神奈川県議会議員 松崎淳 公式ブログ 夢あきらめないで!

僕の子どもの頃。

2010年6月8日(火)
昨年僕は自分が生まれた大阪市阿倍野区播磨町という場所を訪ねた。8歳まで暮らしたその街はとても静かでまるで時が30年くらい止まったままのように感じた。商店街のアーケードも喫茶店も食堂も時計屋も洋服店も音を立てずにじっとそのまま佇んでいた。
住んでいたのは公団住宅日曜日には川の字の真ん中でセスナ機の宣伝の音とラジオのピアノ音楽で始まるゆったりした日曜の朝が好きだった。
クリスマスには羊飼いの役をやり心斎橋で不二家に行ったがたいていの日曜日は父のサッカーの試合に連れて行かれて部員の人たちと遊んでいた。

公団住宅はベランダから中庭が見えた。羽が生えたわけでもないのにさっと飛び立ち気がつくと芝生に舞い降りていた、そんな夢を何度も見た。

商店街を抜け昔住んでいた公団住宅のあたりにくると建物が新しくなり、整然と並んだ自転車やきれいな植込みが見えてきた。
エレベータから上がって周囲の景色を見渡すと、夕日の中で遊んでいた風景を思い浮かべ、腰かけて母の帰りを待った階段のひんやりした感触が蘇った。

空はどこまでも青く澄んでいた。
振り返ると保育園に行く僕と手をつないだ父がいるように思った。

まちの匂いや感触を確かめれば確かめるほど、もうここに自分はいないと思った。そして二度とこの街を訪れることはないだろう、そんな気がした。
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