一貫して取り組んでいるPM2.5対策で環境農政常任委員会で質問に立ちました。黒岩知事が委員会での僕らの要望を受けて首都圏の9都県市の首脳全員から賛同を取り付け共同行動を決め翌日環境大臣に直接要請を行ったことを評価しつつ、具体的な県民への健康相談体制の充実や事業者の協力、規制強化を求め当局側から前向きな答弁を引き出しました。
平成27年3月3日 環境農政常任委員会での質疑のまとめ
PM2.5対策(ガソリンベーパー等)について
松崎
この常任委員会で、繰り返し私どもから黒岩知事の積極的な行動を求めたところ、九都県市首脳会議、また関東地方知事会議、或いは週刊誌に知事自身が寄稿されるなど、積極的な展開をしているPM2.5対策とくにガソリンベーパー対策について質問します。
2月5日に開催された国の中央環境審議会の微小粒子状物質等専門委員会において、PM2.5の排出抑制策の「中間取りまとめ案」がいよいよ公表されました。この中でガソリンベーパー対策が取り上げられており、報道でも大きく報じられました。
また、先の本会議で我が会派が行った「国に対する姿勢」の代表質問で、知事から、国に政策提案を行い一定の進展があったものとして、知事自らが先頭に立って問題提起をし、発信をしてきた、「ガソリンベーパー対策」をトップ項目に挙げられました。
そこで、前回の常任委員会以降、PM2.5対策の取組のはかどり具合について、ガソリンベーパー対策を含め、何点か伺いたい。
まず初めに、PM2.5の濃度は、春先から夏場にかけて濃度が高くなるとのことだが、これから春に向かうに当り、昨年や一昨年の春先から夏場はどのような状況だったのか、確認の意味で伺います。
小林大気水質課長
昨年は、1月から7月にかけて、PM2.5の濃度は緩やかに上昇しました。ただ、8月は冷夏ということもあり、PM2.5の濃度は一転して低下しました。
一昨年は、3月にPM2.5の濃度が高くなりましたが、4月、5月は全国的に気温が下がったこともあり、PM2.5の濃度は一旦低下しました。その後、7月の梅雨明け以降、8月の猛暑日を中心にPM2.5の濃度が高くなりました。
年度による違いもありますが、春先から夏場にかけて濃度が高くなる傾向にあります。
松崎 それでは、県内では、春先から夏場において、どのような日にPM2.5の濃度が高くなるのか。
小林大気水質課長 本県において、春先から夏場においてPM2.5が広い範囲で連続して高い濃度になった日は、一昨年の例で言いますと、7月の梅雨明け後、太平洋高気圧に覆われた時や、8月のお盆の猛暑の時期も連続いたしました。また、昨年5月末から6月上旬にかけまして、初夏の陽気となった時期も連続しております。また、7月下旬の梅雨明け後の時期にもありました。
いずれも、高気圧に覆われまして、風が弱く、日中、日射があって高温の状況が続き、光化学スモッグ注意報が出た時期と重なります。
松崎 先日、地元に行きましたら、桜が一本だけ咲いていまして、ぽかぽか陽気で気温がかなり上がった日でしたが、今のお答えを聞いていると、そういった日なのかな、と漠然と思います。
PM2.5の濃度が高くなる原因として、先日も「笑点」という番組で、ある落語家が、中国からいろいろな空気がやってきて、PM2.5が問題だよね、と言っておりましたが、この委員会で議論しているのと全然違う認識だな、と驚いたのですが、PM2.5の濃度が高くなる原因として中国大陸からの越境汚染が報じられているが、本県の場合はどの程度影響があるのか、他に原因があるとすれば何なのか、このところをはっきりお聞きしたいのですが、どうでしょうか。
小林大気水質課長 2月に公表された中央環境審議会微小粒子状物質等専門委員会の中間取りまとめ案にも越境汚染の問題が記載されておりますが、年平均濃度についてみると、越境汚染の寄与割合は、西日本で大きく、九州では約7割、関東では約4割と記載されています。
一方、国内発生源の寄与率は、九州では約2割、関東では約5割と書かれております。
また、高濃度日に着目いたしますと、九州地方では大陸からの越境が支配的であるケースが多いが、首都圏などでは国内の影響が支配的な日があるとしています。
これまでの本県の測定データから、PM2.5が広い範囲で高い濃度になっている日をみると、まだまだ生成機構は十分解明できていませんが、高気圧に覆われて、風が弱く、大気汚染物質が滞留しやすい日が大部分であることから、近傍の工場・事業場のばい煙や自動車の排出ガスなどの影響を強く受けているのではないかと考えています。
松崎 明確なお答えがあったと受け止めました。工場等、あるいは自動車等ということでございます。
PM2.5の低減には、地域に由来する原因物質の削減に取り組んでいく必要がある、と今の答弁からわかりました。特に、夏場の揮発性有機化合物、いわゆるVOCの排出抑制対策が重要であります。
当委員会の報告資料でも、本年1月にVOC排出抑制対策として、事業者向けの講演会を開催したとあるが、どのような狙いと内容だったのか。
小林大気水質課長 まず、狙いでございますが、講演会は、PM2.5と光化学オキシダントの発生原因のひとつとされるVOCをテーマとして、事業者の低減に向けた取組を促進することを目的に、県、横浜市及び川崎市で組織する、県公害防止推進協議会の主催で開催しました。
次に内容ですが、中央環境審議会の自動車排出ガス専門委員会の委員で、本県の自動車NOx・PM総量削減計画策定協議会専門委員会の委員長である、慶応大学の飯田訓正教授に、「自動車と環境問題」と題して、最新規制適合車や低公害車の普及の重要性などについてご講演いただきました。
また、関東経済産業局から職員を招きまして、「有機溶剤を適切に管理していますか」という題目で、VOC排出抑制の意義とメリットについて講演いただきました。
さらに最後に、日産自動車から、実際のVOC削減の具体的な取組事例を紹介いただいたところでございます。
松崎 この講演会に、どのような事業者に参加を呼びかけ、どのくらいの事業者が実際に参加したのか。また、事業者からの反応はどうだったのか。
小林大気水質課長 講演会の開催の呼びかけですが、県内のVOCを排出する事業者に案内を送るとともに、神奈川県環境保全協議会などの関係団体を通じて、会員に参加を呼びかけました。
参加状況ですが、112事業所から130人が出席しました。
事業所の反応ですが、アンケート結果を集計したところでは、製造事業所の参加が多かったことから、講演していただいた日産自動車のVOC削減の取組がわかりやすかった、今回の講習会の内容を仕事に活かしたい、さらには、VOC削減の取組事例をもっと紹介してほしい、といった具体的な事例に関する意見や要望が多かった、ということでございます。
一方、自動車に起因する環境問題についても、大変勉強になった、今後もこのような機会があることを希望する、といった意見がありました。
松崎 今の答弁を聞いておりまして、私もちょっと驚いているのですが、コストがかかって大変だ、という意識でおられるのかと思っていましたら、そうではなくて、事業者の方々は、もっと関心を持って情報が知りたくてお越しになった、という点と、何より前向きに取り組んでいきたい、取り組んでいこう、という差し迫った感じも含めて、前向きな姿勢で臨まれているのだな、ということが今のお答えからかなり伺えるのですが、当局としてもその認識は間違いないでしょうか。
小林大気水質課長 委員おっしゃるとおり、VOCの削減というのは単に公害問題への対応というだけでなく、事業者にとってもコストダウンなどメリットがあるので、そういった観点があるという認識であります。
松崎 よくわかりました。次に、先月の中央環境審議会微小粒子状物質等専門委員会、環境省の審議会ですが、「中間取りまとめ案」が公表されています。この中で、ガソリンベーパー対策を含めたPM2.5の排出抑制策が示されておりますが、具体的にどのような内容なのでしょうか。
小林大気水質課長 この中間取りまとめ案に盛り込まれた内容ですが、工場・事業場の発生源から排出される「ばいじん」や窒素酸化物(NOx)については、追加的な排出抑制策の可能性を検討すべき、というのが一つあります。
また、揮発性有機化合物(VOC)については、主にガソリンベーパー対策が取り上げられ、給油時について、燃料供給施設側での対策と自動車構造側での対策があるが、適切な対策の導入を早急に検討すべき、というのが一つと、また、駐車時・走行時についても、排出実態等を踏まえつつ、対策の強化について速やかに検討すべき、と明記されました。
松崎 速やかに検討すべきとされている、ということで伺いますが、それでは国における今後の検討スケジュールはどうなっているのか。
小林大気水質課長 今回示された中間取りまとめは、まだ、案の段階であり、現在パブリックコメントが行われております。次回、3月下旬の専門委員会で、案がとれる見込みです。
その後の検討スケジュールですが、2月5日の専門委員会に提出された資料によりますと、ガソリンベーパー対策に関して、平成27年度に排出抑制対策の検討を行う、平成28年度に対策の具体化、必要なものは審議会等で議論のうえ、制度化、というスケジュールの想定が示されました。
松崎 それはある種の工程表と受け止めてよいのでしょうか。この中間取りまとめ案の具体的なタイムスケジュールについて、県として、どのように受け止めているのか。
小林大気水質課長 国の方に確認しているところではありますが、これは審議会の中間取りまとめ案、の段階でありますので、あくまでも想定である、という認識でございます。
松崎 想定も具体化して、きちんと進めていかなければならないと私は思いますが、県としてはどう考えますか。
小林大気水質課長 ガソリンベーパー対策については、新たな対策として県が取り組んでいますけれども、ここまできた、ということで、国民にこういった問題がある、ということを広く知らしめながら、国に強く働きかけることによって、具体化していきたいと強く思っております。
松崎 PM2.5の測定結果を県のホームページで公開しておりますが、アクセス数は、平成25年2月の公開以降、延べで1千万件を突破したということでございます。今年度、単体でみても6百万件を超えており、年を追うごとに、ほぼ倍、倍という勢いで、県民の方々の関心は高まっております。
ということは、とりもなおさず、県民の皆様にとって健康影響が懸念される大きな要素がPM2.5であると思うのですが、これまでは県としての行動指針、あるいは行動の対応をお聞きしてきましたが、県民の皆様のホームページのアクセス数の激増ぶりを考えると、やはりご心配、懸念されていることに対して適切に体を真正面から向けて、向き合った形でご相談にのる、あるいは相談窓口を設置する、といった対応も必要になってくると思うが、どうされているのか。
小林大気水質課長 PM2.5については、情報提供や原因物質の低減対策など総合的な対策を執る必要があることから、庁内の関係部局と連携した対応を行っています。
このなかで、健康相談に関しては、保健福祉局の衛生研究所や保健福祉事務所が窓口となっております。また、一般的な問い合わせは当課が受けております。
松崎 県単体ではなく、市町村とも連携しているのでしょうか。
小林大気水質課長 保健所設置市でありますと、県の衛生研究所や保健福祉事務所は所管外でありますので、大気汚染防止法の政令市と調整いたしまして、同様に各政令市においても相談窓口を設置し、ホームページに相談窓口について案内をしているところです。
松崎 是非よろしくご対応願いたいと思います。県民の方々にとって、PM2.5だけを取り出して相談するというのは余り考えにくいのですが、全般的な自分の呼吸器ですとか、疾患とか、花粉症との関係ですとか、様々なところにそういったファクターはあるのではないか、とご心配の方は多いのだろうと思います。そうでなければこんなにアクセス数が激増するというのは、900万人の県で一年間に600万件を超えるアクセスがあるというのは、かなり深刻な状況だと思いますので、相談等に対してはできるだけきめ細かく対応していただきたいと思います。
最後に、ガソリンベーパー対策を含めたPM2.5の問題に関して、県民の安心・安全を確保するため、環境農政局長に、県として、今後どのように取り組んでいくのか、決意を含めてお伺いします。
金子環境農政局長 PM2.5の問題については、委員のお話にもありましたとおり、県民の方々の不安があると思いますので、これまでもなるべく正確な情報を、なるべく早くご提供する、ということで、今までも委員会の方にご報告させていただいたとおり、測定局をどんどん増やしているとか、政令市と一緒に増やしております。
また、その結果を1時間ごとに県のホームページで公表するということやっておりますし、高濃度の予報も当初は1日1回の体制でしたが、1日2回の体制に増やしております。こういったことにつきましては、これからも引き続きしっかりと行ってまいります。
また、そもそも発生源対策が非常に重要ですので、旧式ディーゼル自動車について、県内は条例に基づいて運行を禁止しておりますけれども、他県からの流入ということもありますので、その監視も強化しております。
委員からお話のありました工場・事業場のVOCについても、隣県との協調した取組もできるようになってまいりましたので、力を入れていきたいと思っております。
ガソリンベーパー対策でございますけれども、委員からのお話にもありましたが、中央環境審議会の専門委員会、これは大気水質課の職員も傍聴しておりまして、夜の時間帯の委員会でございましたが、翌日の午前中には知事にその結果をご報告いたしましたところ、知事も「それはよかった」とおっしゃっておりまして、黒岩知事が力を入れて九都県市などで取り組んだ結果、こうしたことに繋がったと受け止めております。
これからもさらに国を動かしていくためには、国民の方、県民の方の理解がもっと広がっていかないと、このガソリンベーパー問題は、まだそれほど知られているとは言い切れませんので、その辺の理解をもっと広めていく対策を取っていく必要がある、と思っております。
特にORVR車というのは、ガソリンを給油していくときだけでなくて、車が走っているときも、駐車しているときにもガソリンベーパーを吸着する、という仕組みですので、是非こちらの方が制度化されるように、さらに国への働きかけを強めてまいりたいと考えております
。
松崎 (要望)
黒岩知事に率先して動いていただきたい、と要望させていただいた、当委員会での我が会派の思いや議論を踏まえて、黒岩知事自身が率先して行動され、九都県市首脳会議、あるいはまた関東地方知事会議等々の場で問題を提起され、その行動が全ての首長の合意の基に行われ、国での議論が高まってきています。
また、県民の方々の健康への懸念に対して、県としてどう応えるか、という点でも、一つの姿、一つの当局としての姿勢というのが明確に打ち出されていると思います。
確かに、その点からすると、PM2.5の監視体制や高濃度予報の体制は、局長からお話のあったとおり整備されてきているが、県が進める「健康寿命日本一」や「いのちを輝かせる」といった取組にも深く関わっている事柄ではないかと思います。
そこで、何よりPM2.5の低減に向けた取組が重要ですから、特に、ガソリンベーパー対策については、米国では全ての車に義務づけられ、義務づけられた車しか走行ができない、という状況になっている中で、我が国においても東京オリンピックを目の前にして、早急に解決すべき課題であると考えております。
国の動きも出てきた、ということで、これからの予定もある程度はっきりしてきたことから、九都県市との連携強化も含めて、制度化に向けてしっかり取組みを進めていただきたい。
- 2015/03/16(月) 00:35:34|
- PM2.5対策
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PM2.5対策を首都圏の自治体がスクラムを組んで進めるよう求めた9月の質問。このあと
黒岩知事は週刊ポストに手記を寄稿し実際に行動しました。会議で首都圏の知事や市長の賛同を得て翌日には環境大臣に面会し具体策を要請。そこで先月18日の環境農政常任委員会でさらに質問に立ちました。
PM2.5対策、とくに
ガソリンベーパー対策について
PM2.5に関する当委員会への報告もあったところでございます。先の当常任委員会で、私から
黒岩知事の積極的な行動を求めさせていただき、九都県市首脳会議、また関東地方知事会議、或いは週刊誌には知事ご自身が寄稿されるなど、積極的な展開をなさっていただき、大変すばらしいことだと思っております。その上で、何点かお聞きします。
質問(松崎委員)
まず現状を確認したいのですが、本県における昨年度のPM2.5の環境基準の達成状況はどんな状況なのか。
答弁(小林大気水質課長)
PM2.5の環境基準の達成状況ですが、平成25年度において、評価の対象となる年間250日以上測定した局は34局ありました。
この34局の中で、環境基準を達成したのは1局のみであり、達成率は3%となっています。
質問(松崎委員)
大変厳しい状況であります。1都3県や全国における環境基準の達成状況はいかがですか。
答弁(小林大気水質課長)
まず1都3県の状況ですが、平成25年度において、有効な測定局は174局ございました。このうち環境基準を達成したのは1都3県で9局であり、達成率は5%となっています。
次に、全国の状況ですが、実は環境省からは、まだ平成25年度の全国の状況が公表されていません。国の最新のとりまとめは1年前の平成24年度ですが、環境基準の達成率は40.5%となっています。
質問(松崎委員)
これまで県内で広範囲に環境基準値を超過した日について、季節的な特徴があるのか伺いたい。
答弁(小林大気水質課長)
平成25年度の一年間の状況でご説明します。県内で広範囲に環境基準値を超えた日は、1日に県内10局以上環境基準値を超過した日を目安とすると、平成25年度は延べ16日でした。
このうち、7月の梅雨明け後と8月中旬の猛暑の時期が、広い範囲で環境基準値の超過が集中し、16日のうち延べ11日がこの間に集中しております。
この時期は光化学スモッグ注意報が連続して発令された時期とほぼ重なっています。
一方、冬場は、気象条件から大気が地表付近に滞留しやすく、一般には大気汚染が悪化する時期ですが、PM2.5が広い範囲で環境基準値を超過したのは、11月と12月に各1日、2月が3日と、夏場に比べて少なく、また分散しています。
今年度もこれまでのところ、ほぼ同じような状況にあると考えております。
質問(松崎委員)
春先から夏場にかけてまた心配しているわけです。そこでお聞きしますが、春先から夏場にかけてPM2.5の濃度が上昇している事実があるが、この要因についてどのように考えているか。
答弁(小林大気水質課長)
PM2.5の生成メカニズムは複雑で、十分解明されていませんが、考えられる要因として二つほどあげさせていただきます。
一つは、夏場は光化学スモッグが出るということで、ガス状の大気汚染物質が空気中で粒子化する反応が促進されていることが推定されます。
もう一つ、光化学スモッグとPM2.5の
原因物質は、窒素酸化物(NOx)と揮発性有機化合物(VOC)の2つが共通しておりますが、特に夏場においては、気温が高いことから、VOCがより揮発しやすくなることが影響しているものと考えています。
質問(松崎委員)
先の定例会、また6月の定例会もそうだったのですが、
黒岩知事は知名度が高いわけでして、世論を喚起して、また首都圏全体での取組が必要だ、ということで私どもは広域的な行動を求めたところです。
報告資料によると、この10月に関東地方知事会議に知事が提案したとのことだが、具体的な提案内容について伺いたい。
答弁(小林大気水質課長)
提案内容ですが、国内でも
ガソリンベーパーの大型回収装置を装着しているORVR車の早期義務付けを図るため、国に対して、道路運送車両法に基づく保安基準など法令の改正を実施するよう要請することを提案しました。
提案理由としては、PM2.5及び光化学オキシダントに関する環境基準達成率は低い状況の中、既存の対策だけでは、更なる改善が見込めない。さらに、
ガソリンベーパーは、平成14年に国の中央環境審議会で「早期に結論を出すことが適当」と答申されたが、未だに法律による規制は行われていないこと。
一方、欧米では、既に規制されており、この対策の中でも、給油時、走行時、駐車時のあらゆる場面で
ガソリンベーパーを回収できる、車側での対策であるORVR車の導入が効果的であること。
さらに、米国向けの輸出車は国内でも生産されているが、これらはORVR車であり、国内の自動車メーカーは、技術を持っていること、などから提案したものです。
質問(松崎委員)
関東地方知事会議では、具体的にどのような意見があったのか。また、どのような合意がなされたのか伺いたい。
答弁(小林大気水質課長)
関東地方知事会議においては、2点ほど質問がありました。
一つ目は、ORVR車とするのに、どのくらいのコストアップになるのかというものです。
これに対して、知事から「大体1万円から2万円くらい」と回答しました。
二つ目は、大型回収装置は、すべての車に搭載できるのか、という質問がありました。
これに対して、米国向けの輸出車にはすぐにでも対応できるが、コンパクトな車はスペースがとりにくいという話を聞いている。しかし、規制を作れば、逆にそういった車を作っていくということになり、市場の創出にもつながると考えている、と回答しました。
このような質疑を経て、最終的には本県の提案どおり、国に要請することで合意されました。
質問(松崎委員)
そこではどのような内容が合意されたのか。
答弁(小林大気水質課長)
合意の内容については、ORVR車の早期義務づけを法制度化する、これを国に要請することが合意された、ということです。
質問(松崎委員)
次に、11月に九都県市首脳会議にも提案したとのことだが、提案内容について伺いたい
答弁(小林大気水質課長)
九都県市首脳会議への提案した内容は、2点ございます。
一つ目は、関東地方知事会議と同じ趣旨・内容で、ORVR車の早期義務付けを、国に対して共同で要請することを提案しました。
もう1点は、ORVR車の早期義務付けの必要性を国民に対して広く認識してもらうために、各種広報媒体による啓発・情報発信を行うほか、九都県市首脳会議から全国に発信することを併せて提案しました。
質問(松崎委員)
九都県市首脳会議では、どのような意見があったのか。また、どのような合意がなされたのか。
答弁(小林大気水質課長)
九都県市首脳会議の主な質疑内容ですが、ORVR車とした場合、ガソリンスタンド側でも対応が必要か、といった質問や関東地方知事会でもありましたが、コストはどの位かといったものでした。
このなかで、埼玉県の上田知事からは、「この問題は大きく声をあげたらいい」との賛同が示されました。
会議では、本県の提案どおり、国に要請することで合意されました。
質問(松崎委員)
ORVR車の早期の法制度化を国に要請した際に、国の反応はどうだったのか伺いたい。
答弁(小林大気水質課長)
九都県市首脳会議が開催されたのは11月12日ですが、翌日の13日に、九都県市首脳会議を代表して、本県知事が望月環境大臣に面会し、直接要請書を手渡しました。
その際、望月環境大臣からは、要請内容は理解した。環境省としても、
ガソリンベーパーを抑制していく必要があると考えている。要請の内容について、国としても、検討していかなければならない。
という話がありました。
一方、国土交通大臣とは面談できませんでしたが、担当部署に要請書を持参しました。
国土交通省の反応は、環境省の所管する中央環境審議会で今後進展があれば、それに従っていくという反応でした。
このようなことから、今後は環境省への働きかけを強める必要があると考えています。
質問(松崎委員)
今年度の初め、6月の定例会に取り上げていた頃と比べると、半年ぐらい経ってかなりの進捗が見られると受け止めました。
今般、当委員会に当局から報告があった中でも、県民の皆様の県ホームページへのアクセス数が800万件を超えているという報告があり、内容を詳細に見ると、昨年度とか一昨年度ではなく、本年度だけでも400万件を超えるアクセスがあるということがわかります。それは非常に県民の皆様の関心があり、県域を越えた関心があるのかな、と受け止めています。
そこで更にお聞きしますが、ORVR車の早期の制度化に向けて、国民に広く周知する必要があると思うが、九都県市首脳会議や関東地方知事会議において議論がなされ、是非取り組もうとなっているわけですが、具体的に今後どのように取り組んでいくのか。
答弁(小林大気水質課長)
ORVR車の制度化に向けて、国を早期に動かすということで、全国的な国民の理解が不可欠と考えています。
そこで、この問題を全国に発信していくため、本県独自の取組に加え、九都県市首脳会議でも共同取組が合意されましたので、本県主導のもと、広く国民に対し周知していきたいと考えております。
具体的には、
ガソリンベーパーは目に見えませんので、その排出状況や対策の効果をできるだけわかりやすく視覚に訴えるような工夫ができないか、考えております。
また、月並みではありますが、ポスターの作成や各種のメディアを活用した周知、さらにはORVR車の普及促進をテーマとした議論を展開する、こういったことをやっていきながら、九都県市とも連携して取り組んでいきたいと考えています。
(要望)
積極的な取組をお願いしたい、ということで先般の本会議においても、党の討論の中でも取り上げたこの問題です。知事が積極的な取組をなされていることについては感銘を受けております。
同時に取組をこれからいよいよ進めていかなければならない状況になっている、ということは、発言をした分だけきちんと責任を持って推進をしていく必要があると思います。引き続きの取組を是非求めたいと思います。
特に東京オリンピックがまもなく開催されるという中で、欧米諸外国が既に先進的に取り組んでおり、我が国においても環境省を中心として、やらなければならない、ということを打ち出しており、環境大臣も知事が手交された際にお話をされているということですから、国に対してもより積極的に我が県がリーダー役でしょうから、声を大にして取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。
- 2015/01/08(木) 22:51:07|
- PM2.5対策
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平成26年9月30日 環境農政常任委員会での質疑のまとめ
○
PM2.5対策について
松崎
PM2.5の報告資料によれば、前回の常任委員会以降も、県内で
環境基準値を超える日が相当あり、改めてPM2.5濃度の低減に向けた取組が重要になってくると考えます。県が焦点を当てている
ガソリンベーパーに関する取組について何点か伺いたい。
まず初めに確認となるが、
ガソリンベーパーの対策には車側の対策と
ガソリンスタンド側の対策がある中で、県は車側の対策を進めるとしているが、その理由について改めて伺いたい。
小林大気水質課長 車側での対策を選択した理由としては、スタンド側の対策では、給油時のみのベーパーの回収であるのに対して、車側の対策では、給油時だけでなく、走行時、駐車時といったあらゆる場面でベーパーを回収できることが挙げられます。
また、回収したベーパーを車の燃料として自ら再利用できる、という点もあり、この2つが挙げられますので、車側を選択したわけであります。
松崎 7月には、自治体向けの研修会を県が開催したとあるが、課長級、担当者の2回開催しており、大変力を入れていると感じるが、研修内容や参加した自治体について伺いたい。
小林大気水質課長 まず、7月4日に開催した課長級の研修会ですが、九都県市首脳会議の中に、大気保全専門部会があり、この場を活用しまして、九都県市の課長に加え担当者22名、計31名の参加のもと実施しました。
内容としては、本県から5月の関東地方知事会議で知事から問題提起を行った経緯を説明した後、独立行政法人交通安全環境研究所の研究員から、
ガソリンベーパーの対策の技術的な説明や、海外の最新の動向について講演をいただきました。
次に、7月30日に開催した担当者向けの研修会ですが、県と横浜市及び川崎市で組織する「神奈川県公害防止推進協議会」の主催で開催したものです。
この研修会では、県内市町村をはじめ、九都県市及び関東地方知事会議の構成都県市にも広く参加を呼びかけ、42名の参加のもと、計量機メーカーである株式会社タツノにおいて、講演会の開催と計量機のショールームの視察を行いました。
講演会では、課長級の研修会同様、交通安全環境研究所の研究員から、対策技術や海外の動向について講演いただきました。
松崎 九都県市をはじめとする他の自治体は、この問題について、どのように受け止め、どのように考えているのか伺いたい。
小林大気水質課長 本県が主催した2回の自治体研修会の開催により、とりわけ九都県市の方に参加いただきまして、
ガソリンベーパーに関する理解が進み、できることを、できるところから取り組むという認識が共有できたものと考えております。
また、9月上旬に開催した静岡県と山梨県との2県との連絡会議においても
ガソリンベーパーの問題を提起し意見交換をしたところです。
このような取組を通じて、近隣都県市においても、1つは、国際的に見て、我が国がこの問題への対応が遅れていること、もう1つは、対策技術として
ガソリンスタンド側での対応と自動車側の対応の2つがありますが、自動車側での対策を進めることが現実的かつ効果的、との理解が得られたのではないかと考えています。
松崎 本県県議会においても、最近は特に2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催までには、開催の時に、多くの海外からの賓客がお越しになった際、果たして本県が世界標準でいるかどうか、という視点から様々な質問がなされている実態がありますが、私も議会の一員として、関心を持って拝聴しているが、これは単にオリンピックの時に良ければいい、というのではなく、各委員の先生方の思いは、本県をよりよくしていこう、という一念から出ているものだと思います。
そういうことからすると、私もかつて子どもの頃、光化学スモッグ注意報とか警報が出て、殆ど空がいつ見上げてもどんよりと曇っていた、という記憶があり、屋内退避ということが現実にあったが、ああいったことは二度と味わいたくない、という思いでいっぱいで、やっぱり
PM2.5対策ということも、東京オリンピックまでにということではなくて、今暮らしている子どもたちの空を、子どもたちに渡すときにはもっとクリーンものにしていきたいという思いがあるわけですから、今の対策としてしっかり取り組んでいく必要があると思います。
そういう意味では、本県で取り組むとか、横浜市で取り組むとか、単一の自治体で取り組むだけでは、大空の問題は解決しないのは明らかでありますので、やっぱりそれは、日本国とかアジアとか、そういうレベルで考えなければならないが、まずは関東の九都県市では統一した基準で統一した行動が取れるよう、強く願っています。
そこで更にお聞きしますが、報告資料の中でも、「九都県市や関東地方知事会議の構成都県市と連携し」とはっきり書いてあるが、今までの答弁も含めてどのような取組を考えているのか伺いたい。
小林大気水質課長 県は、さわやかな大気を維持したい、という思いがありまして、
ガソリンベーパー対策として車側の対策を進めていくこととしましたが、ORVR車という大型の回収装置が装着された車を制度化しなければならない、ということになりますと、道路運送車両法や車検制度の改正が必要であり、そのためには国を動かすことが不可欠であります。
これまでの本県からの問題提起や研修会により、かなり理解も深まってきておりますので、この秋に向けて、近隣都県市との連携をさらに深め、要望書の提出など国に強く働きかけていきたいと考えています。
松崎 九都県市のサミット、という場もあると思うが、もっと具体的な知事の行動はないのか。
小林大気水質課長 九都県市のサミットは11月12日に開催予定であります。九都県市が全て合意した中で提案する、というのが重要になって参りますので、それに向けて、研修会などもありましたが、それ以外にも個々に訪問するなどして、話をしております。
松崎 そうすると、そういう場面を使って国に働きかけを強めていく、ということで間違いないですね。
小林大気水質課長 そのように考えております。
松崎 一方で、車のユーザーなど県民に対しても、もっと理解を深めてもらって、普及啓発をしていくことが必要と思うが、そういった取組に関しては、どのように考えて行動していくのか。
小林大気水質課長 1月のシンポジウム以降、この問題はホームページに掲載するなど、広く発信しておりますけれども、御指摘のとおりこの問題は、まだ県民には十分に認識されているものではないと認識しております。
そこで、県のたよりなど、様々な広報媒体を活用し、広く県民に情報発信したいと考えております。
さらに、ORVR車の制度化に向け国を動かすためには、神奈川県民だけでなく、広く国民にもPRすることが重要であると考えており、九都県市などが一体となった啓発を行うことが重要だと考えておりますので、その部分の取組も進めていきたいと考えております
。
松崎 (要望) 県民からの注目度も高い知事でありますので、自ら先頭に立って大切なことは広報していくとおっしゃっているわけですから、環境農政局としての広報活動も当然必要だが、認知度の高い、注目度の高い知事ご自身に局長からもお願いをして、メディアも含め登場していただいて、このことの大切さをPRしていくことが、県民に一番早く、しかも深く納得していただける手段の1つだと思いますので、そういうこともして頂きたいと思います。
ガソリンベーパーについては、欧米では対策が進む中、東京でのオリンピック開催を前に、この問題は解決すべき課題であると思う。今暮らしている人々、次の世代の子どもたちに青空を青空として渡していきたい、ということを願うわけです。
九都県市や関東地方知事会議の構成都県市と連携し、九都県市サミットもあるようですから、そうした場におきましても、知事が先頭に立って公報や啓発、ORVR車の制度化に向けてしっかりと取組を進めていただくよう要望いたします。
- 2014/11/02(日) 16:20:24|
- PM2.5対策
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PM2.5対策を急げ!
平成26年6月27日
環境農政常任委員会での松崎淳質疑のまとめ
ガソリンベーパーに重点を置いた取り組みについて
松崎 PM2.5の報告資料によれば、本年度に入って以降も、県内で環境基準値を超える日が相当あり、PM2.5濃度の低減に向けた取組が重要になってきます。県ではVOCの一種である
ガソリンベーパーに焦点をあてて取組を進めているとのことである。そこで、これに関して何点か伺いたい。
答弁
(小林大気水質課長) 環境省の調査によりますと、給油時に
ガソリンスタンドから大気に放出される
ガソリンベーパーの量は、平成23年度において、全国で、年間約11万トンと推計されています。一方、走行時、駐車時の排出量は、未だ研究段階にありますが、試算では、全国で、年間約3万トンと推計されています。
次に、経年的にみますと、
ガソリンスタンドからの
ガソリンベーパーの排出量は、全国で平成12年度が年間約10万8千トン、平成23年度が11万トンであり、ほぼ横ばいです。一方、走行時、駐車時の排出量の推移は過去に試算されたことがなく不明です。
松崎 何万トンという単位であり、相当な量だということであり、その対策は喫緊の課題であると受け止めます。日本国内でのガソリン
ベーパーの規制状況について伺いたい。
答弁
(小林大気水質課長) 我が国では、現在のところ法律による規制はありません。
一方、タンクローリーからガソリン
スタンドの地下タンクに荷卸する際のガソリン
ベーパーの回収について、本県のほか、東京都、埼玉県など1都2府3県が、条例により義務付けを行っています。
松崎 今、1都2府3県というお答えがあり、国では法律による規制はない、ということですから、都市部を中心とする比較的規模の大きな自治体が先進的に規制を行っている状況です。当委員会では昨年度も我が会派で取り上げましたが、健康寿命日本一を掲げる本県としましては、こういった観点からの健康寿命の伸長を、積極的に取り組むべきだ、という視点を加えていただきたいと思います。
県では条例により、ガソリン
スタンドの荷卸時の規制を行っているとのことだが、その規制の内容と規制を行った経緯について伺いたい。
答弁
(小林大気水質課長) 荷卸時の規制の内容ですが、タンクローリーからガソリン
スタンドの地下タンクに荷卸する際、地下タンクに、ガソリンが溜まる過程で、地下タンク内のガソリンベーパーが通気管から外部に排出されないよう、通気管の途中に設けた切替弁によりタンクローリー内に回収させるものです。
次に、規制を行った経緯ですが、本県では、昭和40年代に入って、光化学スモッグ注意報が多発し、大気汚染が深刻化していたことから、県では、独自に、原因物質である原油や石油製品の大気への排出を抑制するため、規制を行ったものです。
松崎 私も小さい頃、光化学スモッグ注意報により、退避をするという経験を何度もしております。その頃は青空を見るということが非常に少なくて、空といえば曇りというかどんよりとした空が当たり前だった、という記憶があります。神奈川の空が二度とああいうような空になってはいけないな、と強く思いますし、そういった淵源があって、今日のガソリンベーパー対策を含む大気汚染対策があるのだと理解をしています。
そこで、一方で国においては、ガソリンベーパー対策はどのように取り組まれているのか。先ほどの答弁では、法律による規制はない、という誠に心許ない状況と受け止めるのですが、何もない状況で1都2府3県だけが対策をしているというのは異常な状態であり、国においてどんな検討がされているのか伺いたい。
答弁
(小林大気水質課長) 国における状況ですが、国の中央環境審議会は、平成14年4月の「今後の自動車排出ガス 低減対策のあり方について」の第5次答申において、ガソリン燃料の蒸発ガス対策を取り上げており、特に、ガソリン
スタンドにおける車への給油時の対策のあり方について、技術的課題、対策効果の検討を進め、欧米での状況も踏まえ、早急に結論を出すことが適当であるとの審議会からの答申はありました。
しかし、その後、国において具体的な動きはありません。
松崎 具体的な動きがない、ということで大変残念な状況ですが、一方、米国や欧州では既に規制されているとのことだが、どのような規制内容なのか具体的に伺いたい。
答弁
(小林大気水質課長) 米国やEUでは、タンクローリーからガソリンスタンドへの荷卸時だけでなく、車への給油時もガソリンベーパーの回収を義務付けています。
この規制に関して、回収の方法を比較すると、米国とEUでは、大きく異なっています。米国では、車に搭載されたキャニスターと呼ばれる、活性炭を入れた、大型回収装置でガソリンベーパーを
車側で回収し、車の燃料として利用する方法をとっています。この車はORVR車と呼ばれています。
一方、EUでは、ガソリンスタンドの給油時に、給油ノズルから車のガソリンタンク内のガソリンベーパーを吸引して回収し、ガソリンスタンドの地下タンクに戻す方式によっています。
なお、米国は当初はEUと同じガソリンスタンドでの回収を義務付けていましたが、最近になって方針を転換し、車での回収を義務付けています。
松崎 つまり、
車側とスタンド側というやり方があり、アメリカでは
車側、ヨーロッパではスタンド側で回収を行っている。アメリカでは以前はスタンド側だったが、最近になって
車側に変更し、燃料として利用されている。
さて、そういう2つのやり方がある中で、県では条例でタンクローリーからの荷卸し時にやっているという中で、アメリカのような
車側の対策を国に要望したとのことだが、
車側での対策を選択した理由を伺いたい。
答弁
(小林大気水質課長) 車側での対策を国の方に要望した理由ですが、スタンド側と比べますと、給油時だけでなく、走行時、駐車時といったあらゆる場面でベーパーを回収できることが1つ。
もう1つは、回収したベーパーを車の燃料として再利用できることの2つが挙げられます。
松崎 つまり、コストその他を含め、こちらの方が効率がよい、ということですね。また、無駄が生じず、有効活用する中で公害防止に役立てるということだが、本年1月29日に「ガソリンベーパーを考えるシンポジウム」を開催し、この問題を提起して以降、どのような取組みを進めてきたのか伺いたい。
答弁
(小林大気水質課長) この問題を広く社会に発信するため、1月に開催したシンポジウムの開催状況を県のホームページに掲載するとともに、全国の自治体にも周知しました。
また、5月13日に開催された関東地方知事会義の場で、知事から、ガソリンベーパー問題について提起し、アメリカの規制に対応して、輸出されている大型回収装置が装着された車、いわゆるORVR車の制度化に向けて、連携した取組を提案しました。
また、県では、この6月に、国への重点要望として、ORVR車の早期義務付けを要望しました 。
松崎
5月に黒岩知事自身が関東知事会において、車側で回収する方法を提案したとのことだが、他県の知事は、東京を含め反応はいかがであったか。
答弁
(小林大気水質課長) 海スタンド側でもできるのではないか、といった質問などいくつか出ましたけれども、各都県でもこの問題を検討していこう、と、その場面ではそういった話になりました。
松崎 前向き、という理解でよろしいのでしょうか。
答弁
(小林大気水質課長) その時は初めての問題提起でもありましたので、これから本県としても精一杯努力していきたいと考えているところです。
松崎 ガソリンベーパーの問題については、PM2.5の中で特筆すべき、力を入れて取り組まなければいけない大きな課題だと思っております。大気汚染、ということからいうと、本県独自の対策ということではなく、関東とか近隣の、東京周辺とかある程度のスケールを持って取り組む必要があると思います。
東京都は、前の石原都知事など、大気汚染に関して真剣に取り組んでいたと思いますし、桝添知事も路線は変わらないと思うので、是非とも、東京ピンポイントということではないですが、まずは神奈川と東京でよく連携をとって、対策を進めていただきたいと思います。
重ねて聞きますがこの問題を車側で提案したとすると、自動車を作っている業界ですとか、 ドライバーの業界だとか、ドライバーと言ってもマイカーと運輸業界などありますが、同時に連携をとらないと県内での浸透も図れないと思う。他県も含めて県内の様々なステークホルダーと一般のユーザーも含めて本腰を入れて取り組んでいかなければならないと思うが、この問題にどのように取り組んでいくのか伺いたい。
答弁
(小林大気水質課長) まず、シンポジウムを開催する場面におきまして、本県は、ガソリンを製造するコンビナートがあり、日産自動車といった自動車製造メーカー、給油機を製造するタツノがあり、このように関係者が集まっているというのが本県の特長であります。 先のシンポジウムでは、これら企業に参加をいただいたところです。今後は、委員の指摘にもありましたが、さらに幅を広げながら取り組んでいきたいと考えているところです。
松崎 今業界の話が出ましたが、1つ欠けていると思うのは、本県の工業製品出荷額の中で、それぞれの製品別に見た場合には、ダントツの1位なのが石油製品です。ここの説明が欠けており、石油製品を作っている業者が一番集まっているのが
神奈川県なのです。製品出荷額も一番多い。そういうところにも呼びかけて、具体例だとJXとかいろいろありますので、そういったところとも連携をする必要があります。
ガソリンベーパーについて欧米では対策が進む中、日本は遅れています。東京でのオリンピック開催を前に、この問題は解決をしていかなければならない課題であると思う。排出抑制の対策に技術を持つわが国においても、早期に対応の方向性が出るよう取組に全力をあげてもらいたい。
- 2014/09/05(金) 05:16:48|
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