とか今掲げている目標を達成できるのではないか、というような点から一応目標を定めた次第でございます。
松崎:  最後のところの答弁は大変注目すべき答弁だなというふうに受け止めさせて頂きますけれども、それでは伺いますが、その一方でどうしてもここで議論しなければいけないもう一つの問題がございます。それはプライマリーバランスでありまして、平成30年にこのプライマリーバランスを達成すると、そしてまたバランスをさせると、そしてまた県債残高につきましても、平成35年を目標として、これも達成をするということになっています。が、そうやってある程度達成の見込みというものをいろんな意味でバランスさせていくことの、トータルのバランスですね、これを見込みをつけていくと、50億~100億と具体的な金額のご提示がありましたけれども、それならば、このプライマリーバランスであるとか、県債残高であります、これらの目標についても、30年、35年と言わずに目標の前倒し、これ考えていく必要があるんじゃないですか。
落合資金・公営事業組合担当課長:  介護・措置・医療関係費、それから公共施設の維持修繕コストの増加など、歳出圧力はますます高まっておりまして、また27年度に向けては財源不足も見込まれる中にありましては、県債も貴重な財源の一つとして活用していかざるをえないだろうと考えております。
 実際の県債の発行規模につきましては、経済の状況ですとか、地方財政対策に大きく左右される面もありますし、また県民サービスへの影響なども考えまして、毎年度収支のバランスを見極めながら慎重に決定していく必要があろうと思っております。
 そうした中にありまして、気持ちとしては目標を前倒しするぐらいの強い決意で財政運営に取り組みつつも、まずは今掲げている県債管理目標の着実な達成を目指してまいりたいと思っております。
松崎:  この委員会で財政問題を当局と論じるのはこれで7回目になります。ここ3年はずっとこの問題を取り上げてきたわけでありますけれども、目標年次を設定するまでで大変長い時間を要したというふうに記憶をしています。目標年次を設定されたわけですから、私としては、これはやっぱり次の目標を、これはなるべく早い時期に達成していくという意気込み、あるいはまた具体的な手法、様々な創意工夫、ということを重ねていただきたいと思っています。これは何も県民の皆様にご不便あるいはご負担をお掛けするということばかりが解決策ではありません。あれを利用できない、ここもロックがかかってしまった、ここも廃止になる、ここは売ってしまった、ということばかりを続けていくと、民間企業でも、どのような団体でも先に見えるのは決して明るい未来ではないと思うんです。だから、そこのところで工夫をしなくてはいけない、知恵を絞らなければいけないと思っているわけです。そして、それはなぜするのかと言えば、やっぱり、この神奈川県というものを持続可能なものとして、次の世代にお渡しをしていくという責務が現役世代である私たちにはあるからだと思っております。
 そこで次の質問をさせて頂きたいと思っておりますが、将来的な財政見通しというのを、やっぱり、これは県民の皆さまにお示しをするということは大変重要なことだと思いますし、財政健全化方策を作るべきだと、歴年、私だけではありません、会派のメンバーも主張してきたところであります。現在、緊急財政対策、先ほどご報告もありましたけれども、いったん終了をしております。つまり、これといった中期財政見通しがないという状況に今あるわけです。ところが来年度につきましては、550億円の財源不足が見込まれるということを、当局自らの手で依命通知という形で、いわば明らかにされている、また財政危機が目の前にあるという状況に立ち至っている訳です。そこで、いつまで経っても中期財政見通しを作らないということがあってはならないと思います。今後も厳しい財政運営が見込まれるという、この現実の中にありましては、場当たり的な対応ではなくて、中期的な財政見通しや健全化方策を直ちに作る必要があると考えます。いかがでしょうか。
宮治財政部長:  自治体の財政が単年度主義を原則としている中にございまして、将来の財政状況を見通し、中長期的な展望を持って毎年の財政運営を行うこと、これは、委員ご指摘のように、大変に大切なことであるという認識をしてございます。
 この、将来の財政状況を見通す、という作業を行う際に、現行の制度を前提として、そこに一定の与件を与えて見込むという作業をするわけでございますけれども、現在、たとえば消費税率がどうなるのか、法人の実効税率がどうなるのか、さらには新たな子育て支援制度、医療介護サービスの新たな支援制度、国民健康保険制度の大きな改革などといった、地方財政の根幹に関わるような大きな制度改正が大変多く予定をされているところでございます。
 こうした状況下で将来推計を行いましても、すぐに実態と乖離をしてしまいまして、使えない推計となってすぐ陳腐化してしまうことが非常に懸念をされるわけでございます。
 従いまして、現時点で直ちに中期財政見通しを作成するということは大変難しいと考えておりますけれども、今後、消費税率の引き上げですとか、社会保障制度改革の詳細、そちらが明らかになると思われますので、そうした動向を見極めながら、新たな中期財政見通しや健全化方策について作成を検討してまいりたいと、このように考えております。
松崎:   長年この中期財政見通しについては策定をすべきであるというふうに主張させて頂いてまいりましたけれども、その作成について、前向きなというか、一定の前を向いた答弁を得たというのは、私の過去の記憶では初めてであります。ただ、そこに今縷々述べられたようにまだ不確定な要素があるということでございますので、そういった不確定な要素につきましては、その状況が明らかになった時点におきまして、それを織り込みつつ、的確な策定をぜひ進めて頂きたいと思います。
では要望を申し上げます。県民、市町村に大きな混乱を巻き起こしながら進めてきた緊急財政対策本部も解散し、25年度決算の黒字とともに、今年度予算は過去最大規模の積極型予算としてスタートしました。
しかしながら、先に出された来年度当初予算編成に向けての依命通知では、550億円の財源不足が見込まれるとされております。こうした財源不足が生じるのは、地方税財政制度の構造的な課題があることはわかっておりますし、このことにつきましては、今後も国に対してきちんと要請していく必要があります。また、介護・措置・医療関係費の増加や、老朽化が進む施設やインフラの維持管理に今後多大なコストがかかることを考えますと、将来世代に負担を先送りすることなく、計画的な財政運営を行っていく必要があります。
そのためにも、県債管理目標の早期達成はもとより、中期財政見通しについて答弁がありましたように策定を強く要望して、次の質問に移ります。
  1. 2014/12/18(木) 02:18:55|
  2. 神奈川県

決算の総括質疑に立ちました

決算特別委員会での総括質疑に立ちました。
取り上げたのは、エボラ出血熱など感染症対策の拡充強化、がけ崩れ災害対策の促進、県の財政改革の3点です。多くの皆さんに御示唆、ご助言戴き、現場にも何度も伺い、とりわけ災害の場所では伺うたびご冥福を祈り、本日ここに対策強化の方針を引き出すに至りました。命を守る決意を胸に引き続き走ります。
  1. 2014/11/05(水) 22:30:42|
  2. 神奈川県

行財政改革・地方分権特別委員会委員長に選任されました。

今日開かれた本会議で、神奈川県議会財政改革地方分権特別委員会委員長に選任されました。
常任委員会は環境農政常任委員会に所属いたします。
神奈川県議会に対するみなさまの変わらぬおご厚情、お引き立てを賜りますよう切にお願い申し上げます。
  1. 2014/05/26(月) 14:40:44|
  2. 神奈川県

論争 財政改革⑮ かながわ再生特別委員会編

平成23年3月3日かながわ再生特別委員会での質疑
県庁正規職員削減の中で、非正規職員は?

松崎
今、職員の削減について取り上げられているのは、専ら正規職員だというふうに理解しています。もう一方で、県庁の中で働いている人の中には、非正規の職員の方もいらっしゃると思います。職員数の削減というものを取り上げる場合には、正規職員の方以外にも、非正規職員の方々の実情というものも取り上げないといけないのかなと思いましたので、関連でお伺いします。
 まず、非正規で働いておられる方は県庁で何人くらいおられるのかお伺いします。非正規の方々のとらえ方は4類型あると思いますが、累計毎の人数を分かれば教えてください。それともう一つは、正規職員の削減が進んでいる中で、非正規の方々は逆にその分増えてきたのかどうか、業務量に見合った処遇がどのように行われているのかを伺います。
人材課長  
正規職員以外の職員、いわゆる非常勤職員の部分のお話だと思いますけれども、非常勤職員という概念の職員ですが、平成22年4月現在の数字で申し上げますと、1,694人おります。これらの職員は、行政の補助員として事務的な仕事をしている職員の他に、大学ですとか医療機関において講師としておいでいただいている、パートタイム的な仕事をしていただいている職員の方が大多数を占めております。これ以外に臨時的任用として、正規職員で埋めきれていないところを埋めていただく臨時的に任用する職員がございます。これが270人。その他、再任用職員として、フルタイムで県の職員を一度退職して再任用の御希望があった人で、週40時間働いていらっしゃる方は118人。それから、短時間の再任用職員ということで、週29時間従事していただいている方が334人、これ以外に想定されるものとしては、日々雇用職員という形で繰り返しの業務に当たる職員がおりますが、時点によってとらえ方が様々になり、繁忙期には大量に雇い入れることになりますし、そうでない時期もありますので、時点としては昨年の6月末の数字ですと630人というふうになっています。
 傾向といたしまして、一番大きい数字の非常勤職員ですが、平成18年度は1,618人、先ほど申し上げた22年度が1,694人ですので、全体として職員削減をしている中で、業務量として、非常勤職員数はそれほど多くは増えていないという状況になってございます。
松崎  
非正規雇用の人たち自身も、正規職員の削減モードの中で、労働法制の見直しということが課題として上がってきている中においては、本来、民間企業で働いていれば、3年経てば正規職員への道が開かれるわけですが、県庁で非正規で働いている場合、3年間働いた方々はどうなるのか端的にお答えください。
人材課長  
それぞれによって雇用の形態が違っております。非常勤職員については、1年ごとの契約になっておりまして、問題がなければ、行政の事務補助員として3年間継続して同じ職場で働いていただこうという制度でございます。その後は行政補助員としての募集があればそちらに応じていただくということしか、今のところは用意させていただいておりません。
 その他の臨時的任用職員については、6箇月を一回区切りとし一回だけ更新できるという形ですので、1年間が一つの区切りとなります。それ以上は、任用の必要があれば任用させていただくという手続となります。
 再任用職員につきましては、退職した年度によって制度が違いますけれども、おおむね65歳に達する日まで任用させていただいております。
松崎  
公務員の採用ということには元々法律がございますので、いたし方がない面もあるということは重々承知しておりますが、しかし一方では、民間では少し前の報道にもありましたように過去、非正規で働いていた人たちを次々に解雇していった企業においても、もう一度そこは見直して3年ルールというものをしっかりやろうという機運が全体としてあるという中で、県庁においては民間と隔絶されていて、3年働こうがその人がどういう人であろうかは関係なく、一旦解き放ってしまうとういう厳然としたルールをただ運用するだけではなくて、その人の次のジャンプアップというものも同時に考えなくてはいけないと私は思います。
 先ほど、廃止される第三セクターの職員の再就職みたいなことに色々と苦心した結果、大多数の人はうまくいったというような報告があったけれども、その人たちの面倒をしっかり見ようということがあるなら、自分たちの業務をすぐ隣の席で日々手伝ってくれる人たちの持っているものを考える視点、これだけ雇用問題を県としては一番の施策として取り上げている中ではバランスを欠かないような対応が必要だと思うんです。その辺について、組織人材部長のお考えがあれば伺います。
組織人材部長  
基本的には公務員の場合、公平・公正でなければいけないということで、3年間雇用しても、それが優先的に正規雇用につながるものではないという地方公務員法上の制約があるということについては、御理解をいただきたいというふうにおもっております。 
 ちょうどこの3月に3年経って切れる方の後任について行政補助員という形で募集をかけましたところ、今のこの雇用情勢を反映しておりまして、1人につき10倍から40倍という応募が現実にあるという実態がございます。逆に言いますと、3年経った方が5年、10年といくかということになると、新たに雇用を希望されている方の道を閉ざすということにもなるわけでございます。とは言いつつも委員の御指摘のように、3年働いた方はどうするんだということについてですが、別のセクションであれば応募していただいて結構ですよということが一つございます。
 それから、元々この制度というのは、多くの県民の方々に雇用の場を県自身が提供していこうということから発した制度でございますので、そういう意味ではステップアップをしていただこうということで、研修もこれまでは若干弱めだったのですが、3年いる間に、正規職員や退職した職員と全く同じ規模とはいきませんけれども、研修や日ごろのOJTを通じて、正規職員の道へと御自分でチャレンジをしていこうと、勉強して挑戦してみようという方もいらっしゃいます。そういった道をつくることで、非常勤の方々の雇用の場を県自らが提供していかなければならないという両面から、今後も非常勤問題について取り組んでまいりたいと思っております。
松崎  
現下の厳しい雇用情勢に対して、県として優先順位を付けるとすれば一番だということを今度の新年度予算の中でも明確に盛り込んでいるわけでございますので、是非とも県庁自身における雇用ということに関して意を配っていただきたいということを強く要望します。
  1. 2013/05/14(火) 20:47:58|
  2. 神奈川県

論争 財政改革⑭ 地方分権・行財政改革特別委員会編

平成24年第3回 地方分権・行財政改革特別委員会
12月20日松崎淳質疑のまとめ

松崎:本日は、大まかに言って5点質問させていただきます。
 1点目は大枠を少し確認したい事があります。
 2点目は県税事務所の再編についてであります。
 3点目は緊急財政対策について、
 4点目は本庁機関の再編について、
 そして最後が、これからの神奈川県のあり方についてであります。
 それでは順次、質問させていただきます。まず、大枠について2点ほど確認をさせていただきたいと思います。
 1点目ですが、道州制、それから神奈川州構想についての立ち位置とか、見解の現状についてなのでありますが、この総選挙におきまして政権交代が現実化したわけですけれども、それにともなって、例えば神奈川県としての道州制に対しての見解ですとか、神奈川州についての見解に何か変更がありますか。
川瀬広域連携課長:お答えいたします。今回、修正案ということで、現時点の本県の考え方を整理させていただいて、改めてご報告をいたしました。この考え方、道州制をめざしていくという方向において、特区等で直近の部分では、国からの権限移譲を求めていくという考え方について、現時点でその方向を堅持していくということで考えております。
 今、お話がございました国の状況につきましては、現時点で、具体的な部分について明らかになっていることはございませんので、今後の国の取組の状況を注視をして、必要な対応については、その時点で改めて検討していくということで考えているところでございます。以上でございます

松崎:そうするとつまり、神奈川県としての考え方は、地域主権型ということでもあるわけですけれども、基本的には変わりはないと。国の方でいろいろな動向があった場合には、それについてまた着実に対応を考えると、こういうことですね。
川瀬広域連携課長:現時点ではそのように考えております。以上でございます。
松崎:では2点目ですが、行財政改革について伺います。
 緊急財政対策についてですが、大枠の確認事項としてお聞きするのは、目標としている金額、緊急財政対策で一体どれだけの金額を目標としているのか、お答えください。
落合予算調整課副課長:お答え申し上げます。
 緊急財政対策につきましては、全ての事務事業について聖域を設けず、ゼロベースから徹底的な見直しを行うこととしておりまして、具体的な削減目標額という点では、今定めておりません。
 ただ、平成25年度には700億円、26年度に至っては900億円、2箇年合わせて1,600億円の財源不足が見込まれておりますが、現状においては、この解消の目途が立っていません。
 そうしたことから、歳入歳出両面からの取組みを行って、直面している財源不足1,600億円を解消すること、これが目標額になろうかと思います。
松崎:明確に1,600億円ということが出されたと理解したいのですが、それでよろしいですか。
落合予算調整課副課長:この1,600億円を解消しないことには、本県の予算を編成できませんので、そのように考えていただいて結構です。
中村財政部長:今の1,600億円というのは、歳出の削減だけではなくて、歳入の確保を含めた1,600億円でございます。
松崎:財政の件、当然だと思います。そうすると、更に聞きたくなるのですが、来年度予算編成を行い、次回定例会の2月上旬位には当初予算案が固めて出されることになると思うのですが、そうすると平成25年度当初予算については、その目標達成のための重要な予算ということになってくると思うのです。
 中村財政部長がおっしゃるように、達成目標は歳出削減と歳入確保の両方を足し合わせての1,600億円です。そうすると、平成25年度当初予算というのは、今この特別委員会に所属している私としては、その当初予算についてどういうイメージを持っていればよいのでしょうか。
中村財政部長:平成25年度については、700億円の財源不足を見込んでおります。
本日ご説明をいたしましたように、まず人件費の削減を大幅にやらせていただきますけれども、その分で160億円埋めるという状況、その他に、緊急財政対策で、あらゆる施策事業について見直しを進めています。
 あわせて、地方交付税の増額確保ということも、毎年この年末に向けて取り組ませていただいております。
 ただ、来年につきましては選挙の結果もございますので、地方財政対策自体が1ヶ月以上遅れるという情報がありますから、そういった時期なども見極めながら、歳入・歳出両面から、あらゆる手段を講じてまいります。
基本的に歳入と歳出がイコールにならなければ予算が組めませんので、仮に、そういうことが出来ないとなると、翌年度の税収を繰り上げて充用するという、まさしく、本当の財政危機になるという、そのようなことにならないよう、今一生懸命査定作業を詰めて進めているところであります。
松崎:そうすると、私の理解といたしましては、当面財源不足額として見込んでいる700億円について、このリスクを含めた件の払拭をしたいということだと思うのです。
 大枠の確認だけなので、次に移りますが、緊急財政対策を見ていますと、昨日行われた各8つの常任委員会において、それぞれ所管している部局から責任ある方々の言葉で、我が所管している部局においては斯く斯く云々こういう形で進めますというご説明をわりとはっきりと出されたのですが、これ各局がそれぞれ出しているというのは、議席を得て議会に来ている者としては、そういうふうに映るのですけれども、各局がそれぞれ自分の所管している部局の事業などについて、ああしようこうしよう、2年かけます、1年かけますとわりと出してくるのですけれども、それというのは、行司が力士を兼ねているような感じを受けてしまうのです。
 もう少し客観性というか、県民にとって本当にこれを切ってしまって大丈夫なのか、あるいは逆にここのところはもっと切り込みが必要なのではないかという形で、もし各局が自分の所管している事業や施設などについて言うのであれば、客観性をどうやって担保するのかと思うのですが、その辺はどうなっていますか。大丈夫ですか。
落合予算調整課副課長:緊急財政対策につきましては、まず、知事をトップといたします緊急財政対策本部、ここにおきまして、大きな方針を決定して、全庁的に意思統一をした上で取組みを行っているという状況でございます。
 こうした方針のもとに、各所管施設や各所管事業につきまして、それらに精通している各局を主体として検討を進めておりますけれども、最終的には、先ほど申し上げました対策本部において、県としての意思決定をさせていただいております。
松崎:後ほど、もう一度詳しく掘り下げてお聞きしますので、今のお答えをお聞きしておきます。
もう一点、行財政改革で欠かせないのが、行政改革という部分でありますので、そこについて1点だけお聞きしますが、事務事業評価、あるいは県庁版の仕分け、こちらの方もわりと本来切られる側である筈の当局の意向とか色合いが、何でこの事業を選ぶのだろうと率直に感じることがあるのですが、この辺についてももう少し客観性というものを、棚に乗せてどうするか検討する時に色々な外部の人の意見を入れている事を以って客観性を担保しているというのですが、それは少々違っていて、実は、何を棚に乗せるかを選ぶ、抽出する時に、県民目線、利用者側のお客様の側の視点をもっと入れて、しかも大胆に取り組まなければいけないと思うのですが、それはどうなのですか。所管課の方の意見があったらお聞かせいただけますか。
平田行政改革課長:事務事業評価が当局主導になっているのではないかということでございますが、事務事業評価について、外部評価として、外部の方に見ていただく今の形をとらせていただくことになって、ちょうど3年目になります。
 年次の区切りでいきますと、30年以上経っている事業、また15年~30年の間の事業、そして、今年度は15年未満の事業という形で3年間でちょうど1ローテーション終わったような形になっております。
 外部の点検チームの方に何を見ていただくかというところの選定にあたりましては、なるべく県民の方々にわかりやすいと思われるような事業を選択させていただいている。また、事業の金額、そうしたものを勘案させていただいて選定させていただいているところであります。
 ただ、今、緊急財政対策という枠組の中で、全ての施策・事業について根底に立ち返って徹底して見直しを行う動きになってございます。そうしたことから、この事務事業評価につきましても、より効果的な実施方法を検討してまいりたいと考えているところでございます。
松崎:折角、平田行政課長から検討しますという、前向きなお答えをいただきましたので、お聞きしますけれども、それはいつまでに検討するのでしょうか。そして、いつから改めた新しいものに変えるのでしょうか。
平田行政改革課長:来年度の事務事業評価を、外部評価を含めましてどういう形でやるかという事について、今検討を進めてさせていただいているところでございます。
松崎:では、何をどういう形で進めるかは、全部そちらの裁量なのかも知れませんが、裁量だと言い切れないようなぐらいに厳しい財政状況を背景として緊急財政対策が行われているわけですから、そういう事を旨として取り組んでいただくようにお願いいたします。
どういうものが次に立ち上げるかで、会派としても一議員としても、また然るべき機会に取り上げるかも知れません。

県税事務所の再編について
松崎:県税事務所の再編について、他の委員も取り上げていたが、私も角度を変えてお聞きしたい。県税事務所の機能を強化すると税制企画課長が言っているように、適正公平な賦課徴収を通じて、更なる納付率の向上による税収確保を図るという考え方は理解できる。
 私も前から指摘してきたが、専門性の高い事務になるべく力を注ぎたい、集中させたいという考え方と、もう一つは、中にある無駄とか、あるいは他の人でも代われる属人的ではない事務は、なるべく代わっていただいて、代われない事務へ力を注ごうという考え方、つまりは、専門性の高いところに特化していくということと、効率化を同時に達成しようというのが、大きな考え方だと思う。それは、先ほど行政改革課長が言っていた県庁全体の行政改革ということに通じるし、本県がずっとやってきた行政システム改革も、そういう流れである。
 そこでお聞きしたいが、昨日の総務政策常任委員会や今朝の報道などにも、この点については出ているが、私が観点を変えて考える必要があると思うのは、県税事務所の事務における民間委託について、どのように考えているのかについてである。そこで、民間委託化の実施状況はどうなのか、そして、どういう効果が上がっているのかを、お答えいただきたい。
長谷川税制企画課長:県税事務の民間委託化ということでございますけれども、本県では、平成20年度から自動車取得税と自動車税、自動車二税と言っておりますけれども、これらの事務について、民間委託を導入しております。
 大きく分けますと3つございまして、1つが、いわゆる自動車税関係の各種電算入力事務、これを20年4月から委託をいたしまして、その結果、それまで各事務所でそれぞれ行っていた入力事務が一元化・集約化されて、効率的かつ迅速に行えるようになり、併せて、県税事務所の事務負担も軽減されたという効果がございました。
 それから2つ目が、自動車税コールセンターというものを20年8月に開設をいたしまして、ここでは自動車税に関するお問い合わせを電話で一元的に受け付けるとともに、自動車税を納めていただいていない方に納付を呼び掛けるという、二つの業務を併せて実施しております。
 なお、開設した当時は、こうした2つの業務を併せて民間委託するというのは全国でも極めて珍しく、都道府県では初だと認識しておりますし、席数は30、これも当時では全国最大規模という形でスタートさせていただきました。
 この実績といたしましては、まず、お問い合わせへの応答でございますけども、23年度年間で8万1千件でございます。それから、納付の呼び掛けでございますけれども、年間で約4万5千件の呼び掛けをいたしまして、この呼び掛け業務の期間中に収入化されたものが、約1万件ということでございますので、県税事務の省力化、それから納付率の向上にもつながっているところでございます。
 3つ目でございますが、自動車を登録する運輸支局に自動車税管理事務所の駐在事務所が併設されておりますけども、ここで行っている自動車取得税・自動車税の申告等の受付業務の民間委託を、21年4月から順次実施をしております。
主な効果でございますけれども、どうしても自動車の登録というのは、月末にかなり集中する傾向がございますので、かなり窓口が混雑し、場合によっては建物の外まで並んでいただくような状況がございましたけれども、民間委託によりまして、多いときにはより多く人員配置をするというような柔軟な対応が可能となりましたので、混雑の緩和・改善につながったというのが一番大きな効果と認識してございます。
松崎:今、税制企画課長から報告があった3点、電算入力、コールセンター、運輸支局併置の本県機関。お聞きしていると、実績は確実に上がっているんだということがよく分かった。そこでお聞きするが、自動車二税における民間委託の実績を踏まえて、なぜ他の税目に拡大しないのか。
長谷川税制企画課長:今お答えさせていただきました自動車二税でございますけども、県税の中でも最も件数が多い自動車税は、年間に250万を超える台数の課税がございまして、極めて量が多いということがございます。それに加えて、反復・継続的に生じる事務が非常に多いということがございますので、県税の中でも最も民間委託に馴染みやすいということで、まず実施をさせていただいたということでございます。
 こういった実績がございますけども、自動車二税のやり方を、若干性格が異なります他の税目、例えば法人事業税などにそのまま当てはめられるかというと、これはなかなか一概には難しい面があると思っております。
 自動車二税以外に民間委託化をするに当たりましては、かなり様々な観点の検討が必要でございます。特に税務の事務は、かなり公権力性が強い事務であります。したがって、公権力の行使に当たらないのかどうか、あるいは税理士法の規定に抵触しないかどうかということをまず考えなければいけないですし、その次に、いわゆる定型的でマニュアル化できるような事務であるかどうかや、民間委託化の効果を生み出せるだけの事務量があるかどうかということが、大事なポイントだと思っております。それからもう1点は、かなりたくさんの個人情報を扱いますので、その個人情報の保護をどうやって図っていくのかということも、大事な視点であると思います。
 これらのことを考えた上で、民間委託が本当に納税者のサービスにつながるのか、そして税収確保に寄与するものなのかというところも含めて、様々な観点から十分な検討をしていかなければいけないと認識をしております。
松崎:私は覚えているが、平成20年の導入の頃、当局は、まず自動車二税からと言っていたはずで、その他のものについては、かくかくしかじかというような答弁があったが、そのようには言ってなかったというのが私の記憶である。
 それはともかくとして、今の4つの条件、公権力性と定型性と事務量と、もう一つが個人情報。そこでお聞きしたいが、例えば、自動車税関係で既に民間委託化を実現し、実績が上がっている入力事務や申告書の受付といったところに、公権力性あるいは処分性はあるのか。あるいは、逆に定型性はないのか。それから、事務量は膨大ではないのか。 そして、個人情報保護、これは的確なルールを定めて、制裁とかペナルティー、罰則などもきちっと備えておけばクリアできるのではないか。こういったことを考慮すると、入力事務とか申告書の受付といったところは、すぐにでも民間委託化できるのではないか。
長谷川税制企画課長:御指摘のとおりでありまして、入力事務ですとか申告書の受付だけに着目すれば、民間委託が可能な事務はございます。ただ、先ほど申し上げましたとおり、自動車税につきましては、申告の件数で申し上げますと100万件を超えるようなボリュームがあります。これを4箇所の駐在事務所で受け付けているということで、一定程度集約化されているという面があります。
 一方、次に申告等や入力事務が多いものになりますと、やはり法人二税でございますけれども、これは年間で約20万件ということで、相対的に自動車税に比較するとボリュームが少ないということもございますし、例えば入力、あるいは申告を受け付けたときに、申告書の記載内容の形式的な確認ですとか、添付書類ですとか、法人の規模などによってそれぞれ違ってきますので、自動車税に比べると、若干複雑な面があるという側面もございます。
 したがって、先ほど申し上げましたように、一つひとつの事務を見ますと、民間委託が可能な事務もありますけども、やはり、民間委託の効果が生み出せるまでの事務量というのは、なかなか難しいのではないかという考えがございます。
 ただ、私どもも、民間委託化は内部事務の省力化・効率化に寄与するという認識がございまして、自動車二税の民間委託を始めた後も検討はしております。今回、平成26年度に県税事務所を再編するという方向に向けて、様々な事務の見直しを進めているところでありますが、その中で、例えば一つひとつの業務では難しいですけども、いくつかの業務を組み合わせて、ボリュームをもたせて民間委託をするような方法ができるかどうか、そのようなことも含めまして、内部事務の見直しの中で十分検討を進めていきたいと考えてございます。
松崎:今の答弁、最初は消極的なのかと思ってずっと聞いていたが、最後は積極的な感じを受けた。県税事務所の再編は26年度からであり、それと機を合わせてという答弁なので、そこのところはしっかりと御検討いただいて、結果をきちんと出していただきたいと思う。事務量の点についても、いくつか事務を複合的に民間委託化することによってクリアできるような見通しをお持ちのようなので、しっかりと取り組んでいただきたいと思う。
 とにかく、県税事務所の機能強化と効率化を同時に進めるということで、再編の年限を切っている以上は、そこでやっぱり一つの出口というか、どういう形でアウトプットするのかということを、内容面にもわたって、しっかりと県民の前に御説明いただけるよう検討と熟考をお願いしたい。

緊急財政対策について
松崎:続きまして、緊急財政対策について伺っていきます。お聞きするのは、県民利用施設の関係と補助金の関係の2点です。
 まず、お配りいただいている資料で説明をいただいているのですけれども、分からない事があります。それは、県有施設について、一番最初、議員である私自身を含めて受けたのは、県有施設の全廃という事からこの話は始まっているのですが、県民利用施設について、これまで市町村とか利用者と具体的にどのように調整してきたのか、簡潔にお答え願います。
平田行政改革課長:利用者を含めた県民の方々に対しましては、県内各地で、対話の広場だとか県民説明会の場などを利用しまして、知事あるいは副知事から直接、説明や意見交換の場を設けさせていただきました。
 また、県民利用施設の見直しにあたりましては、移譲を検討する施設に限らず、その見直しの内容によっては、まず地元市町村に与える影響が非常に大きいのではないかという事から、これまでの間、市町村を中心に説明に努めてきたところでございます。
 説明にあたりましては、個別の施設につきまして、所管局から直接説明を行うのが良いのか、または窓口を集約化してまとめて説明するのが良いのか、市町村のご意向を聞きながら丁寧に対応しているところでございます。また、利用者や利用団体の方々につきましても、県民センターをはじめいくつかの施設で説明を行い、意見を聞いているところでございます。
松崎:市町村を主にというのは分かるのですけれども、今お話をされるのか、会合を持たれるという場合もありますけれども、有償で譲渡するのか、無償で譲渡するのかとか、そういうことが決まってなくて、調整とか相談をされても、される側の市町村はたまったものではないと思うのですが、その辺どうお考えですか。
平田行政改革課長:緊急財政対策として、検討の方向性、それぞれ移譲を含めた検討という形でお示ししたのは、県の内部で検討した結果をお示ししたものでございます。
 そうしたことから、まず、そうした県の方向性を整理するに至った考え方、これをまず市町村の方々に丁寧にご説明して、その中で、市町村の方の考えをよく聞きながら、移譲に当たってどのような事が課題になっているか、それを整理しながら調整を進めているというところでございます。
松崎:確かに、議会の場で答弁するとなると、今のようなお答えになるのだろうなというのは想定の範囲内なのですけれども、現実問題として、基本的な事項がはっきりと定まらない中で、移譲を検討すると書いているものがあるわけですけれども、そのような移譲にあたって、どういう考えですよという条件というものは、県として示してもらわないと、市町村は、これ移譲してくれと別に頼んでいたものではないというのが実際のところだったりするわけですから、その辺何か移譲にあたっての条件等はお示しになったのでしょうか。
平田行政改革課長:現時点での調整状況といたしましては、まず市町村の方に私どもの考え方をご説明して、市町村の方がどう受け止められたか、そのご意見を頂戴しているところでございます。具体的には、今委員がお話されましたように、
・今の状況で何も不満がないので引き続き県で管理運営してもらいたい。
・市町村も財政状況が非常に厳しいので、維持管理費がネックになる。
・移譲を受けるメリットは何なのか。
・利用者にとってのメリットは何なのか。
・施設によっては、老朽化しているではないか。
 など、そのような様々な意見を、それぞれご説明に上がった時点で頂戴しております。
そうした移譲にあたっての課題を、これからどのように解消していくか、その着地点を見出していくかということを、今検討しているところでございます。
松崎:確かにそうです。最後の答弁が一番リアルな感じがして、おそらくは担当者の人も県の側の人も、どうしていったら良いものかと考えていらっしゃると思うのです。
ただ、一方で緊急財政対策を打ち出して、先ほどご説明いただきましたように、原理原則からすると、色々な出っ張り引っ込みを含めてですけれども、1,600億円、来年度に限って言うと、700億円の財源不足をしっかり念頭におく取り組む事になってきます。そうしますと、色々な事でぎしぎしと軋みが音を立てながら起きてくると私は思います。
もう一つ考えなければいけない、当然の事ですけれども、県民の皆様、利用者の皆様に対して、ではどういうふうに向き合うのかという事です。
 具体的な見直し内容が今の段階で明らかでないというのが、どうしてもネックとしてあるので、今の段階で利用者の皆様に具体的な意見を言ってくださいと言っても、意見が出ないのではないかと思います。個々の施設の見直し内容が具体的に明らかにされた段階で改めて県民意見を募るという必要性が私はあると思うのですが、今後パブリックコメントなどを実施する、あるいは県民の皆様からどういう形で意見を、具体化した段階で募るのか、具体化したからといって、それに対して県民の皆様から猛烈な反発があった場合に、これは改めて修正なり考え方を見直すという事は考えているのかお聞かせいただけますでしょうか。
平田行政改革課長:まずは、私どもが示した検討の方向性の考え方につきましては、例えばそれぞれの県民利用施設におきまして、県としてはこういうふうに考えているのだという今の時点でご説明してご意見を伺う事も必要だと思います。ただ、委員がお話されましたように、もう少し方向性がはっきりした段階で意見を伺う必要も確かにあろうかと思います。
 今後のスケジュールといたしましては、県民利用施設の見直しにつきましては、来年度前半には一定の方向性についての結論を出していきたいと考えています。
そういうスケジュール感を見ていきますと、来年の第1回定例会で、施設の見直しに関する県としてのロードマップを何らかの形で示していきたいと考えておりまして、これに合わせて、パブリックコメントのように広く県民の方々から意見を伺うという機会も設けていきたいと考えているところでございます。
松崎:少し観点を変えまして、「別添資料2」のところに県単独補助金の調整状況と書いてありますけれども、こちらの方もお聞きします。
この補助金について、市町村、関係団体とどのように調整してきたのかをお伺いします。
落合予算調整課副課長:市町村に対して、知事から市町村長、あるいは副知事から副市町村長、または課長から課長へと、機会を捉えて丁寧にご説明を行ってまいりました。
また、各局におきましても、市町村の担当部局に対して、緊急財政対策の対象となっている補助金について、それぞれ情報提供を行ったうえで、現在調整に臨んでいるという状況です。また、団体の皆様に対しましても、各局において、まず本県の財政状況と今回の緊急財政対策の取組みについてご説明をした上で、補助金の見直し等について、ご協力をいただくよう調整を進めているという状況です。
現在、できる限り、平成25年度当初予算に反映すべく取組みを行っているところでありますけれども、市町村・団体ともに予算、事業計画の策定を進めておりまして、時間的制約もあると考えられますので、年内を目途に見直しの方向性が整ったものについては、平成25年度予算に反映し、それが難しいものについては、平成26年度以降の見直しにつきまして、引き続き調整をさせていただいているという状況でございます。
松崎:今の答弁ぶりから察するしかできないというのは、つまり資料のどんなところを調べても、その内容がブラックボックスになっているのです。
 でも、実際に財政当局の中では相当な削り込みをして、手元の中で実は集計して、総額も大体把握しておられる。ただ、それは色々な諸条件を精査しなければならないから、日々上下動するくらいの、かなりギリギリしたやりとりをしているやに仄聞しております。敢えて調整中であったり、センシティブなものが山のようにあるから、ここでそれを一々質問しませんけれども、少なくともお聞きしたいのは、何時ごろ見直し内容について公表する考えなのですか。
落合予算調整課副課長:現在調整を進めておりまして、先ほど申し上げましたように、年内を目途に平成25年度当初予算への反映の可否を見極めていきたいと考えており、その上で、第1回定例会におきまして、平成26年度以降の見直しの方向性も含めまして、ロードマップを公表させていただきたいと考えております。
 その際には、市町村や団体、県民の方々にも、なるべく分かりやすい形で「見える化」していくことが必要と考えております。
松崎:ある意味、予算にはいくつか原則があるのですが、その中で言うと、原則に沿った落合副課長のお答えだと思うのですが、そうは言っても、せーのドンみたいな感じで、何百という項目についてあれは30%、これは50%、これはゼロ、あればどうだと出してしまうと、原理原則はそうなのですけれども、それで本当に事足れりとされるのかどうか、という事を私は大変危惧します。それによって、関係団体だけでなく、県民の皆様とかマスコミの方を含めて、県は一体何だという話で、説明責任をこれで果たしたと言えるのかという話に私はなると思うのです。その辺、もう少し丁寧さが必要なのですが、その辺どのように考えていますか。
落合予算調整課副課長:個々の補助金の状況につきましては、それぞれ様々な背景等ございますので、一律に明らかにすることはできないと思いますけれども、平成25年度当初予算編成に向けては、今後時間的な制約もございますけれども、丁寧に調整を進めているところでございます。また、調整が整わない場合は、私どもの方から一方的に削減という事は考えてございませんので、丁寧に調整を進めさせていただきたいと思っております。
松崎:私は責任会派、責任政党と思っていますし、実際そうでありますので、総論賛成、各論反対、自分の関係する団体については絶対認めないぞというようなオンパレードを始めると、全て止まってしまいますから、そのような主義はとらないのですけれども、ただそうは言っても、生活の基盤をバーンと引き抜くような、そういうカットのようなものがオンパレードで続いてしまうような、もし財政改革、補助金の見直しがはじまるのだったら、それはちょっとストップをかけなければいけないと思っています。
 ですから、そういった事を含めて聞いているのですが、丁寧さというかそういうところをよく説明をして、整わないところについては時間をかけたいという考えを財政当局が持っているという事ですから、そこを取り敢えず、今の段階では、資料はないのですが、信用しますから、実際そうでなかった場合には、きちんとやらせていただきます。
 ですけれども、そこは覚悟を持ってお進めになると思うので、また、先ほど中村財政部長からご説明がありましたとおり、財政危機は深刻ですから、そういうところの観点はしっかり持っていますので、進め方、県民の生活とか産業の基盤、基本的なところで、ガクッと落ち込むような事が明らかなようなやり方というのは、私は取るべきではないと思っていますが、基本的には財政、その中で、しっかりと相手方の理解と協力が得られる形で進めていただきたいと思います。
  1. 2013/05/14(火) 00:01:02|
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