高等学校奨学金について 2007年10月文教常任委員会
松崎:経済格差が、学力格差あるいは教育格差になってきているという指摘は昨今、政府等でもなされているわけだが、教育負担が重くなってきており、また厳しい経済雇用情勢によって、家計が支え切れなくなり、やむを得ず中途退学をする状況につながってきていると思う。
平成19年度、高等学校奨学金は5年前と比べて予算額は5倍、募集人員は4倍に4,000人となっているが、まず本年度の年収基準を確認したい。
中岡高校教育課長:応募要件の収入要件は、第一種奨学金は世帯全体の収入が約800万円、第二種奨学金は主たる生計維持者の収入が約800万円となっている。
松崎:800万円というお答えがあったが、本年度採用した奨学生の年収の上限はいくらになっているか。
中岡高校教育課長:平成19年度の奨学生の選考については、第一種奨学金は世帯収入が約650万円まで採用し、第二種奨学金は主たる生計維持者の収入が約670万円まで採用している。
松崎:応募要件に800万円と言いながら、650万円、670万円まで採用できないギャップについてはどのように考えているか。
中岡高校教育課長:委員御指摘のように、800万円の要件がありますが、4,000人を超える応募があり、この中で選考を行なわざるを得なかった状況があり、今後改善を図っていかないといけないと思っている。
松崎:本会議での答弁では、予算額は5倍、募集人員は4000人とあり、ここだけを聞けば非常に頑張っていると思えるが、内容をみるとギャップがある。お金のことなので、県民の皆様に対しても内実を説明しないといけないと思う。そこで具体的にどのような改善をいつまでに進めていく予定なのか。
中岡高校教育課長:奨学金は14億円という予算で4,000人という募集人員で応募をしているが、本年度も200人程不採用者を出している現状である。県の予算も厳しいという状況があるので、例えば、現在、国公立20,000円、私立40,000円という月額で貸し付けているが、今後これ以上予算の増加ができないということであれば、より多くの生徒を採用すると言う観点から、本県の貸付月額は他県に比べて高くなっているので、平成21年度位までに貸付月額を予算の状況を踏まえて見直していきたいと考えている。
松崎:平成21年度からは、貸付月額を下げるということか。
中岡高校教育課長:貸付月額を下げることに限定しているわけではない。保護者の方の収入要件についても、年収が670万位までしか採用できない現実があるので、収入要件も含めて見直していきたいと考えている。
奨学金の制度の変更については、保護者、生徒に対して周知期間も必要であり、条例改正も必要となるので、平成21年度に向けていろいろな視点から検討を進めていきたいと思う。
松崎:冒頭にも述べたが、生活が厳しくなっている方が増えている中で、奨学金を必要性が強くなっていることを否定する方はいないと思う。そういう中で奨学金どうするかは、非常に議論があるところだが、月、2万円、4万円の単価が多すぎるから下げるべきだということは聞いたことがない。今言われているは、逆に大学の奨学金などでは、生活のところまで面倒をみるところまで考えて、その方が卒業して責任をもって返して行くにあたり、どういう工夫をするのか。というところが言われている。高校についても、この800万円という基準が満たされたことが無いということは、この文教常任委員会の議論において前年度以前も繰り返し議論されてきたことだと承知している。歴代の教育長の答弁でも800万円という基準が満たされないのは問題である。このところについてはきちんと手当をしくように考えていきたい。と言われてきたと思う。この線に沿って今年度どのように考えているのかというのが1点目の趣旨だ。今の答弁では、月2万円、4万円が高すぎるというニュアンスがあり、収入要件を見直していきたいということがあり、予算が増えればそれにこした事がないという答えもある。教育委員会としては何をどうしていきたいのか高等学校奨学金の基本原則、原理をどこに置いているのか聞きたい。
中岡高校教育課長:1つは奨学金なので非常に所得の低い方には確実に貸付をして行きたい。例えば生活保護を受けている方については成績要件を求めていない。もう一方で奨学金なので、真に学習意欲があり、真に経済的支援を必要としている生徒さんについても貸付をして、教育を受ける機会を確保していくことを大前提に考えている。
松崎:いずれにしても21年度までに結論を出していくという答弁でした。条例改正をしなければならないと言うことがあったので、この点については、今までの歴代の委員会の答弁と比べては、かなり具体的な答弁であったと私は受け止めている。この先の議論については、12月、2月で議論させていただくこととして、奨学金について、もう1点お聞きしたいことがある。返済状況はどうか。
中岡高校教育課長:奨学金返還率は、年々低下傾向でして、平成17年度は50%を割り込むという状況があったが、督促に取組んだ結果、平成18年度は54.7%であった。
松崎:まじめに返して方がいる一方で返済をしていない方がいることについて、率直に教育委員会としてはどう受けとめているか伺いたい。
中岡高校教育課長:委員がおっしゃるとおり、まじめに返して方がいる反面で返済をしていない方がいるということは、公平性を欠くことと考えている。平成17年度までは、支払が滞ると督促状を送り、強化月間を決めて電話督促を行なうなどしていたが、平成18年度からは、さらに取組まなくてはいけないということで、電話督促については、全課体制で常時実施をし、また、滞納者の連帯保証人に対しても返還通知を送付させていただくという取り組みを行い、これにより、若干ですが返還率が上昇してきた。
さらに、本年度は督促を重ねても支払わない者に対して、裁判所から債務者に督促状を送付してもらう制度である支払督促の申し立てを9月に実施した。これに応じない場合には、さらに仮執行宣言付支払督促を行い、給与や預金の差押などの強制執行を行なっていく考えである。今後も、返還率向上に向けて、さまざまな制度を活用していく。
松崎:金銭債権ですから、支払が確定したら即時執行になるかと思う。消滅時効は何年か。
中岡高校教育課長:10年と承知している。
松崎:時効について、公法上の金銭債権の中では、病院の消滅時効などは3年と短期消滅時効に移行しているものがある。これは、公法上の債権ということでなく、サービスの対価という形で捉えられているから、奨学金の債権も将来的には消滅時効も短くなっていくと思う。それはさておき、督促だが、県立病院においては、消滅時効が3年になったこともあると思うが、軽乗用車を2台購入し、職員が直接訪問をして支払をお願いしていく取組みをし、収納率を向上させていると聞いているが、そういった取り組みをしないのか。
中岡高校教育課長:委員御指摘の軽自動車を使った取り組みについては、考えが及んでいないが、コンピュータシステムを使って債権回収を行っているので、その改修を今年度、来年度について行っていきたいと考えている。具体的には、現在は納入通知書を金融機関の窓口に持って行きそこで払い込んでいただいているが、平日に支払をする必要があるので、金融機関にいくことが難しかったり、失念したりする方がいらっしゃるので、コンピュータシステムの改修を行い銀行の自動口座振替の導入をするとともに、現在、年払いか半年払いとなっている返還方法を見直して、毎月返還が行えるようなことも検討している。
- 2013/05/31(金) 05:52:44|
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授業料の保証人制度について 2007年10月文教常任委員会
松崎:高校の入学時に保証人による保証書の提出を求めているが、これはどういう意味合いで求めているのか、確認のため伺いたい。
安藤教育財務課長:県立高校では授業料を生徒・保護者に納めていただくこととなっているが、この授業料を納めていただけない場合、保証人が納付することとして、条例に規定しており、この条例を根拠として、保証人による保証書の提出を求めているものである。
松崎:主たる債務者に支払能力がないため、代わって弁済するということだと思うが、その場合、当然のことながら連帯保証人の方には主たる債務者に対して求償権が生ずると思うが、そういう理解でよいか。
安藤教育財務課長:連帯保証人ではなく、保証人という扱いとなっており、授業料の未納があった場合、まず、本人へ通知、督促し、納めていただけない場合に、保証人へ通知するという扱いとなっている。
松崎:主たる債務者に支払意思や能力がないという状況において、保証人に請求し、その結果、保証人が支払った場合、その求償権を履行した例はどのくらいあるのか。
安藤教育財務課長:18年度では、保証人から直接納付いただいたのは202万円となっているが、その内、保証人が保護者に求償し、いくら返してもらったのかについては、把握していない。
松崎:私は意見として、会派としても制度としては廃止すべきだといいたい。改めて言うまでもないが、遡って言えば、これは封建以前に近い、人を拘束する制度でもある。予測不可能な、生徒あるいは生徒の保護者の方々がいつ、突然、授業料を支払わなくなるかわからないことについて、3年間、拘束される。また、逆にそうした方が見付からない方の場合には、高校入学を躊躇する必要に迫られることになる。格差社会といわれる現状において、そういう方が珍しいと言われることはなかろうと思われるし、地域の中におけるしばりのあるようなことはなくなっている。高校へ入学する場合には、必ずそうした人を見付けなさいということは実際と合わなくなっていると思う。こうしたことについて検討されているか。
安藤教育財務課長:これまで、議会や委員会においても、これに関して、ご意見をいただいていることは承知している。ただ、先ほど、授業料を県が直接保証人からいただいたものは202万円あるとお答えしたが、保証人への請求に至るまでの間において、まず、保護者に督促をし、その後、保証人にお話して保証人の方から保護者に払っていただきたいということを申し上げることにより、納付していただけたのが2700万円位あるという実態もある。年間数千万の未済がある中で、こういう形で2700万円を納付いただけるのは、かなり大きなものであると認識している。
本来、保証人が無くても全員が授業料を納めていただくということが良いと考えるが、現状では、保証人制度は、未納の対応としては効果的なものであると思うし、現段階では存続は必要と考えている。ただ、未来永劫必要だと考えるのではなく、未納の対応についても、先ほど、高校教育課長が答弁した支払督促制度を授業料の未納対策として用いることができないか検討しており、いろいろな方法を考えなくてはならないと思っている。
松崎:意見は言ったので、後は検討していただけるかだと思う。今、話を聞いていると手っ取り早く回収できるというように言われていたが、よりケア、そして現代社会に適合したやり方を研究する必要があると思うので、検討されたいと思う。教育財務課長の答えでは、そこを否定されていないので、前向きに検討いただきたいと思う。
- 2013/05/30(木) 06:39:13|
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「武家の古都・鎌倉」の世界遺産登録について
2007年10月文教常任委員会質疑要旨
松崎:教育委員会としては、本県における広い意味での教育行政を進めていくうえで、世界遺産登録をどう位置づけているのか。
文化財担当課長:文化財の保存と活用は教育委員会の所管であるので、貴重な文化財を世界遺産に登録し将来に残していく、という考えで取り組んでいる。
松崎:私の実家は奈良で、実家の裏庭を土日になると観光客の方が通る、という環境で育ったが、世界遺産になってそういった方々が増えた。
そこで、伺いたいが、中世の貴重な建物、仏像はもちろんだが、世界遺産登録に向けた方向性としては、鎌倉や金沢文庫のたたずまい、暮らしなど、現実に今そこにある人々の息づかいなども含めたかたちでの、ある種の「まち」としてのものだと考えているが、それでよろしいのか。
文化財担当課長:登録候補として24の史跡を選んでおり、その中に称名寺や切り通しなどが含まれている。保存と活用という観点から、今後24の史跡それぞれについて保存管理計画を作っていく。当然史跡を単体で守るわけではなく、周辺のバッファーゾーンを含め、古都法、緑地法などを踏まえゾーニングする。所有者、地元自治会などの地域の方、地元の行政と県教育委員会で保存管理計画を作っていく。
松崎:称名寺界隈や鎌倉市では、ここは一方通行なのではないか、と思われるような道路が対面通行になっているという実態がある。観光客の皆さんとも、お互い様の部分で譲り合い、観光と日々の暮らしが調和をもって成り立っているが、世界遺産登録がなされることにより、観光の部分がだんだん強まっていく。観光客の方が増えて、ゴミの問題がもっと深刻になってきたり、車の流入量も増えてくる。パークアンドライドは八幡宮近辺では成り立つ気配があるがそれ以外では難しい。そういった問題が一気に深刻になりはしないか、という心配を持っている。
この部分は県土整備部の関係かもしれないが、教育委員会の範疇で答えてもらえればよい。こういった点にどういうふうに取り組んでいくのか。
文化財担当課長:新聞等にもでた石見銀山の経過など、世界遺産の登録は年々厳しくなっている。そういう面で、7月に4県市の推進会議を設置し、その中に関係部局長の推進委員会を設けた。その推進委員会の中に、学識者で構成する推薦書原案作成委員会を9月に立ち上げた。世界遺産登録にあたっては、「顕著な普遍的価値」を推薦書のなかで証明していかなければならないが、来年7月頃までに文化庁にその原案を提出することになっている。当面、4県市としては、まずその作業に集中させていただきたいと思っている。その形が見えてきた段階で、委員お話しの諸課題についても、地元市とも十分調整し、所管部局と協議・調整を図っていきたい。
松崎:鎌倉市長から直接お話しをうかがう機会があったが、その際、私が申し上げたことと同様のことを心配されていた。
世界遺産登録を目指すことはもちろん大切であるが、知名度も高い鎌倉に、世界遺産という看板が新たに一枚加わるということではない。アジアに来て、世界遺産はどこにあるのか、と言ったときに、アンコールワットがあり、知床があり、という、そういったクラスの中での鎌倉である。アジアを回ったときには鎌倉に出かけましょう、ということが今までより強くなるし、国内的にも、世界遺産になった鎌倉をもう一度見直そう、という気運もあるだろう。ましてや、エコツーリズムなども考えなければならない。
そういった点を総合すると、「まち」そのものを世界遺産ですよ、ということ、より一層調和というものをどう図っていくか、ということが重くなると思うが、先ほどの答弁だと、これから協議するところ、ということだが、何か考えはあるか。
文化財担当課長:当面、どちらかと言うと登録に向けた取り組みに重点がかかるが、委員お話しの課題についても、まず4県市の委員会の中でいろいろご意見をうかがって、どういった取り組みが必要なのか、よく検討していきたい。
松崎(要望): 今後の検討にあたっては、実情を踏まえてよく考えていいただきたい。
- 2013/05/29(水) 05:48:26|
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2012年6月19日(火) 本会議代表質問
(質問要旨)
1. 知事の県政運営における基本姿勢について
(3) 教育臨調について
知事は、緊急財政対策本部調査会に対し、大所高所から行政では考えられないダイナミックな提案を期待していると思うが、やはり、神奈川の地域性といったものに十分に精通した方が、県民の目線で時間をかけて議論するといった視点も、大切にしなければならない。
特に、教育は「国家百年の大計」と言われるように、神奈川の次代の担い手を育てていく根幹となるべき重要な施策である。
知事は調査会の意見を受けて、教育のあり方について議論するための外部有識者による会議を設けると表明したが、検討に当たっては、実際に神奈川で暮らし行政サービスを受ける県民の思いを受け止められるメンバーが、拙速ではなく腰を据えたスケジュールの中で、議論を重ねていくことが重要である。
そこで、今後、新たに有識者の会議を設け、神奈川の教育の問題を議論するとのことだが、会議の設置に当たり、どのような視点で人選を行い、どのように進めていこうと考えているのか、所見を伺いたい。
(知事答弁)
次に、教育臨調についてであります。
議員からもお話のありましたように、教育は、次代の担い手を育む大変重要な取組みであり、県内で学ぶ子どもたち一人ひとりに関わるだけでなく、教師や保護者の皆さん、そして学校に携わる多くの方々の関心も高いものと認識しております。
そして、教育が抱える課題を解決するためには、学校だけではなく、家庭、地域、市町村、企業やNPOなどの方々と思いを一つにして、まさに県民総力戦で取組みを進めていく必要があると思っています。
このため、新たに設ける有識者の会議の人選に当たりましては、大局的な視点から神奈川の教育を見ていただける方で、教育制度に精通し、神奈川県の置かれた実情にもご理解がある方を選びたいと考えており、現在、そうした視点で人選を進めているところであります。
スケジュールといたしましては、この夏を目途に会議を設置した上で、概ね一年間程度の期間をかけて、教育に係る喫緊の課題について、いろいろな知恵を絞り、検討を重ねていただきたいと考えております。
また、こうした検討期間の中では、一定の段階で考え方を取りまとめ、県議会はもとより、広く県民の皆さんや市町村の意見もいただきながら、最終的な方向性を整理してまいります。
(要望) 知事の県政運営における基本姿勢についてであります。緊急財政対策や教育臨調について取り上げさせていただきました。知事は県政の重要課題について、大きなアドバルーンをあげて、マスコミに向けて優先的に語られるといった手法を好まれておられますけれども、こうしたやり方が果たして県民の目にどのように映るのか、思いを馳せて頂く時期と考えております。就任2年目から本格的に県政の重要課題に取組むにあたりましては、これまでの知事が取ってこられた手法ではなく、より丁寧に県民に対して説明し、着実に理解を深めていくやり方もあると思います。特に教育臨調につきましては、神奈川県に精通した人をじっくり選んでいきたい、そして1年掛けて検討していきたいということでありますが、同時に教育というサービスの受け手である県民の側からの意見や視点といったものを十分取り入れていただくよう、重ねてお願いをいたします。
- 2013/05/28(火) 05:02:09|
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2010年9月定例会での本会議一般質問
<質疑と答弁のまとめ>
若年者の雇用対策と社会起業支援について
●松崎
3 若年者の雇用対策と社会起業支援について
(3) 社会起業家育成への教育委員会の関わり方について
県立高校では、若い社会起業家が立ち上げたNPO法人「カタリバ」による出前授業を、平成19 年度には横浜桜陽高等学校など11校で実施していたが、現在は、経費等の関係から数校でしか実施していないと聞いている。
生徒が自らの感性を生かしながら、外部の力を借りて社会に貢献するために新たな事業を起こす、いわゆる起業により自ら進路を開拓できるような取組を通じて、初めから雇われることを前提とした教育システムから、リーダーとなる人材を育成するシステムへ生まれ変わるきっかけになると受け止めているが、大半の県立高校では取組に至っていないのが現状である。
そこで、生徒が社会との関わりの中で、自ら起業する情熱を自分の中に見出せるような教育機会の提供が必要であると考えるが、所見を伺いたい。
○教育長答弁
教育関係について、お答えいたします。高校生の起業家意識を育てる教育についてのお尋ねがございました。
高校生の段階から起業家意識を高めていくことは、すべての県立高校で推進しているキャリア教育を充実させていくうえでも重要なことだと考えております。
起業家意識を高めるための、本県における取組でございますが、商業高校でのチャレンジショップでは、経営に関する知識などの習得にくわえ、地域の特産品を活用した商品開発や生徒自らがイベントを企画するなど、実践的なビジネス活動を行なっております。
さらに、神奈川総合産業高校の「アントレプレナー入門」という起業家入門講座においては、高校生のうちから起業家意識を高めるために、新たな産業の創出に主体的にかかわる体験的活動に取り組んでおります。
このような起業家意識を高める取組は、高校生にとって自ら進路を切り拓く情熱を育てるという効果がみられますことから、今後は、専門高校に限らず、普通科高校等でも、幅広く展開していくことが重要であると認識しております。
そこで、今年度からは、普通科の上鶴間高校も大学と連携し、自ら将来を切り拓く情熱や、課題発見と解決力、コミュニケーション能力など、幅広い能力の育成をめざした「ソーシャルアントレプレナーシップ教育」の研究を始めたところでございます。
今後、教育委員会といたしましては、こうした起業家意識を高める取組について、研究発表や研修などの機会を通じて広く県立高校に周知し、「社会のニーズをとらえて起業しようとする情熱」や「自ら進路を切り拓く力」を育成する取組を支援してまいります。
- 2013/05/27(月) 04:53:14|
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2010年9月定例会での本会議一般質問
<質疑と答弁のまとめ>
若年者の雇用対策と社会起業支援について
●松崎
3 若年者の雇用対策と社会起業支援について
(2)ソーシャルビジネスについて
ソーシャルビジネスは、社会的課題の解決に有償のボランティアや社会性・公共性の高いビジネスとして取り組もうとするもので、「雇用の創出」や「地域の再生」に大きく貢献する切り札として期待されているものであり、社会・公共の分野へと進出し、中心的な担い手となると見込まれている。
国では複数の省庁で関連の取組が始まり、県もソーシャルビジネスに着目してフォーラムを開催した。また、県内企業が経済産業省のソーシャルビジネス55 選に選定されるなど、関心の輪が拡大し始めている。
そこで、本県は、公共分野に参画する市民の層が厚く、ソーシャルビジネスの定着、そして成長に適した地域であると考えるが、ソーシャルビジネスをどのように捉え、その振興にどのように取り組んでいく考えなのか、所見を伺いたい。
○知事答弁
最後に、ソーシャルビジネスについてです。
ソーシャルビジネスは、多様化する社会的課題の解消を目指すとともに、新たな雇用の場を提供するなど、今後、期待されるビジネスモデルであると考えております。
本県では、平成16年度から、こうしたビジネスを地域で展開するコミュニティビジネスに着目し、関係機関と連携して、創業促進や人材育成、さらには経営支援に取り組むとともに、市町村や商工会、商工会議所などを対象とした勉強会を開催してまいりました。
この結果、11市町で支援が実施されるなど、地域のサポート体制も整いつつあることから、本年度は、モデル事業として地域を越えた社会的課題に対応するソーシャルビジネスを支援しております。
具体的には、環境問題や少子高齢化などの社会的課題に、ビジネスとして取り組むプロジェクトを公募し、その中から、海の環境保護を目指す事業を採択いたしました。
県としては、こうした取組の成果と課題を見極めながら、今後とも、関係機関との連携を深め、より多くの人々に、ソーシャルビジネスの創業にチャレンジしていただけるよう取り組んでまいります。
- 2013/05/26(日) 06:22:26|
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2010年9月定例会での本会議一般質問
<質疑と答弁のまとめ>
若年者の雇用対策と社会起業支援について
●松崎
3 若年者の雇用対策と社会起業支援について
(1) 若年者の雇用対策について
フリーターや派遣労働者などの非正規雇用者が雇用者全体に占める割合は高くなっており、本県でも31.1%と雇用者の約3分の1を占めております。非正規雇用者の中には、就職氷河期に正社員として就職する機会に恵まれず、30歳を過ぎてもフリーターにとどまっている年長フリーターも多く、平成21年では全国で91万人、本県でも6万5千人と推定されております。
フリーターをはじめとした、非正規雇用の若者は、正規雇用者に比べて低い賃金で働かざるを得ず、また、厳しい雇用情勢が続く中で、いつ職を失うかもわからない不安定な状況におかれ、経済的な自立ができないため、結婚や出産をあきらめるという現実に直面しています。知事は、多くの若者の声なき声を、どのように受け止めているのでしょうか。
そこで、知事に伺います。
将来を担うべき若年者の多くが非正規労働者として雇用されている状況について、本県としては、どのように認識し、また、若年者の雇用対策にどのように取り組んでいくのか知事のご所見をお伺いします。
○知事答弁
次に、若年者の雇用対策について、お尋ねがありました。
若年者が正規雇用されない状況が続くことは、本人の経済的自立ができないばかりでなく、社会的格差の増大などにより、我が国の将来に大きな影響を及ぼす重要な課題であると認識しております。
そこで県では、若年者を正規雇用に結び付けていくため、「かながわ若者就職支援センター」及び「人材育成支援センター」において、就職を希望される方が、自らに適した職業選択や職業訓練を行えるよう、カウンセリングを中心に就業支援に取り組んでまいりました。
また、職業技術校では、24歳以下の若年者優先枠を設けたほか、年長フリーターを視野に入れ、概ね40歳以下の方を対象に、技術校での訓練と企業実習を組み合わせた職業訓練により、実践的な能力を身に付けた人材を育成しております。
今後、職業相談においては、企業が求めるコミュニケーション能力を向上させるため、少人数制でのグループワークを導入するとともに、職業訓練の情報提供を、よりきめ細かく行ってまいります。
また、職業技術校においては、本人の希望や適性にあわせた職業選択ができるよう、各校に配置した求人開拓推進員が、新たな就職先を開拓するとともに、必要に応じて職業訓練指導員が訓練生の企業訪問に同行するなど、就業支援の取組を強化してまいります。
さらに、若年者合同就職面接会を拡充するなど、国や市町村等との一層の連携を図りながら、将来を担う若者が正規で雇用されるよう、就職支援に積極的に取り組んでまいります。
- 2013/05/25(土) 08:07:37|
- 神奈川県
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2009年2月定例会での本会議代表質問
<質疑と答弁のまとめ>
雇用問題について
●松崎
(1)はじめに、緊急雇用対策について伺います。
わが国の経済情勢は、世界的な景気減速の中、製造業を中心とした大手企業が相次いで生産調整計画を発表するなど、大変厳しい状況です。
こうした事態を受けて、国においては、昨年11月28日に緊急雇用対策本部を設置し、派遣労働者、期間工等の非正規労働者を中心とした大勢の方々の解雇や新規学卒者の採用内定取り消し等に対する再就職の支援施策や、低賃金、重労働を背景に人手不足に悩んでいる介護労働者への対策にとりくんでいます。
一方、本県においては、神奈川県緊急経済対策本部を昨年10月24日に設置し、これまで5次にわたり県民の雇用の確保や中小企業の安心・安定の確保に向けた様々な取組の中で、主として製造業を解雇された方、離職された方を中心とした緊急職業訓練を実施し、さらに、今回の予算では第6次の対策も盛り込まれていると承知しています。
昨年4月に開校した東部総合職業技術校など、県立職業技術校5校を中心とした職業訓練の実施は、雇用不安が叫ばれている現在、雇用のミスマッチを解消し、実効性の高い雇用の維持拡大という、結果を出さなければ、意味がありません。
●そこで知事に伺います。
雇用情勢の低迷が当面続くことが予想される中で緊急職業訓練を含めた職業訓練の充実と訓練後の就職支援が重要であると考えますが、知事のご所見を伺います。
○答弁
次に、職業訓練の充実と訓練後の就職支援についてお尋ねがございました。
職業訓練については、職業技術校5校において28の訓練コースを設けて実施しておりますが、昨年末から、非正規雇用労働者を中心に解雇、雇い止めなどにより離職する方が急増する事態を踏まえ、第三次緊急経済対策において、「緊急特別短期訓練」や「緊急体験訓練」に取り組んだところであります。
しかしながら、雇用情勢は一層の悪化が予想されることから、平成21年度当初予算案においては、職業訓練の更なる拡充を図ってまいります。
具体的には、現在実施しております「緊急特別短期訓練」を新年度においても、拡充いたします。とりわけ、応募が多かったホームヘルパー2級コースを「介護人材緊急養成訓練」として、定員を10名から60名に大幅に増員し、実施してまいります。
また、離転職者を対象とした職業訓練について、専修学校・各種学校を中心とする民間教育機関等への委託事業の定員を390名から1,050名に大幅に拡充いたします。
さらに、現在募集しております職業技術校の4月生募集定員枠を、可能な範囲で増員いたします。
次に訓練後の就業支援についてでございますが、各職業技術校では、「求人開拓推進員」を配置し、企業訪問による就職先の開拓を図るとともに、訓練で修得した技能に合った就業先の紹介に努めています。
また、職業技術校ごとに、訓練コースに関連した企業等で組織する「職業能力開発推進協議会」が設置されており、技術校生の就職先として、ご協力をお願いしております。
このように、職業技術校が持つ機能を最大限に活用して職業訓練の充実を図り、雇用情勢の悪化の中、解雇・離職された方が一人でも多く就職できるよう、今後とも積極的に取り組んでまいります。
●松崎
そしてまた、職業訓練を含めて一生懸命やっていただくということをお願いしてきました。そして、実際にやっておられる。さらに展開していくということでありますが、実際に就労・就職に結びつくということ、そういう結果をださなければいけないというのが、我々の責務だと思っておりますので、是非とも取組みの拡大・拡張をお願いいたします。
- 2013/05/24(金) 09:21:16|
- 神奈川県
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2009年2月定例会での本会議代表質問
<質疑と答弁のまとめ>
民間の知恵と活力について
●松崎
(1)まず、NPOと連携した特別支援教育の推進について伺います。
統廃合により児童がいなくなった並木第三小学校の校舎を仮校舎として、県立金沢養護学校が平成19年度に開校し、続く20年度に隣接する富岡東に本格開校しました。
校舎が完成するまでの1年間でしたが、金沢養護学校は、地域の皆様に温かく迎えられました。
例えば、体育祭や文化祭の際に、地区の自治会や民生委員・児童委員など多くの方がボランティアで参加し、行事を支えました。
私を含む地域住民の心に今も刻まれていること、それは、かつての並木第三小学校の関係者が、大人も子どもも、こぞってボランティアに参加したことです。
保護者たちが学校の周りの草取りを行いました。
旧並木第三小学校防災委員会の呼びかけで、かつてこの小学校で学んでいた子どもたちが参加する少年野球チームや少年サッカーチームのみんなが、総勢300名で校舎の清掃を行いました。
そして、このような関係が、他の場所に校舎が移っても続いています。
このように、市民が、自分の住む地域の学校づくりに参画し、汗を流し、子どもたちが真に必要とする支援を地域一体となって提供すること、こうしたことが障害のある子どもたちの成長につながっていくのではないでしょうか。
県内各地域においては、すでに様々な市民活動が組織されておりますが、その中には、障害のある子どもたちの生活を支援することを目的とし、そのための様々なノウハウを蓄積しているNPO法人も多数存在しています。
障害のある子どもたちが、充実した学校生活を過ごし、健やかに成長し、そして、それぞれが希望する形で、自立と社会参加を実現していくことを支援するために、私は、地域の力、とりわけNPO法人を活用した学校支援が必要と考えています。
●そこで、教育長に伺います。
障害のある子どもたちへの適切な支援のためには、子どもたちの発達段階に沿って、その時々に応じた様々な支援が必要だと考えますが、特別支援学校における教育の推進にあたり非営利の市民活動、NPO法人を活用していくことについて、どのようにお考えか、ご所見をお伺いします。
○教育長
教育関係について、お答えします。
NPO法人と連携した特別支援教育の推進についてお尋ねがございました。
障害のある子どもたちの自立と社会参加に向け、各特別支援学校では、これまでも日常の教育活動に加え、病院や児童相談所、ハローワークなど、関連する各機関と連携した取組みを行ってまいりました。
しかし、特別支援学校に通う児童生徒数の増加や、障害の多様化などの課題がある中、金沢養護学校のように、地域のボランティアの協力を仰ぐとともに、今後は、様々なノウハウや専門性を有するNPO法人の力をお借りして、子どもの発達段階に応じた支援に取り組んでいく必要がございます。
具体的には、入学前の支援として、例えば、障害のあるお子さんを初めて育てる保護者のために、NPOから専門家を講師に招いた研修会の実施や、NPO、県民からの政策提案事業でございますが、入学後、障害のある子どもが放課後に充実した時間を過ごすことができるよう、NPOと協力して、特別支援学校を活用したモデル事業を実施し、子どもの活動の場の確保を図るなどの取組みを、新たに進めてまいります。
また、卒業に向けましては、これまでも特例子会社で構成するNPOと連携して行っている、就労支援に関する取組みをさらに拡充してまいります。
このほかにも、NPOと連携した取組みには、さまざまな可能性があると考えておりますので、県教育委員会といたしましては、今後、NPO法人などとの協力を強め、障害のある子どもたちが生き生きと学び、自立して社会参加ができるよう、支援の充実に努めてまいります。
以上でございます 。
●松崎 (2)次に、行政システム改革における民間活力のさらなる活用について伺います。
行政改革の手法としては、英国やニュージーランドをはじめとする欧米諸国では、赤字財政や公的債務が肥大化してきたことを受けて、民間企業で活用されている経営理念や手法を、可能な限り公共部門へ適用することにより、公共部門の経営革新を図ろうとする取組みがあります。
我が国においてもそうした流れを受けて、独立行政法人の設置や施設整備に係るPFI手法の導入などが進められ、一定の効果を収めてきたと受け止めております。
私は、企業経営の手法を取り入れ、行政全般を民間企業化して合理化を図ることが、本県の行政システム改革の目的であるとは考えておりませんが、個々の行政サービスの提供に民間のノウハウを取り入れて、業務の効率化や経費の抑制を図っていくことは、財政再建に取り組む上で不可欠であると認識しております。
一方、近年は、地方公共団体の公の施設の管理における「指定管理者制度」の導入や、「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」の制定に伴う官民競争入札の実施など、民間事業者のノウハウを活用する制度が創設され、民間活力の活用を推進する環境が整えられています。
また、こうした動向と相まって、従来は行政が担うものとされてきた公的サービスの分野において、NPOや企業等といった多様な公的サービスの担い手が、活動を展開しております。
現在、県が実施している業務のうち、許認可事務等を除く行政サービスの中には、私の目から見ても、引き続き県が責任を持って行うべきと考えるものがありますが、民間が担った方がサービスの向上が期待できる、あるいはコストを削減できると思われるものも少なからずあります。
●そこで、知事に伺います。
県では、行政システム改革基本方針の取組項目の1つに「民間活力の積極的な活用」を掲げており、この未曾有の財政危機を乗り切るためには、これまで以上に民間活力を効果的に活用していく必要があると考えますが、そのためにどのような取組みを展開していくつもりなのか、お伺いします。
○知事
次に、行政システム改革における民間活力の効果的な活用についてのお尋ねであります。
本県では、簡素で効率的な行政運営を実現するため、県が担ってきた公共サービスを民間が提供することにより、サービスの向上やコストの節減を図ることができる場合には、できる限り民間に委ねるという基本原則のもとで、民間活力の活用を推進してまいりました。
例えば、本年度の新たな取組みとして、保育士試験の業務を県が指定した民間機関に移譲したほか、自動車税コールセンターの運営業務、さらに県営住宅の家賃や県立病院の医療費の未収金の回収業務について、民間委託化を行ったところであります。
一方、現在、県が直面している未曾有の財政危機を乗り切るためには、これまで以上に民間活力を、積極的に活用していく必要があります。
そのためには、民間委託化等に向けた事業の選定や実施方法の検討を、行政サイドだけで行うのではなく、県民や事業者に提案や意見を求めて、幅広く検討していくことが効果的であると考えております。
そこで、来年度からの新たな取組みとして、「県民参加型公共サービス改革モデル事業」をスタートさせることとしております。
具体的には、「民間委託化の効果が見込まれない」、あるいは「適した事業者が見当たらない」などの理由から、県が直接担っているサービスについて、事業の概要や経費などをホームページに掲載し、県民や事業者から、民間が実施する場合の具体的な提案や意見をいただく仕組みを整備いたします。
そして、いただいた提案や意見をもとに、民間委託化の可否を検討するとともに、民間委託化が可能と判断される業務については、競争入札やプロポーザル方式により、最も適した事業者を選定し、民間活力の積極的な活用を推進してまいります 。
●松崎
民間の知恵と活力についてのところにつきましては、新たに新年度、県民の皆様の参加をいただく形の中での新たな事業の展開というようなことをご答弁いただきました。
ぜひとも、民間委託ありきとか、あるいはまた、すべてを民間企業のようにしてしまおうとか、そういうような発想でないのでありますが、しかしながら、今の状況下で、しかも神奈川力を、民の力を結集をして、神奈川を良くしていくんだという思いの中で、ぜひとも推進を図っていただきたいと思います。
- 2013/05/23(木) 01:09:56|
- 横浜市金沢区
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神奈川県議会 平成18年12月定例会本会議での代表質問と答弁
米国メリーランド州との経済交流とバイオ産業について
●松崎淳
本県では、平成17年8月に同州に駐在員事務所を開設し、同年10月には、米国バイオ関連企業等との交流を希望する県内企業等によるミッションを派遣すると同時に、現地において知事自ら神奈川県の企業誘致に係るインセンティブを紹介するなど、バイオ関連産業を中心に、米国企業の誘致、県内企業の対米進出、販路拡大などの支援を積極的に推進している。
そこで、医療、食品、環境など様々な分野に変革を与え、21世紀の産業をリードする分野として高成長が期待されるバイオ産業の振興について、メリーランド州との経済交流を踏まえて、本県としてどのように取り組んでいくのか、伺いたい。
○知事答弁
最後に、米国メリーランド州との経済交流を踏まえた、バイオ産業の振興についてお尋ねがございました。
バイオ産業は、医療、環境、エネルギーなど様々な分野に及んでおり、県内産業にお
いても、例えば、医薬品や化粧品の生産額は全国でも上位を占めるなど、今後とも、成長が期待される産業の一つであると認識をしております。
こうしたバイオ産業の振興に向けて、本県では研究機関等が持つ有望な研究成果の発掘や、大学等と連携したベンチャー企業の創出支援などに取り組んでまいりました。
また、メリーランド州との経済交流におきましては、バイオ関連の研究機関や企業の集積に着目をし、平成12年度から3年間、ジェトロの事業を活用した交流を行ってきております。
平成17年度には駐在員事務所を開設するとともに、企業ミッションを派遣し、バイオ関連企業や大学、研究機関との交流を進めており、こうした中、本年8月には米国企業のマックスサイト社と、県内企業の株式会社メディネットによる「がん免疫療法に関する共同開発」という具体的な事例も生まれております。
さらに、来年1月には、駐在員事務所開設後、初めてとなる、メリーランド州からの
バイオ関連企業等のミッションを、受け入れることとしております。現在、県内企業とのビジネスチャンスの拡大につながるように、個別商談会などの準備を進めているところでございます。
今後、バイオ産業の振興につきましては、駐在員事務所を活用し、先進地域であるメリーランド州と、本県の特性を活かした経済交流を着実に推進し、具体的な成果に結びつくよう努めてまいります。
また、県内の大学、研究機関、関連企業等によるネットワーク組織と連携し、産学公による共同研究や、研究成果の実用化に挑むベンチャー企業の創出など、バイオ産業が神奈川で発展していく環境づくりに、取り組んでまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございます。
- 2013/05/22(水) 08:01:23|
- 神奈川県
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2004年7月16日本会議一般質問のまとめ パート3
対米戦略について
松崎:6月の知事訪米以降、バイオ産業を軸とするメリーランド州との経済交流を進め本県経済の活性化につなげるため、大学同士の連携やや産学連携など国境を越えてネットワークを強化すべきだ。
知事:メリーランド州とは研究開発機関同士や産学の連携を、国境を越えて進め、高付加価値型ベンチャー企業を作り出すとともに、バイオ企業の県内誘致も進める。同州のアーリック知事からは経済交流拠点設置の提案もいただいているので検討を進め、国境を越えて地域間のネットワークを作り、本県経済を活性化してゆく。
松崎:交流拠点の設置は新しい話であり、ネットワークの形成に是非取り組んでいただきたい。ところで私は先日、ベーカー駐日アメリカ大使公邸でのレセプションに出席した。私と同じように国務省の招待で訪米した人々が一堂に会し50周年を祝ったが、海部、細川元総理や菅元代表らがいずれも青年時代に招かれている点から見ても、アメリカの一貫した戦略というものを感じた。そこで知事に提案したいのは、今後アメリカとの間に人材交流を含めてどういう未来像を描くかについてであり、この際、メリーランドを神奈川県の世界進出の拠点とするくらいに骨太な対米戦略を確立すべきだと思う。
知事:これまで神奈川県は世界の8地域と友好提携を結んできたが、今後は相互理解の交流から一歩先に進める必要があるし、交流先もアジア、ヨーロッパ、アメリカを中心に選択していく。特にアメリカとの交流は大きな意義があり新たな展開が求められる。メリーランド州との交流についても経済交流や次代を担う若い人たちの交流に力を入れていくし、こうした目的と戦略性を明確にした交流が国家レベルでの関係発展にも寄与すると考えている。
- 2013/05/21(火) 13:57:31|
- こども
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横浜市が待機児童ゼロを4月1日付で達成したと今日発表した。良かった-。人材の国づくりは神奈川から❹で記載の通り、横浜市に対しても他の市町村以上に県は手厚く、新機軸を打ち出して、この待機児童解消を支援してきた。全県的視野からは川崎をはじめ他都市の充実を達成しなければならない。
- 2013/05/20(月) 21:41:51|
- こども
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2010年9月定例会での本会議一般質問
<質疑と答弁のまとめ>
保育施設と子どもの安全確保について
●松崎
2 保育施設と子どもの安全確保について
(1) 待機児童対策
本年4月1日時点の本県の保育所入所待機児童数は4,117人と、平成14年度以降で最も多くなっている中、本県では、今年度当初予算で、認可保育所の保育所緊急整備事業を打ち出したところである。
特に、低年齢児に特化した分園の整備、本園と分園との一体的運用のための園バスの購入、保育士を確保しやすくするための雇用促進という3点セットの新規事業は高く評価している。
安心こども基金を活用し、保育所整備の急所を手当する的を射た施策のパッケージとして、大いに効果を期待しているが、問題は今年度限りとなっている財源である。
そこで、待機児童の大半を占める低年齢児に着目したこの対策について、来年度以降も引き続き取り組むべきと考えるが、財源の確保を含め、所見を伺いたい。
○知事答弁 次に、保育施設と子どもの安全確保に関し、保育所待機児童対策の今後の取組みについてのお尋ねをいただきました。
保育所の施設整備については、市町村が国の交付金を受けて実施してまいりましたが、待機児童対策を重点的に推進するため、平成21年度から、国が新たに設けた交付金を基に、県が設置した「安心こども基金」により、市町村に補助することで整備を進めることとなりました。
現在、本県では、待機児童が急増しており、0歳から2歳の低年齢児が約8割を占めていることから、その対策に積極的に取り組む必要があると考えております。
そこで、今年度から、低年齢児を中心とした保育所の緊急整備を「安心八策」に位置付けて、市町村や事業者に取り組んでいただくよう、働きかけてまいりました。
その結果、県全体で、21市町村において、97か所の保育所の整備が行われ、4,764人の定員増が図られる見込みとなっております。
こうした、低年齢児に着目した保育所整備は、市町村や事業者の関心も高く、事業効果も見込めることから、県としては、来年度以降も引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
しかし、保育所整備補助の財源は、全て、今年度が期限となっている「安心こども基金」であるため、その延長について、これまでも国に対して様々な機会を捉えて要望してまいりましたが、未だ、明確な延長方針は示されておりません。
そこで、今後とも待機児童対策を計画的に推進するため、「安心こども基金」の延長について、他の自治体とも連携し、国に対して強く働きかけてまいります。
【再質問】
再質問させていただきます。
「安心こども基金」の本県への交付額は、基金全体で168億円であるが、現時点の活用見込額は81億円にとどまり、残りの87億円分は国に返還することになる。
ついては、交付された基金のうち87億円分について、みすみす返還が見込まれている点について、知事の所見を伺いたい。
そもそも「安心こども基金」は、子どもの保育支援のため制度化しているものである。
しかし、制度の利用にあたっては、自治体の裏負担があることや、現在実施している事業ではなく新しい事業ではないと利用できないなどの制約があるなど、使い勝手の悪い制度となっている。
その結果、交付された必要な基金を活用できず、みすみす国に返還しなければならないという事態になってしまっている。
このような仕組みになっていること自体、大変おかしなことであり、基金を交付されたにもかかわらず、活用できなかった場合に、国に返還しなければならない仕組みについて、知事の所見を伺いたい。
「安心こども基金」については、裏負担の仕組みがあり、利用に当たっては市町村も4分の1負担しなければならないこととなっている。
県内市町村の財政力はまちまちであり、財政力が弱い市町村では交付された基金を活用できず、国に返還しなければならないことになる。そのような市町村は、大変残念な思いでいることと思われる。
ついては、財政力が弱い市町村に対し、県として支援していくことが必要であると考えるが、知事の所見を伺いたい。
○知事答弁 この安心こども基金でありますが、市町村や事業者にも活用をさまざまな形で働きかけてまいりました。しかしですね、非常に使い勝手が悪い。まず、これ、極めて短期に活用しなければならないこと、それから、市町村負担が、さっきおっしゃっていたように、裏負担が必要なこと、それから、当然、事業者負担も必要であること、公立保育所の整備には充当できない、あるいは、ソフト事業については新規事業でなければ対象外であると、国によるさまざまな制約が付いているんですね。市町村にとっては、なかなか活用しにくい制度だと思います。このままでは、相当な残金が残ってしまって、それを国に返還しなければいけないというルールですので、まず、我々はこれを使ってできるだけ保育所整備をやっていただける事業者、市町村が現れるように今後も積極的に市町村、あるいは事業者を含めて働きかけていくということと、それから国に対して、こういう使い勝手の悪い内容をですね、改めていただきたい、あるいは、期限を延ばしていただきたいと強く要望してまいりたいと思います。ずっと、これ、言い続けているんですが、何せ、国の方も堅いんですよね。なかなか、これ、全国知事会でもいつも議論に出てますけれども、応援していただけません。ぜひとも皆さんの政党を通じて、地方の声を国に伝えていただきたい。心からお願いしたいというふうに思います。
それからですね、これ返還しなければならない、ここはおかしいと、今、答えてしまいましたけれども、そういう質問だったと思います。これ、基金として、地方にいただいて、地方が条例として作っているわけですから、これをまた2年なり、3年なりで期限を決めて、残っているものは全部返せと、それでまた、さまざまな条件が付いていると、これじゃ、そうなっちゃうに決まっているんですよね。ですから、返さなくてもいいという判断をしていただくか、期限を延ばすか、あるいは、メニューを相当、柔軟化させて使いやすいものにするか、こういう要望を続けていくしかないと思っております。
それから、財政力が弱い市町村に支援していく、待機児童が多い市町村は、具体名を挙げますと、川崎、横浜、それから、藤沢、大和とかですね、都市部のある程度財政力のある市町村なんですね。ですから、こういう所で作る場合は、市町村も財政力ありますし、事業者がやろうと思えばできます。逆に、財政力の弱い市町村の所では、待機児童がいないんです。そんなに。ですから、そういう意味ではですね、県が支援するのはいやだと言っているのではないんですが、とにかくこの政令市、そして、大和とか、藤沢とか、こういう所で少しでも保育所ができるように、待機児童解消に向けてですね、いろんな形で応援をしていくというのが、県の立場でございます。
【要望】
ここで、たまたま市町村の財政力ということが出たのであるが、知事の考えでは待機児童の多い所が財政力が比較的余裕がある所であろうということであったが、総じて、国と地方との関係においては、国からのこうした交付金や返還をするいうやり方は今までは通ったかもしれない。そうしたことを、唯々諾々ではなく知事は戦ってきたわけであるが、結果として返してきた場面もあったと思う。今後、そうしたやり方をこれ以上認めていいかということについて、国と地方の協議の場の公正化の問題もあるが、総務大臣も替わったことでもあり、しっかりと協議、あるいは、議論、時には戦う議論もやっていただきたいということをお願い申し上げる。
- 2013/05/19(日) 22:22:15|
- こども
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2010年9月定例会での本会議一般質問
<質疑と答弁のまとめ>
保育施設と子どもの
安全確保について
●松崎
2 保育施設と子どもの
安全確保について
(1) 子どもの
安全確保について
子ども
安全の取組を効果的に推進するためには、
警察、学校、市町村、ボランティア団体等が情報共有を図り、発生状況や防犯対策、交通
安全対策など、
安全・安心に役立つ情報を、必要なときに必要なところへタイムリーに伝えることが非常に重要である。
そのためには、デジタルに慣れているわれわれの世代に加え、アナログ世代の方々も含めた情報伝達のネットワークづくりが必要であるが、県
警察では、こうしたネットワークの必要性をどのように考え、整備・活用していくのか伺いたい。
また、県民の利用登録が3万件を超え、ネットワークの重要な一つといえる「
ピーガルくん子ども安全メール」は、配信を希望するすべての県民に子どもの安全に関する情報を各
警察署から吸い上げ、県
警察本部から配信していると承知しているが、今後、より地域に密着した情報をタイムリーに配信するためには、県内の各
警察署から直接、配信するシステムが必要だと考えるが、併せて所見を伺いたい。
(
警察本部長)
○警察本部長答弁 ○ 警察関係の質問にお答えいたします。
○ はじめに、「ネットワークの必要性」であります。
安全・安心に役立つ情報を県民の皆様にタイムリーに提供いたしまして、また、県 民の皆様からは、その要望や警察活動の参考になる情報を逸早く受理することができる双方向の防犯ネットワークを構築することは、犯罪が起きにくい社会づくりを推進する上で重要なことであります。
ネットワークにつきましては、これまでも警察を始め、自治体、関係機関・団体におきまして、地域住民の皆様のお力添えをいただきながら、それぞれ整備されてきたところであります。
議員ご指摘のとおり、安全・安心に役立つ情報は、必要なときに必要な方々に行き届かなければならないと考えております。
例えば、女性、子ども、高齢者を対象とした様々な犯罪や事故が発生するおそれがある場合には、ネットワークを活用して、被害に遭わないための情報を行き届かせることによりまして、未然防止を図ることができます。
また、県民の皆様からも日常生活や社会活動を通じまして、要望や警察活動の参考となる事柄を情報提供していただくことによりまして、安全・安心に関する 情報をお互いに共有することができるものと考えております。
県警察では、本年7月26日、関係機関・団体のネットワークとも連携いたしまして、双方向からなる防犯ネットワーク「セーフティーメッシュかながわ」を構築いたしまして運用しているところであります。
今後も、この防犯ネットワークの充実を図ってまいりまして、安全・安心に役立つ情報をタイムリーに提供して、犯罪が起きにくい社会づくりを推進してまいりたいと考えております。
○ 次に「
ピーガルくん子ども安全メール」いわゆる子ども安全メールについてお答えします。
配信は、平成20年10月1日から運用を開始しておりまして、2年が経過しようとしております。
本年8月末までの登録数につきましては、約35,000件と運用開始以来、着実に増加してきております。
最近では、登録をしている方から「第二の被害者を出さないために、わが子の事件を、是非メールで流して、再発防止に役立ててください。」などといった要望もありまして、県民の皆様からの期待を感じているところであります。
主に子どもに関わる犯罪情報の配信でありますので、内容を県警察本部におきまして、慎重に検討した上、配信しておりますが、議員ご指摘のとおり、各警察署からのタイムリーなメール発信は、県民の皆様に早期に注意喚起を促し、再発防止のためにも重要であると考えておりますので、今後、年度内の実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
- 2013/05/19(日) 02:31:40|
- こども
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神奈川県議会 平成17年6月定例会本会議での一般質問と答弁
<質問項目のまとめ>
(1) 戦後60年と関連の課題について
戦後60年を迎えての所感と、県民が直面してきた基地問題についての方針を知事に問うとともに、教育長に、戦争の記憶を語り継ぐことへの認識と取り組みを聞く。
松崎
戦後60年を迎えたこの時点から振り返って見ますと、我々は平和の恩恵を十分享受してきました。平和なくして経済の発展はなく、生活水準の向上もありえませんでした。10年前に戦後50年を迎えたときには半世紀の区切りということもあり、国を挙げて平和について考えるイベントなどが多く催され、普段、あたりまえと思っている平和について思いを深め、平和を守っていく大切さを改めて考える良い機会になったと思います。
そして、今年は60年です。しかし、10年前と違って「戦後60年」という言葉を見ることも少なく、盛り上がりに欠けるところです。将来、戦後100年を迎えるときには大きな機運があるのかもしれませんが、その時には実際に戦争を体験した人々がほとんどおられなくなっており、戦争の悲惨さ、平和の大切さを、身をもって伝える人の存在が遠くなります。その意味で、私は、10年の区切りである今年が大きな節目であり、大切であると思っています。
広島市においては、これまでも、被爆体験の若い世代への継承等に市をあげて取り組んでいて、児童・生徒が在学中に被爆体験者の話を聞く活動が行われていると聞いていますが、神奈川県も、軍事関係施設が多くあったことから空襲がたびたびあり、県内には大きな戦争の傷跡を残しています。そして、いまだに米軍基地があり、戦後は続いているのであります。神奈川こそ県民を挙げて平和について考え、平和を守っていくことを考えなければならないと思います。
●そこで、知事に伺います。
戦後60年を迎えて、あの戦争の記憶を語り継ぎ、次の世代に伝えていくのが今ほど大切な時はないと思います。知事はどういう所感をお持ちであるのか、お聞かせください。また、県民が直面してきた基地問題について、特に最近の原子力空母の配備の問題と第一軍団司令部移転の問題について、どのように取り組んでいかれるつもりか、知事の方針を伺います。
○松沢知事答弁
私の祖父と伯父は、60年前の昭和20年8月9日、不幸にも長崎で被爆をいたしました。一命は取り留めたものの、その後、苦しみの日々を送りました。私は、戦後生まれではありますが、幼い頃から何度か長崎の伯父を訪ね、原爆の凄まじい惨状やその後の惨劇について、生々しい話を聞きました。以来私の心にはこれは強く焼き付いております。
戦争で疲弊した我が国は、先人のご努力により、世界に類を見ない早さで復興を実現いたしました。今に生きる私たちは、こうした先人の努力を基礎として、平和で豊かな生活を享受しているわけであります。
私は、戦後60年という区切りの時に、先人が築き、守り通してきた平和の尊さを、我々一人ひとりが再認識することは非常に重要であると考えております。また、世界で唯一の原爆被爆国の国民として、二度と戦争を起こさせないよう、戦争の悲惨さと核兵器の恐ろしさ、そして平和の尊さを、様々な機会に次の世代と世界の人々に伝えていく責務があると思います。
さらに、将来にわたって戦争に巻き込まれることのないよう、自国の国民を確実に守るとともに、世界平和に貢献できる安全保障体制を構築していく必要があると強く思う次第であります。
県としても、万が一の武力攻撃事態や大規模テロの際に、県民の生命を守り被害を最小限に止めるため、国民の保護に関する計画の策定や、関連する施策の構築などを着実に進める責任がございます。
私は県民そして国民の安全を守るため、しっかりとした安全保障体制の構築に向け、政治に携わる者としての責任を果たしてまいりたいと考えております。
次に基地問題、特に原子力空母の配備と第一軍団司令部移転の問題について、どのように取り組んでいくつもりなのか、私の方針についてのお尋ねがございました。
本県では、戦後まもなく、旧日本軍の施設からホテルや個人住宅に至るまで、様々な施設が接収され、今なお多くの米軍基地が県民生活やまちづくりに大きな影響を与えているところでございます。
こうしたことから本県といたしましては、これまでも、基地の整理・縮小及び返還の促進と、地元の意向尊重を基本として、様々な取り組みを進めてきたところでございます。
お尋ねのキティホーク退役後につきましても、国に対して、もし仮にどうしても後継艦が必要というのであれば、空母艦載機による騒音問題の抜本的解決を図った上で、通常艦の配備に向け最大限努力するよう求めてきたところでございます。
また、第一軍団司令部の移転問題につきましても、仮に報道が事実とすれば、基地の機能強化等につながる可能性があることから、県民負担の軽減を念頭に対応するよう国に求めているところでございます。
私といたしましては、これまでも我が国政府はもとより、アメリカ国務省など関係方面から情報収集に努めてきたところでありますが、今後とも、様々な機会をとらえて国に情報提供を求めるとともに、基地関係市を支援する立場から、地元の意向が実現できるよう、できる限りの努力をしてまいりたいと考えております。
●つぎに、教育長に伺います。
教育長は戦後60年についてどのように認識しておられ、児童・生徒に平和の尊さ、平和を守っていくことの大切さをどのように伝えようとしているのか、お答えください。
○引地教育長答弁
戦後60年、我が国で平和が保たれ、豊かで安定した暮らしができていることは、多くの先人のご苦労とともに教育の果たしてきた役割が大きいものと考えております。
また、今このときも世界各地で起きている紛争等をニュースで見るにつけ、平和のありがたさを改めて実感するとともに、平和の尊さ、平和を守っていくことの大切さをきちんと子どもたちに伝えていかなければならないと考えております。
子どもたちが本当に平和の大切さを理解するためには、知識だけではなく、より年齢の低い段階から身近に戦争の悲惨さや平和の尊さを感じることが大切であると考えております。
そこで、現在学校では、学習指導要領に基づいて、社会科や道徳あるいは総合的な学習の時間等において平和の大切さについて取り上げておりますが、そうした際には、地域のお年寄りに戦争体験を話していただくなどの取り組みも行っております。
しかし、松崎議員お話の通り、こうしたお年寄りがだんだん地域で少なくなっているというのも事実でございますので、悲惨な戦争の記憶を次の世代に引き継いでいくためにも、こういった機会が大切にされ、より多くの学校で実施されるよう働きかけてまいりたいと考えております。
また、平和を守る心を育てていくためには、それぞれの国や国民が互いに理解し合い、認め合うといった相互理解や共感する心を持った国際人として育っていくことも不可欠であります。
そこで外国籍の子どもたちの多い学校では、日本文化の紹介とあわせて、それぞれの国の文化を授業などで取り上げたり、外国籍の子どもと保護者が自国の料理や歌を披露したりするなどといった交流も進めております。
県教育委員会といたしましては、今後とも市町村教育委員会と連携して、こうした子どもたちを国際人として育てる取り組みをはじめ、学校における優れた取り組みを広く県内に提供するなど、戦争の悲惨さや平和の尊さについて若い世代がしっかりと受け止め、次の世代に引き継いでいくための教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
- 2013/05/17(金) 15:09:13|
- 神奈川県
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-
今日午前、文教常任委員会が開催されます。県を相手取った訴訟についての専決処分のほか、町立湯河原中学校の生徒が亡くなられた事や、金沢区の称名寺をはじめ世界遺産登録を目指してきた「武家の古都・鎌倉」の不登録について県教委の一連の対応が報告されます。
- 2013/05/17(金) 06:26:43|
- 未分類
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-
2013年3月5日・6日
文教常任委員会質疑応答要旨
○県立図書館と川崎図書館の現地調査での質疑(3月5日)
松崎:文教常任委員会には、これで3度目の所属となったが、2度目の時にも両図書館を訪ね、千代田区立図書館にも伺っている。川崎図書館はそのときも課題だったと思うのだが、身体障害者や高齢者に対してのバリアフリーについて改善しているのか 。
平野館長:川崎については、賃貸借の期限が切れるので、階段のみの現状は変わっていない。逆に、県立図書館はスロープやエレベーターがある。また朗読などの障害者サービスを別に行っている。
松崎:千代田区立図書館は勤労者の仕事が終わってからの利用を考えて開館時間を午後10時までと大幅に遅くし、カフェテリア風の場所なども開設して、民間の知恵を取り入れ改革を行っていた。開館時間を遅くすることや、心地よく滞在できるための工夫など利用拡大の視点からの改革はどのように行ってきたのか。
平野館長:開館時間については調査を行ったことがある。月曜日が祭日になった場合は開館するなど行ってきたが、時間の延長については実施していない。ただ、千代田のように指定管理者を導入するのは、専門的な分野もあるので、なかなか難しい。市町村立図書館とは利用の形態も違うと思う。
松崎:利用される方が減ってきている中で、工夫の仕方次第で、潜在的な利用希望者がおられることに意識を向け利用拡大につなげる工夫をしていただくことを、強く要望する。
平野館長:入館者については、確かに減少傾向だが、貸出冊数については増傾向である。宅配サービスなども行っている。館に来なくても利用している方はいる。
3月6日 文教常任委員会での質疑
○県立図書館のあり方について
松崎:昨日も川崎図書館、県立図書館に伺わせていただいた。11月7日に決算特別委員会の総括質疑において教育当局の方から答弁があり、そこから新聞紙上でもだいぶ記事になり、インターネット上でもいろいろな形で、私も個人名を挙げてかなり中傷ではないが、叩かれているようなところもあり、内心忸怩たるものもないわけではないが、委員会の場なので、そうしたことは切り分けて落ち着いて議論ができればと思っている。
まず確認だが、あの日答弁された二見教育局長、あるいはまた課長も今答弁されているが、私どもとしては、当初から、あの時点でも、県民、利用者の方々にとって大きなサービスの低下や利便性の後退につながるのではないかという懸念を表明させていただいたところであるし、本日先ほどもそうしたことのないようにという観点からの質疑があったと思う。この点では、議会の中であまり異論はないと思う。この辺をまずどうするかということを同時に考えないと、いきなり集約化ということだけがポンと出たのでは、甚だしく考え方、スタンスが明確でない。
そこでお聞きするが、今言われている川崎図書館の立ち退きが現実化することと、情報センターについても集約化ということがあるということだが、報告資料の中では、集約化という言葉が、検討の方向性、調整の方向性、それから今後の調整内容というところでそれぞれ出てくる。
それで、川崎図書館は昨日現地調査をしたときも、立ち退きということが区画整理の関係で出てきているということで、4階まで上がるのにバリアフリー化ということを、私もかねてから指摘をしていたが進捗状況を聞いたら芳しくない、ということだ。それから、館長によると、エレベーターについてもこれも限られた予算ということもあって、バリアフリーの決め手となるはずのところが、これもなかなか手がつかないということだった。
そうすると集約化ということは19年度から検討してきた中において、先ほど財政オンリーの話ではないということだったが、具体的にいうと集約化というのは、川崎についていえば、何を集約するのか、それからバリアフリー化ということも含めてお答えいただきたいのだが、川崎をこれからどうして行こうとするのか、つまり、機能は集約するものと存続するものがあり、利用される訪れる方々にとっては当然もっとユニバーサルなデザインのものにしなければならないという要請もあり、その辺をトータルで、財政以外の観点を含めてどういう風にしようとされているのか、わかりやすくお答えいただけないか。ここには集約化しか出ていないので、どういう風にしていくのかというビジョンをお答えいただきたい。
生涯学習課長:集約化の具体的なあり方について、今いろいろと検討しているが、一つは川崎市のあそこの地域にあるという地域性と特性、企業支援に非常に役立っていること、そうした企業の支援に役立つような機能については、さらに高度化・特化して、同じ川崎市内に残すことを今考えている。
したがって、まるまる今の川崎図書館がそのまま残るということではなく、特定の機能に着目して、そこのところは地域性、特性から残すことになる。それ以外の部分はどうするのかということで、基本的には横浜の紅葉坂にある県立図書館に集約していこうと考えている。
いろいろな県民からのご意見をお聞きすると、集まっている方が便利でいい、例えば、ビジネス関係でいうと社会科学・人文系の経済誌みたいなものは横浜にあって、技術系のものは川崎にあるが、例えばそれを集約して一遍に見られる、ワンストップサービスみたいなものができればというようなご意見もある。そういうのも参考にしながら、川崎の方にはどういうものを県立図書館として役割を残していくのか、いろいろ検討させていただき、集約化を進めていきたい。
松崎:川崎に、というのは確かに分かる。それは、川崎という街の成り立ち、日本という国の中における果たしている役割は、私もそのとおりだと思う。しかし、県政全般で見ると、これから相模縦貫道、圏央道が開通していく中において、例えば県としては、黒岩知事の旗の下にやはりロボット特区というものを新たな産業、大きな産業の目玉として位置づけてきている。また、産業というくくりだけではないが、城ヶ島、大山等でやはり観光の新しい核づくりをしていくということがある。そうすると、ものづくりという観点だけから見ても、例えばロボット特区を考えると、川崎ではなく県央に新しい拠点を設けるためには、知の拠点をどうするのかという整理も一旦はしなければならない。
それからもう一つは、それは活字文化でよいのかという側面も、新しい産業という意味では出てくる。特にロボット関係というのはそういう性格を帯びていると思う。極めてICT技術と近いものがある。
さらに、もう一つは、存続なのか廃止なのか、あるいは現状維持なのか縮小なのかといった観点だけで考えていいのかという問題もある。つまり、現状では訪れて利用される方は数が減ってきている。でも、貸出冊数は増えている。しかし、貸出冊数だけでカウントできるものだけで本当に知の拠点と呼べるかという問題もある。だからこそ閲覧というところに特化していこうとされているのだと思う。ここは一つ大きな鍵だと思う。
そうすると、利用者、閲覧回数もそうだが、やはり増えていってもらいたいし、相乗効果でどんどんどんどん、新しい知見と新しい知見を組み合わせれば、またさらに新しい知見が生まれるということもあるので、そこをどのようにしてサポートしていけるか、より高次の高度化したものに特化していきたいと言われる川崎の関係についても、改革するとか創造するということにもう少し取り組まないと、今のままの、訪れた方が活字を閲覧して、そのことによって得ていくものでという時間の流れ方よりは、世界がもう少し速いスピードになっているのではないかと思われることもある。その辺を含めての方向性だと思う。
同時に、そこには財政的視点は、先ほど意味深い答えをされたと思うが、財政的視点を除けて考えているという答弁はされていない。財政的視点は必ずそこに入っているわけである。したがって、そこをどういう風に両立させるかということもあると思うが、二見教育局長いかがか。
教育局長:たしかに視点ということでは、図書館の持っている力をどう高度化して発揮していくということと、財政的な見地と両方の面から検討していくということである。やはり、地域性ということからどこに立つか、これも非常に重要なポイントであって、今回は川崎図書館として、今まで川崎という地にあって、川崎で中心になっていろいろな資料を収集してきた歴史と、川崎にあって力を発揮しているというこの機能は捨てられないということから、川崎の中に残して生きたいという方向性を出した。
具体的な場所の検討としてはこれからになるが、進む方向としては、やはりなぜ川崎にということの一つの大きな意味として、産業、企業への支援というところがポイントである。
したがって、今後残して高度化させていく内容については、課長の答弁にもあったように企業支援につながるところについて、高度化・特化をしていくという形である。現在も力を発揮しているものであるが、未来にわたってもう少し力を発揮していくにはどうしたらいいかということを検討していきたい。その中には、単に今までのように手に本を取って見るだけではなく、電子化の話もあるだろうし、企業の交流をしてきたという意味も含め、そういったところを未来形として、よりよい力を発揮するような方向を検討していきたい。当然、その中身は財政的な見地を入れてやっていく、両面から対応していくということである。
松崎:いま、教育局長から、将来を見通しての話があったが、どちらかというと川崎図書館についての話だったと思う。紅葉坂の県立図書館も、青少年センターなどシアター、劇場型の他の施設と関連性を持たせながら、機能を果たしてきたという歴史もあると思う。
一方で、訪れて手にとってという方々の点から見ると減ってきている。同時に、子どもたちの活字離れは深刻な状況である。それは、文教常任委員会が開かれるたびに私や誰かが必ず指摘してきたことだ。私どもも深刻に受け止めている。それをどういうふうにして、今の時代に合って、かつ、子どもたちを含め成人の方々もより利用しやすいものに変えていくのか、改革するポイントがいくつもあると思う。
そこが、県民の方々から見て時代にマッチしない、あるいは利用する、訪れるに値しないと思われるようになったら、これこそがピンチだと思うので、そこをどうするかということをしっかりやっていきたいが、よろしいか。
教育局長:先ほど川崎について答弁したが、県立図書館全体の話として私どもが提案したのは、市町村の図書館と組んで未来型の図書館という意味合いを込めて提案をした。
それは高齢者の方などが自分の町の図書館、近くで本を借りられる、それも頻度多く借りられるようになれば、サービスとしては向上するだろうということから提案をさせていただいた。それだけではやはり機能は済まない、閲覧という手にとって見ることが必要というご意見を非常に多くいただいた。その辺もサービスを維持、向上させていく意味では、閲覧も残した方がいいという判断である。
これから進めていく中で、財政的な見地もあると先ほどから申し上げているが、今までのものをそのまま残すのではなく、よりサービスをよくして高度化していく中で、市町村の図書館を経由するものも含めての貸出と、現地での閲覧機能を残すということをマッチングさせて、両方合わせて機能を向上する中で、どうやって個々の部分を押さえて財政的な見地を出していくか、3つを整合させる解を見出していきたい。
松崎:3つの課題を整合させていくということだが、翻ってそれらを込めた集約化と受け止めた。ちなみに、ヤフーで行われた神奈川県の県立図書館及び川崎図書館の11月の答弁の後のアンケートを見ると、ほぼ10000対10000で拮抗していたという。ただ、回答数は膨大な数だったそうなので、おそらくそうしたところにもヒントがあるのかもしれない。そういった意味では、課長の言うように、いろいろな意見があり、なかなかこれはすぐスパッとこうするという答えは出しにくいが、そのこと自体が図書館というものの存在の重さ、深まりを物語っていると思う。ぜひともそこはご検討よろしくお願いしたい。
- 2013/05/16(木) 16:18:40|
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平成24年11月7日 神奈川県議会決算特別委員会での質疑のまとめ
○ 県立の図書館について
松崎
私からは、3点お伺いさせていただきます。まず、一点目は県立の図書館について、2点目は財政問題について、3点目はEPA経済連携協定に基づく看護師候補者の扱い等について、でございます。
まず、一点目の県立の図書館についてから伺ってまいります。
「歳入歳出決算調書(資料2)」の208ページに記載のある「社会教育施設費」について伺いたい。
「神奈川県緊急財政対策」の中でも、県民利用施設の検討の方向性が示されているが、施設ごとに、設置の経緯、役割、利用の状況などを踏まえて、拙速に結論を出すことなく、それぞれ丁寧に検討を進めていく必要があると考える。
特に、県立の図書館については、長らく県民に親しまれてきた施設であり、市町村立図書館への支援という重要な役割も果たしてきたと思う。
そこで、県立の図書館の平成23年度の決算状況を確認し、併せて今後の方向性についても伺いたい。
まず、「歳入歳出決算調書(資料2)」の208ページから、「社会教育施設費」の歳出の状況について記載されているが、この支出済額のうち、図書館にかかる金額はどのようになっているのか。
福地生涯学習課長:社会教育施設費の支出済額、13億5千9百9十余万円となっておりますが、この中には、図書館のほかに歴史博物館、生命の星・地球博物館など4つの社会教育施設の経費が含まれております。
この内、図書館にかかる金額でございますが、県立図書館と川崎図書館の2つの図書館の維持運営にかかる経費が113,300千円、事業費にかかる経費が約214,800千円となっております。
この事業費の内訳でございますが、主なものとしては、図書館情報ネットワーク推進事業費約60,000千円。それから、図書館のほうで図書や雑誌などの資料購入経費として、県立図書館が約56,000千円、川崎図書館が約23,000千円となっております。但し、県立図書館の56,000千円ですが、平成23年度は住民生活に光をそそぐ交付金をいただき、約23,700千円図書を購入しておりまして、通常分としましては約33,000千円となっております。
松崎
今の資料購入の金額だけを聞くと、けっして潤沢な金額とは思えないが、一方で、「決算関係資料(資料5)」の59ページには、不用額として、県立図書館について、980万円ほどの記載がある。この内容はどういうものか。
福地生涯学習課長:不用額9,852千円の内訳についてですが、最も大きい金額を占めるのが、平成23年度は県立図書館の屋上防水改修工事などを行い、この時の施設整備費における委託料の残が3百4万余円程です。この他に図書館で収集しました図書資料のデータを先ほどお話しました、情報ネットワークシステムに入力するなどの業務委託費の入札残で1,900千円程、光熱水費の残として1,500千円程となっております。
松崎
次に、「主要施策説明書(資料3)」の170ページに、平成23年度の利用人員の記載があるが、県立図書館がこれまで県内の図書館サービスの振興に果たしてきた役割はどのようなものであったのか。また、県教育委員会としてはどう評価しているのか。
福地生涯学習課長:県立図書館は設置した当初から運営の基本方針の1つとしまして、「市町村立図書館の施設の育成、県内図書館網を組織して各自治体の図書館の機能が十分発揮できるように指導と助言、資料提供を行う」ということで、事業を進めております。
そこで、昭和33年から、図書館が整備されていない市町村に、自動車を活用した移動図書館車を定期的に巡回いたしました。
また、昭和40年代の終わり頃から、県内市町村に、図書館が次々に設置されましたが、その際、県としましては、図書館整備の助言をしたり、職員が相互交流し、専門知識などを伝えてまいりました。
その結果、昭和45年に18館しかなかった公立図書館が、現在は、一部、公民館内図書室となっているところもございますが、75館の公立図書館が揃っている状況でございます。
このように、市町村立図書館のサービスが充実してまいりますと、県の役割としては、そこをバックアップする広域的な視点での役割が求められ、平成2年には、県内の公立図書館が相互に図書を貸したり借りたりができるKLシステムを構築し、資料の共同利用を図っております。
このような取組みにより、県立の図書館は、県内図書サービスの向上に一定の役割を果たしてきたと考えております。
松崎
今の説明を聞いていると、設置当時から今日に至るまでの間で4つ位のペースで変遷が見られると、受け止めさせていただく。そこで、改めて確認しておきたいが、県立の図書館の設置目的、設置時期をもう一度確認させていただきたい。
福地生涯学習課長:いま現在、紅葉ヶ丘にある県立図書館とそれから川崎図書館の2館あります。
いずれも、条例の上では「一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーションに資すること」を設置目的としています。
少し特色を申し上げますと、県立図書館の方は、昭和29年に、県立音楽堂とともに、県内にまだ数少ない文化施設の一つとして開館しました。
それから、川崎図書館は、京浜工業地帯の発展を背景として、昭和33年、少し遅れて開館しておりまして、自然科学や工業に関する資料に重点を置く公共図書館という特色を持って運営をしているところであります。
松崎
それぞれ特色をもってということだが、紅葉丘の県立図書館については、音楽堂といわば一体的な整備の部分があり、それから、川崎図書館については、川崎の富士見の場所であるが、社史などの収集については、相当な、全国でも屈指の施設である。そこで、「神奈川県緊急財政対策」との関連で聞くが、県立の図書館について、「機能の純化・集約化を含めた検討」となっているが、これは、具体的にどういったことを考えているのか。
福地生涯学習課長:まず、機能の純化についてですが、今までいろいろな変遷があった中で、これからの県立の図書館が果たすべき役割をしっかりと見直していこうということで、機能の純化と申し上げました。
具体的には、県内の公立図書館の間での相互貸借システムの運営、専門の司書の方々の研修や市町村立図書館ではなかなか一般的に購入しない専門性の高い図書の収集。こういうことで、市町村への支援をしていくことは、県の役割と認識しております。
また、高齢化社会などが進んでいきますと、実際に図書館へ通えない方々へのサービスはどうしたらよいのか、電子図書なども普及しており、情報化社会を見据えた新しい図書館サービスのあり方について、研究をして、市町村の図書館に普及をしていく。というようなことは、行っていかなければならないと考えております。
一方、市町村の図書館の整備が進んでまいりますと、県民への図書の閲覧・貸出サービス、こういった直接サービスについては、必ずしも県立の図書館の役割でなくても良いとの考え方から、こうした直接的サービスは、廃止することも含めた方向で検討したいと考えております。
それから、集約化についてですが、川崎図書館は、敷地が川崎市からの借地であり、市の再編整備計画により、平成29年度末までに現在地から移転する必要があることから、県立図書館等への集約化ということで全体を検討していかなければならないと考えております。
松崎
今の説明では、「閲覧・貸出機能の廃止」を検討するとのことだが、それは、県立の図書館を廃止するということではないのか。
福地生涯学習課長:図書館法での「図書館」の定義は、“図書、記録その他必要な資料を収集、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーションに資することを目的とする施設”とあります。
この“一般公衆の利用に供する”という意味は、一般的には、閲覧や貸出のことを示すと考えられますので、そういう意味では、一般的に図書館のイメージでとらえられる施設としては、なくなるということになりますけれども、そういうことも含めてこれから検討してまいりたいと思います。
松崎
そういうことも含めてという部分を再度聞くが、図書館法を持ち出しているが、図書館の機能としては、廃止をしていくことだと思うが、如何か。
福地生涯学習課長:ひとつの検討の方向としてということですが、閲覧や貸出のサービスは行わない施設として検討してまいりたいと思います。
松崎
それを廃止と受け止めさせていただく。それを検討していくということであるが、その際に理由をいただかないと納得がいかないが、閲覧や貸出サービスの廃止、つまり県立の図書館そのものの廃止の理由は何か。
福地生涯学習課長:市町村立図書館の整備がだんだん進んだこともあり、地元サービスの充実が一定程度図られてきたという中では、県立の図書館を直接利用される方のサービスよりも、KL-NETを活用した広域的な県が行っているサービスの利用が伸びている状況でございます。
こうした県内図書館サービスの状況をよく踏まえて、県域全体として図書館サービスを向上させるためには、県の果たすべき役割・機能とはどういうことなのか。どういうことに重点的に取り組んでいくべきなのか、ここで改めて見直そうということで、一つの検討の方向性を提示させていただいたものです。
松崎
当局としては県立の図書館、横浜川崎ということであるが、廃止を考えていると。そうすると県域全体での市町村支援を含めて、サービスだと言うが、直接ここを利用している人を含め、県民サービスが大きく低下することになるのではないのか。県はどのように検討を進めようと考えているのか、教育局長に伺いたい。
二見教育局長:今回お示しした見直しの方向では、県立の図書館として、現地での閲覧・貸出を行わないということを検討しており、それが実現すると図書館の公の「施設」という観点からは「廃止」に該当すると考えております。
ただ、県民サービスに直結する閲覧・貸出機能を全て無くしてしまうというわけではありません。逆に、県立の図書館で閲覧できない代わりに、県民の皆さんの身近にある「市町村立図書館」において、県立の図書館の有する専門図書が閲覧できるようにしていきたいと考えております。これが、広域行政の役割と考えております。
その仕組みとしましては、KL-NETという仕組みがございますが、これを拡充し、本の貸し借りを市町村と綿密に行う仕組みを作り上げていきたいと考えております。そうしますと、県民の皆様にとっては、利便性の向上につながる点もあると考えております。
したがいまして、「廃止」もあり得るという見直しの方向でありますが、その前提として、市町村との連携で新たな図書館の形態を作っていくということができないかを検討することをご理解いただきたい。その形態には解決すべき課題はたくさんあり、慎重に進めるべきと認識しております。
検討の進め方におきましては、今は見直しの形がスタートしたばかりであり、今後、市町村や図書の関係者、県民の方々、議会との議論。これを十分に尽くしながら方向を定めていきたいと考えております。
そのスケジュールとしては、今年度から来年度にかけまして、ロードマップを示しながら、特に市町村とは、綿密に協議をして方向を定めていきたいと考えております。
松崎
年間40万人、横浜川崎を併せ、直接利用をしているという施設であり、私も両方の施設を複数回利用している一人であるが、それぞれカラーを有していて、それぞれ県民に親しまれ、長年利用活用されてきた施設であると考えている。今の答弁の中で今年度から来年度にかけてロードマップを検討していくとあったが、どのような期限を目処に、検討を進めていくのか。そして今の話では、閲覧・貸出の廃止の部分については、いわば公の施設としての廃止の部分については、方向性が本日の答弁で出てきているが、そういった場合において、県民利用者の方々の思いや、ニーズをしっかり受け止めていくためにはどうするのか。そして、新しい図書館の形態と言っているが、それがどのような形になるかということを、検討しつつ、具体的に示していく時期が必要になると思うが、その点の期限についての考えを伺いたい。
二見教育局長:今回の見直しは、財政対策の一環でございまして、全体のスケジュールと併せて行っていきたいと考えております。スケジュールですが、25年の当初で見直しが完了しないものについては、25年度中に検討を行い、26年度以降の方向を示していくということになっております。
それに併せたスケジュールで方向性を示していきたいと考えております。
松崎
大変重大で、大きな問題だと思う。1つの方向については今日示していただいたが、市町村も大事であるし、県民の方々の声や利用の実態というものをしっかりと踏まえて、新たな形態とおっしゃっていたが、県民サービスの向上や充実につながるように取り組んでいただきたい。
- 2013/05/15(水) 19:28:01|
- 神奈川県
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平成23年3月3日かながわ再生特別委員会での質疑
県庁正規職員削減の中で、非正規職員は?
松崎
今、職員の削減について取り上げられているのは、専ら正規職員だというふうに理解しています。もう一方で、県庁の中で働いている人の中には、非正規の職員の方もいらっしゃると思います。職員数の削減というものを取り上げる場合には、正規職員の方以外にも、非正規職員の方々の実情というものも取り上げないといけないのかなと思いましたので、関連でお伺いします。
まず、非正規で働いておられる方は県庁で何人くらいおられるのかお伺いします。非正規の方々のとらえ方は4類型あると思いますが、累計毎の人数を分かれば教えてください。それともう一つは、正規職員の削減が進んでいる中で、非正規の方々は逆にその分増えてきたのかどうか、業務量に見合った処遇がどのように行われているのかを伺います。
人材課長
正規職員以外の職員、いわゆる非常勤職員の部分のお話だと思いますけれども、非常勤職員という概念の職員ですが、平成22年4月現在の数字で申し上げますと、1,694人おります。これらの職員は、行政の補助員として事務的な仕事をしている職員の他に、大学ですとか医療機関において講師としておいでいただいている、パートタイム的な仕事をしていただいている職員の方が大多数を占めております。これ以外に臨時的任用として、正規職員で埋めきれていないところを埋めていただく臨時的に任用する職員がございます。これが270人。その他、再任用職員として、フルタイムで県の職員を一度退職して再任用の御希望があった人で、週40時間働いていらっしゃる方は118人。それから、短時間の再任用職員ということで、週29時間従事していただいている方が334人、これ以外に想定されるものとしては、日々雇用職員という形で繰り返しの業務に当たる職員がおりますが、時点によってとらえ方が様々になり、繁忙期には大量に雇い入れることになりますし、そうでない時期もありますので、時点としては昨年の6月末の数字ですと630人というふうになっています。
傾向といたしまして、一番大きい数字の非常勤職員ですが、平成18年度は1,618人、先ほど申し上げた22年度が1,694人ですので、全体として職員削減をしている中で、業務量として、非常勤職員数はそれほど多くは増えていないという状況になってございます。
松崎
非正規雇用の人たち自身も、正規職員の削減モードの中で、労働法制の見直しということが課題として上がってきている中においては、本来、民間企業で働いていれば、3年経てば正規職員への道が開かれるわけですが、県庁で非正規で働いている場合、3年間働いた方々はどうなるのか端的にお答えください。
人材課長
それぞれによって雇用の形態が違っております。非常勤職員については、1年ごとの契約になっておりまして、問題がなければ、行政の事務補助員として3年間継続して同じ職場で働いていただこうという制度でございます。その後は行政補助員としての募集があればそちらに応じていただくということしか、今のところは用意させていただいておりません。
その他の臨時的任用職員については、6箇月を一回区切りとし一回だけ更新できるという形ですので、1年間が一つの区切りとなります。それ以上は、任用の必要があれば任用させていただくという手続となります。
再任用職員につきましては、退職した年度によって制度が違いますけれども、おおむね65歳に達する日まで任用させていただいております。
松崎
公務員の採用ということには元々法律がございますので、いたし方がない面もあるということは重々承知しておりますが、しかし一方では、民間では少し前の報道にもありましたように過去、非正規で働いていた人たちを次々に解雇していった企業においても、もう一度そこは見直して3年ルールというものをしっかりやろうという機運が全体としてあるという中で、県庁においては民間と隔絶されていて、3年働こうがその人がどういう人であろうかは関係なく、一旦解き放ってしまうとういう厳然としたルールをただ運用するだけではなくて、その人の次のジャンプアップというものも同時に考えなくてはいけないと私は思います。
先ほど、廃止される第三セクターの職員の再就職みたいなことに色々と苦心した結果、大多数の人はうまくいったというような報告があったけれども、その人たちの面倒をしっかり見ようということがあるなら、自分たちの業務をすぐ隣の席で日々手伝ってくれる人たちの持っているものを考える視点、これだけ雇用問題を県としては一番の施策として取り上げている中ではバランスを欠かないような対応が必要だと思うんです。その辺について、組織人材部長のお考えがあれば伺います。
組織人材部長
基本的には公務員の場合、公平・公正でなければいけないということで、3年間雇用しても、それが優先的に正規雇用につながるものではないという地方公務員法上の制約があるということについては、御理解をいただきたいというふうにおもっております。
ちょうどこの3月に3年経って切れる方の後任について行政補助員という形で募集をかけましたところ、今のこの雇用情勢を反映しておりまして、1人につき10倍から40倍という応募が現実にあるという実態がございます。逆に言いますと、3年経った方が5年、10年といくかということになると、新たに雇用を希望されている方の道を閉ざすということにもなるわけでございます。とは言いつつも委員の御指摘のように、3年働いた方はどうするんだということについてですが、別のセクションであれば応募していただいて結構ですよということが一つございます。
それから、元々この制度というのは、多くの県民の方々に雇用の場を県自身が提供していこうということから発した制度でございますので、そういう意味ではステップアップをしていただこうということで、研修もこれまでは若干弱めだったのですが、3年いる間に、正規職員や退職した職員と全く同じ規模とはいきませんけれども、研修や日ごろのOJTを通じて、正規職員の道へと御自分でチャレンジをしていこうと、勉強して挑戦してみようという方もいらっしゃいます。そういった道をつくることで、非常勤の方々の雇用の場を県自らが提供していかなければならないという両面から、今後も非常勤問題について取り組んでまいりたいと思っております。
松崎
現下の厳しい雇用情勢に対して、県として優先順位を付けるとすれば一番だということを今度の新年度予算の中でも明確に盛り込んでいるわけでございますので、是非とも県庁自身における雇用ということに関して意を配っていただきたいということを強く要望します。
- 2013/05/14(火) 20:47:58|
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平成24年第3回 地方分権・行
財政改革特別委員会
12月20日松崎淳質疑のまとめ
松崎:本日は、大まかに言って5点質問させていただきます。
1点目は大枠を少し確認したい事があります。
2点目は県税事務所の再編についてであります。
3点目は緊急財政対策について、
4点目は本庁機関の再編について、
そして最後が、これからの
神奈川県のあり方についてであります。
それでは順次、質問させていただきます。まず、大枠について2点ほど確認をさせていただきたいと思います。
1点目ですが、道州制、それから神奈川州構想についての立ち位置とか、見解の現状についてなのでありますが、この総選挙におきまして政権交代が現実化したわけですけれども、それにともなって、例えば
神奈川県としての道州制に対しての見解ですとか、神奈川州についての見解に何か変更がありますか。
川瀬広域連携課長:お答えいたします。今回、修正案ということで、現時点の本県の考え方を整理させていただいて、改めてご報告をいたしました。この考え方、道州制をめざしていくという方向において、特区等で直近の部分では、国からの権限移譲を求めていくという考え方について、現時点でその方向を堅持していくということで考えております。
今、お話がございました国の状況につきましては、現時点で、具体的な部分について明らかになっていることはございませんので、今後の国の取組の状況を注視をして、必要な対応については、その時点で改めて検討していくということで考えているところでございます。以上でございます
。
松崎:そうするとつまり、
神奈川県としての考え方は、地域主権型ということでもあるわけですけれども、基本的には変わりはないと。国の方でいろいろな動向があった場合には、それについてまた着実に対応を考えると、こういうことですね。
川瀬広域連携課長:現時点ではそのように考えております。以上でございます。
松崎:では2点目ですが、行
財政改革について伺います。
緊急財政対策についてですが、大枠の確認事項としてお聞きするのは、目標としている金額、緊急財政対策で一体どれだけの金額を目標としているのか、お答えください。
落合予算調整課副課長:お答え申し上げます。
緊急財政対策につきましては、全ての事務事業について聖域を設けず、ゼロベースから徹底的な見直しを行うこととしておりまして、具体的な削減目標額という点では、今定めておりません。
ただ、平成25年度には700億円、26年度に至っては900億円、2箇年合わせて1,600億円の財源不足が見込まれておりますが、現状においては、この解消の目途が立っていません。
そうしたことから、歳入歳出両面からの取組みを行って、直面している財源不足1,600億円を解消すること、これが目標額になろうかと思います。
松崎:明確に1,600億円ということが出されたと理解したいのですが、それでよろしいですか。
落合予算調整課副課長:この1,600億円を解消しないことには、本県の予算を編成できませんので、そのように考えていただいて結構です。
中村財政部長:今の1,600億円というのは、歳出の削減だけではなくて、歳入の確保を含めた1,600億円でございます。
松崎:財政の件、当然だと思います。そうすると、更に聞きたくなるのですが、来年度予算編成を行い、次回定例会の2月上旬位には当初予算案が固めて出されることになると思うのですが、そうすると平成25年度当初予算については、その目標達成のための重要な予算ということになってくると思うのです。
中村財政部長がおっしゃるように、達成目標は歳出削減と歳入確保の両方を足し合わせての1,600億円です。そうすると、平成25年度当初予算というのは、今この特別委員会に所属している私としては、その当初予算についてどういうイメージを持っていればよいのでしょうか。
中村財政部長:平成25年度については、700億円の財源不足を見込んでおります。
本日ご説明をいたしましたように、まず人件費の削減を大幅にやらせていただきますけれども、その分で160億円埋めるという状況、その他に、緊急財政対策で、あらゆる施策事業について見直しを進めています。
あわせて、地方交付税の増額確保ということも、毎年この年末に向けて取り組ませていただいております。
ただ、来年につきましては選挙の結果もございますので、地方財政対策自体が1ヶ月以上遅れるという情報がありますから、そういった時期なども見極めながら、歳入・歳出両面から、あらゆる手段を講じてまいります。
基本的に歳入と歳出がイコールにならなければ予算が組めませんので、仮に、そういうことが出来ないとなると、翌年度の税収を繰り上げて充用するという、まさしく、本当の財政危機になるという、そのようなことにならないよう、今一生懸命査定作業を詰めて進めているところであります。
松崎:そうすると、私の理解といたしましては、当面財源不足額として見込んでいる700億円について、このリスクを含めた件の払拭をしたいということだと思うのです。
大枠の確認だけなので、次に移りますが、緊急財政対策を見ていますと、昨日行われた各8つの常任委員会において、それぞれ所管している部局から責任ある方々の言葉で、我が所管している部局においては斯く斯く云々こういう形で進めますというご説明をわりとはっきりと出されたのですが、これ各局がそれぞれ出しているというのは、議席を得て議会に来ている者としては、そういうふうに映るのですけれども、各局がそれぞれ自分の所管している部局の事業などについて、ああしようこうしよう、2年かけます、1年かけますとわりと出してくるのですけれども、それというのは、行司が力士を兼ねているような感じを受けてしまうのです。
もう少し客観性というか、県民にとって本当にこれを切ってしまって大丈夫なのか、あるいは逆にここのところはもっと切り込みが必要なのではないかという形で、もし各局が自分の所管している事業や施設などについて言うのであれば、客観性をどうやって担保するのかと思うのですが、その辺はどうなっていますか。大丈夫ですか。
落合予算調整課副課長:緊急財政対策につきましては、まず、知事をトップといたします緊急財政対策本部、ここにおきまして、大きな方針を決定して、全庁的に意思統一をした上で取組みを行っているという状況でございます。
こうした方針のもとに、各所管施設や各所管事業につきまして、それらに精通している各局を主体として検討を進めておりますけれども、最終的には、先ほど申し上げました対策本部において、県としての意思決定をさせていただいております。
松崎:後ほど、もう一度詳しく掘り下げてお聞きしますので、今のお答えをお聞きしておきます。
もう一点、行
財政改革で欠かせないのが、行政改革という部分でありますので、そこについて1点だけお聞きしますが、事務事業評価、あるいは県庁版の仕分け、こちらの方もわりと本来切られる側である筈の当局の意向とか色合いが、何でこの事業を選ぶのだろうと率直に感じることがあるのですが、この辺についてももう少し客観性というものを、棚に乗せてどうするか検討する時に色々な外部の人の意見を入れている事を以って客観性を担保しているというのですが、それは少々違っていて、実は、何を棚に乗せるかを選ぶ、抽出する時に、県民目線、利用者側のお客様の側の視点をもっと入れて、しかも大胆に取り組まなければいけないと思うのですが、それはどうなのですか。所管課の方の意見があったらお聞かせいただけますか。
平田行政改革課長:事務事業評価が当局主導になっているのではないかということでございますが、事務事業評価について、外部評価として、外部の方に見ていただく今の形をとらせていただくことになって、ちょうど3年目になります。
年次の区切りでいきますと、30年以上経っている事業、また15年~30年の間の事業、そして、今年度は15年未満の事業という形で3年間でちょうど1ローテーション終わったような形になっております。
外部の点検チームの方に何を見ていただくかというところの選定にあたりましては、なるべく県民の方々にわかりやすいと思われるような事業を選択させていただいている。また、事業の金額、そうしたものを勘案させていただいて選定させていただいているところであります。
ただ、今、緊急財政対策という枠組の中で、全ての施策・事業について根底に立ち返って徹底して見直しを行う動きになってございます。そうしたことから、この事務事業評価につきましても、より効果的な実施方法を検討してまいりたいと考えているところでございます。
松崎:折角、平田行政課長から検討しますという、前向きなお答えをいただきましたので、お聞きしますけれども、それはいつまでに検討するのでしょうか。そして、いつから改めた新しいものに変えるのでしょうか。
平田行政改革課長:来年度の事務事業評価を、外部評価を含めましてどういう形でやるかという事について、今検討を進めてさせていただいているところでございます。
松崎:では、何をどういう形で進めるかは、全部そちらの裁量なのかも知れませんが、裁量だと言い切れないようなぐらいに厳しい財政状況を背景として緊急財政対策が行われているわけですから、そういう事を旨として取り組んでいただくようにお願いいたします。
どういうものが次に立ち上げるかで、会派としても一議員としても、また然るべき機会に取り上げるかも知れません。
県税事務所の再編について
松崎:県税事務所の再編について、他の委員も取り上げていたが、私も角度を変えてお聞きしたい。県税事務所の機能を強化すると税制企画課長が言っているように、適正公平な賦課徴収を通じて、更なる納付率の向上による税収確保を図るという考え方は理解できる。
私も前から指摘してきたが、専門性の高い事務になるべく力を注ぎたい、集中させたいという考え方と、もう一つは、中にある無駄とか、あるいは他の人でも代われる属人的ではない事務は、なるべく代わっていただいて、代われない事務へ力を注ごうという考え方、つまりは、専門性の高いところに特化していくということと、効率化を同時に達成しようというのが、大きな考え方だと思う。それは、先ほど行政改革課長が言っていた県庁全体の行政改革ということに通じるし、本県がずっとやってきた行政システム改革も、そういう流れである。
そこでお聞きしたいが、昨日の総務政策常任委員会や今朝の報道などにも、この点については出ているが、私が観点を変えて考える必要があると思うのは、県税事務所の事務における民間委託について、どのように考えているのかについてである。そこで、民間委託化の実施状況はどうなのか、そして、どういう効果が上がっているのかを、お答えいただきたい。
長谷川税制企画課長:県税事務の民間委託化ということでございますけれども、本県では、平成20年度から自動車取得税と自動車税、自動車二税と言っておりますけれども、これらの事務について、民間委託を導入しております。
大きく分けますと3つございまして、1つが、いわゆる自動車税関係の各種電算入力事務、これを20年4月から委託をいたしまして、その結果、それまで各事務所でそれぞれ行っていた入力事務が一元化・集約化されて、効率的かつ迅速に行えるようになり、併せて、県税事務所の事務負担も軽減されたという効果がございました。
それから2つ目が、自動車税コールセンターというものを20年8月に開設をいたしまして、ここでは自動車税に関するお問い合わせを電話で一元的に受け付けるとともに、自動車税を納めていただいていない方に納付を呼び掛けるという、二つの業務を併せて実施しております。
なお、開設した当時は、こうした2つの業務を併せて民間委託するというのは全国でも極めて珍しく、都道府県では初だと認識しておりますし、席数は30、これも当時では全国最大規模という形でスタートさせていただきました。
この実績といたしましては、まず、お問い合わせへの応答でございますけども、23年度年間で8万1千件でございます。それから、納付の呼び掛けでございますけれども、年間で約4万5千件の呼び掛けをいたしまして、この呼び掛け業務の期間中に収入化されたものが、約1万件ということでございますので、県税事務の省力化、それから納付率の向上にもつながっているところでございます。
3つ目でございますが、自動車を登録する運輸支局に自動車税管理事務所の駐在事務所が併設されておりますけども、ここで行っている自動車取得税・自動車税の申告等の受付業務の民間委託を、21年4月から順次実施をしております。
主な効果でございますけれども、どうしても自動車の登録というのは、月末にかなり集中する傾向がございますので、かなり窓口が混雑し、場合によっては建物の外まで並んでいただくような状況がございましたけれども、民間委託によりまして、多いときにはより多く人員配置をするというような柔軟な対応が可能となりましたので、混雑の緩和・改善につながったというのが一番大きな効果と認識してございます。
松崎:今、税制企画課長から報告があった3点、電算入力、コールセンター、運輸支局併置の本県機関。お聞きしていると、実績は確実に上がっているんだということがよく分かった。そこでお聞きするが、自動車二税における民間委託の実績を踏まえて、なぜ他の税目に拡大しないのか。
長谷川税制企画課長:今お答えさせていただきました自動車二税でございますけども、県税の中でも最も件数が多い自動車税は、年間に250万を超える台数の課税がございまして、極めて量が多いということがございます。それに加えて、反復・継続的に生じる事務が非常に多いということがございますので、県税の中でも最も民間委託に馴染みやすいということで、まず実施をさせていただいたということでございます。
こういった実績がございますけども、自動車二税のやり方を、若干性格が異なります他の税目、例えば法人事業税などにそのまま当てはめられるかというと、これはなかなか一概には難しい面があると思っております。
自動車二税以外に民間委託化をするに当たりましては、かなり様々な観点の検討が必要でございます。特に税務の事務は、かなり公権力性が強い事務であります。したがって、公権力の行使に当たらないのかどうか、あるいは税理士法の規定に抵触しないかどうかということをまず考えなければいけないですし、その次に、いわゆる定型的でマニュアル化できるような事務であるかどうかや、民間委託化の効果を生み出せるだけの事務量があるかどうかということが、大事なポイントだと思っております。それからもう1点は、かなりたくさんの個人情報を扱いますので、その個人情報の保護をどうやって図っていくのかということも、大事な視点であると思います。
これらのことを考えた上で、民間委託が本当に納税者のサービスにつながるのか、そして税収確保に寄与するものなのかというところも含めて、様々な観点から十分な検討をしていかなければいけないと認識をしております。
松崎:私は覚えているが、平成20年の導入の頃、当局は、まず自動車二税からと言っていたはずで、その他のものについては、かくかくしかじかというような答弁があったが、そのようには言ってなかったというのが私の記憶である。
それはともかくとして、今の4つの条件、公権力性と定型性と事務量と、もう一つが個人情報。そこでお聞きしたいが、例えば、自動車税関係で既に民間委託化を実現し、実績が上がっている入力事務や申告書の受付といったところに、公権力性あるいは処分性はあるのか。あるいは、逆に定型性はないのか。それから、事務量は膨大ではないのか。 そして、個人情報保護、これは的確なルールを定めて、制裁とかペナルティー、罰則などもきちっと備えておけばクリアできるのではないか。こういったことを考慮すると、入力事務とか申告書の受付といったところは、すぐにでも民間委託化できるのではないか。
長谷川税制企画課長:御指摘のとおりでありまして、入力事務ですとか申告書の受付だけに着目すれば、民間委託が可能な事務はございます。ただ、先ほど申し上げましたとおり、自動車税につきましては、申告の件数で申し上げますと100万件を超えるようなボリュームがあります。これを4箇所の駐在事務所で受け付けているということで、一定程度集約化されているという面があります。
一方、次に申告等や入力事務が多いものになりますと、やはり法人二税でございますけれども、これは年間で約20万件ということで、相対的に自動車税に比較するとボリュームが少ないということもございますし、例えば入力、あるいは申告を受け付けたときに、申告書の記載内容の形式的な確認ですとか、添付書類ですとか、法人の規模などによってそれぞれ違ってきますので、自動車税に比べると、若干複雑な面があるという側面もございます。
したがって、先ほど申し上げましたように、一つひとつの事務を見ますと、民間委託が可能な事務もありますけども、やはり、民間委託の効果が生み出せるまでの事務量というのは、なかなか難しいのではないかという考えがございます。
ただ、私どもも、民間委託化は内部事務の省力化・効率化に寄与するという認識がございまして、自動車二税の民間委託を始めた後も検討はしております。今回、平成26年度に県税事務所を再編するという方向に向けて、様々な事務の見直しを進めているところでありますが、その中で、例えば一つひとつの業務では難しいですけども、いくつかの業務を組み合わせて、ボリュームをもたせて民間委託をするような方法ができるかどうか、そのようなことも含めまして、内部事務の見直しの中で十分検討を進めていきたいと考えてございます。
松崎:今の答弁、最初は消極的なのかと思ってずっと聞いていたが、最後は積極的な感じを受けた。県税事務所の再編は26年度からであり、それと機を合わせてという答弁なので、そこのところはしっかりと御検討いただいて、結果をきちんと出していただきたいと思う。事務量の点についても、いくつか事務を複合的に民間委託化することによってクリアできるような見通しをお持ちのようなので、しっかりと取り組んでいただきたいと思う。
とにかく、県税事務所の機能強化と効率化を同時に進めるということで、再編の年限を切っている以上は、そこでやっぱり一つの出口というか、どういう形でアウトプットするのかということを、内容面にもわたって、しっかりと県民の前に御説明いただけるよう検討と熟考をお願いしたい。
緊急財政対策について
松崎:続きまして、緊急財政対策について伺っていきます。お聞きするのは、県民利用施設の関係と補助金の関係の2点です。
まず、お配りいただいている資料で説明をいただいているのですけれども、分からない事があります。それは、県有施設について、一番最初、議員である私自身を含めて受けたのは、県有施設の全廃という事からこの話は始まっているのですが、県民利用施設について、これまで市町村とか利用者と具体的にどのように調整してきたのか、簡潔にお答え願います。
平田行政改革課長:利用者を含めた県民の方々に対しましては、県内各地で、対話の広場だとか県民説明会の場などを利用しまして、知事あるいは副知事から直接、説明や意見交換の場を設けさせていただきました。
また、県民利用施設の見直しにあたりましては、移譲を検討する施設に限らず、その見直しの内容によっては、まず地元市町村に与える影響が非常に大きいのではないかという事から、これまでの間、市町村を中心に説明に努めてきたところでございます。
説明にあたりましては、個別の施設につきまして、所管局から直接説明を行うのが良いのか、または窓口を集約化してまとめて説明するのが良いのか、市町村のご意向を聞きながら丁寧に対応しているところでございます。また、利用者や利用団体の方々につきましても、県民センターをはじめいくつかの施設で説明を行い、意見を聞いているところでございます。
松崎:市町村を主にというのは分かるのですけれども、今お話をされるのか、会合を持たれるという場合もありますけれども、有償で譲渡するのか、無償で譲渡するのかとか、そういうことが決まってなくて、調整とか相談をされても、される側の市町村はたまったものではないと思うのですが、その辺どうお考えですか。
平田行政改革課長:緊急財政対策として、検討の方向性、それぞれ移譲を含めた検討という形でお示ししたのは、県の内部で検討した結果をお示ししたものでございます。
そうしたことから、まず、そうした県の方向性を整理するに至った考え方、これをまず市町村の方々に丁寧にご説明して、その中で、市町村の方の考えをよく聞きながら、移譲に当たってどのような事が課題になっているか、それを整理しながら調整を進めているというところでございます。
松崎:確かに、議会の場で答弁するとなると、今のようなお答えになるのだろうなというのは想定の範囲内なのですけれども、現実問題として、基本的な事項がはっきりと定まらない中で、移譲を検討すると書いているものがあるわけですけれども、そのような移譲にあたって、どういう考えですよという条件というものは、県として示してもらわないと、市町村は、これ移譲してくれと別に頼んでいたものではないというのが実際のところだったりするわけですから、その辺何か移譲にあたっての条件等はお示しになったのでしょうか。
平田行政改革課長:現時点での調整状況といたしましては、まず市町村の方に私どもの考え方をご説明して、市町村の方がどう受け止められたか、そのご意見を頂戴しているところでございます。具体的には、今委員がお話されましたように、
・今の状況で何も不満がないので引き続き県で管理運営してもらいたい。
・市町村も財政状況が非常に厳しいので、維持管理費がネックになる。
・移譲を受けるメリットは何なのか。
・利用者にとってのメリットは何なのか。
・施設によっては、老朽化しているではないか。
など、そのような様々な意見を、それぞれご説明に上がった時点で頂戴しております。
そうした移譲にあたっての課題を、これからどのように解消していくか、その着地点を見出していくかということを、今検討しているところでございます。
松崎:確かにそうです。最後の答弁が一番リアルな感じがして、おそらくは担当者の人も県の側の人も、どうしていったら良いものかと考えていらっしゃると思うのです。
ただ、一方で緊急財政対策を打ち出して、先ほどご説明いただきましたように、原理原則からすると、色々な出っ張り引っ込みを含めてですけれども、1,600億円、来年度に限って言うと、700億円の財源不足をしっかり念頭におく取り組む事になってきます。そうしますと、色々な事でぎしぎしと軋みが音を立てながら起きてくると私は思います。
もう一つ考えなければいけない、当然の事ですけれども、県民の皆様、利用者の皆様に対して、ではどういうふうに向き合うのかという事です。
具体的な見直し内容が今の段階で明らかでないというのが、どうしてもネックとしてあるので、今の段階で利用者の皆様に具体的な意見を言ってくださいと言っても、意見が出ないのではないかと思います。個々の施設の見直し内容が具体的に明らかにされた段階で改めて県民意見を募るという必要性が私はあると思うのですが、今後パブリックコメントなどを実施する、あるいは県民の皆様からどういう形で意見を、具体化した段階で募るのか、具体化したからといって、それに対して県民の皆様から猛烈な反発があった場合に、これは改めて修正なり考え方を見直すという事は考えているのかお聞かせいただけますでしょうか。
平田行政改革課長:まずは、私どもが示した検討の方向性の考え方につきましては、例えばそれぞれの県民利用施設におきまして、県としてはこういうふうに考えているのだという今の時点でご説明してご意見を伺う事も必要だと思います。ただ、委員がお話されましたように、もう少し方向性がはっきりした段階で意見を伺う必要も確かにあろうかと思います。
今後のスケジュールといたしましては、県民利用施設の見直しにつきましては、来年度前半には一定の方向性についての結論を出していきたいと考えています。
そういうスケジュール感を見ていきますと、来年の第1回定例会で、施設の見直しに関する県としてのロードマップを何らかの形で示していきたいと考えておりまして、これに合わせて、パブリックコメントのように広く県民の方々から意見を伺うという機会も設けていきたいと考えているところでございます。
松崎:少し観点を変えまして、「別添資料2」のところに県単独補助金の調整状況と書いてありますけれども、こちらの方もお聞きします。
この補助金について、市町村、関係団体とどのように調整してきたのかをお伺いします。
落合予算調整課副課長:市町村に対して、知事から市町村長、あるいは副知事から副市町村長、または課長から課長へと、機会を捉えて丁寧にご説明を行ってまいりました。
また、各局におきましても、市町村の担当部局に対して、緊急財政対策の対象となっている補助金について、それぞれ情報提供を行ったうえで、現在調整に臨んでいるという状況です。また、団体の皆様に対しましても、各局において、まず本県の財政状況と今回の緊急財政対策の取組みについてご説明をした上で、補助金の見直し等について、ご協力をいただくよう調整を進めているという状況です。
現在、できる限り、平成25年度当初予算に反映すべく取組みを行っているところでありますけれども、市町村・団体ともに予算、事業計画の策定を進めておりまして、時間的制約もあると考えられますので、年内を目途に見直しの方向性が整ったものについては、平成25年度予算に反映し、それが難しいものについては、平成26年度以降の見直しにつきまして、引き続き調整をさせていただいているという状況でございます。
松崎:今の答弁ぶりから察するしかできないというのは、つまり資料のどんなところを調べても、その内容がブラックボックスになっているのです。
でも、実際に財政当局の中では相当な削り込みをして、手元の中で実は集計して、総額も大体把握しておられる。ただ、それは色々な諸条件を精査しなければならないから、日々上下動するくらいの、かなりギリギリしたやりとりをしているやに仄聞しております。敢えて調整中であったり、センシティブなものが山のようにあるから、ここでそれを一々質問しませんけれども、少なくともお聞きしたいのは、何時ごろ見直し内容について公表する考えなのですか。
落合予算調整課副課長:現在調整を進めておりまして、先ほど申し上げましたように、年内を目途に平成25年度当初予算への反映の可否を見極めていきたいと考えており、その上で、第1回定例会におきまして、平成26年度以降の見直しの方向性も含めまして、ロードマップを公表させていただきたいと考えております。
その際には、市町村や団体、県民の方々にも、なるべく分かりやすい形で「見える化」していくことが必要と考えております。
松崎:ある意味、予算にはいくつか原則があるのですが、その中で言うと、原則に沿った落合副課長のお答えだと思うのですが、そうは言っても、せーのドンみたいな感じで、何百という項目についてあれは30%、これは50%、これはゼロ、あればどうだと出してしまうと、原理原則はそうなのですけれども、それで本当に事足れりとされるのかどうか、という事を私は大変危惧します。それによって、関係団体だけでなく、県民の皆様とかマスコミの方を含めて、県は一体何だという話で、説明責任をこれで果たしたと言えるのかという話に私はなると思うのです。その辺、もう少し丁寧さが必要なのですが、その辺どのように考えていますか。
落合予算調整課副課長:個々の補助金の状況につきましては、それぞれ様々な背景等ございますので、一律に明らかにすることはできないと思いますけれども、平成25年度当初予算編成に向けては、今後時間的な制約もございますけれども、丁寧に調整を進めているところでございます。また、調整が整わない場合は、私どもの方から一方的に削減という事は考えてございませんので、丁寧に調整を進めさせていただきたいと思っております。
松崎:私は責任会派、責任政党と思っていますし、実際そうでありますので、総論賛成、各論反対、自分の関係する団体については絶対認めないぞというようなオンパレードを始めると、全て止まってしまいますから、そのような主義はとらないのですけれども、ただそうは言っても、生活の基盤をバーンと引き抜くような、そういうカットのようなものがオンパレードで続いてしまうような、もし
財政改革、補助金の見直しがはじまるのだったら、それはちょっとストップをかけなければいけないと思っています。
ですから、そういった事を含めて聞いているのですが、丁寧さというかそういうところをよく説明をして、整わないところについては時間をかけたいという考えを財政当局が持っているという事ですから、そこを取り敢えず、今の段階では、資料はないのですが、信用しますから、実際そうでなかった場合には、きちんとやらせていただきます。
ですけれども、そこは覚悟を持ってお進めになると思うので、また、先ほど中村財政部長からご説明がありましたとおり、財政危機は深刻ですから、そういうところの観点はしっかり持っていますので、進め方、県民の生活とか産業の基盤、基本的なところで、ガクッと落ち込むような事が明らかなようなやり方というのは、私は取るべきではないと思っていますが、基本的には財政、その中で、しっかりと相手方の理解と協力が得られる形で進めていただきたいと思います。
- 2013/05/14(火) 00:01:02|
- 神奈川県
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2011年9月14日(水) 本会議代表質問
(質問要旨)
3. 行
財政改革の推進について
(1)県財政の課題認識について
本県を取り巻く経済情勢は、大震災や最近の急激な円高により依然不透明だが、政府の月例経済報告など一部で明るい兆しも公表されている。また、生産に大きな影響を及ぼしていた電力使用制限令も予定より早期に解除され、景気回復の条件が整い、景気が好転し、本県財政にその効果が波及することを期待している。
さて、今定例会では補正予算案として150億円を超える事業が提案されているが、施策を実施するためには、様々な財源を活用しなければならず、健全な財政運営がその鍵となる。
そこで、本定例会に提案されている9月補正予算案は、様々な財源を活用し、編成されたものであると考えるが、この9月補正予算案を提案するにあたり、現在の本県財政状況をどのように認識したのか。また、神奈川の舵取りを行う上で、将来に向けた本県財政の課題については、どのような認識を持っているのか、率直な所見を伺いたい。
(知事答弁)
次に、行
財政改革の推進について、何点かお尋ねがありました。
はじめに、現在の本県の財政状況と将来に向けた県財政の課題認識についてでございます。
まず、現在の財政状況ですが、歳入の多くの割合を占める県税収入については、法人二税の減収などから、当初予算額の確保は厳しいものと見通しており、歳出面では、介護・措置・医療関係費の増加が見込まれるなど、今後も厳しい財政状況にあると認識しております。
こうした中で、今回の9月補正予算については、取組みが求められている喫緊の課題にスピード感を持って的確に対応する必要があるため、国庫支出金や基金などの特定財源を最大限活用する工夫をしながら、一般財源を極力抑えて編成したところであります。
次に、将来に向けた本県財政の課題ですが、歳入面では、法人二税の割合が比較的高いことから、県税収入が景気変動の影響を受けやすい不安定な構造であることに加え、人口一人当たりの地方税や、地方交付税等の一般財源が全都道府県で最小であるなど、十分に財源が確保されていないことであります。
一方、歳出面では、まず平成27年には県民のおよそ4人に1人が高齢者となる超高齢社会の到来などに伴う介護・措置・医療関係費の急増が見込まれております。
さらに、ここ数年の臨時財政対策債の大量発行により、県債残高が3兆3千億円を超え、今後も償還に関する公債費が増大していくことが見込まれており、こうした義務的経費が年々増加し、硬直化が進んでいることが最大の課題であります。
したがって、将来的にも、非常に厳しい財政運営を余儀なくされることが見込まれますので、「いのち輝くマグネット神奈川」の実現を目指し、エネルギー関連の新たな産業や雇用の創出により、県内経済を活性化させ、税収増を図ってまいります。
併せて、安定的な税財源の移譲を今後も国へ強く働きかけるとともに、より一層「選択と集中」を徹底させ、必要な施策に財源を重点配分できるよう、努めてまいります。
(再質問)
それから、行
財政改革の推進については、2点お伺いをいたしました。
県財政の課題認識というところで、お伺いをしたわけですけれども、この点については再質問させていただきたいと思います。
当初予算におきまして、補正予算対応の財源としては、県税の計上50億円を留保したというところでございます。我が会派ではこのことについて、言及をさせていただいてきたということもございますが、5月、6月補正予算において計上したのは18億円ということで、残り32億円をこの9月補正で計上するところを今回税収見込みが厳しい中、見送ったということでございます。
知事の御答弁でも現在の本県の財政状況に関して、東日本大震災の影響から、法人二税の減収が見込まれるなど税収確保が厳しいこと、それから、子ども手当への負担金など歳出面での負担増が見込まれることなどから、今後も税収動向などを注視しながら、慎重な財政運営が必要であると、また、さらには、本県の税収構造などから、将来的にも厳しい財政状況が続くと、こういう認識が、今、示されたわけでございます。
この財政状況におきましては、より慎重な議論と検討の上に、そしてまた、仰っているように、「選択と集中」という観点のもとで、喫緊の県政課題に対応できるように舵取りをしていくことが必要だと、私もそう思います。今、知事がお述べになっている、この「慎重な財政運営」ということと、それから今も知事が常々発言をされておられますけれど、「圧倒的スピード感を持った県政運営」、これを、ではどのように整合性を図っていかれるのか、ここのところを改めて知事に御所見をお伺いしたいと思います。
(知事)
「慎重な財政運営」と「圧倒的なスピード感を持って取り組む県政運営」と、どのように整合性を図るのか、伺いたい、ということでありました。
この財政状況厳しいという状況の中で、慎重な財政運営を行うということは、これはもう何度も申し上げているところであります。
しかし、喫緊の課題には迅速に対応する必要があります。そこで私は、知事就任以来、県政史上初となりました5月補正予算、これに続く6月補正予算を編成しまして、東日本大震災の発生に伴う電力対策や地震防災対策等に圧倒的なスピード感を持って取り組んできたところであります。
今後とも、財政収支をできる限り見通した上で、「選択と集中」による施策事業の重点化、特定財源の最大限の活用など、厳しい財政状況を踏まえた慎重な財政運営を行うとともに、取組みが求められている課題にはスピード感を持ってしっかりと対応することにより、財政運営と政策推進を整合させてまいりたいと考えているところであります。
(松崎)
再度の発言をお許しいただきたいと思います。知事、御答弁ありがとうございました。
まさに、「いのち輝く」という部分で、しっかりと県政を推進していくということの思いを受け止めさせていただいたところでございます。
私どもでは、これからまた、代表質問、一般質問、そしてまた各常任委員会におきまして、本日お答えをいただきました諸点につきましても、深く掘り下げて審議を行わせていただきます。
どうかよろしくお願いします。ありがとうございました。
- 2013/05/13(月) 05:24:21|
- 神奈川県
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神奈川県議会 平成19年9月定例会本会議での一般質問と答弁
<質問内容>
より透明で効率的な行財政の推進について
●(1) 「かながわ方式」により、 250万円を超える案件は条件付き一般競争入札に変更され、入札結果も電子入札システムを活用して公表するなど、透明性の一層の向上が図られた。
しかし、指名競争入札の入札結果の公表は、一般の委託や請負において 100万円を超える案件だけがその対象となっており、物品の購入・借入れについては、公表されていないという状況にあるなど、指名競争入札の入札結果の公表対象はまちまちとなっている。
そこで、入札制度の透明性・客観性を高める観点から、すべての入札結果を公表すべきであると考えるが、現在の公表と非公表の基準はどのような考え方から決められたものなのか、具体的に伺いたい。
また、公表する際の県側の作業も、電子入札システムを活用することにより、簡便に公表ができると思うので、平成20年度から、指名競争入札の結果についてもすべて公表すべきと考えるが、所見を伺いたい。
○松沢知事答弁
次に、物品調達等に係る入札契約制度について、2点、お尋ねをいただきました。
はじめに、物品調達及び一般業務の委託における入札結果等の公表・非公表の基準の考え方についてであります。
入札結果等の公表につきましては、平成8年6月から実施しているところでございます。
公表対象につきましては、庁内横断的な組織であります「神奈川県物品調達等入札・契約制度改善推進会議」において、入札契約制度改善の目的でございます透明性の向上と競争性の確保、工事関係の公表基準との整合性及び公表に当たっての事務量といった観点で検討を行いました。
その結果、一般業務の委託につきましては、予定価格の額が 100万円を超える案件について、それ以外の物品の購入等については、予定価格の額が 250万円を超える案件を公表対象とし、その額以下の案件につきましては、情報公開の手続きにより対応することとしたものでございます。
次に、公表対象の見直しについてでございます。
県では、議員のお話のように、「かながわ方式」を平成18年4月から実施し、本庁におきましては、条件付き一般競争入札については年度当初から、指名競争入札については同年10月から、電子入札を導入したところでございます。
今回の入札契約制度改革は、「適正な競争性と透明性を高める環境づくり」を視点の一つとしており、電子入札システムの導入により、入札執行等の事務手続きの効率化が図られ、県民や事業者の皆さんが容易に入札情報を得ることも可能となっております。
本年10月からは、出先機関においても、順次、電子入札システムを導入することとしておりますので、この導入状況も勘案しながら、「物品調達等改善推進会議」におきまして、平成20年4月実施に向けて、公表対象の見直しの検討を進めてまいりたいと考えております。
●(要望) 透明性ということをキーワードとしながら、一点、要望させていただきます。
入札の関係で答弁をいただきましたが、現在、非公表となっている指名競争入札の部分については、現状では情報公開請求をしてくれというお話もあったかと思います。
しかしながら、これでは競争入札と、およそ銘打っておりながら結果についてさえ公表されていないという、透明性の確保という点で非常に問題が多いと思っております。
答弁の中では、20年4月実施に向けて検討を進めていくという前向きなお答えがありましたので、是非ともこういった点では、改善と言うよりも改革の視点で取組をよろしくお願いします。
●(2) 県有財産の有効活用について
ア 庁舎や職員公舎等の跡地、或いは、県営住宅の建て替えなどの事業によっては生じた跡地等について、長年にわたり、有効活用等の方策が明確でないままの土地がある。横浜市金沢区においても、県営住宅用地の一部に空き地が生じ、10年以上も利用されていない。
こうした土地については、次の活用が進まない場合もあるが、ただ遊休地とするのは、いかにももったいないので、よりきめ細かい利用促進策を考える必要がある。
そこで、現在、県が利用していない土地で、売却などの処分が難しい土地が約10万㎡もある中で、県有財産のさらなる有効活用という観点から、貸し付け等による活用を図るべきと考える。そこで、これら処分が難しい県有地について、貸付けの可能性も含めて、今後、有効活用に向けて、どのように取り組んでいくのか、伺いたい。
○知事答弁
次に、県有財産の有効活用について、お尋ねがございました。
まず、処分が難しい県有地の有効活用についてでございますが、県機関の再編整備等で生じた跡地につきましては、まず第一に、県自らが利用、次に地元市町村における公的な活用、そして、こうした公的な活用が見込まれない場合には、民間への売却により財源確保の一助とすることを基本としております。
しかしながら、県の保有している跡地の中には、民間への売却など処分が難しい土地もございまして、こうした土地の大半は、傾斜地や、道路に接していない土地などで、売却はもとより、貸付けにも適さず、利活用が物理的に難しいものでございます。
ただ、中には、境界が確定できないなどの理由で、売却することが困難となっているものの、暫定的に他に貸付けすることが可能なものもございます。
こうした土地につきましては、議員のお話にもございましたように、財源確保などの面からも貸付けという方法で有効活用を図ることは、大変意義のあることと考えております。
そこで、今後は、処分の難しい土地につきましても、それぞれの県有地の状況を考慮する必要がございますが、こうした視点も十分に踏まえて、できる限り貸付けを行うなど有効活用を図ってまいりたいと考えております。
(再質問)
次に県有財産の有効活用について、何らかの指針のようなものを設ける時期にきているのではないかというお話がございました。
県の保有している跡地につきましては、先ほど答弁させていただきましたが、公的利用を図る、県で使うかあるいは県で使わない場合は市町村で公的利用があるのか、ない場合は、財源確保の観点から、売却を基本としていく。その中で、売却が困難な土地につきましても、貸付けなどが可能なものはできる限り有効活用を進めてまいりたいと考えております。
また、こうした姿勢を、全庁に浸透させて、積極的に取り組んでいく必要もございますので、議員からお話のありました、「県有地の有効活用に関する基本的な考え方」といったものを整理して定める必要もあると考えております。
今後、有効活用を具体的に進めるにあたって、どの程度の期間、どんな目的で、どのように活用していただくことが適切かなど、基本的な事項を整理いたしまして、県としての考え方を策定していきたいと考えております。
●イ また、県営住宅用地については、先ほど例にあげた金沢区内の団地においては、2000㎡程度が空き地になっており、ある程度まとまった面積の土地であると認識していますが、境界が確定していないこのような土地について、すぐに処分が難しいのであれば、例えば駐車場で一時使用するなどの有効活用を図りやすいと考えますが、どのように考えているのか、お答えください。
○知事答弁
次に、現在空き地になっている県営住宅用地の有効活用について、お尋ねがございました。
これまで、県営団地の建替えなどによって生じた跡地については、先程もお話ししましたとおり、行政目的で利用する場合を除きまして、民間に売却するという方針のもとに、順次、処分を進めているところでございます。
平成16年度から18年度までの3年間の県営住宅の跡地の売却実績を申し上げますと、計17件約3千7百平方メートルの用地を売却いたしております。
そのような中で、土地の境界が確定していないなどの制約により、売却することが難しい土地につきまして、これまでも地元からの要望があった場合には、地元の方々に広場や防災倉庫設置場所として利用いただくなど、有効活用を図っているところでございます。
しかしながら、このような土地の活用に加えて、一定の間、民間事業者に貸し出すことも一つの活用策と考えております。
そこで、現在空き地になっている県営住宅用地につきましては、今後とも、売却に向けて取り組むことはもとより、県有財産の有効活用の観点から、民間の提案をお聞きし、それを活かせるような検討を行い、来年度、できる所から、駐車場としての活用などモデル的に実施してまいります。
- 2013/05/12(日) 05:44:52|
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2012年6月19日(火) 本会議代表質問
(質問要旨)
1. 知事の県政運営における基本姿勢について
(2) 緊急財政対策について
5月26日に開催された第2回緊急財政対策本部の調査会での委員の意見が、翌日、 「県有施設の3年原則全廃」、「補助金一時凍結」といった記事で、あたかも県の姿勢で あるかのごとく報道されていた。
まさに、市町村や関係団体、県民にとって寝耳に水で、多くの方々が不安を感じたことと思う。県民代表として、この緊急財政対策については、これまで以上に注視していかなければならないと思いを新たにしたところである。どのような素晴らしい改革も、理想も、そこに住み、集う人々の理解がなければ、実現は難しい。まずは、緊急財政対策の意義や進め方、調査会の意見、それに対する県の考え方など、緊急財政対策に関する事項について、県からしっかりと発信し、県民と情報を共有し、理解を得ることが重要と考える。
そこで、緊急財政対策について、今後、市町村や関係団体、県民と、どのように情報共有を図り、理解を求めていくのか、所見を伺いたい。
(知事答弁)
次に、緊急財政対策に係る県民との情報共有等についてであります。
私が、緊急財政対策本部を立ち上げましたのは、予算編成を通じて本県の厳しい財政状況を改めて実感し、このままでは
神奈川県はつぶれてしまうとの強い危機感を持ったからであります。
そこで、こうした厳しい財政状況や緊急財政対策の取組みを、多くの皆様にご理解いただき、危機感を共有した上で、どのように対応していくべきか、ともに知恵を絞っていきたいと考え、新年早々から様々な会合で訴えるとともに、県のたよりやホームページを通じてアピールしてまいりました。
さらに、3月22日には、教育と財政をテーマにする「対話の広場」を開催し、私自身が直接県民の皆様と意見交換を行いましたし、市町村長に対しても、市長会議、町村長会議の場で、私や県幹部から直接ご説明し、ご意見をいただいてきたところであります。
こうした中、先般開催されました第2回調査会では、「県有施設は3年以内に原則全廃という方向で検討」、「補助金を一時凍結し、全て見直すことが必要」といった大変厳しいご意見をいただきました。
これは、まさに、本県財政の危機的状況を背景とした、明確なメッセージであると受け止めており、県民の皆様には、これまで以上にしっかりとご説明していく必要があると考えております。
そこで、第2回調査会後に開催した緊急財政対策本部において、市町村や団体に、これまでの経過や今後の対応について、丁寧にご説明し、意見をいただくよう、私から指示を出したところであります。
当面は、6月22日に市町村への説明会を開催するとともに、団体に対しても、各局が個別に訪問し、ご説明することとしております。
今後、調査会の議論も深まり、県としての具体的な考え方もお示しすることとなりますので、議会でご議論をいただくことはもとより、様々な機会を捉えて、私をはじめ県幹部職員が、市町村や関係団体、県民の皆様にご説明し、理解を求めてまいります。
- 2013/05/11(土) 00:25:53|
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2012年6月19日(火) 本会議代表質問
(質問要旨)
1. 知事の県政運営における基本姿勢について
(4) 人件費の抑制について
本県ではこれまでも、職員定数の削減、給与や管理職手当など各種手当の見直し等、人件費の抑制に継続して取り組んできたが、厳しさを増す財政状況や国家公務員の給与減額の流れの中で、さらなる人件費見直しは避けられないと考える。
緊急財政対策本部調査会の議論を踏まえ慎重に検討するという考えもあり得るが、これまで長年に渡って県が取り組んできた経緯、県民の関心の高さ、人件費削減の影響を直接受ける職員、そのトップに知事が立っているという事実を考え合わせれば、有識者の議論を待つのではなく、早急に見直しについての基本的な考えを明らかにすべきである。また、各種手当についても、特に自宅所有者への住居手当については、その趣旨が県民から見て非常に分かりにくくなっている。
県民の理解が得られないものは、基本的に理解を得られるよう改めるべきである。
そこで、人件費の抑制について、知事として、現時点でどのような方針を念頭におかれているのか、また、各種手当について、県民サイドの視点を重視して見直しを行うべきと考えるが、所見を伺いたい。
(知事答弁)
次に、人件費の抑制についてであります。
本県では、厳しい財政状況の下、平成9年度以降、本県職員数の削減とあわせて、職員給与の引下げ等を図り、人件費の抑制に努めてまいりました。
具体的には、職員数については、業務プロセスの徹底的な見直し等により、知事部局では、平成9年度の職員数13,551人を、平成24年度当初には7,629人と、この15年間で半数近くの職員を削減してまいりました。
また、職員の給与についても、平成10年度以降、国や他の都道府県に先駆けて、本県独自の給与減額措置を実施し、合計で1,100億円を超える減額をしてまいりました。
さらに、特殊勤務手当などの各種手当につきましても、時代の変化や職員の業務実態に応じた見直しに取り組んでまいりました。
一方、本県の財政は依然として危機的な状況にあり、緊急財政対策本部においては、施策・事業や補助金・負担金などを見直す取り組みを進めていきたいと考えており、人件費については、平成24年度当初予算で 42.6%を占めていることから、人件費総額の抑制は、極めて重要なことと考えております。
(次葉に続く)
こうしたことから、引き続き、組織再編や事業の見直しなどにより、職員数の削減に取り組むとともに、職員にも相応の負担を求めるなど、人件費総額の抑制に取り組んでまいります。
また、議員お話しのとおり、自宅所有に係る住居手当についても、人事委員会の報告を踏まえ、課題を整理し、廃止に向けた検討をしてまいりたいと考えております。
(要望) 人件費の抑制についても取り上げさせていただきました。人件費の抑制について、給与と手当の見直しを検討していくという答弁をいただきました。今までにない踏み込んだ答弁で大きな前進と受け止めさせていただきます。ただ、県民の目線は厳しいものであるということを意識していただいて、県民理解の得られない部分については、是非見直しを進めていただきたいというふうに重ねてこれも要望させていただきます。
- 2013/05/10(金) 23:32:49|
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神奈川県議会 平成19年9月定例会本会議での一般質問と答弁から
神奈川県国民健康保険団体連合会の平成17年度の決算状況を見ると、収入済額から支出済額を差し引いた差引残高は19億 8,800万円であり翌年度への繰越金となっている。毎年の差引残高が十数億円という状況が続いており、年度を跨いで繰り越されている。
神奈川県国民健康保険団体連合会の決算については、市町村等の保険者の承
認を得ているというが、剰余金が長年にわたり繰り越されていることについて、
神奈川県国民健康保険団体連合会の設立を認可している県の助言指導も適切ではなかったのではないかと思っている。
そこで、以上のことについて、私は、昨年度の厚生常任委員会において指摘し、剰余金の縮減及びその活用に向けての県の
神奈川県国民健康保険団体連合
会に対するさらなる助言指導についてお願いしてきたところであるが、改めて、
県として今後どのように対応していくのか、伺いたい。
○ 知事答弁
○ 次に、
神奈川県国民健康保険団体連合会の剰余金についてのお尋ねをいただきました。
○ 神奈川県
国民健康保険団体連合会、いわゆる国保連は、その設立目的を達成するために保険者との契約等に基づき事業を行っていることから、事業内容、事業方針、財政運営等については、当事者である保険者と国保連で決定されるものでございます。
○ 県としては、議員からお話のありました剰余金についても、保険者である市町村等と国保連で構成する総会等において十分な協議を行っていただくことが適切であると考えております。
○ これまでも、県では、国保連に対して、
・ 剰余金の扱いについて、様々な機会を捉えて保険者と率直な意見交換を行い、的確な意向把握に努めること
・ 剰余金の具体的な縮減や活用については、運営協議会、理事会、総会の場で十分な協議を行い、保険者との合意形成を図ること
等を強く助言指導してきたところでございます。
○ こうしたことから、現在、国保連では、後期高齢者医療の審査支払事務の受託決定や特定健診等の実施に伴うシステム構築の見込み等を踏まえ、剰余金を含めた今後の財政計画についての協議を重ねており、保険者の全員が出席する来年2月の総会に諮り、承認を得ていく予定であると伺っております。
○ したがいまして、県としては、引き続き、この剰余金について保険者の合意が得られる形で対応がなされるよう注視し、国保連に対して必要な助言指導を行ってまいります。
● (再質問) 国保連の会計は、1兆 3,000億円と巨額であるのに透明性が担保されていないという問題がある。毎年の剰余金については、昨年度の厚生常任委員会で要求した決算資料においても記載されていない。毎年繰り返されてきたこうした事実、あるいは金額に至っては県民から見れば全く不明である。また、剰余金や繰越金の使途についても疑問なしとしません。
私が調べでみますと、剰余金や繰越金はレセプトの磁気化ということに投入されています。システムの開発からスタートしており、よく調べてみますと、レセプト審査の迅速化、高度化ということは、他都道府県共通の課題でありまして、聞くところによりますと、東京は東京でシステム開発から始め、埼玉は埼玉でシステム開発から始めているということであります。
しかし、審査の対象は診療報酬の支払請求という原点は同じでありますから、各都県共通で開発できるものもあるはずです。しかし、1回で済むものを各都県でやるのはいかにも無駄であると思う。
そして、さらには、説明責任を果たさなくても是正改善を命ずることすらできないという問題であります。
県内で国民健康保険に加入している方は、 324万人であります。また、国保連では、介護保険や支援費についても会費を預かっています。そういう人たちの支払った保険料が毎年剰余金となっても、それは余りっぱなしになっていて、また、事実を公表しなくても、あるいは無駄に無駄を重ねるように使われても、誰も「おかしい」とか「きちんとしてください」と言うことが、果たして、言えないのでしょうか。
実は、国民健康保険法第 108条で、県は国保連に是正改善命令が出せるんです。それで、昨年度の委員会質疑でも、県は厚生労働省に問い合わせており、同法では剰余金の多額について規制する規定はないから是正命令は出せないという見解を、わざわざ厚生労働省からいただいているということです。結果として、1兆 3,000億という巨額なお金を預かっている国保連の説明責任というのは、今もってうやむやのままであると言わざるを得ません。
そうすると、果たしてまじめに保険料を払っている方々、あるいはこれから負担増、これまでも負担増を求められてきた県民に納得してもらえるかどうかという点なんです。
これに対して、言うべきことは言うというスタンスでこられた松沢知事ですから、この点について直ちにこのことを次々と問題点として出してもらいたいというよりも、きっちりと受けとめてどのようにしたらよりよい形で県民に見える形にできるかということをご検討いただけないものか、伺いたい。
○
知事答弁
○ 剰余金の使途に関して様々な問題があるということは、松崎議員ご指摘のとおりであると思います。
○ 国民健康保険制度は、給付と負担の公平を図り、安定的で持続可能な制度とすることが不可欠でありますから、これは全国レベルの課題として取り組んでいく必要があると考えております。
○ 私どもとしても、この改善の指導を適宜行っているわけでありますが、ただ、この法的な担保の中で、それを是正命令とか勧告というところまでは、私たちは越権行為だという判断を持っております。
○ そこでですね、今、全国知事会の方で、これは市町村ではなく国を保険者とする国民健康保険制度の一元化を図っていく、それでないとずーっとこうした問題がついてまわりますから、それを全国知事会として要望しておりまして、県としても、その方向で改善を求めてまいりたいと考えております。
- 2013/05/09(木) 05:15:30|
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平成19年2月28日 厚生常任委員会質疑のまとめ
<神奈川県国民健康保険団体連合会に対するその後の対応について(医療課)>
松崎 ● 12月定例会で、神奈川県国民健康保険団体連合会の剰余金に関していろいろと質問し、答弁をいただき、また、要望も行ったところであるが、それに関連して何点か伺いたい。
● まず、12月定例会でいろいろ議論させていただいたが、その12月定例会の後、県としてどのような対応をしたのか伺いたい。
医療課長 ○ 12月の常任委員会において、委員から国民健康保険団体連合会の剰余金の扱いについてのご質問、ご要望をいただいたところである。常任委員会の最終日の翌日に私自身が国保連に出向き、常任委員会で出された質疑の状況を伝えるとともに、多額となっている剰余金の扱いについて検討するよう指導を行ったところである。
○ また、2月7日及び8日に国保連に対して行った定期指導の場でも、改めて、剰余金の縮減やその活用について理事会等で保険者の方々と十分な協議を行い、合意形成を図ること、また、場合によっては理事会等以外の場でも率直な意見交換を行うよう指導したところである。
松崎 ● 医療課長が自ら出向いて指導を行ったということである。直接出向いて指導を行ったその根底にある考え方はどういうことなのか伺いたい。
医療課長 ○ 12月の常任委員会でもご質問いただいたところであるが、国保連に多額の剰余金が集まるということで、その内容について、国保連とそれを構成する市町村に十分お考えいただいて、この額が適当なものなのかについて協議いただくようお願いをするという考え方である。
松崎 ● そういう県の指導を受けて、今、国保連ではどのような対応をとっているのか伺いたい。
医療課長 ○ 今月国保連の方でもいくつか会議が開かれている。例えば、2月2日に保険者の代表で構成する国保連運営協議会、2月14日に理事会、また2月23日に総会が開かれ、その場において、来年度の予算等についての審議が行われている。その場で剰余金の取扱いについて国保連の方から説明し、その中で意見交換が行われたと聞いている。
○ そこでは、剰余金の活用については将来の財政と併せて考えていきたい事を基本として、ただ、国保連の場合は、状況が大きく変わっており、医療制度改革やIT化の推進への対応が求められているということで、今後5年位の業務運営及び財政の見通しを考えなくてはいけなくなっている。ただその場合、平成20年度からスタートする高齢者医療制度の審査・支払業務を国保連で受託できるかということも大きく影響を受けるので、今、具体的な財政見通しは決められないが、その中で剰余金の縮減やその活用について一緒に考えていきましょう、という事で国保連の方から説明をして、保険者の方々からご了解を得られたと聞いているところである。
松崎 ● 県としてそれではどのような対応が可能で、またどう対応していくつもりなのか伺いたい。
医療課長 ○ 県としての今後の対応ということであるが、県は、国保連に対して、財産の管理執行等について、経費の不当支出とか財産の不当処分等の法令等に違反する場合には、国民健康保険法第108条の規定に基づき、是正改善命令等ができることになっている。
○ 今回ご指摘のあった剰余金について県としては是正改善命令するものではないと考えているところであるが、改めて厚生労働省に確認したところ、「国民健康保険法では剰余金について規制する規定はないことから、剰余金の多額が法第108条の違法・不当には当たることはなく、県が、この規定に基づき是正命令等を行うことはできない。」との見解が示され、その理由として、「国保連の業務は、保険者との契約に基づき行われるものであり県はそれを尊重して対応せざるを得ないこと、また、決算の認定に当たっては保険者も総会に出席する等して関わっているので、当事者間で十分話し合っていただく(問題である)。」という話であった。
○ したがって、県としては、保険者と国保連で構成する理事会等において、剰余金について十分話し合いをしていただき、決定されたこと尊重し、国保連が保険者と十分お話をしていただいて対応するよう、引き続き助言・指導という形で対応したいと思っている。
松崎 ● これからも引き続き助言・指導を行っていくということでよいか。
医療課長 ○ ただ今申し上げたとおり、引き続き十分国保連の方にはお話し合いをしていただくようお願いしていきたいと思っている。
松崎 ● 端的に言って、国民健康保険加入者が324万人、それで介護保険の改定も国保連でやるとなると、そちらと合わせると、支援費の関係も合わせるとだが、1兆5千億円、これは神奈川県の一般会計の1兆6千億円とほぼ同額と言っていい額である。
● その中で、毎年10億円を超える剰余金が出ていて、しかもそのことが、あの会計決算要求資料の中にも計上されていないのだから浮かび上がらず、関係者しか知り得ないという状況の中で、余剰金が各年度それぞれ生まれ、そして多額の繰越が行われてきたということである。
● そのことを当委員会で指摘し、助言・指導を実際に県は行ったというが、理事会等でも議論があったというが、申すまでもないが、その剰余金の使途が、これから先会計が厳しくなるかもしれない、けれどもまた新たな会計が入ってくるかもしれない、この「かもしれない」が多過ぎる。過去に剰余金が積まれた繰越金の透明化をどのように図るかということである。扱っている会計そのものがまさに国民健康保険とかあるいは介護保険というような「公共の会計」であるので、その点について、発揮できる権限の範囲内とはいえ、きっちりと引き続き助言・指導を行っていただきたいと思う。県民の皆様、加入者の皆様から見えるようにしていただきたいという事がまず要望の1点である。
● それからもうひとつは、前回の定例会の質問の最後に申し上げたことだが、昨年の10月から現役並みの所得の高齢者は負担金が3割に引き上げられている。そして、現役並みでない方も1割負担がまもなく2割負担に変わろうとしている。保険だからその性格は違うとはいえ、まさに支払っている側が対価としてのサービスを受けるわけだから、お金を払っている側から会計の内容が一義的に明快でない、よく分からないままであってはいけないと思う。せっかくこれから指導・助言をするということなので、是非ともこの剰余金の今後の扱いを含めて透明化を図るよう助言・指導を行っていただくことを強く要望する。
- 2013/05/08(水) 07:26:44|
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平成18年12月18日 県議会定例会 厚生常任委員会質疑のまとめ
<国保連の剰余金について(医療課)>
医療課長 (答弁訂正)
○ 12月14日開催の常任委員会において、松崎委員から国保連合会について質問をいただいたところである。その際、平成16年度から17年度への繰越金について15億4,022万円と答弁したが、20億6,000万円であったので訂正する。ご迷惑をおかけしてお詫び申し上げる。
松崎 ● 要求した資料が出てきた訳だが、いただいた決算書の中では、各会計の剰余金の記載がないが、どういう理由か。
医療課長 ○ 剰余金については、国保連合会から提出された資料に基づき当該年度の剰余金という形で集計したもので、集計の例を申し上げると、例えば、17年度だが、資料の1ページで5億6,672万円となっている。その発生状況について、色々会計があるが、例えば診療報酬審査支払特別会計だが、その中身は診療報酬審査支払手数料及び共同処理業務手数料を主な歳入とするもので3億8,400万円程度の剰余が出ている。また、介護保険事業関係業務特別会計だが、これは介護給付費審査支払手数料及び共同処理業務手数料を主な歳入とするもので、8,100万円程度の剰余が出ている。そういった形で各会計毎の集計を行い、最終的には5億6,672万円の剰余となっている。
松崎 ● 各年度毎に剰余金が発生してくるという資料だが、構造的なものがあるのか。
医療課長 ○ 各年度剰余金がでてくるが、ただ今申し上げたように審査支払手数料関係では、支払件数の増加等により比較的収入が確保される事業であるので剰余金が出るというところはある。
松崎 ● 私はどうも構造的なものだと感じているが、そもそも、お金の拠って出てくるところは誰のお金なのか。全体では1兆円を超えている訳だが。
医療課長 ○ 添付した参考資料で見て頂くと、総額で1兆円を超えるという状況だが、大きな部分を占めるのは、国保連が保険者から受託し保険医療機関等に支払うというものがあり、例えば、国民健康保険診療報酬支払勘定、老人保健診療報酬支払勘定、介護給付費支払勘定等というものが特に多額になっている状況で、これは国保連が保険者から預かったものをそのまま保険医療機関等に支払うものであり、国保連のお金ではないということはご理解いただきたいと思う。
松崎 ● そのお金だが、端的な言い方をすると被保険者からのお金と考えてよいか。
医療課長 ○ 出所は被保険者であると思う。
松崎 ● 被保険者数だが、お答え頂くこともなく、保健福祉行政の概要によれば324万人である。剰余金が毎年出てくるということだが、この被保険者に返還はしないのか。
医療課長 ○ 剰余金については多額になっているということで、そういう声が国保連の方に行っているということであり、国保連でも保険者への還元ということで検討いただいており、18年度から保険者負担金のうち被保険者数割の50%を減額するとか、審査支払手数料の引下げを行う等に取り組んでいるところである。
松崎 ● それから、添付されている決算状況の資料だが、ここに県の補助が入っていると思うが、その金額はいくらぐらいか。
医療課長 ○ 一般会計に700万円程度入っている。
松崎 ● 一般会計に700万円程度ということだが、保健福祉行政の概要で、国民健康保険高額医療費共同事業負担金ということで30億8,000万円とあり、国保連が実施する高額医療費共同事業に一定割合を負担するとあるので、決算の数字に入ってくると思うのだがその辺はどうか。
医療課長 ○ 入っている。これは法に基づき、保険者が支払う高額医療費の実績に対して県が4分の1を負担するものであり、形式的には国保連への支出だが、内容的には国保連への支援ではなく、保険者に対する支援である。
松崎 ● いずれにしても、県がかなり深く関与していることはお金の面からも明らかである。色々答弁いただいたので改めて申し上げないが、剰余金が出ていることについてどのようにお考えなのかというのと同時に、神奈川県国保連も全国の国保連と同様だと思うのだが、診療報酬、介護報酬、自立支援費等の審査、支払機関ということで、だからこそ年間予算が1兆3,643億円にもなり、県の予算と比べるといかに大きいかがわかると思うが、いずれにしても是正の手だてとまでは言わないが、使い道のあり方、あるいは妥当性ということを、剰余金が毎年出てくるという仕組みがある訳であるから、被保険者から見てどうなのか、医療費適正化だと言われている訳であるので、是非ともお考えいただくとして質問を終わる。
- 2013/05/07(火) 06:38:09|
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平成18年12月14日 県議会定例会 厚生常任委員会質疑のまとめ
<国保連の剰余金について(医療課)>
松崎 ● 前年度からの繰越金、ここ10年、各年度どういう状況にあるのかをお聞かせ願いたい。
医療課長 ○ 平成17年度の決算で申し上げると、収入済額から支出済額を差し引いた差引残高は19億8,878万2,248円で、そのうち15億4,022万円は前年度からの繰越金である。
松崎 ● ここ10年間ということでお聞きしたいのだが。
医療課長 ○ 10年全てはないが、14年度、15年度、16年度を追加して申し上げる。平成14年度は25億1,900万円である。平成15年度は21億2,400万円、それから平成16年度は20億6,000万円ということである。
松崎 ● そうすると確認であるが、平成14年度から25億、21億、20億、それから15億ということか、繰越金は。
医療課長 ○ 平成17年度は差引繰越金の残高が19億8,000万円である。
松崎 ● だから、前年度からの繰越額はどうか。
医療課長 ○ 前年度からの繰越額は、15億4,000万円である。
(暫時休憩)
松崎 ● 今の答弁で平成17年度の国保連の決算において前年からの繰越金が15億4,000万円あるということが明らかになった。私自身がこの国保連に深く関係している保険者機関の皆さんから色々お聞きすると、過去ずっと繰越金が大変大きな問題になっていたと。具体的にいうと、この繰越金は今回示された額でも15億円と大変巨額であるが、こうした繰越金がずっと貯まっていて、それをどうするかということが課題になっていたわけだが、それはそのとおりか。
医療課長 ○ これまでの繰越金について、平成17年度については15億4,000万円ということで、その前の年も大体同じ程度はあったのではないかということは認識している。
松崎 ● 県と国保連はどういう関係に立っているのか、つまり、県はこの国保連に対してどういう権限を持っているか。
医療課長 ○ 国保連の事業運営については、基本的には国保連と保険者の当事者間で協議し、決定していくということになるが、県の立場として財産の管理執行等について、経費の不当支出とか、財産の不当処分など法令に違反するものがある場合には、是正改善命令等ができるという
国民健康保険法の規定がある。
松崎 ● 「是正改善命令権」を有しているということである。そこでお聞きしたいのだが、この15億円もの多額の剰余金が累年発生しているということを県は承知していたか。
医療課長 ○ 平成17年度にそういう繰越があったということについては承知している。
松崎 ● いつごろ知ったのか。
医療課長 ○ 決算については、県に決算書の報告をいただく中でその内容については承知しているところである。
松崎 ● どうも齟齬が見られるのだが。是正改善命令という法令違反に関しての権限を有しているというが、今の答弁では財政上の剰余金が日常的にあって、しかも決算報告書は提出させているという。会計の内容を質問したところ、関係書類は問い合わせてとの答弁であった。その辺がどうも良くわからないので、県と国保連の関係を整理してお答え願えないか。
医療課長 ○ 当該年度の剰余金の内容については聞いていたところである。
松崎 ● 今年度になって15億円もの巨額の剰余金があることを知ったというが、知ってどうされたのか。
医療課長 ○ 剰余金の問題について、国保連に指導助言という形で伝えていきたい。
松崎 ● これから、指導助言していきたいという答弁であるが、ところが最初のお答えでは、17年度だけでなく、その前の年度も、さらにその前の年度にも、いわゆる複数年度にまたがって継続していたとことも実は把握されているわけである。ところで、これから指導助言していきたいというわけだが、私の方で調べたところでは、この15億円は実はもう何かに使われているのである。その何かというのは、どうもレセプト関係の電算化システム、あるいはコンピューター機器の購入なのであろうか。そういったあたりはどのように把握しているのか。
医療課長 ○ 剰余金を含めて、国保連の予算・決算については、保険者と国保連で構成する理事会等で審議され、承認されている。その中で、比較的大きな経費として磁気化レセプトシステムの開発というものを決定したと伺っているというところである。
松崎 ● 指導、助言していきたいと先程は言われたが、私が問うたところでは今の状態である。実は磁気化レセプトシステム作りに使われるということも把握されているということか。
医療課長 ○ 指導助言については自主的に指摘というか、使い道については理事会等でお考えいただくということで今後もお願いすることになるかと思う。それで、今年度と昨年度について予算として、今ご説明している磁気化レセプトと通信関係費というものについては、比較的大きな額になっているということを申し上げたということである。
松崎 ● これまでの答弁が、ひとつひとつ切り離してみればそれに答えているようで、実は全体をお聞きすると矛盾点が多いと思う。大きな幹の部分でお聞きしたいのだが、それぞれの保険者からは15億円の剰余金に関して、もともと
国民健康保険として県民が払ったお金なのだから、その15億円で何か買うというよりも返してもらいたいというような要望を出されていたと聞いているのだが、それを受けとめないでこうした磁気化レセプトのシステム開発に使うとかそうしたものに充てたという経緯については知っていたか。
医療課長 ○ まず1つに、システム開発については一応繰り返しになるが、理事会等で必要性があるということでご了解いただいて、それについて予算上組んでいるということがある。それ以外に剰余金について委員のご指摘のように保険者のほうに還元すればいいのではないかというご意見があるので、国保連としては審査支払い手数料を引き下げたり、あるいは保険者負担金の減額というようなことについて取り組まれていると私どもは聞いているところである。
松崎 ● 何か釈然としないというか、判然としない。答弁されていることが一方では法令違反の場合は是正命令が認められるというようなお答えだったり、一番最後の今のお答えだと、相当細部にわたって実は県は指導あるいは監査的なことをされているようにも見える。もう一度矛盾のないお答えをいただけないか。
医療課長 ○ 私の説明が十分でなく申し訳ないが、私の方で国保連から聞き取って得た情報を申し上げたものと、あと今後国保連の方に、お考え頂きたいというものがあろうかと思う。それで剰余金については、これまで自主的にあるいは理事会等でお話をなさって、審査支払い手数料の引き下げとか保険者負担金の減額とかいう形で、お考えいただいているという事であるが、また今後県として、この剰余金についてどう考えるかという事について、本日の委員のご指摘もあるので、県は国保連に対して指導助言という立場であるので、その中で国保連にその考え方について整理していただきたいというようにお伝えしていく事を今後考えたいと思う。
松崎 ● ご高齢の方の本人負担が引き上げになっていて、これがまず2006年、今年からは現役所得並みの75歳以上については2割負担から3割負担に、それから2008年には現役並みでない方についても1割負担だったのが2割負担にというのが間違いのない現状である。そうした中で、県民の多くの皆さんは、私もそうだが、この
国民健康保険の加入によっているわけだが、多くの国保に加入している県民の皆さんからみれば、15億円ものお金が剰余金となって、しかも累年に亘って繰り越し繰り越しとされていた。一体県はそれを把握していて、細部にわたって指導もされていて、助言もしていたのに、その事自体全く今日こうして質問をさせていただくまで、この当委員会に対してご報告いただかなかった。そうした点については、今までの姿勢を改めていただくというか、取り組み方というのを考え直していただきたいと思う。最後に、もし何かあったらお答えいただきたい。
保健福祉部副部長 ○ 国保連は保険者である市町村の集合体であり、公的な機関という位置付けである。県と国保連の関係にしてみれば、県は認可庁、そういった意味で法の範囲内で動くということになる。一方、国保連は法人であるので、自分の事業の運営あるいは財産の処分という繰越金の使い方等については、県は、国保連の中の主体性を重んじるということである。それについて、我々が知り得た範囲の中でおかしいところがあれば、県として指導申し上げるが、一般的には私は国保連の主体性に従うべきものと考える。お話の中味で言えば、国保連は国の動きの中でレセプトの磁気化に取り組んでおり、今後とも剰余金については、それが適正に使われるよう県として指導をしていきたいと思う。
松崎 ● 今、副部長からお答えを頂いたが、そのようにお答えになることも、私は判る。しかし、医療課長から今まで色々なご答弁があったが、私としてはやはり両方の要素があるのだと思う。自主性を重んじなければならない、しかし、いささかの疑念も生じさせてはならないという事も、認可庁あるいは日常的な指導の中で指導を行うという立場であろうかと思う。是非とも15億円の剰余金については剰余金がもともとたくさん生じたのをずっと年度を跨いでつないでくる事自体が非常に疑問の残るところであり、そのお金の使途について、またこれからの手数料改定のあり方等についてもこれまで以上に十分に見極めていくというか、あるいは適切な指導助言をするという事をお願いして、私の質問を終わる。その前に1つ、県が把握している範囲で各年度の決算、特にその前年度からの繰り越し金額について資料要求をしたい。
茅野委員長 ○ 当局は対応できるか。
医療課長 ○ できる。
茅野委員長 ○ いつまでに用意できるか。
医療課長 ○ 次回委員会開催日の18日朝に用意できる。
茅野委員長 ○ 松崎委員はそれでよいか。
松崎 ● 結構である。
茅野委員長 ○ ただいま松崎委員から資料の請求があったが、本委員会として要求するという事で異議はないか。
委員一同 ● 異議なし。
茅野委員長 ○ それでは当局からの資料の提出は次回までにお願いしたい。
- 2013/05/06(月) 09:04:52|
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神奈川県議会平成18年2月定例会
3月10日(金)予算委員会での質疑のまとめ
2 第三セクターの見直しについて
松崎 昨年の11月22日に、知事から県庁4大改革のひとつとして今後のあり方を踏まえた県主導第三セクターの見直しについて発表がございました。今後、それぞれの法人は示された目標の達成に向けて努力していだたきたいと思っているところですが、簡潔にまず伺います。この第三セクターの見直しの中で、特に神奈川県道路公社につきましては、包括外部監査が行われて、なかでも特に関心を持っておりますのが、道路建設計画の適切性という部分でございます。三浦縦貫道路のことが取り上げられていますけれども、計画に対して回収率が非常に低くなっているということでございます。また、三浦縦貫道路のⅡ期工事、また久里浜田浦線が完成したら回収率が高まるだろうということを、県土整備部の方ではおっしゃっているようですけれども、そのへんは本当にそうお考えなのかどうか、まずお聞きします。
県土整備部 既に供用済みの三浦縦貫道路に対しまして、その終点部から更に南側に延びますⅡ期区間、あるいは、起点部と周辺幹線道路との連絡を強化する都市計画道路久里浜田浦線を供用開始すれば、終点側、起点側、それぞれの道路ネットワークが強化されまして、三浦縦貫道路の速達性を活用できるエリアが広がってまいりますので、交通量や料金収入の増加に結びつくものと考えております。
松崎 ではお聞きしますが、この包括外部監査人の書いている報告、68ページのところには、収支計画の見直しをしないことも問題であると、再三繰り返し記述がございますが、収支計画見直しについてはどのようなお考えでしょうか。
県土整備部 この収支見通しでございますけれども、これまでも公社と一緒に一層の経営改善に取り組んでまいりました。そういうなかで昨年9月には道路公社の経営に関する検討会を担当者レベルではございますけれども、設置いたしまして、公社の経営上の諸課題とその解決方策の検討作業を進めておりますので、こうしたなかで、厳しい収支見通しへの対応を幅広く検討し、最善の方策を探ってまいりたいと、考えております。
松崎 それは見直しをするということと受け止めてよろしいですか。
県土整備部 そういうなかで、収支計画の見直しについても幅広く検討していく必要があると考えておりますので、こういった形で取り組みをさせていただきたいと思っております。
松崎 では、もうひとつお聞きしますが、委託事業にかかる入札状況についても、監査人が指摘をしておりますけれども、指名競争入札にもかかわらず、毎年同一業者が受注している例がある、また、二者が交互に受注している例がある、ということでいずれも問題、私も問題だと思いますが、特に回数券の印刷等を見ましてもそういう状況があるということで、ぜひとも改善していただきたいと思いますが、どのように取り組んでいくのでしょうか。
県土整備部 この道路公社の委託業務に関します入札につきましては、公社の規程に基づきまして、適正に執行されているものと思っておりますけれども、競争原理が十分に機能しているのか、という観点からいたしますと、改めて精査した上で、必要な措置を講じていくことが望まれると考えております。
なお、公社では、今後、他の道路公社の状況も参考にしながら、指名業者数の増加などにつきまして、検討を進めていくと聞いておりますので、県といたしましても、今後の入札状況の動向を注視しながら、必要な調整を図ってまいりたいと考えているところでございます。
松崎 では、最後にお聞きしますが、資金繰りの問題でございます。神奈川県道路公社の資金繰りにつきまして、今後数年で資金不足に陥るということが見込まれている現状がございますが、これまでの対応と今後の対応、それぞれお答えください。
県土整備部 これまでの対応といたしましては、平成11年度末に供用開始いたしました三浦縦貫道路の実績交通量が、計画の3割程度であり、道路公社の中・長期的な収支への影響が懸念されたことから、平成13年度に、県が低利子の貸し付けを行うことにより、借入金の一部を繰り上げ償還し、支払利息の軽減でありますとか、償還額の平準化を図ってまいりました。このほか、公社におきましては、県に準じた給与制度の見直しなど、経費節減を行う一方、駐車場の新設などによります増収対策にも取り組んできたところでございます。
今後もこうした取組みも踏まえまして、先ほど申し上げました検討委員会等も作って作業を進めておりますので、そうした場で厳しい収支見通しへの対応を幅広く検討してまいりたいと考えているところでございます。
松崎 県土整備部に対する質問はこれで終わりますが、1点、総務部の方にお聞きしたいと思います。今回包括外部監査人から指摘のあった改善意見でございますけれども、これを見てみますと、各部局とか各法人に共通する事項も含まれているんじゃないかと思うんですね。そこでお聞きしますけど、県主導第三セクターの見直しあるいは経営改善を進めるに当たりまして、適正かつ健全な法人運営ということは、どの法人にも求められている当然のことでありまして、今回の監査結果を踏まえまして、各法人の適正な運営について、共通する事項について、改めて指導していくという必要があると思うんですけれども、どういう取組みを行っていくのか、簡潔にお答え下さい。
総務部 包括外部監査の対象となっている法人につきましては、基本的には、所管部局が指導等を行ったうえで、改善状況等につきまして監査委員に通知等をしておるわけでございますけれども、お話のとおり、今回の指摘事項の内容は、各法人共通する部分がございます。
そこで、包括外部監査の結果を受けまして、各部局等に対しましては、各所管法人の事務・事業が適正に行われているかどうか、法人自らのチェック機能、監査体制等が適切であるかどうか、を改めて確認するとともに、これらの状況を把握した上で、必要に応じて適切な指導・監督を図るように、改めて、私どもの課の方から通知したところでございます。
今後とも、こうした取組み等を通じまして、適正な法人運営に向けた取組みを進めてまいりたいと、このように考えております。
松崎 私の持ち時間が参っておりますので、これで私の部分については終わりますが、今回の包括外部監査における指摘に対して、もちろん県民から分かりやすく、また、県民負担という観点からも納得のいく形で法人運営に努めて頂きたいということをお願いします。
また、県主導第三セクターの見直し、その全体につきましては、個々の法人の状況を踏まえ、法人とも緊密に意見交換を行いながら、是非、目標が達成できるよう取組みを進めていただきたいと思います。
以上で、私の質問を終わります。
- 2013/05/05(日) 06:03:41|
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平成24年第1回定例会予算委員会総括質疑(3月9日)
【財政問題について】
松崎 続きまして、財政問題について伺います。今定例会におきまして、「中期財政見通し」が示され、そして、本来であれば、見通しの中で明らかとなった財源不足についての対策も併せて明示されるべきでありますが、ただ、残念なことに、今後の緊急財政対策本部における検討などを踏まえて、改めて「財政健全化方策」をとりまとめていくこととされました。
私としては、総合計画が示されたこの時期に、計画事業を円滑に実施するための財源が示されるべきと考えております。
今後とりまとめられる「財政健全化方策」を考える上で、整理すべき点を何点か伺います。
まず、平成24年度予算におけるプライマリーバランスについて伺います。中期財政見通しの中で財政対策の基本方向に目指すべき財政の姿があり、現役世代が将来世代に残さない基準でありますプライマリーバランスの黒字化があります。
そこで伺いますが、黒字化を目指す意義をどのように考えているのかお聞きします。
資金調査課長 財政が健全に運営されているかどうか、まずは、収支均衡した予算となっているか、また、決算収支が黒字であるかという視点とともに、将来を見通すこと、つまり、将来世代に過大な負担をかけない財政運営を行うというのも一つの視点として必要でございます。こうした観点から、プライマリーバランスを1つの指標としていく必要性があると考えているところでございます。
本県の財政状況は、予算の収支均衡が保たれており、また、決算収支が複数年にわたり黒字ではございますが、一方で、プライマリーバランスは赤字の状態が続いています。
したがいまして、このような予算・決算は、将来世代に、負担を先送りしている状況と考えることができます。
そうしたことから、引き続き、収支均衡した予算、決算収支の黒字を継続できるよう、施策事業の見直しなどに取り組んでいくことはもとより、将来世代に過大な負担をさせないよう、そのプライマリーバランスの「黒字化」を目指していくことは、重要なことと考えているところでございます。
松崎 プライマリーバランスの黒字化の時期のそれでは時期について伺います。県債全体の現在高が今や3兆5千億を超えている神奈川県でございます。私ども民主党・かながわクラブ県議団といたしましては、これを何とかしなければならないと考えているところです。
知事はプライマリーバランスの黒字化を目指すという目標をその達成の時期を明確に示すべきだと強く感じているところです。
あともう少しでプライマリーバランスの黒字化が達成できようとしていた平成19年11月13日決算特別委員会が開かれ、そして、当時の平成22年度に黒字化を目指すとしていた目標に対し、1年前倒しにするくらいの強い決意をもって、取組みを進めると当局は言われ、私も是非実現していただきたいとエールを送ったことがございます。
その後、リーマンショックがあり、景気が後退しまして、プライマリーバランスの黒字化を達成することはできませんでした。非常に残念なことでございます。
今回示された、中期見通しにおきましては、プライマリーバランスの黒字化に関する具体的な目標年次が示されておりませんが、改めて、現段階での見通しとプライマリーバランスの黒字化に向けた決意を伺います。
財政部長長 現在、本県のプライマリーバランスが赤字の状態が続いている最大の要因は、臨時財政対策債を大量に発行せざるを得ない状態が続いているためであります。
この臨時財政対策債が、本来の地方交付税に復元されますれば、プライマリーバランスの黒字化につながってまいる訳でございますが、国がこの制度を平成25年度まで延長するということを既に決めておりまして、さらに26年以降につきましても、国の現在の厳しい財政状況等を踏まえますと、臨時財政対策債制度が確実に終了するものとを見込めませんものですから、今回の中期財政見通しの中では、止むを得ず、26年度もこの臨時財政対策債の制度が残るものとして、推計させていただきました。
このように、当面、臨時財政対策債の発行を見込まざるを得ない状況の中で、現時点におきまして、プライマリーバランスの「黒字化」ということの目標年次を申し上げることは困難でございますが、今後ともこの臨時財政対策債の交付税の復元を国に求めていきますとともに、施策・事業の徹底的な見直し、あるいは、自立財源の確保、さらには、緊急財政対策本部による抜本的な見直し、そして、通常の県債の新規発行額の抑制、こうしたことを通じまして、プライマリーバランスの「黒字化」ということをしっかり目指して取り組んでまいりたいと考えております。
松崎 引き続き、臨時財政対策債について伺います。今プライマリーバランスの決意を伺いましたが、目標年次を示すことは困難、そして、やはり臨時財政対策債が大きな影響を及ぼしているとのことでございます。しかも、これは臨時と言いまして、平成13年度から始まって、既に4回も延長されていて、実はこの借金がないとやっていけないんじゃないかと、つまり、常態化していることが問題であると感じているところです。
財政当局は、毎度、臨時財政対策債の元利償還金は基準財政需要額に算入されていて、交付税措置がなされていると言われますが、私はこれまで発行してきた臨時財政対策債が元利償還金を臨時財政対策債で賄うという状況に陥っていると考えています。
これは、いわゆる「自転車操業」の状態でございます。財政破綻の道筋もここから見えてきているように思えてなりません。そのことについて、財政当局はどのように考えているのか伺います。
資金調査課長 国の地方財政計画では、地方自治体が、既に発行済の臨時財政対策債の元利償還分のために、臨時財政対策債を発行するということにしておりまして、こうしたスキームを見る限り、国においては「臨時財政対策債の元利償還金を臨時財政対策債で賄う状況」でございます。
このような国の対応によりまして、本県においても臨時財政対策債の大量発行を余儀なくされているところでございます。その結果、公債費と県債の現在高だが、年々増大しておりまして、本県の財政の硬直化の大きな要因となっており、大変憂慮しているところでございます。
このようなことから、本県ではこれまでも国に対して、臨時財政対策債を廃止して、地方交付税に復元すべきと、強く要望を行っているところでございます。
今後、緊急財政対策本部の調査会からも意見をいただきながら、本県独自の取組みはもとより、関東地方知事会、9都県市首脳会議などを通じまして、粘り強く国に対して地方の実情を訴えてまいります。
松崎 我々も本県のこのような状況をきちんと国に説明、また、要望していかなければならない立場であると認識しております。
また、そのためには神奈川県が本当に大変な状況であるということを客観的に示していかなければならないとも考えているところでございます。
そこで次に伺いますのは、「健全化判断比率」についてでございます。この健全化比率の中に「実質公債費比率」がございます。この数値は小さいほど財政的に健全であるとされており、本県は、「9.9%」で、全国で2番目に低い数値、すなわち「全国で2番目に財政状況が良い県」となっております。これは本県の県債を購入していただく投資家向けの資料、いわゆるIR資料をこちらにお持ちしましたけれども、IR資料、こちらにも堂々と記載しておりまして、県債は人気を博しているとなっております。
しかし、公債費は実際は増え続けておりまして、県財政を圧迫している訳でございます。決して全国第2位の健全性など、これは実態を反映していないと思う訳でございます。当局はどのような認識をしておられるでしょうか。
資金調査課長 平成22年度決算に基づきました本県の実質公債費比率は、早期健全化基準を下回っており、また、全国平均も下回っているという状況でございます。実質公債費比率は、元利償還金の多い少ないが、比率の算定に大きく影響するものでございますけれども、本県では、他県に先んじまして、平成9年度から「県債の新規発行抑制」など行政システム改革に取り組んできており、こうした結果が、比率に表れているものと考えております。
また、実質公債費比率の算定におきましては、臨時財政対策債の元利償還金など、地方交付税で措置される金額を除いて算定する仕組みになっていることも、良好な比率になっている一因であるというふうに思っております。しかしながら、地方交付税で措置されるとはいえ、いわゆる現金が必ずしも入ってくるものではなく、一方では、臨時財政対策債を含む多くの県債を返していかなければならない状況にありますので、今後、その公債費が確実に増加してくることから、本県財政は、実質公債費比率でみる以上に大変厳しい状況にあるという認識でございます。
松崎 ここでも数字のマジックといいますか、あるいは、基準の曖昧さと言いますか。かねてから我が会派が、申し上げてきた基準の是正がなされておりません。
数字のマジックという話でいいますと、今回示された「中期財政見通し」、こちら拝見してますと、介護・措置・医療関係費が、平成17年度からの7年間で、約2倍になっていると強調されております。しかしこれ、「三位一体改革」とか、あるいは「社会保障制度改革」によって、本県負担が増大したことによるものでございまして、平成18年度以降、この改革によって税源が移譲され、税収規模も拡大しているということをセットで議論すべきであるにもかかわらず、負担だけを強調しているように思えるわけでございます。
話を戻します。臨時財政対策債は、交付税措置されるものだから除きますという基準では、実態に反すると思います。平成22年度の2,795億円をはじめ、ここ数年は、毎年、2千億円を超える規模で、臨時財政対策債を発行してきております。今後の推計でも、やはり2千億円台が想定されているところでございます。実態を表せない指標は、改善すべきであります。わかりやすく県民の皆様に「神奈川県の財政が大変厳しい状況にあるという実態」。これを示すことが、なにより重要と思いますが、どのような取組みを行っているのか伺います。
資金調査課長 本県では、本県の財政状況を県民の皆様に分かりやすくお伝えするために、「県のたより」やテレビ、ラジオ番組などによりまして、予算・決算の概況をお知らせしてございます。ホームページにおいても、県税収入や義務的経費の推移など、本県の財政状況の実態について、グラフを中心とした「神奈川県の財政状況」を作成して、公表しているところでございます。また、他の都道府県との比較という観点からは、本県と類似都道府県の財政指標をグラフによって比較分析いたします「財政比較分析表」などをホームページに掲載するなど、県民の皆様に分かりやすく財政状況をご理解いただけるよう、取り組んでございます。
さらに、当初予算の記者発表におきましては、今回初めて知事からフリップを使用していただきまして、分かりやすく本県の財政状況の説明を行ったところでもございます。その模様はホームページの動画でも見られるようになっているところでございます。
今後も、県民の皆様に本県の財政状況を理解していただくため、わかりやすい広報に努めてまいります。
松崎
大変厳しい状況にあるということを、県民の皆様にご理解をいただいて、そのために何をすべきかを、時間・期限を区切ってしっかりと、進んでいこうという点では、知事も表明されている「緊急財政対策本部」が肝ということでございますが、そこに至った経緯をしっかり踏まえた上で、進まなければゴールも見えてこないと、私は思うわけでございます。
これまで、財政健全化の指標の問題、プライマリーバランスの黒字化の課題について伺ってまいりましたが、臨時財政対策債が大きな鍵であるということは、明らかだと思います。
ここで、県債残高について、取り上げたいと思います。
臨時財政対策債を除いた県債残高は、確かに減少しておりますが、「果たしてそれでいいのか?」と言う問題でございます。
根本は、「県債全体の残高の減少を目指さなければならない。」と言うことでございます。つまり、臨時財政対策債の発行も、そして、通常の県債の発行も、ともに抑制することを決断すべき時期にあると思います。
そこで、今こそが、県債全体の発行抑制を英断するべき時期ではないか、政策局長に伺います。
政策局長 委員の話のとおり、財政の健全化を目指す上では、臨時財政対策債もいわゆる通常の県債も同じ借金であるということについては変わりございません。
そういった意味では、臨時財政対策債も含めて、県債全体を抑制することは、最も重要なポイントだと考えております。
ただ、臨時財政対策債は、現行の地方財政法上の扱いとすれば、地方交付税の代替措置ということで、我々通常「一般財源」といっておりますが、いわゆる地方の財源不足の穴埋めといった形で機能しております。
仮に、臨時財政対策債を発行しないとすれば、当然のことながら、その分の新たな財源を確保しなければいけない。あるいは確保できないとすれば、医療や福祉、あるいは安全・安心など、真に県民生活そのものに直結するような話になってくる。これも大きな課題だろうと思っております。
県としては、県民の生活を守っていく。県民の福祉の向上を図るということが、
我々の責務でございますし、喫緊の課題にも対応することが我々の責任だと考えてございます。
こうしたことを考えていきますと、ご案内のとおり、現在「社会保障と税一体改革」の中で、地方消費税これが取り上げられております。こうしたこともしっかりと見極めなければいけない。
それから、「中期財政見通し」の中でも、「財政健全化方策」を今後つくっていくことを位置付けております。そうした中で、今のご指摘の県債全体の抑制のあり方について、検討していきたいと考えております。
松崎 今後の財政運営を考えましたときに、明確なゴール、明確な目標の設定は、
不可欠であると考えます。目標があるからこそ、みんなが一丸となって目標に突き進むことができるわけであります。本日の議論では、残念なことではありますが、そうした目標を明確に見いだすことは、少しできなかったかなと思います。ちなみに、大阪府におきましては、基本理念として、将来の世代に負担を先送りをしない。そして、現役世代と将来世代の負担の公平を図るといった観点から、収入の範囲内で支出を行うといった規律確保を規定しました「大阪府財政運営基本条例」が、この2月10日に施行されております。今申し上げたいくつかの大阪府が取り入れている点は、本県においても通じることではないかと思うわけです。
私といたしましては、是非とも「財政健全化条例」をつくるべきなのではないかということも申し添えさせていただきます。いずれにしましても、財政運営の明確な目標をきちんと示すべきだということを、あらためて申し上げさせていただきたいと思います。
- 2013/05/04(土) 07:15:02|
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