平成25年11月6日決算特別委員会での質疑のまとめ
(2)本県の財政運営について
松崎: 当初予算に退職手当を計上できなかったわけですが、非常にいびつな予算だったなということを当初予算については考え述べたいと思います。どう対応していくのかということをいろいろなところで聞かれていると思うのですけれど、どう対応されていくのでしょうか。
宮越財政課長:
今年度300億円の財源不足を抱えたまま当初予算がスタートしたわけでございますが、これらへの対応といたしまして、まずは7月から施行された給与減額の措置によりまして、人件費が140億円削減されました。また、普通交付税と
臨時財政対策債、これが50億円増額されましたので、合わせて190億円確保することができたというところでございます。
職員の退職手当を払わないことはあってはならないことでございますので、引き続き効率的な財政運営に努め、2月の補正予算で対応してまいりたいと考えているところでございます。
松崎: 次に県債に関係して伺いたいと思います。
県債管理目標というのは、これまでは
臨時財政対策債を除くという但し書きがございました。今回
臨時財政対策債も含んで対象とした考え方について伺いたいと思います。
落合資金・公営事業組合担当課長: 本県では従来から県独自の借金であります通常の県債、これにつきましては新規発行の抑制に取り組んで来ておりまして、その残高をピーク時の約2兆1,000億円から3,000億円以上減少させております。
しかしながらですね、こうした努力にもかかわらず、国から一方的に押し付けられております
臨時財政対策債、いわゆる臨財債が県債全体の残高の押し上げている要因となってございます。
今後も臨財債を含む県債の発行を現行の3,000億円規模で発行続けた場合、借金の返済である公債費が毎年度200億円程度増加してまいります。そして
緊急財政対策の中期推計でもお示ししましたように平成30年代前半には介護・措置・医療関係費それから公債費、こういった義務的経費全体が2兆円を超えて、歳入総額を上回ることが見込まれておりまして、このままでは本県の財政は立ち行かなくなるといった状況が確実にあります。そこでこうした本県の財政構造を何とか改善させるために、臨財債を含めた県債全体を対象といたしまして、「30年度までにプライマリーバランスを黒字化」「35年度までに県債全体の残高減少」という2つの
県債管理目標を設定したところでございます。
松崎: これまで会派としても、私といたしましても、決算、予算各委員会におきましても、それぞれ委員から求めてきたことは、この
県債管理目標の設定でありました。特にプライマリーバランスの黒字化の目標年次を明確にして頂きたいということは、私自身の経験でも過去10年訴えてきたところでございます。
今回そういった意味では平成30年度までにプライマリーバランスの黒字化ということが明確にされて、
県債管理目標が設定されたということ自体は大変評価をしているところでございますが、ただ目標を掲げても、それまでの歩みというものを考えますと、これは大変厳しいものがあり、至難ということに入るのかなと思っております。
そんな中で中期財政見通しについてお聞きをしたいと思いますが、25年度、26年度の財政状況をどのように見込んでいたのか、その後の歳入歳出状況は見通しどおりたったのか、改めて伺いたいと思います。
宮越財政課長:
緊急財政対策を策定いたしました平成24年10月時点の中期財政見通しでは、25年度は700億円、それから26年度は900億円、2か年で1,600億円の財源不足が生ずるものというふうに推計してございました。
その後の状況でございますけれども、25年度当初予算につきましては、人件費の抑制、施策・事業の見直し、こういった緊急財政の取組みによりまして400億円の財源を確保いたしました。けれども企業庁からの借入れ、それから職員の退職手当の計上留保などによりまして、実質的には300億円の財源不足を抱えた状態でスタートしたというところでございます。
その後、追加の給与減額措置によりまして140億円、それから普通交付税、
臨時財政対策債の増額決定によりまして50億円、合わせて190億円を確保することができたというところでございます。
次に、26年度の財政見通しでございますけれども、25年度当初予算で取り組んだ人件費の抑制、それから施策・事業の見直し、これを継続することによりまして、概ね400億円程度の財源確保、これが織り込むことができたというところでございます。しかしながらそれでもなお500億円の財源不足が見込まれていると、こういった計算をしているところでございます。
松崎: そこでいよいよ
財政健全化方策の策定ということになってくるわけでありまして、当局におかれましては「社会保障改革や
臨時財政対策債など地方財政対策の方向性が明らかになった時点で、その策定時期も含めて検討する」という立場に立っていらっしゃいます。
それではお聞きしますが、方策を策定した後、それをどのように進行管理し、議会や県民に示していかれるのでしょうか。
宮越財政課長: ご質問の、例えば方策ですとか、あるいは様々な計画でございますけれども、やはり質問のご趣旨もあろうかと思いますが、その周知ですとか、あるいは進行管理、これを適切に行っていくということが肝要であるというふうに考えてございます。
現在、
緊急財政対策を県として進めておりますけれども、その内容につきましては、これまでも県民ですとか、市町村、団体と積極的な情報提供、情報交換、それから話し合いなども行ってまいりました。こういった、いわば県と県民、市町村、団体が危機感を共有して、この
緊急財政対策を進めてきた、こういったやり方をとってまいりました。
今後でございますけれども、行政事務ですとか、公共施設の維持改修コスト等、先般、会計・県公共施設、それから県民利用施設の3つの見える化を行いました。こういった様々なコスト、将来的な県としての財政負担、こういったものにつきましても県民の方々と共有をしてまいりたいと思ってございます。また、議会の皆様にも毎定例会ごとに、進捗状況をご報告させて頂いているところでございます。
財政健全化に向けた取組みですとか、あるいは計画等につきましては、毎年度の当初予算への反映状況などを通じまして、適宜その進捗状況等を議会へご報告をさせて頂くとともに、県民の皆様にも周知してまいりたいと考えているところでございます。
松崎: 今財政課長の答弁は頷くべき点が多いと受け止めています。ただですね、これだけ厳しい財政状況が長い間続いているわけでありまして、私が県会議員に初めて当選して送り出して頂いた時からでも11年たっているわけでございますが、厳しい厳しいと言い続けています。やはり何が必要なのかなと振り返って考えてみますと、割とはっきりしておりまして、中長期にわたる財政運営について基本的な方針を定めること、そしてそれを定めたならば、次は、適切な進行管理を行うこと、そしてそれを内容的に見た場合には、最初質問を作山委員からさせて頂いたように、グランドデザインのような成長戦略を織り込んだ骨太な方針を財政面からきっちりとサポートしていく、支えていくという裏付けをしっかりするということだと思うんですね。そうすると中核になるべきものは、やっぱり財政について専門的な観点から運営をしっかり行っていくような体制を整えるということではないかなと思うんですが、見解を伺います。
宮越財政課長: お話のとおり、一定の方針なり、財政運営の計画なり、そういったものを策定した場合には、それをどう進行管理していくかということが財政運営のポイントの一つになろうかと思ってございます。
そこで私どもといたしましても、今般
緊急財政対策におきましては、知事をトップとする
緊急財政対策本部を設け、全庁的な取り組みとして、全庁が一体となった取り組みとして、この緊急財政対策を進めてまいったところでございます。
さらにその緊急経済対策については、その進捗状況につきまして、その都度その都度、議会の皆様にもご説明申し上げ、ご意見を頂き、それを受けて、またこれをフィードバックしていくという、こういった取り組みを進めてまいりました。
今後もこういったクロスファンクションの取り組み、これを胸におきながら、今後の財政運営に努めてまいりたいと考えているところでございます。
松崎: 最後にですね、今伺いました指針、計画等の策定も含め、今後の
財政健全化に向けて、どういうふうに取り組んで行こうとしているのか、総務局長に伺いたいと思います。
中島総務局長:
財政健全化に向けた今後の取り組みということでございます。このためには社会経済情勢の変化、特に少子化に伴いまして近々に訪れます人口減少社会、それと並行しまして超高齢社会ということもございます。これに的確に対応できる、まず柔軟かつ筋肉質な財政構造にしていくという、これが基本的な認識でございます。
そのために現在緊急財政対策に取り組んでおります。その中で掲げました、県有施設、補助金の見直し、そして施策・事業の見直し、これにきっちりと取り組んで、将来に負担を先送りすることのない行財政運営の実現を目指しております。
その際には、中期財政見通しでもお示ししておりますように「自主財源の確保」「プライマリーバランスの黒字化」「収支均衡の保持」の3つの目標を堅持しつつ、毎年の財政運営を行っていきたいと考えております。
これとともに、本県経済が縮小均衡に陥ることのないよう、現在取り組んでおります2つの特区、そういったものを中心に本県経済のエンジンを回す施策にもしっかり取り組み、そしてその結果として県税収入の増を期待しているところでございます。
これらは県だけでは決して出来ることではありません。もとより県の支出、地方自治体の支出と税収入が6:4というアンバランスの、まさに地方の財政構造上の問題がございます。これにつきましても県外の皆様のお力も得ながらですね、各都道府県、各自治体とも協力しながら、国に強く働きかけてまいりたいと思います。
こうした施策を総合的に取ることによって、財政の健全化、そして
神奈川県の経済、ひいては日本全体の経済が活性化するよう努めてまいりたいと考えております。
- 2014/02/25(火) 01:58:12|
- 神奈川県
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雪の朝。
上大岡駅に向かう
バスの中でやっと乗り込んだ若い人たちが次々と
職場に
電話を入れました。決して強い立場にいない彼や彼女たちの背中を見て10年後20年後の
未来や世の中を思えば今僕の中にあることをその役割や
使命を決してあきらめることなど出来ません。
神奈川県議会へ送り出して戴いてきたこれまでの合言葉「夢あきらめないで!」とは時代の叫びでもあります。
- 2014/02/17(月) 10:19:41|
- 横浜市金沢区
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平成25年11月6日決算特別委員会での質疑のまとめ
(1)県の
公金運用について
松崎: 厳しい財政状況の中で県としては緊急財政対策に取り組んでおりまして、少しでも歳入を増やす取組を続けているわけであります。
そうした中で、平成24年度の決算調書の歳入の箇所を見ますと、一般会計や特別会計の諸収入、預金利子が計上されております。
そこで、県の
公金運用を中心に歳入確保につきまして伺います。
まず、24年度の一般会計と特別会計の
運用収入は合計でいくらでしょうか。
花田会計課長: 会計局では、一般会計と特別会計における資金、これは通常「会計管理者保管現金」と言っておりますが、この資金の支払までの間の手持ち資金について
運用しております。その他、基金管理者からの依頼に基づいて
運用を行っております。
このうち、委員お尋ねの会計管理者保管現金における平成24年度の
運用収入は、合計で1億9,017万余円となっております。
松崎: 前年度と比べ運用収入はどうなっているのでしょうか、またその増減の理由も伺います。
花田会計課長: 会計管理者保管現金における平成24年度の年間運用収入額は、前年度と比べ1,648万余円約8%少なくなっております。
その主な要因ですが、平成24年度は、1日当たり平均の資金量が2,012億円で、23年度の2,216億円に比べて204億円減少したことによるものでございます。
これにより、運用収入額そのものは減少いたしておりますが、平成24年度は6月から運用方法を更に工夫したことにより、運用収入の減少率自体は、資金量の減少率9.2%より小さい約8.0%にとどまっているものでございます。
松崎: 現在、預金をしてもわずかな利息しかつかない超低金利が続いている。こうした厳しい運用環境で、より多くの運用収入を確保していくために、どのような工夫をしてきたのか伺います。
花田会計課長: 平成24年度、全庁で緊急財政対策に取り組む中で、会計管理者からの指示によりまして、新たに平成24年6月から会計管理者保管現金の運用方法を見直しております。
その主な工夫内容についてご紹介させていただきますが、
これまで定期性預金は3ヶ月程度でおこなっておりましたが、9か月程度までの長期運用も取り入れ、利回りの向上を図っております。
長期運用後に残る資金につきましては、日々の支払に支障が出ない範囲内で短期の運用も行っておりますが、これまで、これにつきましては1日間に限定していた債券現先という取引をおこなっておりましたが、これにつきましては、土日をまたぐ運用も行うことにより、資金の動きが無い週末も効率的に運用を図ることといたしております。
加えて各金融機関への預け入れ上限額を引き上げ、金利の高い金融機関への預入れ可能額を増やした、このような工夫を行っております。
松崎: それでは、運用方法の見直しの効果はあったのでしょうか。
花田会計課長: 先ほどの答弁で少し挙げさせていただきましたが、平成24年度全体の資金量が9.2%減少したのに対しまして、運用収入額の減少率は8%にとどまっております。
また、運用の見直しは平成24年6月から実施しておりますので、6月以降の10ヶ月間について、23年度と24年度の資金量などの条件が同じと仮定して比較してみた場合には、23年度の方法で運用した場合に比べて24年度は運用収入が約3,500万円増加するという計算になり、効果があったものと考えております。
松崎: 運用対象となる金融機関の考え方はどうなっているのですか。
花田会計課長:
公金の運用対象となる金融機関の選択につきましては、
神奈川県公金管理方針において、「金融機関の経営情報を収集し、自己資本比率や格付け、不良債権比率などの指標の分析を中心に、金融情勢も踏まえた総合的経営の判断の下に、預金の払い出しを確実に行える健全性の高い金融機関を選択すること」と定めております。この方針の基に、財政状況や法令順守状況を踏まえ総合的に判断することとしております。以上でございます。
松崎: 今、
みずほ銀行が信販会社を通じて
暴力団など反社会的勢力に融資していたとして、取り上げられておりますけれども、
みずほ銀行は運用対象に入っているのでしょうか。
花田会計課長:
みずほ銀行は、会計局における運用対象金融機関に入っており、会計管理者保管現金及び基金を合わせた預金額の1日当たり平均額で見ますと、平成24年度は、全体額約5,154億円の内、
みずほ銀行への預金額は約496億円でした。
また、平成25年度は9月までにおいてですが、全体の1日当たり約5,019億円のうち、
みずほ銀行への預金額は約715億円となっております。以上でございます。
松崎: 今回の、
みずほ銀行の不祥事が判明した後に、運用の対象金融機関として何か対応を取ったのでしょうか。
花田会計課長: この度のみずほ銀行の提携ローンに多数の反社会的勢力との取引が存在していた事案に対しましては、9月27日に金融庁からみずほ銀行に対し、業務改善命令が出されております。
これを受けて会計局では、この度のみずほ銀行の、この事案については、「県民の信頼を著しく損なうものである」と判断し、会計局で定めている規定を踏まえ、業務改善命令が出された9月27日をもって、みずほ銀行を会計管理者保管現金の運用対象金融機関から除外する措置を講じております。また、基金の運用についても、同様の対応をとっております。
なお、過去においても、平成19年に、
暴力団と関係の深い団体へ融資し、金融庁から処分を受けた金融機関について、運用の対象から除外したという事例がございます。
松崎: みずほ銀行は
県債の引受けも行っているわけなんですが、24年度の引受実績はいくらだったんでしょうか。
落合資金・公営事業組合担当課長: 本県の市場公募債、それから銀行等引受債を合わせました発行額4,046億円でございます。そのうちみずほ銀行の引受額は319億円でございます。その内訳といたしまして、シンジケート団を組みまして、あらかじめシェアを決めて引受を行う市場公募債、これにつきましては、発行額2,887億円のうち254億円、入札等で行いました銀行等引受債につきましては、発行額1,159億円のうち、65億円となってございます。
松崎: 今回の件(反社会的勢力に対する融資)で、
県債の取扱いにつきましては、どのように対応しているのでしょうか。
落合資金・公営事業組合担当課長: 本県では、
県債の引受金融機関が金融庁から行政処分を受けた場合、国債入札に係る財務省の処分、それから総務省の判断に基づいて対応してきてございます。
具体的には、金融庁の業務停止命令を受けた場合、財務省が国債入札停止等の処分を行った場合、財務省の処分期間中は本
県債の引受からも除外する、こういった対応をとってきてございます。
今回金融庁から出された処分が「業務停止命令」ではなく「業務改善命令」であったこと、財務省において国債入札停止等の処分を行っていないこと、それから総務省においても、地方債の取扱いについては特段の対応を取っていないといったことから、現時点では国の動向を注視している状況でございます。
今後ですね、新たな処分が行われる際には、その状況を見て、改めて本
県債の取り扱いについて判断したいと考えてございます。
松崎: 最後に、県民から預かった大切な
公金でございますから、運用するにあたっての考え方につきまして、改めて会計管理者に所見を伺いたい。
会計管理者: 県民の皆様からお預かりしている大切な資金でございまして、その金額も多額に及んでおりまして、会計管理者が保管する現金は24年度で日平均で2000億、基金につきましては6500億円と多額に及んでおります。こうした
公金を適正、かつ計画的に運用するために運用方針を定めておりますけれども、運用に当たりましては、まず元本の確保、安全性の確保が第一で重要でございます。それから流動性の確保、これは日々の県の支払いに支障が生じないようにすることが重要でございます。こういう2つの前提の中で収益性を確保していきたいと考えております。
特に本県は、財政状況が非常に逼迫しているということで、平成24年度に資金の運用の状況を分析しまして、24年度から運用の方向を見直しまして、収益性を高める工夫をしております。
それから、これを運用する金融機関につきましては、当然ながら財務状況の健全性というのが重要であります。それとともに、法令を守っていくという状況についても確認することが重要と考えております。今回のみずほ銀行の、反社会的勢力に対する融資につきましては、本県は
暴力団排除の条例を策定して社会全体で
暴力団を排除するという中で起こっていることでございまして、県民の信頼を著しく損なうというものでございますので、新たな運用については、これを停止するということでございます。
今後、こうした公金の運用につきましては、社会状況、それから金融状況を十分に注視しながら収益力を高めて適正な公金の管理をしてまいりたいと考えています。
松崎: 今公金運用につきましていろいろと尋ねたわけなのですけれども会計管理者の運用につきましては、適切に対応されていることから、
県債についても、これからの動向を注意深く見守っていく途中の状況であるというふうに理解させていただきます。
現在のような超低金利の中では、24年度に運用方法を見直して効果を上げたということ事態、評価しているところであります。
財政状況は依然として厳しいわけです。公金運用にあたりましては、安全な運用を第一に心がけつつも、運用方法を工夫して、少しでも有利に公金を、しかも安全に健全に活用していただく、ということを引き続きお願いをさせていただきたいと思います。
- 2014/02/05(水) 03:12:41|
- 神奈川県
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平成25年10月28日決算特別委員会での質疑のまとめ
(3)
新しい公共支援事業について
松崎: まず、
新しい公共支援事業について、何点か伺っていきます。
主要施策説明書の37頁に
新しい公共支援事業についての記載があります。この事業は、国からの交付金により基金を造成し、平成23年度から2年間、様々なNPOへの支援を実施してきたものでございます。何点か伺います。
実際に行った事業の内容、これについて個別の事業名が記載されていますが、それでは、そうした事業の成果として、他のモデルとなるような神奈川らしい
地域の特色を活かした事業があれば、お示しいただきたいと思います。
鈴木NPO
協働推進課長:
新しい公共の事業の中で、
地域の特色を活かした事業ということでございますけど、まず、農業問題に取り組むNPOが、農業関係者や企業等とネットワークを形成し、ジュースやジャムなどの
地域の農産物加工品を、「湘南新みやげ」という
地域ブランドとして販売するに至った事業がございます。
そのほかにも、海の生態系に関する専門知識を有したNPO法人と真鶴町が中心となり、漁業
協働組合や観光協会などとも連携し、磯の生物やプランクトンの観察会など海と親しめるイベントやシンポジウムを開催したところ、その参加者の8割が真鶴町町外、うち2割が県外からの方々が来られたということで、今後の町の観光振興につながる成果を上げた事業がございます。
松崎: 大変具体的な話を伺いました。では基金活用事業は昨年度で終了ということでございますけど、そこで行われてきた特徴ある取組みは、事業終了後、どうなっているのでしょうか。
鈴木NPO
協働推進課長: 先ほどお話した「湘南新みやげ」については、現在も活動を継続しておりまして、今年度みやげ品の数を増やしながら、インターネットでの販売なども行っております。
また、真鶴町での事業については、文部科学省の事業に採択されまして、今年度も継続して事業を実施しております。
そのほかの事業も、既に新しい形でイベントとして開催されているところなど、また、そのほかの事業についても、パンフレットやポスターを作成したものについても、成果物として活用されているという状況でございます。
松崎: いいところばかり、光の当たるところばかりお答えになっているのではなくて、すべて対象としたところについて、公平に見た結果がそうであるということでよろしいですね。
鈴木NPO
協働推進課長: 大方の事業については、事業を行いましたネットワークが今年度も継続されている状況でございます。
松崎: 事業継続について、やはり不安だなという率直な思いがあってお聞かせいただきましたが、今のところは、むしろ、拡大の方向に進んでいるという答えでございます。ただ、NPOと言いましても、規模の大小が様々あったり、それから、見込んだ事業の先行きということに関していうと、大きな企業とか体力ある団体に比べると、やはり調べるといっても手づるがない、また、人についても継続してかかわってこれる人と、そうではない方がでてくるといった様々な課題があろうかと思います。
新しい公共というのは、私が言うことでもございませんが、担い手というところに一つの大きなポイントがあって、もう一つは、継続・持続性だったと思います。そこに資金、また、色々な形での支援ということであったと思います。
そこについて、
神奈川県として、どういう形でNPOに着目をして、そして、
新しい公共の担い手、必ずなってくださいというふうに枠にはめてしまうのはいけないが、自然な形が一番宜しいと思うのですが、新しい公共の担い手が育つように進めて取り組んでいかれるのか重ねて伺います。
鈴木NPO
協働推進課長: 委員ご指摘の件でございますが、NPOは自立的かつ安定的に活動していくということで、ネットワークを作ったりということで、新しい公共の担い手となっていくと考えています。そういった意味合いにおきまして、
神奈川県としても今後、こうしたNPOの基盤強化を目指したプログラムを実施していこうというふうに考えています。
そこで、今年度から、新しい公共支援事業も24年度で終わりましたので、それを引き継ぐような形で「かながわ
ボランタリー活動推進基金21」の中に、「
ボランタリー活動成長支援事業」を創設いたしまして、活動基盤強化のための支援を、団体の実情に合わせた個別指導により行っています。
また、この事業は、NPOを支援するNPO、いわゆる中間支援組織という言葉が使われていますが、こういった団体がNPOの活動基盤を強化する支援策を提案してもらうというところにも、この事業の特色があります。その提案事業を、県が中間支援組織に委託することでNPOに対する支援のノウハウを、その受託者自身が蓄積してもらうということなどを通して、中間支援組織の育成と強化を図り、民が民を支えるという体制の構築も目指してまいりたいと考えております。
松崎: 詳しくご答弁をいただきました。
地域の課題解決のために様々な分野で活躍しているNPOがありますが、まだまだ、多くのNPOの活動基盤は脆弱であります。引き続き活動基盤強化の支援に取り組んでいただきたいと思います。
また、一般県民の方々のNPOに対する理解をもっともっと深めていただくような機会も重要かと思います。親しみがわく、興味が深まったというふうに、県民の皆様全体でNPOの活動がより追い風を受ける形に持って行っていただくように要望します。新しい公共支援事業で生まれた、色々な形での成果というものをしっかりと受け止めて、次に繋げていっていただくよう要望させていただきます。
- 2014/02/01(土) 09:00:36|
- 神奈川県
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