神奈川県議会議員 松崎淳 公式ブログ 夢あきらめないで!

基地負担のさらなる軽減を求めて質問に立ちました

本県の基地負担の更なる軽減に向けて


(松崎)
 先月の日米合同委員会合意では、根岸住宅地区の返還に向けた協議の開始や、横須賀基地などの県内4基地における施設整備と併せ、池子住宅地区の横浜市域での家族住宅等の建設を取り止めることも承認された。
今回の合意は、本県の基地負担の更なる軽減に向けた突破口となるものであり、是非、今後の基地の整理・縮小・返還につなげていただきたいという趣旨で質問する。
 さて、この池子住宅地区での住宅建設の計画は、平成16年に日米合同委員会で合意されたが、当初、住宅建設は着手されないまま、今日までに至ったわけである。
 平成16年の日米合意に先立ち、日米で協議が行われていた段階では、横浜市域への住宅建設戸数は、およそ800戸で高層の建物により整備されるとのことであり、多くの住民が不安と困惑を抱いた。当時、確たる情報がないことから、私は、防衛省と外務省に直接赴いて、地元の声を届けたことを鮮明に記憶してる。
 その後、地元で協議会(「金沢区米軍施設建設・返還跡地利用対策協議会」)が結成され、国の計画に対し真摯に意見を聞き、地元としての要望をまとめるなど対応されてきたと承知している。
 まず、平成16年の住宅建設の合意から、地元の協議会「金沢区米軍施設建設・返還跡地利用対策協議会」からの要望などを受け、住宅建設の計画戸数が大幅に削減されてきたと承知しているが、その変遷を伺いたい。

(答)
 まず、建設戸数について、平成15年7月の日米合同委員会の施設調整部会で、池子住宅地区の横浜市域において、800戸程度の住宅等の建設と、横浜市内の4施設の返還について、日米間で認識が一致したことに遡ります。
 その後、横浜市が建設戸数を縮減するなどの提案を国に行ない、協議が行なわれた結果、平成16年10月の日米合同委員会で合意され、平成18年8月、国は700戸に縮減した基本配置計画案を横浜市に提示・意見照会しました。
 平成18年10月、横浜市は、地元の「金沢区米軍施設建設・返還跡地利用対策協議会」の意見を踏まえ、貴重な緑や自然環境の保全、道路交通問題に関する要請文を国に提出し、それらを最大限尊重した措置を講じるよう求めました。
 そこで国は、日米間で住宅等の具体的な建設計画の策定作業を実施し、平成23年7月、戸数を385戸に縮減した基本計画案を横浜市に提示し、合わせて意見照会しました。
 しかし、横浜市は、これに対しても、従来からの地元要望が満たされていないとし、平成23年11月、国に対して再び要請文を提出しました。
  これ以降、国は要請内容を考慮しつつ、日米間で最終的な基本計画の作成作業を実施し、平成26年4月の日米合同委員会で、385戸(3階建て)から171戸(2階建て)に変更することなどが合意されました。
平成26年6月、国は横浜市に対して、171戸に縮減した基本計画案を提示・照会を行ないました。また国は、地元の「金沢区米軍施設建設・返還跡地利用対策協議会」に対して同案の説明を行っています。

(松崎)
平成16年の当初の合意から14年が経過したわけであるが、なぜこのタイ ミングで建設取り止めが決定されたのか伺いたい。

(答)
 今回の合意について、国からの説明では、平成16年の日米合同委員会から10年以上が経過し、我が国を取り巻く安全保障は一層厳しさを増し、横須賀基地における艦船の運用が増大するなど、米海軍に変化が生じていること。
 そうした状況を踏まえ、米海軍の我が国における施設の希望を満たすための調整が行われ、平成16年の日米合同委員会合意を見直す必要が生じた。
 このため、日米間で協議が行われ、今回、池子住宅地区の横浜市域における住宅建設の取り止めなどについて合意された、とのことである。

(松崎)
 建設の取り止めが決定されたことについて、県の受け止めと、対応について伺いたい。

(答)
 これまで、横浜市は、地元の「金沢区米軍施設建設・返還跡地利用対策協議会」の意見を踏まえ、貴重な緑や自然環境の保全、道路交通問題に関する要請文を国に提出し、それらを最大限尊重した措置を講じるよう求めていた。
 県としても、国に、こうした地元の意向について尊重することや情報提供について働きかけてきた。  こうしたことから、今回の建設取り止めの決定を期に、改めて地元への丁寧な説明を行うことを国に求めたところである。
 国においては、11月20日に開かれた、「金沢区米軍施設建設・返還跡地利用対策協議会」に出席し、改めて、合意内容について説明を行ったと承知している。
 今後も、地元に対し、丁寧な対応を行うよう求めていく。

(松崎)
池子住宅地区の横浜市域については、住宅建設が取り止めになったことで、米軍住宅地区として提供理由はなくなったと考えます。池子住宅地区の横浜市域の返還については、昭和47年に、「池子接収地返還促進金沢区民協議会」が結成され、基地返還に向けた活動を行い、私も、県議会議員になってからは、顧問として活動してきました。私は、この土地については、早急に返還がされるべきと思いますが、県の認識はいかがでしょうか。

(答)
 今回の合意では、池子住宅地区の横浜市域について、住宅建設の取り止めは決定されたが、返還については触れられていない。
 また、11月20日に開かれた「金沢区米軍施設建設・返還跡地利用対策協議会」でも、国からは、横浜市域の今後の使われ方や、返還の見通しは、示されなかったと承知している
 これまで、県は、横浜市をはじめ、基地に関係する9市とで構成する「神奈川県基地関係県市連絡協議会」(県市協)を通じて、遊休化した基地等については、早期返還を重点的に求めてきた。
 今後、国に対し、更なる情報提供を求めつつ、横浜市の意向を尊重しながら、返還に向けた取組について検討していく。

(松崎)
 そういう答弁を聞くと、何か、後ろ向きの姿勢のようにも、聞こえてしまいますが。県の姿勢、そういうことでいいんですか!そこで、確認ですが、基地の返還について、日米地位協定の規定は、どうなっていましたでしょうか。

(答)
日米地位協定第2条(3項)では、米軍が使用する施設及び区域は、必要でなくなったきには、いつでも、日本国に返還しなければならない。合衆国は、施設及び区域の必要性を前記の返還を目的にたえず検討することに同意する、と規定しております。

(松崎)
 そうですね。今回の日米合意からすると、施設整備を取りやめるとのことですので、今後は、基地の使用しつづける必要性はない。基地は返還されてしかるべきである。私はそのように思いますし、地元でも、先ほど述べた「返還促進区民協議会」を中心に、返還に向けた期待が高まっています。そういう地元の意見があるということをご認識いただいたうえで、池子住宅地区の横浜市域の返還について、再度、見解を伺います。

(答)
 もともと、横浜市域の住宅建設が持ち上がる前、池子住宅地区にの返還について、県の取組は、(当時の)横浜市、逗子市の意向をもとに、横浜市域、逗子市域を区分けせずに、基地全体の将来の返還を求めるものであった。
 その後、平成16年10月の横浜市域への住宅建設等の日米合意を受け、当面の目標として、池子住宅地区の横浜市域については、約1ヘクタールの飛び地について、周辺住民が災害時に利用できる避難場所等として利用を図ることを求めてきた。
 今回、家族住宅の建設取り止め等の日米合意を受け、今後、返還等の取組をどのように進めていくのか、早急に横浜市との協議が必要であると考えている。
 そのためにも、横浜市域の今後の動向について、国に対し早期に情報提供するよう働きかけるとともに、地元意向に沿った返還等が早期に実現するよう、取り組んでいく。

(松崎)
  池子住宅地区では、過去にはオオタカの飛来が確認されるなど、貴重な生態系があると承知している。今後、住宅地区として提供される間、横浜市域での、この貴重な緑は、保存され続けると考えてよいのか。

(答)
 これまでも、米軍基地内の自然環境の保護(及び文化遺産の保 全)については、特段の配慮を行うよう国に求めてきている。  住宅建設を行う計画にあった段階でも、国は、貴重な緑や自然環境保全に係る市からの要望を米側に伝えていた。
 今回、横浜市域における住宅建設は取り止めとなったことから、当該市域において、緑地は保全されるものと受け止めている。
 今後も、自然環境の保護について、国に働きかけていく。

(松崎)
ちなみに、基地内の生態系の保護に関する米側の取組については、何か情報はありますでしょうか。

(答)
 米軍は、基地の環境管理について、日米の規制基準のうち、より厳しい基準を採用するとの考え方のもと、JEGS(日本環境管理基準)という基準を独自に定めており、自然生物の保全についても取組の対象となっています。
 特に池子住宅地区は、自然豊かなエリアであり、取組の概要について、米側の環境部の担当者から説明を受けたことがございますが、鳥類モニタリング、絶滅危惧種に指定されている植物の調査、外来種の駆除といった取り組みを行っているとのことです。

(松崎)
 横浜市は、災害時の広域避難場所として、池子住宅地区内の一部を指定している。ただ、現地を知る一個人としての感想では、ゲートは米軍により施錠されており、いざとなった時、避難所として使用できるのか甚だ疑問を持っている。 実際に、避難所として使用することはできるのか。

(答)
 横浜市は、平成5年4月から、池子住宅地区の横浜市域内の一部、2.1ヘクタールを、災害時の広域避難場所として指定している。
 基地であることから、ゲートの鍵は、米側が管理しているが、市(災害対策本部長)から、基地司令部(横須賀基地司令部)に使用及び援助のための連絡を行い、米軍の指示のもと、広域避難場所として使用することとなる、と伺っている。

(松崎)
池子住宅地区の横浜市域には、横浜・横須賀道路で分断された約1haの飛び地があり、平成16年の当初の合意では、この飛び地の返還も含まれていたが、今回の新たな合意では、飛び地の返還については一切触れられていない。この飛び地の返還に向け、これまでどういった取組を行ってきているのか伺いたい。

(答)
 池子住宅地区の横浜市域の飛び地(約1.2ha)については、平成16年の日米合意で、返還方針が合意されている。
 当時の返還の考え方としては、現在の使用が終了した時点で必要性がなくなるため、返還に向けた手続きを開始する、とされていた。
 そこで、これまでも、この飛び地を周辺住民が災害時に利用できる避難場所等として利用するという市の具体的な跡地利用の構想を示し、早期返還について、「神奈川県基地関係県市連絡協議会」を通じて、国に求めてきたところである。
 今回の合意では、この飛び地について触れられていないことに関して、国から具体的な説明はなかった。
 今後も、この飛び地については、返還に向けた調整の状況について、情報提供を求めていくとともに、横浜市と連携し、早期返還の実現を国に働きかけていく。

(松崎)
 最後に、この飛び地の返還も含め、今後、どう取り組んでいくのか伺いたい。

(答)
 本県には、人口密集地域に米軍基地が所在し、周辺地域に様々な影響を与えていることから、これまでも基地の整理・縮小・返還に取り組んできました。
 取組を進めるにあたっては、国に対し、特に遊休化した基地や、周辺住民に多大な障害を与えている基地等について、重点的に返還を求めてきました。今回の米軍家族住宅の建設取り止めは、地元の負担軽減のきっかけになりうるものと認識している。
 また、池子住宅地区の横浜市域につきましては、先生からご指摘いただきました地元の協議会(池子接収地返還促進金沢区民協議会)を含め、長い取組の経緯がございます。そうした地元の思いを取組に反映させることは大変重要であると認識しています。
 一方で、先ほど日米地位協定の規定にも言及しましたが、基地の必要性については、米側が検討するということであり、基地の返還を実現するためには、米側の理解が不可欠です。また、現時点で、今後の基地の運用について、詳細が不明であるという課題もございます。
 今後、米軍家族住宅の建設取り止めが、地元の負担軽減の契機となるよう、横浜市とも連絡を密にしつつ、国や米側への働きかけを含め、取組を進めてまいります。

(松崎)
今回の日米合意において、池子住宅地区の横浜市域での住宅建設が取り止めとなったことは、基地負担軽減の観点から、重要な決定であると受け止めている。 一方で、真の負担軽減は、地元の意向に沿った返還等の実現であり、今回の日米合意を一つの節目として、まずは飛び地の返還に向けた取組を進め、かつ、最終的には横浜市域の全体が返還されるよう、県としてしっかりと取り組んで頂くことを要望する。
  1. 2018/12/23(日) 23:20:42|
  2. 横浜市金沢区
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県の財政状況について質問に立ちました

本県の財政状況について
(松崎)
 これまで私は、中期的な財政計画や、県債管理目標の必要性を訴えるなど、財政問題について数々の提言を行ってきた。それを受け、中期財政見通しの策定が進み、県債管理目標の改定が行われ、県債残高も減少に向かうなど、財政健全化の取組みは一定の進展があったと認識している。
 一方、本県の平成31年度当初予算編成に向けては、約600億円の財源不足が見込まれており、財政運営の厳しさは変わっていない。
 本年6月の代表質問でも、中期財政見通しの見直しや、財政健全化の取組み方向について質問したところであるが、ここで改めて本県の財政状況を確認したい。
 はじめに、中期財政見通しにおける推計と、予算編成通知で明らかにされた平成31年度の財政状況の違いについて確認したい。
  まず、確認の意味で伺うが、財源不足についてはどうなっているか。

(財政課副課長)
 「中期財政見通し」の策定時点における平成31年度の推計値と、実際の平成31年度当初予算編成に向けた依命通知での財源不足とを比較すると、中期財政見通しでは 950億円となっていた財源不足額が、今回の依命通知では 600億円となり、350億円の改善が図られている。

(松崎)
 350億円の差が生じた要因は、どのように考えているか。

(財政課副課長)
 「中期財政見通し」との差の要因について、まず、歳入面では、県税収入が、企業収益の増等により、税交付金等を差し引いた実質ベースで、約430億円の増。
 一方、地方交付税と臨時財政対策債の総額は、県税収入の増などに伴い、約190億円の減。  また、歳出面では、公債費が約140億円の減など。
 これらの増減を合わせると、「中期財政見通し」における財源不足額の950億円と比べ、350億円、財源不足が縮小している。

(松崎)
 中期財政見通し策定当時と比較して、公債費が140億円減少しているという話があったが、その要因はなにか。

(資金・公営事業組合担当課長)
 大きな要素としては、現在、日銀の金融緩和の影響により歴史的な低金利環境が継続しており、中期財政見通し策定時の平成28年以降、低利で県債の発行が続いていることによる利子の減が要因としてあげられる。  また、平成26年度から県債残高が減少に転じており、こうした県債残高の減少も公債費減少の要因の一つとしてあげられる。

(松崎)
 私が訴えてきた県債残高の抑制や昨今の経済情勢を反映した利率の変動もあり、財政状況の改善に寄与しているのは喜ばしい。
 その県債現在高について伺うが、まず確認の意味で、ここ数年の現在高の推移を確認しておきたい。また、そのうち臨時財政対策債の現在高はどれくらいか。

(資金・公営事業組合担当課長)
 新たな県債管理目標を設定した平成27年度末以降の県債現在高は次のとおり。  (平成26年度末をピークに残高は減少)   
平成27年度 3兆6,011億円   
平成28年度 3兆5,677億円   
平成29年度 3兆5,061億円
 このうち、臨時財政対策債の現在高は次のとおり。  (残高は年々増加している)   
平成27年度 1兆8,155億円   
平成28年度 1兆8,477億円   
平成29年度 1兆8,617億円

(松崎)  臨時財政対策債は残高の半分以上を占める状況であり、速やかに本来の地方交付税に戻すべきである。臨時財政対策債をめぐる最近の国の状況はどうか。

(財政課副課長)
 今年の6月に国が公表した、「経済財政運営と改革の基本方針2018」、いわゆる「骨太の方針」において、臨時財政対策債等の発行額の圧縮、さらには、臨時財政対策債等の債務の償還に取り組み、国と地方を合わせたプライマリーバランスの黒字化につなげるとの方針が示された。
 今回、初めて臨時財政対策債の発行額の圧縮が明記されたが、これは、臨時財政対策債の廃止に向けた、これまでの本県や地方団体の粘り強い要望活動が一定の成果を挙げたものと受け止めている。

(松崎)
 国が地方財政制度の見直しを進めるのであれば、昔から言われている国税と地方税の問題、すなわち仕事量は地方が6割なのに、地方税は4割という問題も見直していくべきではないか。

(財政課副課長)
 現行の地方税財政制度では、地方と国の税源配分が4対6であるのに対し、歳出規模は6対4と逆転しており、地方は仕事量に見合った税源を確保できていない、という根本的な問題がある。
 問題の解決にあたっては、消費税と地方消費税の配分の見直しや、所得税から住民税への一層の税源移譲など、多岐にわたる税制の見直しが必要となるが、今後も他の地方団体と足並みを合わせ、国に改善を要望していく。

(松崎)
 次に、これも私が提案した、公債費減少の要因の一つである、市場公募債の定時償還方式の導入について伺いたい。  定時償還方式とは、家計に例えれば、住宅ローンのように、元金の返済を少しずつ進めるやり方のことである。本県でも、昨年の11月9日に初めて20年債を200億円で発売したところ、即日完売するなど、投資家にも好評である。
 まず、市場公募債への定時償還方式導入のメリットを確認したい。

(資金・公営事業組合担当課長)
 満期一括償還方式は、満期が到来するまでは利子のみを返済し、元金を返済しない方式である。投資家の需要は高いものの、満期までの間は元金が減少せず、借入額全額に対する利子を払い続ける必要がある。
 一方、毎年一定割合を定期的に返済する定時償還方式は、返済するたびに元金が減少し、それに伴い利子も減少していくため、満期一括償還方式に比べ、利子負担が小さくなるというメリットがある。

(松崎)
 では、(20年債ということで)20年間総体として利子低減効果はどれくらいと見込んでいるか。

(資金・公営事業組合担当課長)
 29年度発行の定時償還債について、同時期に同年限の満期一括償還方式の市場公募債を発行したと仮定した場合に比べ、20年間の利子総額では、約16億円少なくなる。

(松崎)
 場公募債の定時償還が公債費の減少に寄与するのであれば、その範囲を拡大すべきではないか。

(資金・公営事業組合担当課長)
 投資家の視点では、満期一括償還方式の市場公募債を購入した場合、毎年同額の利子が支払われ、満期になると元金が全額戻る仕組みのため、(単純で)管理がしやすい利点がある。
 しかし、定時償還方式の場合、毎年元金が少しずつ戻る他、毎年減っていく元金に応じ、利子も毎年減っていくことから、管理が煩雑で、これに対応できる投資家は限定的となっている。
 そのため、市場では未だ満期一括償還方式での発行が主流となっている状況である。
 本県でも、定時償還方式の県債を大量に発行し過ぎてしまうと、それを購入できる投資家が見つからず、金利の上乗せを求められたり、また、発行額を消化しきれないことも考えられる。
 したがって、定時償還方式の市場公募債の発行規模については、経済環境や金利の動向、投資家の需要動向など市場環境全般をも見極めながら、発行額や発行回数を検討していきたい。

(松崎)
 県債残高をしっかり管理していくことが将来の公債費の減額につながるものであるが、今後の公債費をどのように見込んでいるか。

(資金・公営事業組合担当課長)
 平成20年度に発生した、リーマンショックに端を発する景気低迷に伴い、平成21年度以降に大量発行を余儀なくされた臨時財政対策債の償還が本格化し、年々償還額が増えていることから、しばらくの間公債費は増加する見込み。
 今後の県債発行額や、金利の動向により左右されるため、具体的な予測は難しいが、平成28年3月に取りまとめた中期財政見通しをベースとし、仮にこの中期財政見通しで示した期間の後(33年度以降)も同額の県債を発行し続けると仮定した場合、公債費は平成30年代半ばまで増加し、ピーク時には3千数百億円程度と見込まれる。

(松崎)
 財政健全化の視点からは、「平成35年度までに県債全体の残高を2兆円台に減少」という、県債管理目標の達成は特に重要である。
 目標達成に向けて、当面の見通しはどうか。

(資金・公営事業組合担当課長)
 平成28年3月に策定した新たな県債管理目標は、27年度末の県債残高 約3兆6,000億円(3兆6,011億円)を8年間で 6,000億円以上減らそうという非常に高い目標。
 中期財政見通しをベースとして、中期財政見通し後の33年度以降も同様に県債を発行し続けると仮定した場合、目標達成は困難。
 目標達成のためには、そこからさらに毎年150~160億円程度の発行抑制が必要。
 ここ2年の当初予算編成では、2年連続で減収補塡債を発行せざるを得ない状況となっており、平成30年度末時点での状況は、目標達成の抑制と比べ、400億円強、抑制のペースが遅れている計算。

(松崎)
 県債管理目標の達成に向けて、発行抑制のペースが400億円以上も遅れているとの答弁だが、目標達成が遅れるほど、公債費負担は県財政を圧迫し続けることになり、健全財政の観点からは大問題である。
 目標達成に向けて、どのように取り組んでいくのか。

(財政部長)
 本来、国から地方交付税で措置されるべき財源が、臨時財政対策債とされてしまい、県債発行の増加を余儀なくされ続けてきた経過がある。
 現在、本県が発行している県債の約7割は臨時財政対策債であり、この部分を抑制しない限り、県債管理目標の達成は困難。
 先ほど財政課副課長が答弁したとおり、今年度の「骨太の方針」では初めて臨時財政対策債の圧縮に言及されたが、今後も引き続き、臨時財政対策債の廃止に向けて、粘り強く要望を続けていく。

(松崎)
  県債管理目標の進捗状況について、現時点で約400億円強の規模で抑制のペースが遅れているとのことである。本県は多額の臨時財政対策債を発行しているほか、ここ2年は減収補てん債も発行しているなど、このままでは目標達成は容易ではない。  県債管理目標の達成は、今後の財政運営において、公債費の縮減を図っていくうえでも大変重要なことである。ぜひ、その達成に向けて努力を重ねていただきたく、強く要望する。
新聞掲載
  1. 2018/12/17(月) 22:28:00|
  2. 神奈川県
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常任、特別の各委員会で質問に立ちました

県議会は21日まで。総務政策常任委員会では県の財政状況と基地問題を取り上げ、経済・産業振興特別委員会でも横浜湘南道路・高速横浜環状南線の整備を取り上げました。13日付朝日新聞にも掲載されています。新聞掲載
  1. 2018/12/15(土) 16:57:18|
  2. 横浜市金沢区
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県立病院の売店について質問に立ちました

【県立病院での厚生福利振興会による売店運営について】

(松崎委員)
神奈川県立病院機構に関して伺いたいと思います。まず、29年度に県は病院機構に対して、負担金を107億円も支出をしているところでありますが、この具体的な使途について、県として内容を把握しているのでしょうか。または、機構に任せきりという状況でしょうか。

(小泉県立病院課長)
 県から病院機構に対する負担金は、病院機構の運営や施設整備に対するものでございます。その使途については、負担金の積算にあたり、病院機構から詳細な資料提出やヒアリングを実施して確認しているほか、負担金を充当した事業が適切に行われているか、各年度の業務実績評価の中でしっかりチェックしております。

(松崎委員)
 続けて伺いますが、27年度からスタートした病院機構の第二期中期計画は、2年続けて22億円の経常損ということであります。この原因は分かったのですが、責任についてはどう考えていますか。

(小泉県立病院課長)
 病院機構は県から独立した法人でございまして、独立採算を基本とするということですので、病院機構が自主的に対処すべきと一義的には考えております。ただ、その一方で、病院機構の業務は公共性が高く、将来にわたり安定的かつ適切に実施される必要があることから、県と病院機構は一体となって経営基盤の強化に取り組んでいかなければならないと考えております。

(松崎委員)
 いま、2点お伺いしましたが、基本的な事柄かと思います。その確認の上に立って、この後も伺ってまいりたいと思います。病院機構の各病院のうち、神奈川県厚生福利振興会が収益事業としまして、県立病院機構の足柄上病院、こども医療センター、そして、循環器呼吸器病センターの売店事業を行っております。29年度は合計3億2,880万円の売り上げがあったということでございます。神奈川県厚生福利振興会の目的では、県民や県職員の福利厚生を行うとされていますが、県民向けと県職員向け、この事業比率はどうなっているでしょうか。

(福田職員厚生課長)
 病院の売店事業は、通院、入院される患者の皆様や、お見舞いで来院される方々、そして病院に勤務される職員、こちらは厚生福利振興会の会員となりますけれども、これを対象に実施しておりますため、県民向けと会員向けに分けて事業比率を算出することは困難でございます。ただし、一義的、一般的には、通院、入院される患者の皆様など、一般県民向けの売り上げが大半を占めており、職員など会員向けよりも事業比率は高いと考えております。

(松崎委員)
 今のご答弁ですと、まず算出することは難しい。そして、県民向けか県職員向けかといえば、県民の方々のほうが圧倒的多数なので、そちらのほうが大半であろうというお答えでございました。それでは伺いますが、振興会の収益事業の中に病院等運営事業がございますが、これは、厚生福利振興会の目的や役割との関係で、何のために行っていると整理しておられますか。

(福田職員厚生課長)
 厚生福利振興会は県民の生涯にわたる厚生福利の充実や自発的な余暇活動の支援と、県職員等の福利厚生活動の充実をもって、神奈川県民の厚生福利の新たな発展に寄与することを目的として設立された団体でございます。売店等運営事業は、会員であります県職員や病院に勤務する職員の福利厚生の向上に寄与するとともに、県立病院に通院、また入院されている患者の皆様など県民の皆様の利便性の向上にも寄与することができることから、売店等運営事業を実施していると伺っております。

(松崎委員)
 お答えの中では、会員である職員の方々の福利厚生というお言葉もありました。調べてみますと、県立病院機構においては、他の県機関と異なって会員の方々、つまり職員の方々の中に占める会員の割合は、加入率53%ということでありまして、辛うじて過半数ではあるけれども他の機関のように、例えば知事部局などのように90%を超えているという状況ではないわけであります。そうしますと、職員ではあるが会員ではない方々というのは県民という形の整理に入るのかなと、今の答弁を聞いていると思うのです。逆にそうすると、こういう考え方に立てば職員の中に厚生福祉振興会の会員がゼロ、加入率がゼロという場合であっても、県民向けが目的であるから、この事業をずっと続けていけるというふうにも解釈ができるわけであります。
次の質問をさせていただきますが、この厚生福利振興会が県立病院機構の各病院で行っている売店事業のうち、がんセンターと精神医療センターを除く3病院に限って行っているのは、どうしてなのですか。

(福田職員厚生課長)
 こちらの3病院につきましては、病院が独立行政法人化された後も、病院から依頼がございまして振興会が運営しているものでございます。なお、独立行政法人化前も振興会が運営しておりました。

(松崎委員)
 独法化を契機としてやってくれと言われたのではなく、独法化の前から行っているということでありました。つまり、引き続きやってくれと機構から依頼を受けたのかなと理解をするわけでございます。そこで、お聞きしたいのですが、健康医療局に伺いますが、がんセンターと精神医療センターにつきましては、厚生福利振興会が売店事業を行っていないわけでありますが、一体どこが運営しているのでしょうか。

(小泉県立病院課長)
 がんセンターと精神医療センターの売店は、厚生福利振興会ではない民間事業者が営業しております。がんセンターはPFIの手法で新病院を整備した際、売店などの利便施設もPFI事業の一環として整備・運営することといたしました。また、精神医療センターは平成26年度の新病院開院にあたりまして、売店や食堂などの利便施設を一括して効率的に運営することとし、プロポーザル方式の公募により事業者を選定いたしました。

(松崎委員)
 今、お答えにありましたが、がんセンターについてはPFI事業者、そして精神医療センターの売店は公募型プロポーザル。インターネットに掲載されていますが、平成26年に公募型プロポーザルを行われているということでございます。
では、逆に伺いますが、総務局からも答弁があって、3病院、つまり、こども医療センター、足柄上病院、循環器呼吸器病センター、これはいずれも独法化前からということでしたが、調べてみますと、循環器呼吸器病センターについては昭和40年から直営ということです。それから、こども医療センターについては45年から、また、足柄上病院につきましても41年からということでございまして、最長53年、だいたい50年ぐらいずっとこの振興会が行っているということでございまして、先程の精神医療センターのような取り扱いもあるわけですが、病院によって差を設けているのは、これはどうしてなのですか。

(小泉県立病院課長)
 病院によって差を設けているのは何故かというところですが、病院の売店は患者や病院の職員にとって必要不可欠なため、継続して安定的に運営する必要がありますが、療養に必要な商品の取扱いや、外来診療のない土日も営業するなどの制約があるため、これに対応できる厚生福利振興会に出店を依頼して、以来、病院の施設を貸し付ける形で運営がなされてきました。一方、がんセンターと精神医療センターは新病院の整備をきっかけに、運営の効率化に向けて売店などの利便施設を一括して運営する形にするといった工夫によりまして、PFI事業やプロポーザル方式の公募を行うことができたというものでございます。

(松崎委員)
 今の答弁を聞いていますと、かたや継続して安定的に、土日もやってもらいたいから振興会だとうこと。そして、かたや新病院ができたから、これについては民間の事業者を公募型プロポーザル等で入れていったということでございまして、病院というものに対して求められる機能と、売店が果たすべき役割ということの整理については、あまり差を設けていない考えだなと受け止められるのですが、その理由だけが異なっているという率直な感想を持つわけです。
それでは引き続き伺いますが、各病院のホームページを見させていただいたところ、足柄上病院とこども医療センターについては、民間大手のコンビニエンスストアが営業していると案内されています。そこで疑問が沸いてくるのですが、どうして厚生福利振興会の収益事業とされているのでしょうか。

(福田職員厚生課長)
 コンビニエンスストアは基本的には、フランチャイズ契約に基づくオーナー制度をとっております。厚生福利振興会も各病院からのコンビニエンスストア化の要望を受けまして、店舗のオーナーとして当該大手コンビニエンスストアとフランチャイズ契約を締結し、売店を運営しているものでございます。

(松崎委員)
 フランチャイズ契約を結んでオーナーとなっている、ということであります。それでも、単純に直営というふうに表現されているわけですが、果たして直営と言い切れるのか。フランチャイズ契約を結んでいるのであれば、その旨を明確にすべきではないのかというのが、私の受け止めです。
そこで、更に伺います、厚生福利振興会の正味財産計算書、こちらでは売店収益が3億300万円、そして、売店仕入費が1億9,600万円となっておりまして、差し引き1億円以上の利益があると読めるわけですが、実際の県立3病院での売店事業の収支はどうなのでしょうか、総務局に伺いたいと思います。

(福田職員厚生課長)
 正味財産増減計算書での売店収益は、委員お話のとおり3億300余万円でございますが、その中には、病院以外の本庁舎売店の売り上げも含まれてございます。実際の3店舗の状況としましては、売店収益が3店舗合計で3億200余万円、売店が取り扱いますその他の収益を含めた3店舗合計で3億900余万円となっております。
それに対し経常費用としましては、売店仕入費以外に売店職員の人件費、また、コンビニエンスストア運営会社に支払いますロイヤリティ、税金、それに本部の物件費など合わせますと、3億1,500余万円となりまして、収支はマイナス500余万円となります。しかしながら、病院に設置させていただいております自動販売機の手数料等の収支を合わせまして、最終的には1,000余万円の黒字となっております。

(松崎委員)
 売店事業そのものでいくと、結局、赤字なのだけども、自動販売機等を加えて辛うじて黒字というご説明でございました。29年度事業報告書、こちら総務政策常任委員会にも報告がなされていますが、これを読む限りでは黒字としか読めないわけでありまして、この黒字の額についても1億円以上かと読めるわけです。なかなか、聞いてみないと分からないというところがあるかなと思います。そしてまた、経営状況もかなり厳しいのかなと推測するわけですが、この状況、この年度までの間、売店事業はどんな推移をたどってきたのか、分かれば教えてください。

(福田職員厚生課長)
 現行の会計基準に移行いたしました、平成25年度以降の状況でお答えさせていただきます。売店等運営事業のうち、売店関連の収益には、売店収益のほか、切手、はがき等の収益や手数料等も含まれ、それに対します費用は、先程も申しました売店仕入費以外に人件費やロイヤリティ、本部の経費が含まれ、売店関連の収支では赤字が予想されたことから、自動販売機の設置も併せて行わせていただいている状況でございます。その結果、自動販売機も含めまして、3店舗の合計の収支では、毎年300余万円から1,200余万円の黒字を確保することができ、県民向けの事業の財源としているところでございます。

(松崎委員)
 赤字が予想されることから、自販機を導入してなんとか収支を合わせているということでございます。それでは、更にお聞きしますが、こども医療センターには大手のコーヒーショップが入っております。こちらは厚生福利振興会とは関係ないのでしょうか。

(小泉県立病院課長)
 こども医療センターのコーヒーショップは、厚生福利振興会ではない民間事業者が出店し運営しております。以前から病院内では、付き添いのご家族などの方が安らげる場所が必要との声が出ていたところ、全国の多くの病院に出店している事業者から提案がありまして、車椅子でも利用しやすい店舗設計など、病院内での運営ノウハウが豊富であることから導入を決めたものでございます。

(松崎委員)
 直接交渉に当たったということでございます。では更にお聞きしますけれど、厚生福祉振興会が一方では大手コンビニエンスストアのオーナーになって売店事業を運営していると。また、コーヒーショップについては病院機構が民間企業に運営を任せている。病院によって売店運営の仕方も異なる。今、伺っていくと、今の状況というのは、厚生福祉振興会の収益をなんとかバランスさせるということをやっているけれども、本体のところでは赤字になっているということでございます。特別扱いをしているというよりも、むしろ、なかなかに厳しい状況が続いているのかなと思います。
本来であれば、精神医療センターで行ったように、県立病院での売店運営、こちらは公募型のプロポーザルでより良いサービスの提供と、病院機構への収益確保にもつなげていくほうが、公平性、透明性という点で良いと思います。全国の他の公立病院の例なども見てみましても、やはり公募型のプロポーザルというものが大きなトレンド、流れであります。見直しすべき点は見直しすべきではないかと思うのですが、この点、健康医療局はどう考えていますか。

(小泉県立病院課長)
 委員のおっしゃる通り、他の病院の売店についても求められる機能を維持しながら、患者や職員へのより良いサービスの提供や収益の確保という面から、運営方法の見直しや工夫をしていくことは大変重要であると考えます。病院機構では現在、内部統制システムの整備に向けて、入札・契約のあり方についても検討を進めておりますので、県からも病院や職員の利便性の向上や収益確保、運営の透明性という観点から、さらに努力や工夫を行うよう伝えてまいります。

(松崎委員)
 ぜひ、見直すべき点は見直す、今、そういうご答弁だったと思いますので実行していただきたいと思います。私から申し上げたいのは、最初のほうの答弁で、会員である職員の方々がいらっしゃるから、その方の利便性、あるいは福利厚生のためということをおっしゃったけれども、実際には県立病院機構の振興会への加入率は53%に留まっているということでありますので、会員がいる、いないということで振興会がやるという理屈はそもそも薄かったのかなと思います。
また、がんセンターはPFI事業者、精神医療センターは公募プロポーザルということでございますから、まあ、答弁の中には土日の営業などというお考えも示されましたけれど、特別なものの販売が多いということもあったりして民間の事業者が引き受けない、そのような事情があるならばまだ説得力があると思うのですが、あえてここまで50年以上、この振興会がこれを一手に引き受けていくという、こらからも続けるという説得性はなかなか薄いのかなと思います。また、今の状況をすべて良いとは思ってはおられないようなので、ここは見直すべき点はしっかりと見直していただきたいと思います。
確かに、今回指摘したことは、病院機構全体としては色んな課題があるなかで、その中の一つ新たな課題かなと思います。2年連続で大幅な赤字ということでございますから、事業内容のチェックをもう一回全てやっていただいて、県民サービスの向上と経営改善に結び付ける努力をさらに払っていただいて、4月から体制も一新したことですから、県民の信頼回復と経営改善に取り組んでいただきたい。そして、県としても成果が着実に上がりますように、当事者意識をもって必要な指導などを行っていただくことを、答弁にもありましたけれども、さらに求めましてこの質問については終わります。

  1. 2018/12/06(木) 18:00:39|
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横浜市の県予算に対する要望

来年度の県予算に対する横浜市の要望について林市長の説明を受けました。横浜市選出県議でつくる超党派の会合に出席。要望では小児医療費助成への県助成の拡大や河川改修、#7119の県域化、特別支援学校の整備、パスポート窓口の利便性向上など議会でも関心の深い項目がだされています。さっそく要望実現に向け動きます。
  1. 2018/12/04(火) 08:26:59|
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